SCSIDNIKUFESIN

29 Sep, 2016

思い立ってリニューアルしました!こちら

16 Mar, 2016

▼ついに季刊ペース。にわかにネタがたまったので更新します。年末年始の長期にわたりミックス作業にかかりっきりであったDOIMOIの1曲は無事OSRUMとのスプリットシングルとしてリリースされました!名古屋・東京・奈良とリリースイベントも企画していますので何卒よろしく。

▼存在を耳にしつつなんとなくスルーした人も多いかもしれない、去る3月13日に東海市芸術劇場で行われた「"鉄のまち" 東海市 鋼鉄フェスティバル N.W.O.B.H.M.を検証する! Live&シンポジウム」に行ってきまして、できる限りのリポートをしようと思います。

まず今回のキャスティングについて少しご説明しておきます。「泣くがいい 声をあげて泣くがいい」等の名言で知られるMASA ITOHこと伊藤政則は、だいたい皆さんが知っているとおりの人だと思うので割愛します。世間にはアンチもいますが、私は別に不信ということもなく、喋ってたら興味深く聞く方です。
BURRN!誌編集長の広瀬氏は、かなり保守的な嗜好を持ちながらも、有名バンドは黄金期よりも時流にちょっと流された頃のほうを褒めたり、「あなたは雇われシンガーなのではないですか?」とインタビューで発言して相手を激怒させたり、いきなり全誌をあげて特定の界隈のジャパメタを持ち上げたりと、まあいろんなところがある人ではあります。
で今回の目玉、元IRON MAIDENのシンガー、ポール・ディアノ。IRON MAIDENのシンガーを務めた人は過去に3人で(デビュー前のことまでは知りませんが)、ポール氏が歌っていたのは初期の2枚のアルバム。パンキッシュなスタイルを持っていた彼の脱退後、朗々としたハイトーンで歌えるブルース・ディッキンソンとの交代をもってバンドはワールドワイドなブレイクを遂げたという歴史があります。当時も今も「メイデンにはポールディアノ」と譲らない一定の層がいるのも事実ながら、その後のキャリアはなかなか奮わず、しかしリタイアもせず現在に至っており、若干、20時台の温泉/グルメ番組的な起用だなーという感もあるというのが正直なところ。
OUTRAGEのドラマー・丹下氏はこうしてディスカッションのパネラーとして登場するのが意外でしたが、とにかく独特なブログが一部のメタラーに愛されている人でもあります。ちなみにOUTRAGEは愛知県芸術文化選奨を受賞している82年結成のメタルバンド。

▼「あんまり売れてない」と聞いていたチケットが一度完売扱いになって、その後しれっと販売再開になり、結局どれくらいの人が集まるのか見当つかずにいましたが、金山駅から会場の太田川駅へ向かう電車に乗り込むと、「明らかにそれ」な男性数人連れの姿がチラホラ。下車するとさらに、不慣れな駅で目的の建物を探す「それ」な人がわらわらと。総じて年齢層は高め。
開始10分前くらいの時点で、ホールの1階席は8~9割の埋まり具合(2階席は未確認)。思ったより盛況で驚く。定刻ちょい過ぎでパネラー一同と今回の仕掛け人である東海市芸術劇場の館長兼芸術総監督・安江正也氏が入場。ここで客席が拍手をしながらもきっと皆内心驚愕していたことには、ポール・ディアノが車椅子に掛けている!!聞いてない!
怪我をしただの何だのと言ってましたが、とにかく夜からのライブパフォーマンスを楽しみにして来たんだとひとしきりマイペースにしゃべり倒す。演奏はするらしいとわかり、いったん安堵が広がる。

今回の趣旨について、安江氏は「レミー・キルミスターをはじめ著名なミュージシャンが高齢を迎えて相次いで亡くなっている。そういうことの後押しもあって、へヴィメタルの原点であるNWOBHMについて、当事者の語る当時の出来事や空気をまとめておきたいと考えた」的なことを説明。完全にメタラー目線ですらすらとメタルのことをしゃべる人で、聞けばこの安江氏、過去にイングヴェイ・マルムスティーンと新日本フィル交響楽団との共演を実現させた張本人との事。へヴィメタルをアカデミックに扱いつつ、弄ぶことは決してないのでこちらも安心感が持てます。(昨今の自嘲が過ぎるメタル対象化の風潮は全然好きではない)

▼シンポジウムは案の定、しゃべり慣れた(ゆえにか、声もでかい)政則氏のペースでおもに進行。「NWOBHMは、パンクで死に絶えたハードロックの焼け野原から現れた有象無象の若いバンドが、以前から活動していたベテランも巻き込んでその後の時代を作ったことに価値があった、そしてIRON MAIDENは中でも他とは比べ物にならない存在だった。へヴィメタルは明らかにハードロックとは違う新しい何かだった」という主軸に、他のパネラーも自分目線で肉付けをしていく中で、「~ていう部分でポールの意見聞きたいよね、ポールどうなの?」と時々親切にポール・ディアノに質問が振られるも、「○○、△△、□□□がIRON MAIDENを特別な存在たらしめていた。DEF LEPPARDがアメリカでブレイクした?JUDAS PRIESTが復活を遂げた?関係ない、IRON MAIDENこそがベスト」みたいな話に必ず収束するといった調子。「あの時のあのツアーがかなり時代の潮目になったと思うんだけど、どう?」と尋ねられても「あーたぶん。それはスティーヴ(・ハリス)に訊いてくれ」などと、(実はちょっと予想していたとおり)何と何が作用してかくかくしかじかの出来事を作った、それが何につながった、的な繊細な考証にはまったく興味がない様子。そのうち同時通訳の話を聞くのを明らかに面倒くさがりだして、ついには「怪我してる脚が痛くて、帰ったら手術が必要なんだけど、とにかく今夜のパフォーマンスに全力を注ぎたい、俺は今日そのため(だけ)に来た」などとゴネて、まさかの中座。館長に車椅子を押され、客席から複雑な拍手で送り出されるポール。

▼取り残された政則氏、広瀬氏、丹下氏(のちに館長も戻る)で、話題は当時のへヴィメタルのセンセーションがいかほどであったか、時代の変わり目をどう感じたかというところに移行。「NWOBHMから数年遅れでLAメタルムーヴメントがあったが、あれはLAでメタルをやるとモテたからみんな集まってきただけでLA出身者なんてほとんどいなかった」「Gジャンをユニフォームみたいにしてたのは、みんなバイク乗りで、かつ革のジャケットを買う金がなかっただけ、これ本当」「スラッシュメタル初期のアングラなシーンてのは、各地に核になるレコードショップがあって、買う金がないからみんな店頭に集まって聴いてた、そのうち自分達の音源をその店に売り込みはじめてレーベルになっていった、それがのちのMETAL BLADEだったりMEGAFORCEだったり…」などなど、スキさえあれば薀蓄をねじ込む生セーソクの情報力にはやっぱりプロ感がありました。とりとめがなくなってきていたところを館長がどうにかまとめ、だいたい開始(13時)から2時間経ったか経たないかのところで、シンポジウムはいったんお開きに。「じゃその音源聴いてみましょう」みたいな気分転換タイムもなくひたすら喋るだけの2時間でしたが、途中退場者もほぼなく、客席は実に礼儀正しく話しに聞き入る様子だったのが、メタルだなという感じです。

