SCSIDNIKUFESIN

December 2010

31 Dec, 2010

▼2010年最後の更新。現在公開されていない部分(レビューが写真つきでなかった頃)も含めると、このホームページやり始めてから随分長いな~と、index2.htmlに1行足すことになるたびに思います。昔々からお付き合いいただいている方、ありがとうございます。
▼ということで今年一年を適当に振り返るとします。個人的に大きな事件は特にありませんでしたが、「DOIMOIの音源を出す、あわよくば2枚」「ログメンの音源を3月頃には出す」なんていう大嘘を抜かしつつ、DOIMOIが東京で度々ライブをやらせてもらえたのが大きな収穫でした。2枚目のアルバムを出してから多少でも環境が変わったのがこのまま終息しないように、来年こそ11曲か12曲のアルバムをボコッと産み落としたいところです。
それと高校時代にいつもCDの貸し借りをしていた友人が、長い空白期間を経ていきなりド・メタラーに返り咲いていたのに触発されて、自分もより愛をもって一部のメタルに接するようになったことも変化のひとつ。90年代の爪あとを負って一生過ごしていくのだなというのは年々自覚されることです。
あとはロニー・ジェイムス・ディオ逝去の報。皆さん、いま一度合掌を。
▼では以下、今年印象に残った盤リストを。思いがけず最高だったもの、期待に応えて素晴らしかったもの、日常聴きするような内容じゃなかったが衝撃は凄かったもの、よく知らずに買ってなかなか良かったものなど、まとめて合計20枚。並びは聴いた順です。
ANTHONY PHILIPS「1984」
GENESISをうすーくのばしたようなオールシンセのインスト作。牧歌的な「E2-E4」て感じでナイスでした。
ALLie「AVALANCHE」
4月のDOIMOI自主企画にも出てくれた、激情ハードコア発メタル行き?なバンドです。複雑なのにやけに耳に残る楽曲でしばらく脳内ヘヴィローテだった1枚。
IN THE WOODS...「A RETURN TO THE ISLE OF MEN」
ノルウェーの初期ゴシックブラック。今では住み分けのはっきりした二者(ゴシックとブラック)がどっちにも寄らずに混じりあった、始祖鳥のようなありがたい姿を拝めます。
MSG「SAVE YOURSELF」
今まで目に入りながらも見過ごしてきたメタルの歴史の一角にこんな最高の盤があったのかと驚いた1枚。シェンカー先生80年代最後の一発は、PRAYING MANTISも青ざめるほどの強烈な泣きがバカスカ盛られていました。
HELVETETS PORT「EXODUS TO HELL」
NWOBHMの更にダメ・サイドを凄い精度で描写した奇跡的な現役バンド。しょうもねー!と大声で叫びたくなるとてつもなさ。
EXIVIOUS「EXIVIOUS」
これは昨年末に既にMyspaceで聴きまくっていたので反則なチョイスではあるんですが、CDで入手してからも猛烈に聴いた1枚でした。歴史に残るインストメタルフュージョンの大傑作。去年のベストもCYNICにあげたし、この歳になって急にCYNIC人脈ワークスにやられてます。
TRIPTYKON「EPARISTERA DAIMONES」
買って聴いて打ちのめされて、重すぎてろくにリピートしなかった1枚。トム先生自らが歩んだHELLHAMMER~CELTIC FROST~APOLLYON SUNの流れ、およびデス/ゴシック/ブラック/インダストリアル/ダークアンビエントをこの1点に集約した、黒さ・重さともに無限大のブラックホールのようなアルバムです。
ALIAS「ALIAS」
デズモンド・チャイルド絡み、HEART人脈の良質メロハー。この一言以外の何者でもない感じですが、ヴォーカルが特に良くて、掘り出し物度の高い1枚でした。
NEVERMORE「THE OBSIDIAN CONSPIRACY」
これまでのようにまた最高傑作更新とはいかなかったですが、待ちに待った感慨の1枚ということで。このバンドだけはいつまでも気を吐いて現役でいてほしい。
VIRUS「CARHEART」
このサイトのフォームからの投稿で教えていただいたバンドです。昔VOIVODの「NOTHINGFACE」を初めて聴いたときに匹敵する衝撃を受けた、ノルウェーブラックメタル人脈の脱力奇天烈バンド。変態の限界を更新してくれました。
ABSU「ABSU」
USブラックメタルの古株。いつの間にかNWOBHM風のダサさを使いこなす汎メタルバンドになっていた最新作。
STEVE VAI「REAL ILLUSIONS: REFLECTIONS」
EXIVIOUSに更に歌をのせたようなラストの曲を中古CD屋店内でたまたま聴いて、久し振りに「今流れてるの誰ですか」をやってしまったのがこの盤。ベテランもいいとこのヴァイ大先生、進化し続けているとは凄いの一言。
IMMOLATION「UNHOLY CULT」
90年代初頭から頑張っているシブ系NYブルータルデスバンドの2002年作。ムチャクチャ機動力の上がったINCANTATIONて感じの邪悪で破滅的な内容で、ひさびさに普通のデスメタルで感銘を受けました。
CLIMB THE MIND「ほぞ」
リリース後の動きが凄いことになっている同郷名古屋のバンドの最新作。いきなり2~3段抜かすようなステップアップを遂げた前作からすると、そこからあまりに堅実に同一路線を貫いているので、このアルバムの曲をライブだけで聴いていた時は若干の当惑もあったというのが実は正直な話。しかし音源で聴き込んでみればやっぱり普通じゃない脳内残留力が発揮されたのと、以前から印象的だった歌詞が更に自由自在度を増してグレードアップしたことで(温かく響くだけではなくてしれっとコミカルな部分があることに注目したい)、比べてどうとかいうことを意識せず「大事に聴き込みたい名盤」にまたなってくれました。と思わず多めの字数を割いてしまった次第。
VIO-LENCE「ETERNAL NIGHTMARE」
USスラッシュ大名盤、リマスターからオリジナルへの買い直し。物に対する執着を満足させるためだけの無駄かと思われた買い物が、実はオリジナルの音のほうが全然良くてものすごく満足したという1枚です。
MORGANA LEFAY「SANCTIFIED」
90年代硬質様式美の掘り出し物。この塩梅を愛する人は少ないと思いますが、個人的には最高です。
THE GREAT KAT「BEETHOVEN ON SPEED」
昔から気になる存在ではあったこの人。変態狙いではなくただエキセントリックにしようとする意気込みが凄すぎて結果的に恐ろしく逸脱した音楽性になってしまった、スラッシュメタル史に潜む突然変異サウンド。
BERNIE MARSDEN「AND ABOUT TIME TOO」
ex.WHITESNAKE。70年代後半~80年代初期の湿っぽいブリティッシュハードを愛好する人なら色めき立たずにはいられない穴盤中の穴盤。
AS MEIAS「II」
「MESHUGGAHミーツ美麗エモ」の野望がここに極まったというコンパクトながらに濃厚な1枚。美しや。バンドマンとしても深ーく尊敬する人達です。
FORBIDDEN「OMEGA WAVE」
USスラッシャーの再結成作。新作を出したこと自体と、解散まで持ち続けた「変化するバンド」としてのポリシーを捨てないような内容になっていたのが嬉しかった1枚です。
何だかんだで買うものは買った2010年でした。では良いお年を。

29 Dec, 2010

▼正月休みに向かう気分って、この休みにたどり着けば何か大きいものが終わるー!という高揚感が必ずあるけど、実際はただの5連休とかであってじきにそれまでと何も変わらない日常が再開するということを上手に意識できるようにそろそろなりたい。
なんつうシケたことも思いながら、夕飯後、STIFFSLACK横ABSENTEEにて催されていた開放型忘年会(with無料鍋!)に行ってだらっとした時間を満喫してきました。行くといつも大抵、バンドマンやらレコードショップやらイベンターやらメディア関係やらといった方々と軽く交流できて、そこもABSENTEEの凄いところだと思います。「音楽を共通項に人が集まって偶発的に何かが生まれたり始まったりするスペース」なんていうと響きが良すぎる感じがしますが、それを本当に(ごくごく自然に、しかしマスター・新川さんの相当な努力によって)実現してしまっている貴重な場所。ここがきっかけで起こっていく面白いこととか、色々あればいいなー。
ATHEIST「JUPITER」

