31 Oct, 2010
▼嗚呼本日2度目の更新。今度こそ24時半には寝てやる。ということで名古屋は夕方まで雨が降らずにいてくれた本日、南山大学の学祭期間でおこなわれているバンドサークル「アメリカ民謡研究会」(DOIMOIの3/4の母校でも「フォークソング同好会」でしたが、ある一定の時期にできたバンドサークルはいずこもこういうネーミングのようです)のライブにゲスト出演させてもらってきました。CINEMA STAFFをはじめカオティックガールシンドロームやトゥラリカ(1人を除く)などなど名古屋発の新世代バンドたちのメンバーもここの出身だったりします。親切めのセットリストで楽しくやらせてもらってきました。学祭の類もウェルカムなDOIMOIですので、今年はもう遅いだろうけど来年以降、積極的に呼んでください各地の実行委員のみなさん。初見のオーディエンスがいくら多かろうとも英語MCは貫きますので。
▼我々の次の次に
yokさん(DOIMOIベースの篠田君と同じ高校のバンドサークルにいました)が出ていてガッツリ見てきて、素晴らしかったなー。凄く斜めアングル(右手が)で弾くガットギターとピッチ完璧のヴォーカルがいずれもやたらキレイで曲自体も印象的。ここ最近はギターの神から「お前、エレクトリックも中途半端だがアコースティックはめっぽうクソじゃないか。どうにかせねばと思わんのか」と修行地獄に蹴り落とされる心地で、今日も勤勉に練習しました。
本日のレビュー:FOREIGNER「AGENT PROVOCATEUR」
昨日実家から持ち帰ってきた1枚。AOR/産業ロックの代表格・FOREIGNERの84年作です。唯一のギタリストがキーボードを兼任してるせいで曲によっては完全ギターレスで、音作りやノリも軽薄な80'sカーラジオ仕様。だがしかし「どうなってルー・グラムの熱唱は最高」という見地で今一度じっくり聴いてみると、いいところまで待てばジトッと湿り気味に盛り上がるFOREIGNER節のおいしい部分がちゃんと健在。昔買った直後はイントロクイズ状態でかじり聴きしただけで俄然やる気を殺がれていたからなあ。肩パット(がいきすぎて過多パット)の入ったカラージャケットの金髪オヤジが出てくる薄〜い感じを敢えてイメージして挑めばなかなかヨロシイ内容です。もはや敢えてのホメ言葉なのかどうかも分からん形容ですが…。とりあえずデイヴィッド・カヴァデイルのムンムンしたギラつきとポール・ロジャースのしなやかさを併せ持つルー・グラムがやる気全開で絶唱してくれるので、それだけでも充分かと。フィーリングたっぷりに意外とエキセントリックなパッセージも自在に操るリードギターが隠れた見所です。
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30 Oct, 2010
▼翌朝32時(もちろん寝て起きた後)の更新です。ここのところ、何にせかされるでもなく、しばらく前に録ったDOIMOIのドラムトラックがどうにかならないかなとミックスを続けていて案の定泥沼の中にいます。
海外の音源は、そんなに資金のあるメジャーのリリースでなくても、何故あんなにパンチとクリアさが両立してんでしょうねー。日本のインディーズはとにかくコンプでドシャメシャにして輪郭だけで均等を作ってる感じがしますが、海外のものは個々のトラックが収まりよく均されていて、かつ全体の中でそれぞれの行き場がきれいに定めてあることで美しく上から下までを埋めているイメージです。
特にバスドラにちゃんと量感があって、音色としてはそれほど目立っていなくても、しかるべき低音成分がドウッドウッと全体を下から圧迫するあの感じは、トラックダウンやマスタリングの段階でやってることなんでしょうか。バスドラだけ重くしても全然そうはならなくて、ベースとの位置関係に迷う、高域の上端とのバランス取りに迷う、云々で根底から残念なことになってあほみたいに時間がかかるという。
ということでまだ全然人のバンドの音源を安定して仕上げられるような技術がなく(しかし
LOVE WILL TEAR US APARTを録る話があってそれは進めたい。
Theキャンプのアルバムも制作中)、自主修行中の身分がもうかれこれ10年くらいになります。ダメなエンジニアだ…。
▼メタラーの皆さん、