▼ホールの外では、丹下氏の知り合いのNWOBHMコレクターの私物を展示したブースがあり、興味深く覗く。見たこともないDEF LEPPARDの7インチがあったり

名盤の誉れ高いTANKの「FILTH HOUNDS OF HADES」は各国盤色違いで6枚あったり

想像を超えるセンスのものもちらほらあったり


なかなか楽しい展示でした。

▼その後、大学時代一緒にDREAM THEATERやRUSHなんぞのコピーをしたことがある先輩の今のバンド仲間の皆さんが集まっているところにいきなり合流し(合う話があればナードは生きていける)、しばし時間をつぶしたのち夜のライブへ。シンポジウムのときからだったんですが、ドラムセットが乗っている段みたいなものに、完全にIRON MAIDENのあのロゴのフォントで「DIANNO」とプリントした幕が垂れている。メイデン代表くらいの勢いで語ってたけど、すごーく前に脱退してるよね?ともちょっと思う。

OUTRAGEの楽器3人+UNITEDギターの大谷氏(巧かった)、そしてやっぱり車椅子に乗ったポールが登場し、"Prowler"、"Wrathchild"、"Murders In The Rue Morgue"などなど往年の名曲からスタート。ヴォーカルは特に衰えることなくむしろ太さが増していて、ビリー・ミラノ(S.O.D.)がだんだん巨漢になるにつれミヴィー!て感じの倍音が効いた高音で歌うようになったのと似た感じの変化。そして、割と容赦なくKILLERSやらソロ名義の作品やら、メイデン脱退後の持ち曲も披露。ここで「この人、ほんとに『ポール・ディアノとして日本に呼ばれて、自分のライブをやりに来た』ていうスタンスだったんだな」とはっきり気付く。90年前後に活動していたKILLERSの2nd「MURDER ONE」がお気に入りなようで、そこからの選曲がけっこうな割合を占めていました。

期待したOUTRAGEの演奏は、PAがこの手の音楽に不慣れなのか機材が思うように揃わなかったのか、ドラムの激打感があんまり伝わらず、全体的にもこぢんまりとしてしまっていた印象。途中完全にボーカル以外の外音が消えたり、ポールが「コイツら行儀がよすぎて音がちっちゃい、もっと上げてくれ」とたびたびゴネるなど、大満足とはいかなかったものの、そこに100点を求める場でもないしという気もしていて、甚大なストレスにはならず。それより曲間でのポールの振る舞いがずっと、外タレお決まりの「盛り上がってんのか?お前ら、起きてんのか?」みたいな調子で、個人的にそこでちょっとずつ盛り下がる。ただアンコールでようやく、OUTRAGE安部氏がフライングVをシェンカーばさみして渾身のリードギターを聴かせてくれたのが本当に良かった。大谷氏はUNITEDのコアなイメージのわりに凄くメタルヒーローな感じで、終始流麗な速弾きでした。

文句ばっかり垂れてるみたいになってますが意義深い場面もちゃんとあって、それは曲を演奏する前にたびたび「これは何々について歌った曲」とポールが語った事。歌だけ受け継いだブルース・ディッキンソンからは出てこない話です。喋ってるときのポールも心なしか活き活きしていた気が。記憶する限り、こんなことを言ってました。
"Running Free"…「若い頃は金がなくて、まあ今もないんだが、でもカバンに100ドルだけ突っ込んでバイクでバーッと街を出ると、自由を感じられて良かったものだ。そういうことについての曲だ」(ところどころリスニングあやしいです)
"Charlotte the Harlot"…「昔、町にとある熟女がいて、彼女は町中の少年共に性交渉のしかたを教える、『地域のヤリ女(※local whoreと言っていた)』みたいなもんだった。彼女は売女のハーロットと呼ばれてた」
"Remember Tomorrow"…「昔一緒にメイデンに居たクライヴ・バーが数年前に亡くなった。クライヴとは一緒につるんで出かけたり、お互いの家に遊びに行ったり本当に親しくしていた。これから演奏する曲を作ったのは、ちょうど俺のじいさんが亡くなりそうだったときで、じいさんのために書き上げた。今日はこれをクライヴに捧げる」
など。

アンコールはちゃんと起こり、代表曲"Iron Maiden"を熱く披露し、もうだいたい有名曲はやり尽くしたという状況で最後は何をやるのかと思ったら、「これからお前らを70年代後半のイギリスの歴史に招待しよう。パンクロックも、まだできたてのへヴィメタルも、一緒に沸きあがっていたクールな時代だった」みたいなことを言って(このへんはシンポジウム本編でも触れていたこと)、アナーキー!インザ!ユーケ~~!と意外すぎるコール。OUTRAGE+UNITEDを後ろに従え、最前に陣取るコアな初期メイデンファン達を煽って「アーー、ワナベー、エナケ~」と歌わせて〆るというなんともいえない離れ業で幕を閉じたのでした。

▼終演後に立ち寄った、太田川駅にほど近い中華料理屋「東菜館 純ちゃん」がパンチーな激盛りで良かったことも記しておきます。ドンブリサイズの白飯に巨大なモモ肉のから揚げ5~6個分相当が中華あんと共につぎ込まれた看板メニュー「カイコー飯」うまいですが気をつけてください(多すぎ)。
他に書くつもりのことがあったんですが、既に長文なので今日はこのへんで。

11 Dec, 2015

▼ひどいもんで、これからは考えずにサクサク更新しますといったそばから1ヶ月空いてますが、話の流れから急遽出すことになった音源(ドイモイ、1曲のみ)のミックスにずっと苦戦していてまだ継続中です。が記憶が鮮明なうちに書いておきたい、12/5ハックでのTHE LIFE AND TIMES名古屋公演のこと。

カンザスシティエモグランジの代名詞・SHINERの元メンバーであるアレン・エプリー率いる3人組、THE LIFE AND TIMESの来日ツアーの名古屋編を、StiffSlack社長・新川さんのslavedriverと共に我々もサポートさせていただいたのです。9年前の来日時も得三で共演したんですがその頃はまだライブを総計10本もやってない頃で、しかしTHE UNDERCURRENT、NAHTとの4組というなかなか豪華な内容でした。がTLATメンバーとはあまり絡めず。今回は一念発起してかなりがっつりユニティできたので、時系列で思い出せる限り書いていきます。ツアー終わっちゃった後遺症で魂が抜けている皆さんに捧ぐ。長編です。

▼リハ入りは17時頃(出演順の逆で我々が最後)で充分だったところを、メインアクトをリハから見れるなんて最高じゃないかということで早めに会場入り。ハックのフロアのドアを開けて正面に、さっそく御大アレンが座っている。おはようございまーすと普通に言った後、目の前の御大に「ドイモイのメンバーです」と告げると、立ち上がりざまの握手とともに発せられた第一声の相槌が「あーー!cool.」と。こういうときはcoolなのかと、日常英会話スキルのなさゆえに面食らいつつ、ご一緒できてうれしい旨を伝えると、おうおうこっちも君達のバンドを楽しみにしてきたよとひとしきり親切な対応。あとでボーカル二村君(仕事で1年間アメリカ滞在歴あり)に、いきなり相槌がcoolでさーと話したら「それはどっちかというとあんまりよく知らんものに対して言いがち」と教えられ、まあ確かにと納得。とりあえずここで、「社交辞令で楽しみとか言ってみたけどまあ、また適当言っちゃったな」と後から思わせることなく、言われたことを事実にするような演奏をせねばと決意。

積み込んだ機材のセッティング待ちでしばらくひまそうな御一行。とりあえず携帯をいじるのは万国共通。東京の知人に「明日やるから来いよ」とでもメールを打っている様子だったアレンから、おもむろに「明日の会場は新宿?渋谷?」と尋ねられ、「んー、しんだいた」とはっきり答える。Shindaita これでいい?と画面を見せられ、そうOKと返事。それでもなおウェブブラウジングをしている様子だったので、同行の東京クルーから仕入れたばかりの小ネタで会話に挑戦。