本日のレビュー:ATHEIST「JUPITER」

昨日のFORBIDDENに続き、まさかの復活作。MESHUGGAHの成功によってテクニカルメタルの系譜がようやく広く評価されるようになって、その元祖バンドのひとつとして知られた頃には3作品すべて廃盤でプレミアがつく(じきに再発)という事態にもなったATHEISTが今年リリースしたアルバムです。といっても残っているのは初代ドラマーとヴォーカルのみ。ギターヴォーカルだったケリー・シャファーがいつの間にかピンシンガーになっている!
解散前のキャリアは、1st→変則もつれ突撃型、2nd→フュージョン入り激展開型、3rd→スローダウン&ラテンフュージョン大幅導入、という変遷をたどっていて、私は断然ラスト作が好きだったのですが、ここでは2ndに最も近い音楽性が選択されています。あーあの不思議なキャッチーさはどこへ...という期待と結果のミスマッチもありつつ、出来自体は全然上々。高音域での妙なオブリが変拍子で絡むサイコ感や、テンポチェンジをダンゴ状態に連ねていく展開のしかたはまさにATHEIST節。もともと見せていた音楽性の変化も時代の流れとは何ら関係がなかっただけに、今回も、トレンドの香りを身にまとって軽く生まれ変わったとかそういうことはなく、RELAPSEの若手がいま一生懸命体得しようとしているような強烈な個性を昔から発揮していたバンドだったのだなあと確認できたという感じです。たとえばここに野太いガテラル声を乗せたら「ATHEIST~GORGUTS~初期MASTODONタイプの大型ヘンタイ新人!」みたいな扱いでちょっとした騒ぎになることと思います。
こういうオールドスクールなバンドの復活作で気になるのは、昔はあんなに適当なサウンドプロダクションだったのに、やたらにパワフルでクリアでグリッターな音になってしまいがちなこと。ATHEISTは特に、ほどよいドタバタ感とか、迫力があるのかどうかよくわからないけど凄い味のあるヴォーカリゼイションとかがバンドのよさだったりしたと思っているので、個人的願望としてはもっとポコスコした音であってほしかったなー。
[amazon.com sampler]

27 Dec, 2010

▼珍しく出来事の多い休日を送っていたおかげで、それに比例してここのところの日記の字数も膨大になってしまっていました。いかん。コンパクトであることは一生のテーマにしたいところです、できればCD棚も。
▼ということで勝手に4連休最後の昨日、新規で訪れたのは東片端の南洋の父。珍しいインドかスリランカかわかりませんがとにかく珍しいカレーが食べられる店で、カウンター数席のみの店内はニオイがかなりK.Dハポン似。名物のパイナップルカレーとポークカレーのハーフ&ハーフをいただき、辛かったけどウマかったです。容赦なく地元の味と粘度(さらさら)を再現するコロンボとはまた違った趣き。東片端はらけいこだけじゃないっす。
▼バーゲン中のサウンドベイ上前津・金山もリベンジで訪れて、金山のほうで収穫ありました。THE ALMIGHTY「JUST ADD LIFE」(ライブ盤とカップリングの限定盤に買い替え)、STEVE VAI「FIRE GARDEN」をいずれもバーゲン棚から。
▼夜はM-1見ました。場が特殊すぎてレベルが高いのか低いのか分からない勝負。瞬間最大笑いは間違いなくスリムクラブだったけどなー。
▼本日はTHE OMEGA ORDERからまた収穫届いちゃいました。今年注目の新譜2枚、FORBIDDEN「OMEGA WAVE」とATHEIST「JUPITER」。一緒に注文したENSLAVEDが入荷待ちで勝手にペンディングにされていてガッカリ、早く届いて。
FORBIDDEN「OMEGA WAVE」

本日のレビュー:FORBIDDEN「OMEGA WAVE」

SLAYER~EXODUSと渡り歩くポール・ボスタフ(Ds.)を輩出した往年のベイエリアスラッシャー、復活までは珍しい話ではないがまさかの新作。もろスラッシュだった初期2作もどこか神経質で屈折した傾向を持っていて、スローダウンした3rd・4thも、強力に歌えるシンガーを武器に、単なるグランジ感化メタルではないダークでプログレッシブな世界観を展開していた、実に懐の深いバンドで私は好きでした。
1stを想起させるジャケに「安易に直線スラッシュ化してなきゃいいなあ」と思ってまずはネットで試聴してみた今作、ひさびさに快走する2ビートと、ディープなスロウチューンの混在具合が、ちょうど解散前のバンドのキャリアを総括しつつ一歩前進するようなバランスで非常に建設的な出来です。ヘヴィな中にも乗っかりやすいコードの流れやメロディがあり「これがきょうびの汎メタル」という感じで聴けるのはNEVERMOREとも近い印象。そのNEVERMOREでサポートギタリストを務めたスティーヴ・スミスも随所で安定感あるハイテクを披露してくれてます。しかしまー何よりヴォーカルです、この太いのにクリアなハイトーン。普通にパワーメタルバンドにいても全然OKな力量を誇るこの人、もっと高い評価を得るべき逸材では。
全体の音の磨き上げが半端じゃない一方、訴求するフックにはやや欠け気味なのが惜しいですが、ラストのタイトルトラックなどは凄いスケールの名曲。ベテランが作った新作としては充分すぎる出来の1枚かと思います。
[amazon.com sampler]

25 Dec, 2010

▼何かいろいろあったのでとりあえず時系列で。
▼休日の楽しみ「早起き」を6時半頃に実行。気分がいいです。晩に控えるHADAさんのライブ(バックバンドでキーボード担当)用に練習などもしつつ、昼は近頃めっきり通い気味の鶴舞ラディッシュへ。今日もよかった...。どんな献立でも外したことはないです。
▼夕方はライブ会場である新栄パルルでリハーサルという名の練習(全員揃っての演奏はこの場が初)ののち、昨日買ったメガネの受け取りに。12月25日の栄は人が多いですね。なんでだろう。
メガネは本当に捜し歩いて、昨日ようやく見つけた品は結局のところ「今まで使っていたもの(細いメタルフレーム)とほとんど同じフォルムのセルフレーム」に落ち着いたわけですが、色具合や細部の仕上げは気に入っております。買った店は接客も的確で情報量が多く本当に参考になりました。「今、こういうタイプが人気です」「一般的に顔の縦幅の何分の1くらいのサイズが適正と言われます」という全然頼りにしたくもない一般論を教えてくれながら「こんなのどうですか」としつこく予算外の品ばかり持ってくる店、「このタイプは何々フレームでかけやすくなってます、どうぞいろいろお試しくださいね」とあんまり何の足しにもならないコメントを繰り返しよこしてくれる店など、いろいろあるもんですが、客の目的意識の有無をまず最初に判別してから適切な接客(時には退避)を心掛けてもらいたい。
▼ライブ本番までの間に近辺で夕食を済ませたいがどうしたものかと頭を悩ませていたところで、フードはまだ試したことがなかったSTIFF SLACK横のバー・ABSENTEE行きを決定。
嫁さんと2人前でカレーとタコライスを注文し、巷の好評も大納得の逸品でした。あれは。いわゆるカフェめしだとか侮れない充実感(質・ボリュームとも)!さらにこの休み限定の自家製ケーキと追加注文したチャイもいただき、もう今日はあと家帰って寝るだけちゃうかという満足感。写真撮らなかったので人のツイートから勝手に拝借しちゃってます、リョウヘイくん失敬です!
▼ちゃんと開演時刻までに間に合うように新栄パルルに戻り、HADAさんのワンマン本番。完成形の想像すらままならない前後不覚状態でのレコーディングをいくら経ようが、自信まんまんで焦点の定まった演奏ができるようになるでなし、HADAさんによる曲前カウントは演奏開始の瞬間にさっそくテンポチェンジが必要だし、ある意味音源にかなり近い形でのステージになったと思います。よたよたとしながらも頑張った。勢いでヤフオクで落札してしまったが重すぎ&でかすぎてログメンじゃ使えなかったカシオトーンも活躍した。何より温かい支援者(=オーディエンス)の皆さんに囲まれて、成功といえるイベントになっていたと思います。
▼ということで早起きのせいで眠くなってきたのでまた明日。
RACER X「STREET LETHAL」