FORBIDDENの復活作がヤバイことになっています。「DISTORTION」以降の屈折テイストを更にパワーアップさせながらスラッシュ然とした畳み掛け感も復活しているという超前向きな意欲作。スラッシャー谷原章介にも教えたい。
本日のレビュー:VADER「DE PROFUNDIS」
ポーランドのデスメタラーによる2nd。90年代ブルータルデスを代表する1枚といえます。1stはEARACHEからリリースされて、こちらは国内盤が発売されないまま輸入盤でスマッシュヒット。SLAYER〜MORBID ANGELの系譜の純血中の純血といえる超凶暴かつ端整なデスラッシュ。全編一切テンションを緩めることなく攻め続けるという濃厚さと、とりわけドラマーのドク(R.I.P.)のフルパワーかつ安定したブラストが当時のリスナーの心をグッと掴んだのでした。デスメタルとしての胡散臭さやあやしさといった香りの面ではやっぱり1stのほうに軍配なわけですが、こちらはとにかく完璧。SUFFOCATIONやCANNIBAL CORPSEみたいにリズムチェンジが激しかったりスロウパートをちょいちょい挟んでくるのは嫌、しかし単なるグラインドじゃなくてメタルらしさはほしい、という人は一刻も早く聴いてください。
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28 Oct, 2010
▼ミキシングをすると必ずつきものなのが「バウンス待ち」。(バウンスは複数トラックをまとめて1つのトラックに録音し直す工程です。)制作環境がハードディスクレコーダーからPCに移行した今もバウンス待ちはたびたび発生します。昔からこの数分の間に、筋トレをする、階下に何か飲みに行く、ルーディメンツの練習をする、「ゴルゴ13」を読む(バウンスが終わっても戻ってこれない場合が多かった)、ベースの指弾きの練習をする、といった暇潰しをしてきたわけですが、現在は「メトロノームにあわせてアコギで小鳥美術館の曲をゆっくり練習する」が主流になっています。音源作らないのと尋ねるとなぜか急に守秘モードに入る小鳥美術館、せめてスコアブックだけでも出してくれんかな。
▼季節の変わり目にまんまと風邪ひいた(しかも軽いの)。だせー。
26 Oct, 2010
▼これまでの人生、意味のなかった瞬間なんてない。すべてが今のあなたにつながっている。とは言うものの、無心になってヒゲを抜き続けた時間は完全なる無駄としか思えないです。死期が近づいた頃に省みて「うん、俺のヒゲ抜きレベルはこの一生でたいへん高まった」といって満足できるとも思えないし。昔からヒゲは抜くのが好きなのでけっこう困っています。
只今のBGM:NIRVANA「IN UTERO」
土曜のコダマで見たTHE ADVANTAGEがちらっと"Heart Shaped Box"のイントロを弾いていたのを思い出して。93年、アルビニ録音(ボブ・ウェストンの名前もあり)、GEFFENリリース。こんなんがメジャーからリリースされて一世風靡していたとはつくづくとんでもねー時代だったものです。ローファイ/ダメフォーク/スラッジ/ハードコア/アングラスラッシュ/etc.、品行方正の反対にあるものは何でも集まったみたいな音楽、まさにジャンル云々の垣根を越えて「きたない」としか言いようなし。ただ退廃的・背徳的・内向的なだけの音楽は数あれど、NIRVANAの場合は「アウト」を強烈にシンプルな「フック」に変える天才だったところがその他大勢との違いかと思います。ニッケ・アンダーセン(ex.ENTOMBED〜THE HELLACOPTERS)ばりに激打するデイヴ・グロールのドラミングとアルビニサウンドがまた最高の相性で、音楽的にも音響的にも、規格外の極みでありながら「あるべきように仕上げられた」作品になっているという奇跡。
しかし"Heart Shaped Box"のビデオクリップは気持ち悪かったなー。筋肉の標本みたいな真皮の下剥き出しの太った天使がスローモーションで歩く超イルなやつでした。わたしのグランジ原体験。
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25 Oct, 2010
▼あらかじめ凍らせておいた「マンナンライフ 蒟蒻畑」を半解凍したらスプーンで適当なサイズに刻みます(一度凍らせるのは刻みやすくするため)。それを牛乳にイン。これでもう「ドロリッチ」は不要です!