私:昨日の足のケガは大丈夫ですか?キョウヘイ(註:撮影担当のツチヤキョウヘイ巨匠、昨晩アレンと宿が同室だった)が夜中に、あなたがいきなり何度もファック!ファック!って叫ぶのを聞いてビックリしたって。
(御大を挟んで向こうに座っていたベースのエリックが笑う)
アレン:そーなんだよ、暗闇で何が起きたか分かんなくて、どこかにぶつけて皮むけて、痛かったわ。
私:血出ました?
ア:いやそんなに。そのときは翌日オオゴトになったらどうしようって思ったけど、まあ大丈夫だね。あ、TILTSのTシャツ着てるね!
私:ええ、Kickstarterでバンドルで売り出してたのを買ったんです。彼らとはよくライブしますか?
ア:TILTSはまだ数回だけど、RIDDLE OF STEEL(註:TILTSのメンバーが前にやっていたバンド)はそれこそ100回くらいはやったよ。アンドリュー(註:RIDDLE OF STEEL~TILTSの人)って、何年か前、目に何かの尿がかかって大変なことになったっていう話が、アメリカの全国ニュースになったんだよ。笑ったね。(註:詳細後述)

私:昨日のディナーってあれ何だったんですか?(註:打ち上げの様子を動画でFacebookにアップしていたことについての質問)
ア:タコヤキとかだったかな。うまかったよ。
私:むちゃくちゃ熱くなかったです?
ア:おーー、そう。でも1個目で学習して、2個目からはちょっと待って冷まして食べた。
私:日本に着いて、何か変わったもの食べました?
ア:いや、特にかな。スシとかは別に好きじゃないし。日本のバーガーキング食べたよ。
私:アメリカのと違います?
ア:ちょーっとね。だいたいは同じものだ。

(註:ここから公開後追記)ア:この会場ではよくやるの?
杉:よくっていうかライブ自体、2〜3ヶ月に一度くらいですけど、その中では一番お世話になってますね。
ア:僕らもそんなもんだよ。ツアーに出たら立て続けだけど、地元じゃ3〜4ヶ月に一度だよ。皆んな飽きるからね。
杉:んなことないですよ。音源の制作ペースも早いし良いじゃないですか。
ア:そうだね、新しいものを聴いてもらえるようにはしてる。あと今回はやらないけどカバーもやるよ。最近はケイティ・ペリーとか。楽しんでるよ。ところで君の英語、発音それっぽいよね、どこかで勉強した?
杉:いや一度も海外渡航経験ないんです、MTVだけが先生っす。中学くらいから洋楽が好きで、関心が高かったんです。だから発音はこうでもコミュニケーションは苦手で。
ア:まじ??
杉:あっでも勿論中学高校で習いますよ。で、こんな風だから、ライブの時は「サンフランシスコから来たドイモイです」って言うんです。
アレン&エリック:笑
ア:今日もそれやってよ。
(追記分ここまで)

私:THE UNDERCURRENTって覚えてますか?(註:前回の来日で共演)
ア:おう!わかるよ。まだ活動してる?
私:メンバー4人中2人が地元に帰っちゃって、動いてないですね。
ア:ドラマーとシンガー?結婚したの?
私:そうです!ギターのリョウタさんは覚えてますか?
ア:ああもちろん。彼は大した男だよね。
私:彼、アンカレの後に別のバンドを組んで、アメリカに行ってデイヴ・サーディにアルバム録ってもらったんですよ。
ア:ほんと!?
私:そんでリック・ルービンに会って、DEF JAMからリリースしてやるって話にすらなって、んでも途中で解散しちゃって今はやってないんです。
ア:まじか。デイヴは昔からの友人だよ、SHINERのときに一緒にライブもよくやった。これ…dsardyってのが彼のインスタのアカウント。(といって携帯を見せる)
私:おーー。んでその幻のデモを聴かせてもらったんですけど、もうちょっとスピリチュアルというかサイケデリックというか、アンカレと少し違って、でもかっこいいです。
ア:へえ、聴いてみたいなあそれ。

▼やがてセッティングが整い、三人はステージへ。アンプ類はOSRUMの魚頭さんが全面的に面倒を見ていて、普通にローディーとして活躍している(グローブがプロっぽかった)。途中、古い知り合いらしい人が手土産片手に会いに来て、準備中のアレンが一時退席して受付近くで話し込む。空いた時間でドラムとベースのチェックを済ませ、更に暇そうにしているところで、エリックがRUSHの"Tom Sawyer"を弾き始め、クリス(ドラム)が合わせるというサービスタイムに突入。しかし押さえる音が定かでなかったようで、割とあっさり崩壊。やがてアレンが戻ってチェックし、よしとなったところでズバンと最新作冒頭曲"Again2"を演奏開始…音源そのまんますぎてびびる、というか平らな絵だと思っていたものが巨大な立体になって現れたみたいな、格が違いすぎる生演奏にひさびさに脱帽。「外タレのライブはとりあえずドラムがでかくておーってなるけど、トータルで冷静に見ればまあいろいろだ」と思うくらいにはスレた耳になってしまいましたが、TLATは音源よりも完璧と思えるようなものでした。おおかたの日本人ドラマーはマーシャルをクリーントーンのマスターボリューム2でしか使ってないようなものだと思うくらいの、しなやかなフルテンドラミング。弦の2人もそれを土台に音作りするから、そりゃもう全然別次元の世界だよなと納得。サンプラーとも器用に合わせ、ギターのコードをリアルタイムで解析してスケールにそったハモリをつける恐ろしいヴォーカル用エフェクトも快調に活躍し、完成度がすごい。

▼リハを終えると、同行クルーに連れられて近くのタコ焼き屋に行ったそうですが、あとから聞いたところ相当イマイチな店だったようです。slavedriverと自分達もリハを終え、ほぼオンタイムで本番。1番手の我々、セッティング後演奏開始前にVAN HALENの「1984」アルバム冒頭のテーマをいつも流すんですが、暗転してこれが流れた瞬間フロア後方からヤー!という歓声が。たぶんベースのエリックだったと思います。ここ最近の中でも調子よく頑張れて、終わるとステージそでに御大アレンが来ていて「グレイトショウ」と告げてくれる。握手。

▼すみやかに機材を駐車場の車にハケて、2番手slavedriver。爆音&発散に振り切っているkmkmsに比べると、新川さんのデザイナー気質が現れた音だと思っています。抽象彫刻の如く置かれていくギター×2のフレーズ群が、ベースレスゆえにコンクリ打ちっぱなし的な表情。ポストコアを標榜する国産バンドは数あれど、UNWOUND~ROADSIDE MONUMENTっぽいニオイを放つのはslavedriverをおいて他にいないのでは。

▼して、メインのTLAT。最新作「LOST BEES」からの選曲がやや多めながら、過去の作品からも印象的な曲はだいたい押さえてくれてけっこう嬉しいセットリストでした。サビでふわっと優しくなる"Tragic Boogie"いい曲だなーなど、1曲1曲しっかり噛み砕きながら、冒頭一発目の感動がまったく薄まらずに全編聴けるミラクル。現地アクトの思わぬハードロックアピールに気を良くしたのか、途中不必要に6弦をCに変えてVAN HALENの"Unchained"のリフをちょろっと弾いてすぐDに戻す、メンバー紹介で「こちらエリック・アバート、クリス・メトカーフ、そしてニッキー・シックス(註:MOTLEY CRUEのベーシスト)」「今まで嘘ついてたんだ、おれニッキー・シックスなんだわ」「名古屋から来たTHE LIFE AND TIMESです」と羽目外すなど、いい感じで楽しんでおられる様子。美麗スラッジとでもいうべき"God Only Knows"で本編を締めたあとアンコールでもう2曲披露し、会場ごと大きな感動につつまれながらの終演。