本日のレビュー:RACER X「STREET LETHAL」

MR. BIGで有名なポール・ギルバートがデビューを飾ったバンドの1st。86年、もちろんSHRAPNELリリース。ジャケに「RACER X WITH PAUL GILBERT」と表記してしまう気持ちも納得の、異常な激弾きが大量に収められています。高速ツインギターの妙でアピールしていた2ndに比べるととにかく暴れるようなシュレッドが満載。非常に燃えます。フレージングに強烈な個性はないし、チキンピッキングなどの変則テクも常識になりつつある近頃の若手に比べるとひたすらストレートではあるものの、イングヴェイの改良版のような恐るべきスピードとクリーンさはやっぱり問答無用の凄さ。
音楽的にはMR. BIGとは90度以上違う、SHRAPNELにありがちな「速弾きのためのパワーメタル」そのもので、ロブ・ロック(IMPELLITTERI)似のハイトーンvoもいかにもにという感じ。クオリティはなかなか高く、速弾きに大して興味がなくても良質な80年代USパワーメタルとして楽しめるんでないかと思います。
[amazon.com sampler]

24 Dec, 2010

▼まず昨日23日は、新宿NINE SPICESにてDOIMOIのライブでした。私以外のドライバー陣がどんどん高速移動に慣れてきて、東名に乗ってから脱出までものの3時間半程度。
順調にリハをこなしたあと4人全員でラーメン二郎・歌舞伎町店へ赴き、「全マシ・麺カタがおすすめ」というAS MEIAS塚本さんのお導きにほぼ従って、ニンニクのみ少なめであとは全マシをコール。いやー、うまかったですわ。前回うっかりデフォルトを頼む羽目になってしまった目黒よりもヘタすりゃ良い印象。ただし大量の背脂にヴォーカル二村は完全に腸を破壊され、ライブ会場まん前のダイコクドラッグに買いに走ったストッパでなんとか正気を保っていたそうです。あと私は、量を減らしたとはいえここで結構なニンニクマンと化してしまったので、その後ライブ会場で話をした人には影響が及んでいたことと思います。すんませんした...。
今回は新曲を3曲投入したわけですが、見に来てくれた塚本さんからは「もっとザクザクが欲しい」と、伊藤さん(NINE SPICEブッキング/killie)からは「メタルっていうよりRATTとかのハードロックになったね」との感想を頂戴。自分としても変化があったつもりなので、多少残念というニュアンスが混じっていたにしても納得の意見です。次はRIDDLE OF STEELの「GOT THIS FEELIN'」からの「1985」、MESHUGGAHの「DESTROY ERASE IMPROVE」からの「CHAOSPHERE」、FOLK IMPLOSIONの「ONE PART LULLABY」からの「THE NEW FOLK IMPLOSION」みたいに、一聴してから1.5ヶ月間くらいは期待外れに似た違和感があって、そんなはずはないと思って聴き続けるとその後強力な中毒性を発揮するようなアルバムになればいいなと考えています。
とはいえできるだけ人をガッカリさせたくはないので、あと2~3曲分くらい残っている空きにはできるだけゴリゴリなやつをブッ込みたいと思います。目標ができた、がんばろう。
▼明くる本日は休みをとりました。一日遅れで討ち入ったバーゲン中のサウンドベイにて本日の収穫、まず上前津でCINDERELLA「NIGHT SONGS」(念願の外盤買い替え)、RACER X「STREET LETHAL」、JOHN WETTON「ARKANGEL」(99年)、UGLY KID JOE「MOTEL CALIFORNIA」、MY SISTER'S MACHINE「WALLFLOWER」、金山にてOPPRESSOR「AGONY」、BAD 4 GOOD「REFUGEE」(スティーヴ・ヴァイ全面プロデュースのティーンズバンド!92年)、MY SISTER'S MACHINE「DIVA」。これでトータル3Kとはうまい買い物でした。特に、絶対叩き売り値のをいつか拾ってやると思っていたMY SISTER'S MACHINEが2枚とも買えてしまったのは最高。
昼は近所のスリランカカレー屋・コロンボにて平日限定のバイキングにようやくありつき、ロフトのメガネ屋で予算の3倍のメガネをオーダー!震えた。そして夜、事あるごとに行こうとしてはタイミングが合わないこと続きだった、近所の焼肉の有名店・眞佐可へ。「午後3時以降、直接来店でのみ予約可能」「肉のオーダーは最初に紙に書いて、それ以降は追加禁止」「どれも生のまま食べられる超新鮮な肉で激ウマ」などなど特殊な条件の揃った店です。焼き具合まで細かく口出しされることがあるという風評もありましたが、現在は別にそんなことはなく。頑張って注文した「ヒレ」が異次元の食い物でした...あれは生食を推奨されますけども、表面だけが軽くザクッとする程度に炙ってからいくと、中のやわらかさとの対比がえらい事になります。名物といわれる塩ロースや定番のカルビよりも、経験したことのない甘みをもつ牛ホルモンに感動。贅沢しすぎず米で満腹感を得るつもりなら、2人で5~6皿でも全然充分満足します(少なくオーダーしようとすると「一人4皿程度が目安ですよ、追加注文はできませんので」と店の人に言われますがそれは気にしないこと)。今がそのとき、TODAY IS THE DAY!!というタイミングに是非一度訪れてみてください。
MY SISTER'S MACHINE「DIVA」

本日のレビュー:MY SISTER'S MACHINE「DIVA」

デビュー前のALICE IN CHAINSやGRUNTRUCK、SCREEMING TREESなどにメンバーの出入りがありつつ、日本での知名度は低めだし多分そこまでオーヴァーグラウンドで成功していない、シアトルグランジの重要バンドの92年1st。音のほうは若干ハードロック的な軽さ/明るさもありつつゴワンゴワンとうねりまくる、PEARL JAMやALICE IN CHAINS(歌い方はレイン・ステイリー似)みたいなそっち派とTESLATHE ALMIGHTYあたりのこっち派の中間をいくようなタイプ。KING'S Xとツアーしたというのも納得で、そう言われると鬱ムードとパワーのバランスはATOMIC OPERAなんかにも近い。今やグランジ・クラシックスとしての馨しさを放っているとともに、90年代初頭HM/HRのグランジかぶれ組にこそ骨太ロックの本質があるじゃないかという賢明な向きに積極的におすすめしたい内容。これは本当にいい買い物をしました。

22 Dec, 2010

▼久々の鶴舞KDハポンにて今日はログメンのライブ。オーディエンスとして楽しんできました、いやーよかった。そして自分達の出来は、終わったあと特に落ち込まなかったからけっこう良くできた部類だと思います。ログメンは珍しく次回の予定が年明け早々に。
1月10日 (月・祝) 名古屋 鶴舞 K.D JAPON
18:30開場 / 19:00開演
hug, wocoto, qu-ki, ログメン
前売/当日2,000円
hugは某サッタ兄さんのいるバンドで以前に共演済み。wocotoはDOIMOIでザ・フロイト企画のときにご一緒させてもらった現BUILDING(元フレアオッズ)のかたがいるバンド。qu-kiはコダマ10の2日目朝にテントサイトでカロヤカなフルート&アコギを聴かせてくれたex.GURAの落合さんのユニット。これもおすすめのイベントです。
MCで「最近いい中華料理屋を見つけた」と言ったのは飯田街道の京華亭。終演後に4人くらいで突撃して、やっぱり良かったです。みなさん大満足。食べ物屋の少ない吹上付近で、松屋以外に行きたくて路頭に迷ったら真っ先におすすめ。
▼さて明日は東京。やるぞー。
ALOHA「SUGAR」

只今のBGM:ALOHA「SUGAR」

最近できかけた曲がどうもこのアルバムに入っている曲に似てしまった気がして、確認ついでにひさびさに聴いたらやっぱり良くて軽くリピート中。普通のレビューは以前に書きました。今までは「たまたまDIZZY MIZZ LIZZY似」という主張を続けてきましたが、「根っこはGENESIS」と思って聴くとやはり相当GENESIS度が高い。カラクリ屋敷のような転調のねじ込み方とか歌メロのクセとか、表層的なところではなくて基本的な感性の部分に染み出ている感じです。改めて、いいアルバム。しばらく寝かせるとたまに聴くときの印象が変化し続ける(しかも良いほうに)作品てのはいいですね。ポストロックブームの真っ只中にこれを買った人、その文脈をスッパリ忘れて聴いてみるといろいろ発見があるかも。
[amazon.com sampler]

