SCSIDNIKUFESIN

31 Dec, 2010

▼2010年最後の更新。現在公開されていない部分(レビューが写真つきでなかった頃)も含めると、このホームページやり始めてから随分長いな~と、index2.htmlに1行足すことになるたびに思います。昔々からお付き合いいただいている方、ありがとうございます。
▼ということで今年一年を適当に振り返るとします。個人的に大きな事件は特にありませんでしたが、「DOIMOIの音源を出す、あわよくば2枚」「ログメンの音源を3月頃には出す」なんていう大嘘を抜かしつつ、DOIMOIが東京で度々ライブをやらせてもらえたのが大きな収穫でした。2枚目のアルバムを出してから多少でも環境が変わったのがこのまま終息しないように、来年こそ11曲か12曲のアルバムをボコッと産み落としたいところです。
それと高校時代にいつもCDの貸し借りをしていた友人が、長い空白期間を経ていきなりド・メタラーに返り咲いていたのに触発されて、自分もより愛をもって一部のメタルに接するようになったことも変化のひとつ。90年代の爪あとを負って一生過ごしていくのだなというのは年々自覚されることです。
あとはロニー・ジェイムス・ディオ逝去の報。皆さん、いま一度合掌を。
▼では以下、今年印象に残った盤リストを。思いがけず最高だったもの、期待に応えて素晴らしかったもの、日常聴きするような内容じゃなかったが衝撃は凄かったもの、よく知らずに買ってなかなか良かったものなど、まとめて合計20枚。並びは聴いた順です。
ANTHONY PHILIPS「1984」
GENESISをうすーくのばしたようなオールシンセのインスト作。牧歌的な「E2-E4」て感じでナイスでした。
ALLie「AVALANCHE」
4月のDOIMOI自主企画にも出てくれた、激情ハードコア発メタル行き?なバンドです。複雑なのにやけに耳に残る楽曲でしばらく脳内ヘヴィローテだった1枚。
IN THE WOODS...「A RETURN TO THE ISLE OF MEN」
ノルウェーの初期ゴシックブラック。今では住み分けのはっきりした二者(ゴシックとブラック)がどっちにも寄らずに混じりあった、始祖鳥のようなありがたい姿を拝めます。
MSG「SAVE YOURSELF」
今まで目に入りながらも見過ごしてきたメタルの歴史の一角にこんな最高の盤があったのかと驚いた1枚。シェンカー先生80年代最後の一発は、PRAYING MANTISも青ざめるほどの強烈な泣きがバカスカ盛られていました。
HELVETETS PORT「EXODUS TO HELL」
NWOBHMの更にダメ・サイドを凄い精度で描写した奇跡的な現役バンド。しょうもねー!と大声で叫びたくなるとてつもなさ。
EXIVIOUS「EXIVIOUS」
これは昨年末に既にMyspaceで聴きまくっていたので反則なチョイスではあるんですが、CDで入手してからも猛烈に聴いた1枚でした。歴史に残るインストメタルフュージョンの大傑作。去年のベストもCYNICにあげたし、この歳になって急にCYNIC人脈ワークスにやられてます。
TRIPTYKON「EPARISTERA DAIMONES」
買って聴いて打ちのめされて、重すぎてろくにリピートしなかった1枚。トム先生自らが歩んだHELLHAMMER~CELTIC FROST~APOLLYON SUNの流れ、およびデス/ゴシック/ブラック/インダストリアル/ダークアンビエントをこの1点に集約した、黒さ・重さともに無限大のブラックホールのようなアルバムです。
ALIAS「ALIAS」
デズモンド・チャイルド絡み、HEART人脈の良質メロハー。この一言以外の何者でもない感じですが、ヴォーカルが特に良くて、掘り出し物度の高い1枚でした。
NEVERMORE「THE OBSIDIAN CONSPIRACY」
これまでのようにまた最高傑作更新とはいかなかったですが、待ちに待った感慨の1枚ということで。このバンドだけはいつまでも気を吐いて現役でいてほしい。
VIRUS「CARHEART」
このサイトのフォームからの投稿で教えていただいたバンドです。昔VOIVODの「NOTHINGFACE」を初めて聴いたときに匹敵する衝撃を受けた、ノルウェーブラックメタル人脈の脱力奇天烈バンド。変態の限界を更新してくれました。
ABSU「ABSU」
USブラックメタルの古株。いつの間にかNWOBHM風のダサさを使いこなす汎メタルバンドになっていた最新作。
STEVE VAI「REAL ILLUSIONS: REFLECTIONS」
EXIVIOUSに更に歌をのせたようなラストの曲を中古CD屋店内でたまたま聴いて、久し振りに「今流れてるの誰ですか」をやってしまったのがこの盤。ベテランもいいとこのヴァイ大先生、進化し続けているとは凄いの一言。
IMMOLATION「UNHOLY CULT」
90年代初頭から頑張っているシブ系NYブルータルデスバンドの2002年作。ムチャクチャ機動力の上がったINCANTATIONて感じの邪悪で破滅的な内容で、ひさびさに普通のデスメタルで感銘を受けました。
CLIMB THE MIND「ほぞ」
リリース後の動きが凄いことになっている同郷名古屋のバンドの最新作。いきなり2~3段抜かすようなステップアップを遂げた前作からすると、そこからあまりに堅実に同一路線を貫いているので、このアルバムの曲をライブだけで聴いていた時は若干の当惑もあったというのが実は正直な話。しかし音源で聴き込んでみればやっぱり普通じゃない脳内残留力が発揮されたのと、以前から印象的だった歌詞が更に自由自在度を増してグレードアップしたことで(温かく響くだけではなくてしれっとコミカルな部分があることに注目したい)、比べてどうとかいうことを意識せず「大事に聴き込みたい名盤」にまたなってくれました。と思わず多めの字数を割いてしまった次第。
VIO-LENCE「ETERNAL NIGHTMARE」
USスラッシュ大名盤、リマスターからオリジナルへの買い直し。物に対する執着を満足させるためだけの無駄かと思われた買い物が、実はオリジナルの音のほうが全然良くてものすごく満足したという1枚です。
MORGANA LEFAY「SANCTIFIED」
90年代硬質様式美の掘り出し物。この塩梅を愛する人は少ないと思いますが、個人的には最高です。
THE GREAT KAT「BEETHOVEN ON SPEED」
昔から気になる存在ではあったこの人。変態狙いではなくただエキセントリックにしようとする意気込みが凄すぎて結果的に恐ろしく逸脱した音楽性になってしまった、スラッシュメタル史に潜む突然変異サウンド。
BERNIE MARSDEN「AND ABOUT TIME TOO」
ex.WHITESNAKE。70年代後半~80年代初期の湿っぽいブリティッシュハードを愛好する人なら色めき立たずにはいられない穴盤中の穴盤。
AS MEIAS「II」
「MESHUGGAHミーツ美麗エモ」の野望がここに極まったというコンパクトながらに濃厚な1枚。美しや。バンドマンとしても深ーく尊敬する人達です。
FORBIDDEN「OMEGA WAVE」
USスラッシャーの再結成作。新作を出したこと自体と、解散まで持ち続けた「変化するバンド」としてのポリシーを捨てないような内容になっていたのが嬉しかった1枚です。
何だかんだで買うものは買った2010年でした。では良いお年を。