▼終わった後、アレン以外の二人とも話ができました。

私:あなたのドラミング、マキシマイザー全開!て感じでグレイト過ぎましたよ。そういや僕達の音出しのとき、ちょっとRUSHのフレーズ弾いたの気付きました?(註:"Spirit of Radio"や"Tom Sawyer"をこっそり弾きました)
ク:あー!分かったよ。あれってリハのときに僕らもやってたからっしょ。RUSHは大好きで、ツアーで来ると兄と一緒にいつも見に行ってるんだわ、20年で10回行ったな。でも直近は逃しちゃってさ。
私:RUSHのどのへんのアルバムが好きですか?
ク:やっぱり古いやつだね、「HEMISPHERES」とかそのあたり。
私:ワタシが最初に聴いたのは"Stick It Out"(註:93年発売のアルバムに収録されたひときわグランジーな曲)で…
ク:あ~、あれ初めて聴いたときは「何、このクッソつまんないの…」みたいに思ったよ、でも今は好きだね。

エリック:VAN HALENは僕ら3人ホントに好きなんだよ、やってることは違うけど、でも本当に大好き。特にデイヴ・リー・ロス時代だな。サミー・ヘイガーになってからは2~3曲いいのがあったかなってくらいで。「1984」は初めてちゃんと聴いたレコードでさ、発売当時に。
私:ワタシもそうなんです、聴いたのは92年でしたけど。
エ:最新作は聴いた?デイヴが戻ったやつ。
私:えぇえぇ、あれ最高ですね。
エ:そう!最高。
私:モダンな要素もありつつ…
エ:でもちゃんとクラシックなVAN HALENだよね。"New Tattoo"て曲は好きじゃないけど、あとは最高。 …ところでそのTILTSのTシャツ、着てるとこ写真に撮ってアンドリューに送るよ。(といって記念撮影→インスタグラムにアップされて本人からコメントがつくという奇跡な展開)

VAN HALEN絡みの会話は一部アレンとしたような気もしますが。既にちょっと時系列よくわからなくなってます。全員が全員熱くホメてくれたので、TシャツとCD一式を一人ずつに進呈。

▼人も捌けて撤収完了後、打ち上げ会場のStiffSlack横Absenteeへ移動。ここでも落ち着いてたくさん話せました。

ア:ギターあるね、ほらなんか弾いてよ
私:(VAN HALEN "Running With The Devil"を弾く)
ア:(Aメロくらいでようやく気付いて)!
私:(RUSHの"Limelight"を弾く)
アレン&ちょうどやってきたエリック:「Livin' in the limelight~」(適当に歌いだす)
ア:これ知ってる?("天国への階段"を弾き始める)
一同:笑
ア:じゃこれは?"Stairway To Hell"ていうんだけど…(むりやりメジャーキーに移し、ぐだぐだ)

ア:仕事は何やってるの?
私:ウェブサイト作る人です。御大は?
ア:僕はミュージシャンと、週に2日間くらいはバーテン。あと僕とエリックはスタジオを持ってて、ときどきレコーディングもする。
私:(ミュージシャン=TLATでの活動と思って)バーテンですか~
ア:と、ミュージシャンね。「BLUE MAN GROUP」知ってる?あのバックで、僕は青いかっこうじゃないんだけど、こんな風になって演奏すんの。(といって写真を見せてくれる)
私:おおー。楽器は何を?
ア:チャップマンスティックだよ。(註:タッピング専用で弦が10本くらいあるベースっぽい楽器)
私:!ブルーマングループといえば、この人知ってますか?(携帯の画面を見せながら)ジェフ・トゥーリック。
ア:何でジェフ知ってる!?お互い知り合いだよ。
私:彼がやってたSTOMPBOXてバンドが好きで。会ったら日本にファンがいるって伝えてください。
ア:STOMPBOX!!SHINER時代に一緒にライブもやったよ。BLUE MAN GROUPはいろんな土地にキャパの違う劇場があるんだけど、僕はシカゴの中くらいのとこで、彼はニューヨーク(註:だったと思います)のでかいとこでやってる。

私:作品のレコーディングは自前でやっちゃうんでしたっけ?
ア:いや、自分達でもやるけど、TLATの作品は人に録ってもらう。
私:でも技術的には全然やれるんですよね?
ア:むろん、自分達の仕事には自信があるんだけど、パースペクティブを損なうから…パースペクティブ、わかる?(といって携帯で調べた「客観性」の文字を見せてくれる)ほかのバンドを録るのはいいけど、自分達をとなるとダメなんだよ。
私:じゃ、自分達の作品のあらゆる要素を自分でコントロールしたいってことは考えない?
ア:そうだね、うまく行かないな。アルバムに数曲だけ入れることはあるけど。前作「NO ONE LOVES YOU LIKE I DO」のときは何をすべきかわかっててスムーズだったんだけど、最新の「LOST BEES」は難しかったな~…
私:確かに、アルバムごとに全部違いますもんね。
ア:そう。だけど全部TLATらしく聴こえるようになってると思うよ。

続いてクリスとの会話。この人は独特のおもしろいノリがあって和みます。

私:今RUSHがホームタウンに来てて入れ違いってことですか?さっき、直近のツアーを逃したって言ってましたけど。
ク:いや、3万人とか入る会場が、チケット発売後すぐにソールドアウトになるんだよ!
私:そういえば、今日やってた"God Only Knows"の一番最後のパート、RUSHの"Subdivisions"のエンディングを彷彿とさせますよね。
ク:あー!あのダァーーンタカタカタカ… ダァーーンタカタカタカ… ダァーーーン…てとこね!

ク:TILTSのTシャツだね、アンドリューとはRIDDLE OF STEELでよく一緒にやったよ。
私:アレンがさっき、アンドリューのことを「目に何かの尿が入って国民的ニュースになった」って言ってたんですけどそうなんですか?
ク:あーそうそう、何かの動物の…ちょっと害のあるやつが入っちゃって、救急で搬送されたんだって。(註:コウモリでした。→出典
私:ベースのジミー・ヴァヴァクさんもよく知ってますか?彼は今バンドは?
ク:やってないみたいだね。セントルイスのFIREBIRD(註:ライブ会場)で働いてるよ。FIREBIRDはさ~何度かやったことあるんだけど、無駄に広いもんだからお客さんが200人くらいいてもスカスカで、しかもなんかいつもシラーッとしてるんだよね…ジミーはいい奴だけど、なんでずっとあそこで働いてるのかはよく分かんないな。

ク:しかし日本はいいね。名古屋もいい街だと思う。
私:でもまあ特に見どころがないっていうか、トヨタがあるお陰だけでビッグでいられてるような都市ですから。あと、名古屋は妙(weird)な食べ物が多いんですよ。イチゴ味の、オイリーな、生クリームが上にのった、スパゲッティとか…(註:喫茶マウンテンのこと)
ク:(食い気味のタイミングで)それ食べたいね…毎日…。だって俺がweirdだから…(ニヤつく)

クリスとの話は、ヴォーカル二村君の通訳に大いに助けられました。その二村君がひと足早く帰るということでメンバーに挨拶しに行ったら、そこに私も呼ばれて、先に話を聞いた二村君曰く「シカゴでライブしたかったらいい感じにセッティングしてやるからいつでも言いなだってさ」と。思わずわはは!とリアクションしてしまいましたが、アレン先生はすこぶる真面目に、いや本当にその気があれば…と続けてくれるので、こちらもちゃんと礼を言い、即答で約束はできないけど実現の運びにもっていけたら最高です、その折にはぜひによろしく、というのを雰囲気でお伝えした次第。
おおむねアメリカ中心のロックで育って、実際そういう感じの(日本ゆえの誤読感をあまり含まない)ものを目指してやっているので、リアル・アメリカン、しかも最高に尊敬できる人達に認めてもらえたとあって、人生的な何かをいくらか達成した感すらあった日になりました。本気でお呼びがかかったときにこちらがもう存続してないということがないように、彼らがいる間は現役であろうと、勝手に心に決めております。