20 Dec, 2010

▼2~3ヶ月前に「片付けてキレイになった」と書いた自室が、なんとまだキレイであるどころか、余裕でプチ模様替えを楽しんだりして軽く感動している年末です。その余波でPCのデスクトップも常にキレイ。
長らくそんな風にできなかったことからの反動なのか、少しでも再び散らかりそうになると「ここでなし崩しになると全て終わり...」という考えが働いて、朝の準備の合間にも昨晩出しっぱなしにしたシールドを巻いてしまうような体質になったことにも感動しています。
キレイにするモチベーションの起きない既に散らかった場所(世を忍ぶ仮の会社の自分の机)では相変わらずカタストロフィックな情景を味わっていますが。あらゆる欲求のきっかけや意思決定は、そこに至る前までの習慣による影響が半分以上、ということでここ数年実行している心掛けは「ちょっと雰囲気のよさそうなだけのマイナーな70年代イタリアンプログレは(つい買って、集まってしまうからまた買うけどそのあと本当に聴かないから)もう買わない」です。
AREA「1978 (GLI DEI SE NE VANNO, GLI ARRABBIATI RESTANO!)」

本日のレビュー:AREA「1978 (GLI DEI SE NE VANNO, GLI ARRABBIATI RESTANO!)」

昨日寄った今池P-CAN FUDGEで、珍しくこれの次(デメトリオ死後)のアルバムを見かけて迷わず試聴。ZHEUL臭が抜けたあとのZAOみたいな予想通りのプログレフュージョンで、AREAの名前がついてなきゃ敢えて聴くこともなかろうと思い、もったいない気がしながらも見送ったのでした。
で久々に聴こうと思ったこの78年作。ギターレスで制作されたデメトリオ・ストラトス(Vo.)存命中最後のスタジオ盤です。そのへんのハードロックバンドでいうところの『1曲目ファストチューン、2曲目ブルージー、3曲目哀愁バラード...』みたいな感覚で定番のバルカン変拍子・中近東モード・中央アジア特殊唱法・変則ジャズロックなどなどが繰り出されるAREAフルコース的な構成ながら、煮詰まりと紙一重の研ぎ澄まされた硬度を誇り、一切ブレることのない演奏にひたすら戦慄。しかもそれを朝食に納豆をかき混ぜるくらいに平然とやるものだから、やれ変拍子だやれ何々だというのが必要以上に前に出ず、音楽として非常に洗練されたものになっています。これぞINTERNATIONAL POPULAR GROUP。
いろんな楽器の定位がやけに狭い範囲に集中していていかにもレコードという感じがする(臨場感に欠ける)ことだけがやや残念。ライブで見ていたなら一生のトラウマになるくらい壮絶だったはずの内容です。MARS VOLTAとかが好きだという人はとりあえず聴いてみておいてください。
[amazon.com sampler]

19 Dec, 2010

本日の収穫、今池P-CAN FUDGEにてDRIVE「DIABLERO」。
▼今週末の新規発掘は東別院のキッチン九。ホリデーランチと称して土日祝限定で、とんかつオリジナルソース(自家製デミソース)・ライス・味噌汁・サラダ・つけもの・コーヒーのセットが840円。調べてみると、その気になれば9000円のステーキとかを食べられる店とのこと...。200~300gはあろうかという巨大ロースカツは、ブキブキとした理想の食べ応えなのに箸でも切れるという凄いクオリティの肉で、うっすら赤みが残るくらいの揚がり具合で出てきます。あれは過去トップクラスで凄かった。23日のサウンドベイバーゲンを金山→上前津と車で行く人なんかは、その流れでぜひ寄ってみるといいです。たまにはミッキー吉野家でなく。
あと「水曜どうでしょう」で有名な鶴舞ラディッシュは普通にレストランとしても喫茶としても最高です。順調にリピート中。こちらは日曜休み・夜営業なしなのでご注意を。平日か土曜にKDハポンにライブに来た県外の人とか、行ってみるべきです。ドリンクはなにげにミルクやミルクティーが凄い。
▼DOIMOIの23日東京は演奏時間短めですが新曲多めに投入できそうです(東京で初めてのが2曲、本邦初公開が1曲)。22日晩から25日まで楽しみな予定で詰まっている!
12月22日 (水) 名古屋 鶴舞 K.D JAPON
19:00開場 / 19:30開演
ミックスナッツハウス, Sinco, ログメン
前売2,000円 / 当日2,300円
12月23日 (木・祝) 東京 新宿 NINE SPICES
17:30開場 / 18:00開演
For Less To Lake, SORA, told, curve, DOIMOI
前売1,500円 / 当日1,800円
24日は一日遅れでサウンドベイバーゲンに参戦。先月末にやった世を忍ぶ仮の休日出勤の埋め合わせとして、世を忍ぶ仮の代休を取ったことにより正月休み前の4連休なのです。
12月25日 (土) 名古屋 新栄 パルル
HADA レコ発ワンマン
18:30開場 / 19:30開演
HADA(バックバンド:渓/Ett, 神谷俊明/ジョンのサン, 杉山明弘/DOIMOI, まっち/紙コップス)ライブと自主映画上映
投げ銭制
DRIVE「DIABLERO」

本日のレビュー:DRIVE「DIABLERO」

聞いたこともないバンド名でしたが92年ZOO ENTERTAINMENT、裏ジャケにうつるメンバーはだいたい長髪で地肌に革ベストなど、ということで、ガンズブームの端くれのスリージー系でちょっと湿り気がある感じとかだったらいいなと思って試聴してみたらなかなかどうして。イントロSEからいきなり激スウィープが飛び交い、曲も相当ひとクセある変り種。ガンズブームの端くれの...というのは当たらずも遠からずではあったんですが、ガンズというよりSKID ROWの2ndぽいのを基盤にしたうえで屈折したヘヴィ&ダーク趣味も持っていて、LOVE/HATE解散前末期TESLA北欧のMASQUERADEの2ndの中間っぽいという超玄人志向。一番似ているバンドを強いて挙げるならレイ・ギランのSUN RED SUN。
声はエドワード・ホーヴィンガ(ELEGYの初代Vo)がちょっとディー・スナイダーぽくもなったようなワイルドなハイトーンで、テクニカルなギターに添えられるといかにもSHRAPNELでパワーメタルでも歌っていそうな感じ。曲が変なだけでなくてヴォーカルラインのフックもなかなか異様。イントロでオッと思わせたリードギターはやはり巧く、しかも多芸、更にそれが2人。センスレスな弾き倒しはしないで余裕のあるテクニックで楽しませてくれます。うまくやればFREAK KITCHENくらいのポジションに行けるポテンシャルのあるバンドだと思いますが、残念ながらこの1枚のみ残してどこかに消えてしまった様子。やっぱりいかんせんハミ出し・とんがり過ぎていたのか。確かにまともに感動できる曲は少ないので、名曲は求めずしてバンドの音ごと受け入れるつもりで、気になった人は探して買ってみてください。
[amazon.com sampler]

16 Dec, 2010

▼今年も一念発起して年賀状を作成。嫁さん&自分の親戚用と、ナメた真似をしても大丈夫な人用と2パターン作り、どちらもいい感じです。手にするであろうごくごく少ない皆様はどうぞお楽しみに。住所知らない方も年賀メール的なものをいただければ2パターンまとめて添付したのを返信します。元日にdoimoi@inurokuonまでお気軽にお送りください。
▼ときどき利用する(現在も3枚ばかり到着待ち)メタル系オンラインCDショップのTHE OMEGA ORDER、たまに全然メタルでも何でもないバンドも扱っていて、らしからぬジャケが目をひいたYOUNG THE GIANTていうバンドを試聴してみました。それでようやく確信したことには、今って、Apple製品のCMで流れる感じの音楽性が流行りなんですね?60年代とソウルファンク/AORとフォークと音響が、デジタルとアナログの折衷感を発しつつごくごくカジュアル(に見えるように仕立てられているけど実は凄くIQが高そう)にクロスした感じのが。そのムーブメントになんて名前がついてるのか知りませんけども、ひさびさに新しいトレンドを認知して、へーっと思っているところです。乗るなら今!3年後にはきっともう遅い。
DIZZY MIZZ LIZZY「ROTATOR」