本日のレビュー:OPEN HAND「THE DREAM」
カンサスシティエモ一派のはみだし一匹狼ユニット・OPEN HANDの1stです。この欄で
2ndと
3rdを紹介済み。このアルバムではまださほど突出したユニークさは発揮されていないながら、飽和寸前の低音による酩酊感とスペイシー(サイケまでいかない)な広がり感をちょいちょいアピールした、叙情ニュースクール的な感触もあるいわゆるエモをやっています。リリース元がTRUSTKILLで、内ジャケでメンバーが着ているバンドTシャツがそれぞれMOCK ORANGE、HIGH ON FIRE、THE MERCURY PROGRAMだったりするあたりからも、統合するとちょうどこの音という感じです。2ndでは見事にトレンドに中指を立てながら時流をブッちぎってくれたのが痛快だったので、そこをバンドの個性と捉えて聴くと完全に別物の響き。しかしながら高品質で、REVELATION系が好きな人ならチェックしておくとよいでしょう。録音がやたらデッドでクリアなのはこの頃からの特徴のようです。
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24 Oct, 2010
▼知多半島の先っぽから戻りました。コダマ10、初日早めの出番だったにも関わらず大勢の方々に見守っていただきましてありがとうございました。早々に役目を果たしたあとは客として会場にへばりついていたわけですが、地元勢の好演はもちろんのこと、見てみたいと思っていたMALEGOATやTALKING DEAD GOATS"45、溺れたエビの検死報告書(大学時代に「ユーロロックプレス」で目にして以来長年の気がかりバンドでした)などがどれも最高。飲食ブースはクオリティが高く、バーベキューに混じる、初対面バンドとユニティー、ひさびさの再会、深夜にコンビニでアイス、知らない人ととりあえず話す、メタルTに反応をもらう(初日…NUCLEAR ASSAULT、2日目…CONFESSOR)、眺めがよい等々、ひとしきり充実できていいイベントでした。新栄のヌーノ・ベッテンコート=JONNY篠田君、小鳥美術館長大先生両名のギターを拝んできた後とあって帰宅後はちょっとギター練習しました。当面まじめにメトロノームの人になろうかと。
本日のレビュー:LEVIATHAN「DEEPEST SECRETS BENEATH」
ああ懐かしや。BURRN!の輸入盤レビューで高得点を獲得して、しばらく専門店の白黒広告を賑わせていたmid90'sメタルのプチヒットアルバム(日本盤発売までは至らず)。アメリカのプログレメタルバンドの94年作。録音が意外にMORRISOUNDにてジム・モリス。「PERFECT SYMMETRY」の頃のFATES WARNING+TAD MOROSE(QUEENSRYCHE+SAVATAGEとは言えそうで言えない)てなB級臭のムンムンするテクニカル叙情メタルをやってます。込み入ったパッセージを多用して曲展開もデコボコしてますが変拍子とか不協和音の類は控えめで、ヴォーカルラインとコード進行を軸に聴いていける親切系。変声期の中学生に更に微量のヘリウムを吸わせたみたいな偽ジェフ・テイト声が、それなりの安定感はありながら胡散臭さの原因にもなっており、ここで
VENI DOMINEの人みたいな突き抜けた素材が歌っていれば、華々しい日本デビューもあったかもと思わせます。この手の音楽性をやるにしても最近はもっと、親切でキラキラビキビキした感じのバンドが多いんでしょうが、そういうサービス過多・記号狙い撃ち系は無理という昔気質のシブ好みにはお勧めです。ただし線は細い。
22 Oct, 2010
▼寝袋・枕・着替えの類はバッチリ準備しました。実はテントで寝るのが初めてな私ですが大丈夫でしょうか。するならするぜ徹夜。ということで明日明後日とコダマいってきます。
本日のレビュー:ANTHRAX「MUSIC OF MASS DESTRUCTION」
04年リリース、CD+DVDのライブ盤。まずはCDのほうだけ聴いてます。ジョーイ時代のレパートリーも含むベスト選曲+「WE'VE COME FOR YOU ALL」から数曲という非常に楽しめるセットリストです。このとき歌っているのは当然ジョン・ブッシュ。いやーノリノリで最高。チャーリーのドラムはけっこう、曲展開につられて柔軟にテンポを揺らしてしまうクセがありますが、ここでは「臨場感」の言葉で済む範囲内。やっぱりスマート&シャープに煽って頑張りどころを全部かっこよくキメるジョン・ブッシュのヴォーカルにしびれます。サビでのコール&レスポンスをガンガンやる"Antisocial"はかなりよいテイク。
しかし改めてこのバンドのスタンスは独特です。「メタルバンドのANTHRAX」ではなくてANTHRAXがメタルを含むというか。面白おかしくはないけど諧謔がにじみ出て、ウオオと大げさに燃焼するのではなくスパパパ!と放射するそのキレがメタル然としたアグレッションに相当するような、もっと広汎な何かでもあるような。そしてジョン・ブッシュになってからは特に、リフのアイディアとリズムのフック(実はこの2つはドラマーのチャーリー1人によるものですが)とヴォーカルの求心力がガッチリ三つ巴になって、スキのない完成度も併せ持つという。昔から一番好きなバンドはANTHRAXと言い続けてきましたが、未だもって変わらず理想のバンドであることです。ジョーイを戻して録り直してるはずの新作はどうなったかな…。