以上でした。関わった方々、ツアーおつかれさまでした!見ていただいた皆様もありがとうございました!来年はがんばってペース上げたいです。

6 Nov, 2015

▼ネタがなくてもスパスパ更新していくつもりが、夜な夜なの作業で滞ってました。現在、ボリュームは少ないんですがまじめな音源を作ってて、例によってミックスにてこずっております。VSTエフェクトは本当にひたすらVARIETY OF SOUNDにお世話になってます。

  • ThrillseekerXTC
    超使える2バンド(ピーキング×1、シェルビング×1)エキサイター。ベーシックなEQ調整に加えて少し色を加えたいときに重宝。
  • preFIX
    EQ、ゲート、位相の操作?がひとまとめになったもの。全面的に便利ですが、ゲートに突っ込む信号だけに個別でEQを掛けられるのがかなり便利。
  • NastyDLA
    多機能ディレイ。パンニングのパターンやモジュレーションなどいろいろあって、その割に読み込みや動作がさほど重くない(はず)。
  • FerricTDS
    使い過ぎ注意なサチュレーター。コンプを適正にかけたあと、もうちょっとギュッとなってほしいわという時にうっすらかけると便利。
  • ThrillseekerLA
    コンプ。Urei1176のエミュレート版ということで割とよく使っていたModern VSMEに似たパコンパコンとしたかかり具合を作れて、かつローカットフィルターありで使いやすい。

あと、最近ちゃんと使い始めてメチャクチャ便利だったシリーズもついでに。

  • DDMF / ColourEQ
    どう変わってるのかが視認しやすすぎる5バンドパライコ。Qをかなり絞れて、無段階で帯域を動かせるので、変なレゾナンスを拾ってしまった時にも重宝。
  • vladgsound / Molot
    定番の多機能コンプ。スレッショルド深めにして全体を均したいときなんかにかなり思い通りの効きをしてくれます。かつドライミックスがついてるので、極端にかけておいてドライ音を混ぜたりもできて便利。
  • Dr. SpeakerBlower / TNT
    ディストーション。もっぱらマルチバンドバージョンのほうを使います。地味なスネアが一瞬でエッジーに。ボーカルなどにも使えるでしょう。今までそういうことをやろうとしても、フルバンドで歪んでしまって下の方がボーボーいったり、ギターアンプのシミュレータを使って上手くいかなかったりしたので、本当に助かってます。

フリーVSTの世界は本当にどうかしてますね。このへんとインパルスレスポンス読み込み式のリバーブ(いろいろありますがワタシはSIR1を愛用)でもあれば、なくて困るものなんて無いのではと思ってますがどうでしょうか。

ログメン用に同時最大発音数4以上くらいの小さいキーボードが欲しくて、某オクで古いヤマハのポータサウンドを購入した2週間後くらいに、某オフ店頭でちょっと後の型のポータサウンドを安く見つけ、それも購入してしまった件についてご報告します。

先に買った方が、動作OKとのことだったのにどのスイッチもガリが最悪で、あらゆる接点にCAJの接点復活材を垂らしたら見事復活したので、某オフで見つけたほうも「ガリ有・全鍵反応OK」でジャンクになってるけどまあ使い物になるだろうと、余裕こいて買ってみたらハマりました。以下、似たようなケースを体験して検索し狂ってここに来た人のために実況風に書いていきます。ちなみに当方、電気や回路の知識は超ミニマムですのでご安心ください。

症状は「すべてのボタン操作は正常に反映されるが、内蔵スピーカーもラインも、ノイズまじりで蚊の鳴くようなボリュームしかない」というもの。とりあえず裏を開けてみると、よくわからない薄い金属シート(グランドっぽい)を基盤と隔てるためのスポンジが、肉そぼろのような状態でボロボロと崩壊している。それらを可能な限り取り除いても変化なし。本体を振ってみても、何かが外れたり浮いたりしているような音はせず。

やたらたくさん留めてあるネジを外して、基盤をオープン。基盤の表で何か取れかかっているものがないか見るも、目視できる異常はなし。あらゆるコンデンサやハンダの山をちょんちょん触っていっても、芳しい反応はなし。

ここで、内蔵スピーカーからの線と基盤がつながっていた箇所が、基盤のまわりの表面をちょっと巻き込んで外れるという余計なトラブルが発生。もはや普通にハンダづけをしても金属部分とつながらないので、回路上の次の接点を探してそこに直接ハンダづけし、事なきを得る。

▼このへんで、変なところを人体アースしてしまったときや、スピーカーにつながっている線をさわったときなどのブチッとかブーというノイズは、普通の音量で出ていることに気がつく。小さくて困っているシンセ音は、そういえばエフェクターの電池がなくなりそうな時のブチブチに似ている。ライン、スピーカーとも同じ症状になってしまっているのも気になる。音色切り替えなんかの操作はすべて正常だし、となると接触不良とかではなく、電源まわりで何かダメなところがあるのではという推測に至る。

ここでムスメ(4歳)が「一緒に寝よう」と言ってくる(作業時間は夜)。とりあえず布団についていって、まくらの陰で携帯から「カシオトーン 修理」で検索。2chで似たような症状に困っている人がいて、「それだけの情報じゃ分かんねーよ素人」「これだから素人は」などと散々な返信がついた後、分かってるっぽい神々が「でもコンデンサだろうな」「そう思うわ」などとコメント。そうかなと(そうだったらイヤだなと)ワタシも思ってました。

▼ムスメが寝付いて作業再開。会社の大掃除でもらってきたが使えなくてそのまま置いてあった廃ディスプレイを乱暴にこじ開けて、基盤からありったけのコンデンサを取り外す。そして見た目の大きいものから順番に、容量が同じ、耐圧は同じか大きいものを選んで、ハンダ作業でつけかえていきます。(ちなみにこのへんは、ギターのトーン回路につけるコンデンサについて少し情報収集したことがあったので、何が危険かだけギリギリ分かりました。間違ってないといいですが)

1個目(1000Mfのやや大きい円筒)、変化なし。

2個目(1000Mfのやや大きい円筒)、変化なし。

3個目(220Mfの小さい円筒)、ボー(オーボエの音)!

これか…これがコイツの音なのか…という感動が半端じゃなかったです、という話でした。

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8 Oct, 2015

▼数年ぶりのログメンのライブ無事終わりまして、こんな感じでした。温かく受け止めていただいて感謝に尽きます。先の予定もちらほら出てきてますので、何卒よろしくおねがいします。

見てる人がいるかどうか分からないブログで宣伝するのもあれですが、10/11日曜はDOIMOIで京都に赴いてgusanosのレコ発、10/17土曜はIOUEEE(ソロ)でミミコみやたまりこさん、カタリカタリ河合さんと新栄きてみてやです。ぜひに。

▼いきなりですが、ムスメが4歳になるので、わりとまじめな電子ピアノを買いました。

一応軽く情報収集した上で、名古屋市内で店頭在庫がありそうな店を探して行ってみたらほぼアコピ専門店で、しかしアコピの観点から電子ピアノ選びのポイントをしっかり聞けて、最終的にはピアノ専門メーカーの木製鍵盤のやつにしました。安くないやつです。「多少ケチったところで、それも安い買い物ではないから」理論が鮮やかに発動しました。偵察だけのつもりがポンと買ってしまうという展開に自分らが驚きましたが、よしとします。