本日のレビュー:DIZZY MIZZ LIZZY「ROTATOR」

日記本文からの流れで。なんかそんなイメージのバンドがHM/HR界にもいなかったかなーと思って辛うじて出てきたのがこれ。「グランジ」というタームがまだバリバリ生きていた94年、デンマークから登場したトリオの2nd(96年作)です。BEATLESの素朴さとイレギュラー具合とオリエンタル趣味をかなり忠実に吸い上げたメロディ/コード使いの妙と、隙間を残した生々しさ(これがグランジっぽい)の中に鋭くインテリジェントなフックを効かせまくるアンサンブル構築の妙とがハイレベルな融合を果たし、熱を込めてもあからさまな気張り感が出ないクールなヴォーカルがまた(リリースから約15年経つ現在聴いてもなお)今っぽく、こんな出る杭はちょっとくらい打たれろと思うほどのよくできたユニーク秀才バンドでした。メタラーにも新鮮な聴き所が多く、ただのオルタナ好きにも重過ぎない(質感がヘヴィという問題ではなく「あなたのその気持ちが私には重い」とか言うところの重さあるいは大仰さ)。私はあんまり素直に心酔できたことはないんですが、泥くさい感動や熱よりも「ビンビン来るデザイン」を求める向きなら(そういう人はそもそもあんまりロックを聴いてないとは思いますけど)今からでも遅くないのでぜひ聴いてみてください。

14 Dec, 2010

▼BSデジタルはときどき「荒野の七人」とか「ジョーズ」とかのド定番を21時くらいから放送してくれることがあって、昨日は「サイコ」(ヒッチコックの)。とりあえず見ました。
映画への関心はひたすら薄い私ですが、「ツイン・ピークス」を全部見たときに、これがリアルタイムで世に受け入れられていたときに放っていた衝撃が、音楽の世界も無縁じゃなかったんだなと思って(その時期のPVやら流行る曲の雰囲気そのものやらと相当リンクしていたので)、「後々の『ベタ』はこの作品が作った」と見なされるような古典は、都合よくテレビでやっていてタイミングが許せば見ておくように最近してみています。
古い映像作品はもっぱら「登場人物がこういうアクションを起こすときはカクカクシカジカについての示唆」という類型がまだ少なかった頃に、示唆的な表現というものをどうやっていたのかなというのが興味深く思われてそういうところに注意して見ます。結果、傑作といわれるものだからか知らないが、だいたいは上手いことやってるように見えますけども。あるいは「世間の人々がなんとなくその存在を感じていたことを最初に体現した人、または本当に唐突に新しいことを思いついてしまった人が大抵あとあと一番重要」という自然の摂理ゆえにオリジナルは良くて当然なだけかも知れません。
▼ようやく年賀状のデザイン作成に着手。マージンの美学とフォントパワーに頼って、できるだけ途中でプリンタのインクを交換しなくてよさそうな図柄を作ろうとしてしまう貧乏性に自分で泣ける。
METAL CHURCH「THE DARK」

本日のレビュー:METAL CHURCH「THE DARK」

おもむろにMETAL CHURCH。こちらは86年リリースの2ndです。1stはテリー・デイト、こっちはマーク・ドッドソンがエンジニアだったんですね。リリースはELEKTRA。アメリカ産正統派メタルの代表格だったといわれていますが、この時代のアメリカの「正統派」には若干の注意が必要。高校時代にはじめて聴いたときは、勇壮なメロディはどこにもないし、スラッシュメタルというほど過激ではないけど何やらダークではあるし、どこを聴けばいいんだろうと思っていたアルバムでした。これがリフの押し引きとあくまで体感的なフックが主体の、特定のラインを覚えるのではなく音全体を浴びて体験する、いわゆる「USメタル」であると合点がいったのは随分と後の話です。イアン・ギランのシャウトを聴いて開眼したというデイヴィッド・ウェインのワイルドなハイトーンも、記憶に残るメロディを探したりせず衝撃波のような類のものとして楽しめばOK。ロブ・ハルフォードのマッドさとブルース・ディッキンソンの暴れ感を同時に体現する逸材でした(R.I.P.)。
デビュー作はまだ先人の影がわかりやすくチラつく状態で、「俺らも自分でメタルを演奏できるぞ~」という喜びとテンションの高さがみなぎっているような感じだったのが、ここではもう少し大人になって、スラッシュ/パワーメタルの類型を能動的に乗りこなす姿勢が見えてきています。かつ小難しくなったり煮詰まったりしていなくて、バンドとして凄く良い状態。スコアとしてのクオリティは91年の「THE HUMAN FACTOR」が白眉でしょうが、このアルバムも諸々ひっくるめて最高傑作と言いたくなる1枚です。
[amazon.com sampler]

12 Dec, 2010

▼早起きして一人モーニングだの、バンドの練習後に軽く出掛けて昼食だの、5年ぶりに携帯の機種変更を予約だの、穏やかにすごした休日でした。近頃はあんまり世間に対してグチグチと思うこともなくて(というか情報を入れてないだけで、ヤバイと思っているんですが)、CDも大して買い漁ってないし、ほんとの日記になってしまっております。だが有益な情報は共有しようということで日記として続きを書きます。
▼モーニングに行ったコメダコーヒー荒畑店は、レシートの裏に印刷されている店舗一覧の中でもかなり最初のほうに書かれている古株で、中の雰囲気も相当。今池みたいに独自メニューはないものの、年季の入ったテーブルにマッチ箱(おそらく喫煙用に自由に使っていいやつ)が置いてあったりするような所でした。ウインナーコーヒーを頼むと温泉卵2個分くらいの生クリームが絞ってこられて朝から大歓喜(ただし単独行動だったので無表情で)。あれはリピートするわ。
▼昼は以前通りがかった記憶をもとに、徳川園近くのマックスバリューに併設されている「恵比寿カフェ」を初訪問。ロコモコのハンバーグも飛騨牛入りだというハッシュドビーフもかなり信用できる出来で、紅茶はポットで出てきます。車で行っても停められるし、千種~今池あたりで路頭に迷ったときにはオススメです。たぶん定休なしで8:00~22:00。
ついでに立ち寄ったニトリで、大学時代のバンドサークルの後輩(店員として)と、もう二人くらい見たけど若干離れていたのでそっとしておいた。
▼いま名古屋でIS03(黒)を予約すると受け取りは年明け以降です。
▼夜はこの前のアメトークを見て行く気まんまんになってしまった天下一品 栄店へ。あ、外食三昧ですが平日の食事のエコノミカルぶりは半端じゃないですので誤解のないように...。さておき栄店、風評を見ると、今まで名古屋近郊に出店していた天一とは違ってちゃんと京都の味が楽しめるとのこと。私は京都四条で「屋台」(=こっさり)を2回食べただけのライトユーザーなので忠実度のほどはわかりませんでしたが、これぞという満足が得られる出来でした。よそい放題の漬物・薬味の類がなかなかグレイトで、残り汁を私はワカメで、ヨメさんはコーンで完飲。明日はさすがに行けないが、またリピートしますよ。
▼最後にこれは役立ち情報でも何でもないですが、今仕上げ中のDOIMOIの新曲が非常にいい感じで、これのおかげで次の作品もいいのになりそうです。前作と同じやり方をするならあと2曲くらい足して来年中頃にも世に出せるんだろうけど、実際の動きはまったく未確定。というかそろそろチンタラやっていないで立ち上がらんとな。
TOMORROW'S CHILD「TOMORROW'S CHILD」

本日のレビュー:TOMORROW'S CHILD「TOMORROW'S CHILD」

まったく素性不明、とりあえずアメリカの4人組。89~92年に録られた音源を集めたアンソロジー的な唯一のリリースのようです。倒産済みかつ掘り出し物の多いドイツのDREAM CIRCLEのブツということで友人が買ったものを更に買い取った品。「2112」~「PERMANENT WAVES」の頃のRUSHテイストを絶妙に溶かし込みつつ、アンプラグドブームに乗っかってか、やけにやんわりして線の細いアンサンブルでまとめた、超絶マニアックなたとえをするなら「MARA化したNUCLEAR VALDEZ」てな感じ。うーむ、病的な90年代無名メタルフェチ以外はもう読まないでください。
NUCLEAR VALDEZ的な爽やかさを持ちつつハードロックと認識できるバンドがそもそも希少なうえ、少年のように澄んでハキハキしたハイトーンもこの手のB級サウンドには実に似つかわしく、しかもRUSHのチマチマしたプログレッシブ風なところではなく無骨なキメの感じとか、とろくて湿った曲ではBAD COMPANYすら思わせるとあって、「こんなバンドはそうそうない」度はとても高いです。TILESよりもずっとありがたい。ただそれが作品(楽曲)として素晴らしいかどうかというのとは微妙に別問題で、感動の幅も意外と狭いというのがくせもの。一生「売るか?売らないか?」と悩み続けることになりそうながらも、「俺が守ってやらないでどうする...」という気持ちも沸かせる、噛んでも噛んでも味がよくわからないスルメ盤的な1枚。
[amazon.com sampler]

11 Dec, 2010

▼ワタシも全面ゲスト参加したHADAさんの「出発」、最新のQUICKJAPANに載ったそうで、何て書かれているのか気になってしゃーないです。出来るだけ早く書店に確認しに行くつもりですが、皆さんもぜひチェックしていただいて、こらえきれなくなってCDも買ってもらえるといい塩梅です。今月25日のレコ発ワンマン(以前K.Dハポンと書きましたが新栄パルルの間違いでした)もわたくし出演予定ですので、七面鳥背負って遊びに来てください。
▼実家に帰るたびに未移送のCDの山を漁っては数枚持ち帰ってくるというのをもうずっと続けております。あんな気になる商品ばかり、しかも超潤沢な在庫量で揃えているCDショップ(しかも無料、というかプリペイド)は他にないぜ旧自室。皆さんも「もうそんなに新しいCD欲しくない、だけどつい買ってしまう、買ってもなかなか大事に出来ない」と思ったときはいったん全部どこかに隔離して、少しずつ必要かどうか確かめながら戻していくと数年は持ちますよ(いや、量によるか...)。おすすめ。
I MOTHER EARTH「BLUE GREEN ORANGE」

本日のレビュー:I MOTHER EARTH「BLUE GREEN ORANGE」

ということでまた実家からの持ち帰り組。少し前に2ndをご紹介したI MOTHER EARTHの3rdです。PEARL JAMに若干ラテンフレイヴァーを足したような、涼しい顔してグランジとミクスチャーを同時にやるような音楽性からスタートしながら、どこか思慮深さを窺わせて、RUSHのメンバーに気に入られたこともあってハードロック界(というかBURRN!)でも取り上げられてきたカナダのバンドです。このアルバムからヴォーカルが代わっていたらしいけど全然気づいてませんでした。買ったの10年以上前なのに...。
カラフルなジャケからも垢抜けたイメージを発しておりますが、エクスペリメンタルなアレンジを増やすと同時にポップ方向に振れるという意欲的な進化を果たしていて、ヴィジョンとしてはなかなか面白いものを提示しています。音圧とメロディのコンビネーションは時々SHINER風でもあり、SOUL ASYLUMかBLIND MELONかという「グランジブームでひと山当てた若いバンドが少し落ち着いた頃の薄味アメリカンフォークロック」みたいなこともやっていたり、ラテングルーヴもやっぱり隅っこに残っていたり。内容自体は違いますが、時流に向けるアンテナ具合とクロスオーヴァーっぷりはLIVING COLOURの解散前ラスト作に似た質感。惜しむらくは、メロディにしろリフにしろ、記憶に残るフックというものに欠けること。デザイン展に出品するならこれで充分クールなのだけど。名曲云々という概念は忘れて振動で音楽を聴くという向きには全編カラフルで楽しい作品だと思います。
[myspace]

9 Dec, 2010

▼STIFF SLACKにて本日の収穫、を全部正直に書くと、不届き千万のモグリだとバレてしまう...とりあえず生まれたてホヤホヤのAS MEIAS「II」ゲットしてきました。今度はひまな休日か金曜夜にでも行って隣のあぶちゃんことABSENTEE(註:今年の10月からオープンした併設のバー)でゆっくりしたい。ちなみにSTIFF SLACKにはDOIMOIのCDも置かせてもらってますので、アマゾンとか使うのも何だしタワー店頭とかじゃ見かけないし...と思っていた人はぜひ何かのついでにオーダーおねがいします。
▼いくつになっても髪の毛とヒゲの手入れが面倒で、そこにかける時間がものすごく無駄だよなと思います。ヒゲは永久脱毛して髪の毛はベストな長さで一生止まってくれたらいいです実際。もしくは、一度はやりたい海老蔵カット。身も心もスコット・イアンになるしかないのか。眉毛が足りない。
AS MEIAS「II」

本日のレビュー:AS MEIAS「II」

昨日付けでリリースになった待望の2作目です。東京のエモ/ポストコアシーン草創期に活躍した猛者(ドラムの塚本さんに至っては80年代にTHE POGOというバンドにいた大ベテラン)が集まったスーパーバンドというのは言わずもがな。
内容についてシノゴノ書く前にまず、再生をはじめた途端思わず居ずまいを正してしまうような緊張感というか、込められた気合の量に、作品としてのただならぬ重みを感じます。影響源であると公言してはばからないMESHUGGAHの流儀は、複数軸が同時進行するリズム/アンサンブルの面で敬意をもって踏襲されていて、変拍子まみれのプログレを聴き慣れているような耳でも(むしろ全然要領が違うだけに)一発で解釈するのは困難。だがしかし、集合と離散を使いこなすダイナミズムの妙と、何より瑞々しい大小のメロディの流れがヴォーカルにもギター/ベースにも仕込まれているお陰で、結果的にわけもわからぬまま楽曲にしがみついていけてしまいます。そのうち何が起こっているのか全て解析しようとするのもやめて、感じ取れるとおりに楽しむ聴き方に自然とシフトしてしまう。
これだけ複雑怪奇な作曲がされていて、ともすればオイシイのはギターのリフだけということにもなりそうなところを、各プレイヤーのスペースがちゃんとあってそれぞれがそれぞれの音を出しているというのにも驚きます。音楽的なチャレンジと同時にチームとしての充実ぶりも提示できてしまう余裕は、このバンドの外での活動も含めて各々がライフワークとして積み重ねてきている鍛錬・探求の賜物でしょう。むろん凝れば何でも良いというわけではないですけども、己のケツを真剣に蹴り続けてきた人たちによって、全てを注ぎ込んで最長到達点を目指すようにしてつくられた作品はやっぱり当然素晴らしい。と思わされる盤でした。はじめにこの作品のリリースがアナウンスされたとき「なんだフルアルバムじゃないのかー」とちょっと思いもしたのですが、聴けば納得の全5曲。実のところはシンプルでしなやか、しかしその内側に奇跡的な機構がある、という様子を写し取ったのがこのジャケなのかな?と想像しています。
[myspace]