で現物が届いて触ってみての感想を少し。手元の感触はやはりリアル。「バネで重くしているだけの他社製品と違い、本物のピアノのように、筐体で隠れた部分の奥まで鍵盤の根元が伸びている」という仕様は確かに意義深いようで、強弱の反応も自然。ただし出音のほうは、大きさにも限りのある内蔵スピーカーからそこそこのボリュームで音源が鳴るだけなわけで、アコピで育った人にとっては手←→音の感覚が一致しないストレスがそれなりにあります。生ピアノの感じに近付くまでスピーカーの音量を上げると、結局近所迷惑なレベルに到達してしまうという罠つき。「音が小さいのにまるでピアノを弾いてるみたいなピアノじゃないもの」が存在しうるか?と問うていれば、最初から分かることでした。

そうだよな~と思いつつ、夜遅くにヘッドホンでちょろっと触ってみたところ、あれっ今ちゃんと差さってるか?とヘッドホン端子を何度か確認してしまうくらいのリアルさで驚く。ステレオ感や近接感など、恐ろしく丁寧にチューンされてて、スピーカーで聴くより断然生ピアノの感覚に近い。ヘッドホンを高級なやつに替えるとなお良い(※後述)。

種類が選べるリバーブも、このためにあるといってよいんじゃないでしょうか。スピーカーの音には部屋の残響が多少は乗ってしまうわけだし。しかも密閉型/開放型/カナル型など、使うヘッドホンに合わせたファインチューンみたいなモードもついていて、高音・低音のバランスが微妙に変わる模様。もともとピアノだけで8種類くらい音色が用意されていて、それとは別にブライトネスを多段階調整したりもできるようになってるので、そのへんとの兼ね合いでしっくりくるまで徹底的に追い込めます。確かに電子ピアノのニーズを考えると、スピーカーはある程度で妥協して、ヘッドホンにそこから先を求めるというのは合理的。

途中からワタシが購入した機体についてのレビューになってしまいましたが、電子ピアノ購入を考えている人には「音量が出せる環境なら生ピアノを買ってください。そうでなければヘッドホン音声の違いをしっかり確かめて選んでください」とまとめておきます。
ついでに、ヘッドホンの能力テスト用ソースとして、電子ピアノは相当使えるということも発見しました。強音・弱音の表現、高音の明るさ、低音の量感などなど、「こうやって弾いた / こう鳴った」という関係で主観的に確認できるというのは、リファレンス音源に収まっているダイナミクスらしきものを追っかけるのと全然違ってものすごい明快です。おすすめ。

21 Sep, 2015

▼数日前にブックオフ熱田にて購入したGARY ADKINS「INNER CITY BLUES」。

匂い立つ80s流儀なエレピでシケシケ叙情モード全開、R&B的なアクが強すぎないヴォーカリゼーションで特に高音の澄み方がAOR耳にも快適。このデビュー作がちょっとヒットしてからは地味に過ごしたものの、日本のCM(マンダム「ギャツビー」)でTHE STYLISTICSの"愛がすべて"を歌ったところ一部で話題になり、変に日本で仕事がある人になったようです。

80年代AOR~フュージョン/スムースジャズに傾倒して以降、数は少ないですがたまーにこういうシャバいR&Bは安く買ったりしています。メインボーカルを管楽器に置き換えたら、音楽的にはスムースジャズと完全に同一なものもあり。フュージョン初期においてもソウル/ファンクの影響は絶大だし、長らく苦手意識があったブラックミュージックもそろそろある程度体系立てて把握したい年頃になってきました。80年代全般~90年代初頭はこんな感じのベトベト湿ったポップス寄りなやつが多かったんでしょうか。

もともとは「メロハー耳でいけばここにも同種の赤面感を嗅ぎ取れる」という考え方で、ほとんど歪んだギターがフィーチャーされていないような畑違いのポップスも聴けると気付いたわけですが、その赤面感はまったくもってメロハー(HM/HR界)固有のものではなく、R&B、ソウル、カントリー/フォーク、SSW、フュージョン…とあらゆる米英大衆音楽がどうにも強烈な引力で「AOR的洗練」の画一的なスタイルに収斂されていったのが80年代だったんだなと、実態調査(=安レコ買い)を経て今更ながら実感を新たにしている次第です。ほんとにカントリーもAORソウルもAORプログレもAOR。各界のそういうのに惹かれてブックオフ店頭でそれっぽい盤を手にとって、試聴がてらALLMUSICで評判を見てみると、「全くらしくない、バックカタログの中でもマニア以外押さえる必要のない典型的なメインストリームポップススタイルのアルバム。某という収録曲だけシングルヒットを飛ばした」みたいなことが書いてあって全然評価されていなかったりする。ジャニス・イアンジェシ・コリン・ヤングみたいにちゃんと元の器のよさと前向きな化学反応を起こしている例もありながら。

これだけ猫も杓子もデイヴィッド・フォスターな時代だったから、「オルタナティヴ」は音楽性自体の形容じゃなくそういう名前で呼ばれたということも(むろん意味と経緯は知ってましたがなお)合点がいっているところです。そのへんの潮目はしつこく興味深い。

20 Sep, 2015

▼前回の更新でちらっとだけ書いたヴェイパーウェイヴ、気になってもう少し調べてみたら、5年前くらいに発生してそこから3~4年ですでに(話題性としては)完了済みの動きだったようで。確かに検索すると一定のブレないイメージの、クオリティ的にもだいたい保証されたものが(さっきのリンクは画像ですがYoutubeやsoundcloudで音源を探しても)大量に現れて、即飽和したというのもわかる話。今見聴きしても全然おもしろいんですが。

同じように、シーン勃興早々に永久不倒の金字塔的作品が示された音楽といえば、グラインドコアが頭をよぎるわけですが、そちらは四半世紀を過ぎた今なお世界中で元気に存続してます。その差は何だろう、より物質的な活動をともなうシーンがあるかないかの差だろう。と考え始めたところから、なんだか後ろ向きなシーン論に考えが及んでしまったので自粛します。

今日実家から持ち帰ってきたJOHN GREAVES(ex.SLAPP HAPPY)の「ACCIDENT」、いい感じに居心地の悪いナチュラル・ヴェイパーウェイヴでした。82年作。

▼9年ぶりに来日のTHE LIFE AND TIMES、光栄にも再び名古屋公演をサポートさせていただきます。12月5日(土)今池ハックフィンにて、stiffslack新川さんのslavedriverといっしょです。東京→大阪→名古屋→東京と廻りますので各地の皆様ぜひどうぞ。詳細はこちらで。バンドでの取り置き連絡ももちろん受け付けています

15 Sep, 2015

▼犬印鞄製作所 帆布サイフの小銭入れにマチはあります!

犬印鞄製作所 財布

この一言とこの画像を、先週の楽天セール期間中に探し回っていました。結局、一か八かで現物を購入したので、同じことを知りたくて奔走している方々のために発表します。犬印鞄製作所の帆布製サイフのコイン入れ部分にマチは片側だけあります。

犬印鞄製作所は、一澤帆布あたりに比べると若干マイナーながら、愛好家の基盤があるらしい東京浅草のハンドメイド帆布/革小物メーカー。ここのカバンを高校生のときにたまたま買って、それから20年来、ムチャクチャ頑丈で風合いもボロくならず、最近ではソロライブで小物をいっぱい使いたい時などによく活躍しています。重いもの入れても全然安心。

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いっぽうサイフは社会人として恥ずかしいレベルの安物を何年も使ってたのですが、いよいよボロの極みになり、そろそろ買い換えるかと思ってもファッション小物に関する知識などゼロなのでどうしようかと思い悩むうち(楽天セールのたびに思い悩んでいたので「思い悩む」と言っても言い過ぎではないレベル)、信頼と実績とかわいい犬マークを備えた犬印鞄の存在を思い出して即物色開始。しかしオフィシャルの写真を見ると小銭入れは本体の外にくっついており、いかにもガバッと開かなそうな見た目。いわゆる「札入れ」的ニュアンスの品物なのではないかと疑う。あらゆる手で検索をしても「このサイフの小銭入れ部分にマチがある」という決定的情報がどこにもない。何なら、「小銭入れがちょっと使いにくい」という評判すらある。だが俺は犬好きだし犬印鞄も好きだし、ちょっとくらい使いづらくても愛し通す覚悟はあるぞというモードにだんだんなってきて、購入。

結果、見つかった少ない画像から予想したとおりだったんですが、冒頭の写真のように小銭入れ部分の片側だけにマチがあるスタイルだったわけです。そしてこの小銭入れがちょっと使いづらいのは本当です。両側マチありにしたって、さほどスマートさを欠くこともなかったのではと思うんですが、レジでオタオタする度に、ああ自分はこの散々迷ったやつを実際に手に入れたんだなと噛み締めることができ、悪くはない気分です。あと、ボタンが硬くて2つ折りの開閉にけっこう力が要ります。内側の札入れはファスナーつきになっていますが、2つ折りをバ!バ!と開けて(※ボタン2つの音)更にファスナーをジッとやるのはわりと面倒なので開けっぱなし。それでも先述の覚悟が発動しているので、さっさと買い換えたいなどとは一切考えていません。浅草に行くことがあったら実店舗に寄りたい。

犬印鞄製作所 オフィシャルサイト

▼音楽ネタも多少。FIELD MUSICがいるMEMPHIS INDUSTRIESのYoutubeチャンネルから出発していろいろ見ていたときに出てきたMACINTOSH PLUS

80年代ポップスの音源を、テンポを変えてミックスした「スクリュー・ミックス」なるものとの事です。関連動画を見る限り、類似するアーティストもいるようですが、この手の動きに何かしら名前はついてるんでしょうか。→ヴェイパーウェイブというそうです。なんでもいいけど、悪意すら感じるジャケデザインに唸りました。

90年代に70年代ロック風のものが帰ってくると、まだ3単位(70、80、90)しか経とうとしてない段階での推測で「ロック10年周期説」が唱えられたりしたのもなんだか懐かしい記憶です。80年代のダサさ再現もずいぶんディープなところまできましたが、そういう(10年周期説的な)計算で今が80年代なんだという感じはしませんね。対象化が完了し「敢えての」が成立するようになったあとは、もう二度とかつて(一度目の衰退)と同じ意味でダサくなるこも、まして初回登場時の存在感が戻ることもなく、部品としていろんなローカルな小トレンドの中で選択/活用されていくのみというか。(HM界における「メタルにもう一度80年代の輝きを、新しいカリスマの登場を」みたいな言説はもう落ち着いたでしょうか。結果的に復権はじゅうぶん果たした気がしますが。)

部品の在庫が潤沢になったせいなのか、新規の「強烈な同時代性」ってもうあんまりないんだなと寂しく思ったり、似たようなかたまりが新しく流行ったら流行ったで「乗っかってみたようだけどいつまでそういう風だろう」と思ったり、そう思うのって歳取ったせいだろうな~と思ったりしています。

12 Sep, 2015

▼戻りました。長期間放置してるあいだ、「CDをバカスカ買うという前提があったゆえに成り立っていたこのブログ、生活が変化して同じようにやっていくネタもなくなって、どう活用していくか」を人知れず思案しながら、懲りずにギターの運指練習のパターンを考えて実践したり、曲を作ろうとして眠くなったりしていました。

で、たまにFacebookとかで個人的に追っかけてるバンドのことを書いてもあんまり反応なかったりして、そういうことは元々ここに書いていたではないかと、原点に返って(買ったCDでなくとも)耳に入った音楽なり何なりについてアーカイブ的に発表するでもない、ニッチな方々だけ面白がってもらえそうな、さして高級でもないインプレ程度のことを気安く書いてしまえということにさっき決めました。大学時代、サークルの後輩に「社会学的に興味深い」と言われたのも今は昔です。ただ、ぼやっとした感覚も書き留めておくとおかないとではその後の思考への活かされ方が違う。年々知力が鈍っているのを顕著に感じるさなか、頭使っていきたいという、一定の年齢でランニングをはじめたりする人と同じ種類のモチベーションでやっていこうと思います。読み捨て週刊誌程度にお付き合いください。

ちなみに、明らかにちゃんと整理したほうが利用価値が上がる、近場の飲食店事情と、長年追っている外郭/境界上メタル、流され空振りメタル etc.を時代性との関係に注視しつつ一般的な尺度以外から評価するテキストサイト、これは本体と別でいずれまとめたいなという気持ちがここ数年あります。後者はやってどうなるものかよく分かりませんが。

▼てことで今日からさっそく、さっき見たネタをいくつか。全部Youtubeというのが寂しいです。前提知識を共有してない人もそれなりに読みやすいように、よく知ってる人達に関してはちょこちょことバイオ的情報も挟んでいきます。あと、ためしにしばらくSNSでお知らせせずにやってみます。ブックマークしていただいている方どれだけいるんでしょうか!

▼ハイトーンメタルシンガーの代名詞の一人でもあるジェフ・テイトが抜けたあとの本家QUEENSRYCHE、ジェフとの決別をはっきり宣言しながらもかなり似たタイプのトッド・ラトゥーレを入れて復活してますが、分裂してジェフが名乗ったもうひとつのQUEENSRYCHE(同名バンドが2つ存在してアルバムをリリース、その後裁判沙汰になり、大金を得て名義をバンド側に譲ってジェフ側はOPERATION:MINDCRIMEと改名)に比べて俄然評判良いですね。再出発第2弾はクラウドファウンディングで資金を募って制作してました。絶頂期はEMIで数百万枚売って、アコースティックバラードで大ヒットを飛ばしてMTVアンプラグドにさえ出ていた彼らが。そのアルバムがこのほどめでたく完成し、リードトラックになるんでしょうか、動画が公開されています。

何でしょうこの新鮮さは。もっさりしたテンポ感にやたらアクの強いコード進行とリフ。既に洗練されたところに地平があって、選択と編集の成果物を発表するような若手はまず狙ってこないポイント。80年代の幕開けからメタルを続けている彼らとしては、未だ原野のつづきを好きなほうに進んでいる感覚なんでしょうか。ベテランが見せるこういう自由さは好きです。商業エモ台頭以降の「サビだけストンとメロディアスな進行」病にまったくかかってないのが貴重。若いギタリストを入れたのに大して巧くないというのも、なんというか目が覚める感じがしました。掛け合いソロの後半で登場する古株メンバー、マイケル・ウィルトンの謎すぎるフレージングは軽く絶句。ここへきてデビュー当初似てると言われたJUDAS PRIESTのオマージュかと(cf."Painkiller"のズッコケスウィープ)。応援してます本家QUEENSRYCHE。

▼万人が行き来して見慣れたはずの筋のすみっこに「ここからあっち見ると、コレとコレがちょうどこうなって意外な絶景になるんだわ」的なスポットをしつこく見つけてくるのがベテラン現役の仕事なら、新規の若手は「そんなとこにもバイパス通せた!?」的な研究に熱心、てところでしょうか。だいたいはグッと来るに至らずご苦労様としか思わないんですが、たまに「テク、アイディア、『ベタ』との距離と習熟度、『今様』の噛み砕き方、音楽としてのまとまり方、くもの巣グラフにしたら外縁いっぱいいっぱいだな!」とさすがに感服する人達もいて、ノルウェーのプログレメタラーLEPROUSはそんな感じでした。