8 Dec, 2010

▼宣言どおり一日ズレで昨日のことを書きます。昨日は夜にトゥラリカ/VIRIDIAN/CLIMB THE MINDの3組というイベントを見に新栄クラブロックンロールへ行ったのでそのことを。
▼まずは1番手トゥラリカ。最初に見たライブの感想で「OWLSミーツ54-71」と書きましたが、巷では「あぶらだこミーツカヒミカリィ」なんて形容もされることがあるようで、なんとも言いえて妙。狙い撃ちしている部分と閃いてしまっている部分のバランス、外したり避けたりする部分と崩さないように大切にしている部分のバランスがともに美しく、知性によってガイドされつつも結果的に思いがけない音楽が生まれているのが偉業です。うまくつながればAYAAからリリースされてもおかしくはない。ラスト前に披露された新曲がまたとんでもない内容で、今後の期待が更に高まります。
▼2番手VIRIDIANはこの日が初見でした。ベースレスのトリオで、この日はアコースティックセットということでアコギ・アコギ・カホンの編成。正統とひねりのブレンド具合がこれまた正統な、専門学校卒的な完成度...というか女性がフロントで全体的に前向きな空気であるというところで勝手にクラムボンが頭をよぎっただけなのですが、そういうわけで人気の高さも納得の演奏と楽曲でした。最前の2列分くらいがほとんど女性客で、確かに同性が入り込みやすい世界観だったと思います。
▼でトリにCLIMB THE MIND。大盛況の名古屋ワンマン、更に300人越えを記録した東京公演を経てすっかり燃焼しきっていた彼ら、この日は平常心で余裕の演奏という感じでした。だからグッと来ないとかではもはやなく、万全に仕上がっていて何の問題もないといったところ。「ほぞ」から5曲と、アンコールで"ロードムービー"。明らかに消化不良!!という感じでセカンドアンコールすら起きかけましたが、この日はZIP-FM絡みのイベントだったということでナビゲーターの女性がステージに現れてすんなり終了。名古屋のワンマンを見て、昂ぶりがおさまらず東京公演にも行き、この日ダメ押しのつもりが逆に飢餓感をあおられて、1月の京都も行ってしまうなんて人もいるんじゃないでしょうか?
▼終了後、夕飯のためにヨメさんと近くの中華料理屋「杏花村」へ。運悪く宴会客がいて料理を30分くらい待たされ、ようやく出てきたのを食べ終わろうという頃にCLIMB THE MIND山内君を含む打ち上げ部隊がやって来て、なりゆきで同席。DOIMOIが今池ハックフィンでライブをやると必ず転換中にスラッシュメタルを流してくれるPAナベちゃん、オフでもあの口調(異常にキーが高い)のまんまで超おもろい人です。そのまま23時半くらいまで居座り続けたのち帰宅。活力を得た平日でした。
▼長くなったので今日もレビューは割愛。THE OMEGA ORDERが全品15%OFFやってるけどどうしようかなー!と書こうと思ってから実際に書くまでの間に、ポチポチポチと数枚オーダー完了してしまいました。

7 Dec, 2010

▼昨日は自分がライブ、今日は客としてまたライブ会場へと珍しい平日2日でした。日々書くことも少ないので一日ズレで今日は昨日のことだけ書いておきます。(本当は昨日のうちにアップするつもりだったけど途中で寝落ち寸前になり完成させられませんでした...)
▼ということで昨日は得三でドイツの古株エモバンド・SOMETREEの前座をやってきました。非常にいい感じだったのでいろいろ書き記しておきます。
▼まず一番手シラオカ。以前ログメンで共演したとき、私がMCで名前を出したブライアン・アダムスを「僕も好きだった」といってギターボーカルの小池さんに声をかけてもらったというエピソードがあったりするバンドです。スローコア調のやわらかい歌ものインディロックで、工芸的なギター2本(ベースレス)の絡みと、細腕なようでタイム感は的確なドラミングによる、落ち葉の道みたいなアンサンブルが大変にナイス。ヴォーカルのほどよく日本的なフックがまたよい。以前見たときとはレパートリーがけっこう入れ替わっていて、新しい曲も非常にいい雰囲気でした。来年はじめにmapからCDが出るそうで、「オウガとteasiの間をつなぐ名古屋のニューアクト」みたいな感じできっと注目を集めるんでしょうな~今から既にうらやましい。
▼2番目はBLUE RAY DANCE。打って変わってサンディエゴスタイル直系のノイジーポストコア。落ち着いて座り見している客席をなんとか立たせようとやきもきしてそのうちヤケっぱちになってしまったステージ運びが、演奏のほうにはむしろ幸いして、これでもかオラという攻撃的なテンションに乗っかって一気に聴けてしまいました。複雑な楽曲ながら焦点のガッチリ定まった表現をするいいトリオです。
▼3番手はわれらDOIMOI。いつもの日本語英語混交カタコトMCを来日アーティストの前でやるのは、馬鹿にしてると思われるんじゃないかと思って気が引けていたのですが、今日は「とりあえずクリーンな日本語で言いたいことを言って、あとから全く同じ内容を英語で繰り返す」方式を採用。途中、SOMETREEのメンバーかスタッフか、外国人の笑い声が聞こえてきたので自分としては成功です。
▼でトリのSOME TREE。生音トロニカ的なオケをPCその他から流しながらのバンド演奏で、丹念なレイヤー表現で奥行きを作るアンサンブルはまさに円熟。エモく張り上げても全然外さない余裕のヴォーカリゼイションはやはりベテランゆえなのか。海外アーティストのお約束「落ち着いた雰囲気だと思っていた曲でもライブだとパワー全開、特にドラム」がドイツ出身の彼らにもあてはまって、音源の印象よりぐっと押しが強い。最新作「YONDER」からの曲と旧曲もまじえて約45分、パートチェンジを頻繁に挟みながらの飽きさせないステージを満喫しました。
▼終演後、そそくさと帰るのもナニだしせっかくだからSOMETREEに我々のCDでも渡していこう、でも「お疲れ様、どーも、いいステージでしたね」ってさらっとどうやって言うんだ!?という話になり、最終的には我らが外交部長・ドラマー礼一君が日本語で「おつかれさまでーす!」と切り込んで強制解決。遂にあの(知らない人とでも喋って間を持たせるという)才能は国境を越えました。みなさんも是非彼には、ライブ終了後「スッゴイよかったです、特にドラムばっかり見ちゃいました」みたいなことを話しかけて、何ヶ月か後に「この前の...」ともう一度声をかけてみてください。
▼では明日の日記は今日のトゥラリカ/VIRIDIAN/CLIMB THE MINDの件で。

5 Dec, 2010

▼昨日分の更新は今日の早朝におこないました。レビューのGREAT KATがおすすめなので未読の方はぜひ下のもご覧ください。
本日の収穫、バーゲン初日に行けないことがわかった金山サウンドベイにてBERNIE MARSDEN「AND ABOUT TIME TOO」、DESPAIR「BEYOND ALLREASON」(GRIP INC.~VOODOOCULTのヴァルデマー・ゾリクタ在籍)、500円でWHITE ZOMBIE「LA SEXORCISTO: DEVIL MUSIC VOL.1」。DESPAIRは高校の頃に買って売って、きっとレア化してるだろうし今聴いたらもしや...と思って買い直したらやっぱりそこそこ。昔の自分を信じることも時には必要なのか。WHITE ZOMBIEはこれも高校時代に、部活の同期の奴に貸されたまま事実上借りパクになってしまったアルバムで、15年越しくらいにようやく自分のを買いました。今なら返すぞーウエタケ。
▼今日からフォントサイズがちょっと小さくなりました。メイリオにしようと思ったけどなんか気持ち悪くてヤメ。WINDOWSにもヒラギノ角ゴを入れてくれ。
▼TU-KAからの流れでauユーザーの私ですが、話題のIS03、クソ高いですね...安くなんのかな...。ところで切実に教えていただきたい事で、iPhoneでこのページやDOIMOIのサイトを見てる人って固定メニューでコンテンツが隠れて読めなくなってたりしますか?ダメな場合のスクリーンショットとか送っていただけると泣きながら感謝してあなたのために1曲作ったりしますのでぜひ情報おねがいします。
BERNIE MARSDEN「AND ABOUT TIME TOO」

本日のレビュー:BERNIE MARSDEN「AND ABOUT TIME TOO」

店先で見かけてその場で「バーニーマースデンのこれがあるんだけどどうなんだっけ?」と友人に電話して、イマイチだったら譲るわといって買ってきた品。ゴメンM田君、最高です...。BURRN!ではあくまで「初期のおとぼけギタリスト」として扱われる元WHITESNAKEのバーニー・マースデンの80年リリースのソロ作。錚々たるゲスト陣だけでも凄い。ジョン・ロード、イアン・ペイス、ジャック・ブルース、ドン・エイリー、コージー・パウエル、ニール・マーレイ、サイモン・フィリップス。で内容は、WHITESNAKEの片鱗が伺えるお湿りブルーズロックも多少ありながら、全般的にはTHIN LIZZYを更にソウル/ファンク/AORっぽくしたような雰囲気。もうこうやって書くだけで悪かろうはずもないって感じですね。リードギターはほのぼのとユルく、そして意外にいい声!全然おやじっぽくなく線の細い美声がまたメロウな作風によくマッチしてます。最高。こういうのをもっとガッツリメインストリーム寄りの人にやられると個人的には「あーそうですか、いい時代もあったもんですね」止まりなんですが、そこにハードロックマナーを影だけ残した何だか気恥ずかしいキメフレーズやアレンジがぱらぱらと仕込んであって非常に楽しい。これは是非わざわざ探して買ってください。M田君も。
[amazon.com sampler]

4 Dec, 2010

本日の収穫、数年ぶりの大須RECORDSHOP ZOOにてTHE GREAT KAT「BEETHOVEN ON SPEED」。名古屋では珍しくメタルのレア盤がレア盤として(価格的に)置いてある店で、ひさびさにコーフンしました。ノーマークの方は一度ぜひ。
▼夜はパルルで速弾きカフェ(昨日までの日記でしつこく書いていた件)。PA/オペレーター/DJとしても頑張ってきました。主催のKeiさんも大満足のかなりおもろい企画でした、いやー。お客さんも思いのほか盛況。次回開催おおいに有りな空気でしたので、気になってパスした人もぜひ。とりあえずKeiさんに教えてもらった超おもろい動画を貼っときます。北欧のひきこもりが超絶ミュージシャンの演奏にくそへたな音を被せたシリーズのジェイク・E・リー編パコ・デ・ルシア編
THE GREAT KAT「BEETHOVEN ON SPEED」

本日のレビュー:THE GREAT KAT「BEETHOVEN ON SPEED」

90年ROADRACER。昔BURRN!の白黒ページの広告でよく見かけた、知る人ぞ知るキワモノギタリストです。セクシーランジェリー着用でデイヴ・ムスティンと同じ形に口を歪ませるこのブロンド女性、ブックレットでも「全宇宙で最も輝ける天才!!!!!!!!!!!!!」「21世紀のベートーヴェン!!!!!!!!!!」「GREAT KATは神!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」などとしつこく書き立てる気の狂いようで、今やアメリカのどこかで家庭でも持ってしっぽりと歳をとっているかと思うと和みます。
で音楽的には、ベートーヴェン云々から当然速弾きテクニカルスタイルを期待するのですが、そのへんの腕前はジェフ・ハンネマンがまともになった程度。とにかくクラシックをハッタリな勢いとしてだけ解釈して、異様に力んだスラッシュ/スピードメタルに落とし込むという、何だかほかでは聴いたことのない雰囲気で相当ドキドキします。押し、押し、押し一辺倒の凄まじい気迫。ラフに激走するマイナースラッシュとしての魅力はHOLY TERRORやNASTY SAVAGEにも匹敵。ヴォーカルはザビーネ・クラッセン(HOLY MOSES)ばりにダーティで煽情性充分、これはもう全然普通にかっこいいですね。集めたくなりました。やはり本当に天才なのか...
気になって調べてみたら、ジュリアード音楽院卒という経歴の持ち主らしく、しかもなんと現役でした。見よこの本気度。WINDOWS98感漂うホームページもいい感じ。興味をもった人はぜひDVDとか買ってみてください。
[amazon.com sampler]

2 Dec, 2010

▼昨日書いた件の詳細。
12月4日 (土) 名古屋 新栄 パルル(parlwr)
「速ければそれでいいんだ」
18:00開場 / 19:00開演 投げ銭制
杉山明弘(DOIMOI), 小野浩輝(HIRU)ほか
主催のKeiさん(Ett)によるコメント:
速弾き、それは男のロマン。鋼鉄の意志を持つギタリストだけに許された音楽。それは、『速弾き』という音楽、『速弾き』という独立したジャンル。いや、それは音楽さえも超越している。速弾きは『速弾き』。全てを捨てて臨むことを要求する険峻な山。
それを追求し続ける者、諦めてしまった者、それが無意味な行為だと結論付けてしまった者、今一度速弾きを見直してみようではないか。
というわけで参加者にはそのプレイと速弾きへのこだわりを10分程度内でプレゼンしていただきたい。
そして我々はそんな人達を見ながら酒でも飲もう、というイベントです。主催者もできたら参加したい速弾きギタリスト側。大音量ではないのでロック苦手な方にも優しい感じでやります。安心しておいで下さい。諸国珍味バーも営業いたします。
悩んだ甲斐あって今日の練習?でいきなり演目が確定。「GENESISハイライトメドレー」「SLAYER "War Ensemble" バケットヘッド風」「RUSH "YYZ" スティーヴ・ヴァイ風」の三本立てでお送りします。
▼んで週明けはこっち。
12月6日 (月) 名古屋 今池 得三
18:00開場 / 19:00開演
SOMETREE(ドイツ), シラオカ, BLUE RAY DANCE, DOIMOI
前売2,500円 / 当日3,000円
せっかく共演がドイツのバンドなので、NOT FRAGILEは好きか?TYRAN PACEは?SCANNERなの?といろいろ問い詰めてみたいです、絶対無理。
MACALPINE「EYES OF THE WORLD」

本日のレビュー:MACALPINE「EYES OF THE WORLD」

鍵盤も達者な黒人ネオクラギタリスト、トニー・マカパインによるリーダーバンドの90年作。ひさびさに引っ張り出して聴いています。記憶の中の印象より俄然よくてびっくり。ヴォーカル入りのバンド編成で、ソロ名義ではなく一応バンドとして名乗っているだけあって(「VANDENBERG」「WINGER」「DOKKEN」と同じ流儀)、楽曲性を最優先させた良質な歌ものアルバムになっています。WINGERの1stにかなり近い雰囲気のアーバンでシュッとしながらどこかギラついたメロハー/AORを土台に、イングヴェイ以降のクラシカルな泣きがちょっと入って若干GLORYぽい部分もありつつ、総じて実に80年代後半らしい風情をたんのうできるナイスな作風。センスレスなSHRAPNEL系パワーメタルとは全然違います。きわどい転調が時々きわどすぎて気になってしまうレベルだったりもしますが。リードギターは、曲にフィットしたメロディ弾きの合間にフラッシーな技が小爆発して、キメフレーズのお城もちゃんと建っているという理想のバランス。曲自体も良いし、トニー・マカパインは職人として超優秀な人ですね。普通に良質なメロハーが聴きたい人にもおすすめできる好盤。

1 Dec, 2010

▼更新さぼってますが、今週土曜のこの件のネタ探りと練習でギターをいっぱい弾いてます。速弾き縛りで何かやれといってギター1本で放り出されても大して面白いことをやれる気がせず、今までギタリストを自称してきた10ウン年間、何をやってきたのかと泣けてきます。だけど来てください!!
千種Rに数週間ぶりに行ったらつけ麺がマイナーチェンジしてたので報告します。まずつけ汁の器が取っ手つきの大型マグカップみたいなのになってて、これは熱くても持てるようにという配慮でしょう。レンゲを使う私には影響なし。で最大の変化、麺にぽん酢(醤油で割ったやつではなくて透明の柑橘タレのみ)がかかるように。あってもなくても満足度に変わりはないけど全然悪くないです。Rは行く度に、膝を打つようなうまさがあるのはやっぱり「汁なし」だなと思うのに、エクストリームな酸味ゆえ、ウメボシを思い出すと異常にウメボシを食べたくなるのと同じような要領でついつけ麺を頼んでしーまーいーが~ち~。
あー、今イスに座りながら寝て横に転倒して、ドラム練習パッドで頬を打ち、ギター用足置き台で腰を打ち、CDの山が崩壊して降ってきて、普通の人の部屋にはなくていいもののお陰で余計なダメージをたくさん受けて何か悲しい思いをしています。
BUCKETHEAD「THE

只今のBGM:BUCKETHEAD「THE CUCKOO CLOCKS OF HELL」

イマジナティブで面白いテクニカルギターの参考で久々に聴いてます。やはりこれは傑作。購入当時のレビューはこちらから。シュレッド能力自体もさることながら、アイディアが凄い。ORTHRELMやDYSRHYTHMIAは好きだがメタルサイドへは踏み込めてないという人は絶対聴いてみてください。
[amazon.com sampler]