古典的プログレメタル、ジェント、ドゥーム、デス/ブラックメタル、きょうびのエピック感、多少の正統派メタルあたりを組成としてるようです。いろいろ盛り込みだすと「曲として耳に入ってくるか?」が問題になりがちなわけですが、ズバーンと太いヴォーカルはそれを大いに助けるものです。最後は人。MASTODON+ENSLAVED+デヴィン・タウンゼントですかねーと言ってしまえばまあそれまでですが、ねじ曲がり方になんとなく出来心でない信念を感じる気がしましたよ。

▼こちらは若くて普通なのになぜかベタベタな手垢色に見えず清々しいというケース。アンテナ低くてあんまり知りませんでしたが、グラミー級の売れっ子とは失礼しました。女性ヴォーカルのHAELSTORM

わざと80年代HMっぽくするブームはWOLFHELVETES PORTでじゅうぶん満足してるんですが、この人達は一連のレプリカ芸とは違うものを感じます。年頃の女性の笑顔とメタルシンガー然としたキメ顔をシームレスに往来するこのヴォーカルさん、物心ついた頃から父親が持ってるメタルのレコードを聴いて育ったの。エディヴィック・ラトルヘッドが日常の光景だったわ。とでも言いそうな雰囲気(※裏は取ってません)で、実にナチュラルです。思うに、異質なカルチャーとしてメタルに出会ってのめり込んでいった自覚的メタルヘッズと違って、彼女がもつ「私の好きなこの感覚」に、メタルという名前は別段ついてないんじゃないかという気が。今時の年代の人が普通にバンドをやったときの感じでこれをやってくれているからこそ、身なりから何からばっちり狙った人達よりも聴ける。とか言って「ハイスクールで初めてSUM41に出会ったの」的パターンだったりしたらすいませんが。天然 / 自前って清々しい、「そういう人がいる」って心に留める気になるよね、ということを言いたかっただけでした。グラミー相手に言うてますが。

1 Jun, 2015

▼最近の収穫、どこかのブックオフでTESTAMENT「RETURN TO THE APOCALYPTIC CITY」、オフィシャルサイトから直接購入したMARAGOLD「MARAGOLD」(グレッグ・ハウ!)。中学時代に初めてかその次に買ったBURRN!のレビューで見て、何だこのジャケはと引いた思い出の品。

▼半自作機材の続きです。前回分(VOX Pathfinder10から取り出したアンプヘッド+12"最小キャビ)はこちら

ハイゲイン化、マスターボリューム追加、ヘッドフォン端子のスピーカーアウト化という定番の改造を施工済みだった「小マーシャル」でおなじみのミニアンプ・MARSHALL MS-2を、このさい外部キャビありきで使うことにして極小ヘッドにしてしまおうと思い立ち、スピーカー部分を切り離してガワを作ってみました。

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土台に木板の切れ端、その他全体の囲いにスピーカーグリルの余りのアルミメッシュを使ってます。出力は1Wということで、部屋弾きには最適な音量。改造のおかげでかなり気持ちよく歪みます。恐ろしくラフな作りですが、一応感電したりは(今のところ)しません。

写真ばかりでも何なので、前回作ったVintage30×1発の極小キャビにつなげたサンプルを録ってみました。撮影と録音はiPhone、ギターはBILL LAWRENCE L-500が載ったHAMER、シールドはBELDEN 8402でエフェクターなしのアンプ直差し。
パラレル接続のハムバッカーでノーマルChゲイン最大 → ドライブChクランチ → ドライブChゲイン最大 → ピックアップをパラレルからシリーズに切替、という順で音出してます。

ついでに前回のPathfinder10ヘッドのサンプルもどうぞ。こちらはドライブChのローゲイン → クランチ → ゲイン最大 → 最後にピックアップをパラレルからシリーズに切替、の順です。

試奏は基本KING'S X。

▼ここでPathfinder10のスピーカーと、MS-2のスピーカーが余るわけで、2つつなげて2発のキャビにしようかなと、適当にアルミメッシュの残りにくくりつけて結線~音出ししてみるも、やはり使いどころ不明なクオリティ。そこで「スピーカーとマイクの原理は同じ」という話を思い出し、更にこういう物があったことも思い出し、これはバスドラ録音用の補助マイクなのだということにしました。

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本当に使い物になるのか、甚だ謎ですが。台座は、余っていたPCのディスプレイの足をカッターナイフで原始的に加工して作りました。持ち運び時のコンパクト化を考えて、スピーカー部分と台座はファストン端子で簡単に切り離し可能な仕様になってます。ついでに2つのスピーカーも、小さい方につけてある銅線の先を、環状にしてハンダで固めて抜き差しできるようにするという粗野な方法で、どちらか一方だけでも使えるようにもしました。

ちなみに、スピーカーやヘッドホンの類をマイクに転用できることを初めて知ったのは、『EXTREMEの3作目の収録曲"Stop The World"のギターソロは、ヌーノが滞在先のホテルで、ヤングギター編集部にもらったMS-2のスピーカー部分にヘッドホンをかぶせてMTRで録ったそのテイクがそのままアルバムに使われている』という話を中学時代にヤングギター誌で読んだときでした。何度思い出してもいい話。

本日のレビュー:MARAGOLD「MARAGOLD」

マイケル・ジャクソンの客演ギタリストを務めたこともあるSHRAPNELフュージョン派のトップランナー(?)、グレッグ・ハウがひさびさに組んだ4人編成の歌ものバンドです。2013年リリースの1st。「男まさり系女性シンガーが歌う、ちょっとファンキーな要素もありつつそこそこ今っぽいオーソドックスなロックサウンド」などと書いてしまうと、どこまでも引っかかりのなさそうなツルッとしたやつを想像しますが、このバンドに限っては、かぎかっこ内に書いた全ての要素がプラス方向に効いていて大変素晴らしいのです。

まずヴォーカルが、メタル界隈によくいるしゃがれクイーンの域に踏み入る一歩手前の、恐ろしくドスが効きつつ粗野な野太さとは違う超パワフルな歌い手。無理やり例えるならサス・ジョーダンをうっすらレディ・ガガに寄せた感じでしょうか。どんな微妙な質感もコントロール下にあるような完璧な歌唱です。これは凄い。

曲はおおむねラフなアメリカンロックスタイルの範囲内ながら、ほどよくウェットなコード展開なりメロディなりが挟まってきて、プレイヤーズ・ミュージックに終わることのない作り込みとツブ立ち。フックがはっきりしてるおかげで似通った曲が続く印象もなく、演奏の技巧性にフォーカスせずとも普通に音楽として充実してます。そこが良いからこそ今回新品で買いました。「辛口なMR. BIG」てな風情もあるでしょうかね。
ソロパートは特別多めに設けられているわけではないのですが、曲の自然な流れの中でいい仕事をしているとの感。ワーミー+バカテクでアクロバティックに煽ることもあれば、そういうのが必要ない曲では丁寧なニュアンス表現に徹してます。ガスリー・ゴーヴァンなどなどとんでもない技量の新世代も台頭する中、ひけをとるところは全くないのではと。御大今年で51歳。

やたらガチガチに詰められた音圧病っぽいサウンドプロダクションだけ、何だかインディ感があって少し残念。展開ごとにバッキングの音色を細かく変えたりして、いろいろ凝ってはいるのですが。発売から2年経ってどのくらい成功しているか分かりませんが、もう少しグレードアップした環境での次回作をぜひ期待したいところ。

バンドの作風を象徴するアルバム冒頭曲。

メロウというかルーズめな曲もいい雰囲気。

こちらはRAGE AGAINST THE MACHINE風。メイクは何なのですか。

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