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21 Oct, 2010
▼20日の収穫、栄ミュージックファーストにてVIO-LENCE「ETERNAL MIGHTMARE」MECHANICからのオリジナル盤。ずっと1,800円で置いてあって、いいなーと思っていて、eBayで18ドルだったら血迷ってポチッとする夜もあるかもと遂に決心して購入。ボーナスディスクつき・ジャケに加工ありのリイシューは既に所有してるわけですが、オリジナルは長い中古ハンティング生活の中でも見たことがなかったのです。こういう品物に適正かつ手の届く価格をちゃんとつけるミュージックファーストはやっぱり信用できます(うっかり安値だったらそれはそれで嬉しいけど)。買わなかったけどドキドキする感じの入荷がたくさんありました。名古屋の中古CDショップでは珍しいポイントカード制度もあるし、未踏のかたは是非行ってみてください。
▼今週に平日がもう1日あることは完全に忘れて気分は完全に
コダマモード。行く気だけど何もしてない、そもそもチケットとかあるの?というかた、2日通し券のみで4,500円となってます。バンドで取り置きも可能ですので、明日一杯くらいまでならメールいただいても対応できます。
doimoi@inurokuon.comまでお名前と枚数と、最近好きなスラッシュメタルのアルバム1枚くらい書き添えていただいて誰でもお気軽に連絡ください。
本日のレビュー:VIO-LENCE「ETERNAL NIGHTMARE」
リイシューを買ったときにも何か書いたと思うけど改めて。MACHINE HEADのG/Voのロブ・フリンがいたことでも知られる80年代末期のUSスラッシャーによる1st。初めて名作2nd「OPPRESSING THE MASSES」を聴いたときは、特にドスの効かない声を変なイントネーションで高めに張るヴォーカルのユニークさにまず面食らい、次にやけにカロヤカに高速タム回しをキメるドラムにおお〜と思い、とにかく異常な焦燥感(しかも一切バタバタしてない)に圧倒された記憶があります。しかもリフはANTHRAXの流れのドライ&シャープ系で好みだし。いわゆる第3世代スラッシャーの中では非常に個性のあったバンドなんじゃーないでしょうか。
というのは散々聴きこんだ2ndからの印象なんですが、この1stも音楽的には同系統。曲によってはバシャバシャと深めのゲートリヴァーブがせっかくのドラムの妙技を隠してしまったり、全体的に相当軽めな音作りだったりして、作品トータルで見ればやっぱり2ndなんでしょうけども、より豪快につっ走る「初期作感」は確実にある気がします。変にオーヴァーダブで盛らないで、メンバーが並んで録りましたみたいな合いの手シャウトが極初期MESHUGGAHみたいでカッコいいですね。
全部通して聴いたあと改めてリイシューのほうを聴いたところ、そっちは一応リマスターになってるんですが、もともと不要なリヴァーブが乗ってるものを更にコンプでバツバツに狭くしているので、本来のダイナミクスが殺がれてただうるさいだけ。MEGAFORCEのリマスターはほんと最悪(OVERKILLとかもひどいらしいです)。心あるファンはぜひオリジナルを…といえないレアさが残念であります。2枚買いなんて俺そんなにVIO-LENCE好きなんかと相当迷ったけど、全然買ってよかった。
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19 Oct, 2010
▼コダマが今週末に迫って、楽しみ楽しみ。我々DOIMOIは12:40〜と早めの出演ですので、皆さん荷造りは前夜に済ませて朝早めに出てきてください!超フレンドリー選曲でもてなしますので。
▼いきなりですが求職開始してます。名古屋市在住でウェブ制作実務経験2.5年(実績…
stiff slackオフィシャルサイト・
DOIMOIオフィシャルサイト・その他世を忍ぶ仮の業務で作成したサイト多数)、楽曲制作・演奏・レコーディング・編集、各種執筆経験も有。年末または年度末に自由の身になる予定ですので使ってください。
只今のBGM:CHANNELS「WAITING FOR THE NEXT END OF THE WORLD」
いま音源のミックスをやっていて、参考にといって手に取りがちなのがこれ(何たってドラムのみのイントロで始まる曲が多い)。J先生はやっぱりJAWBOXのラスト2枚〜BURNING AIRLINESの1stが突出して大好きなのですが、その影を求めることもなくフラットにその他の作品に接することができるようになった今、CHANNELSもやっぱり相当かっこいいです。普通のことは大概やり尽くされたロックの世界で、それでもまだ見ぬハイレベルなナイス・フックを追求し続けた結果なのか、煮詰まりすぎて直球感とひねりのバランスが昔(前述の3作品)のようではなくなってしまったわけですが、さりげなくも丁寧な細部の作り込みがどれもこれも名人芸すぎてスゴイ。音作りは97年くらいにいい仕事してた盤とそう違いはないながら、遠いようでクリア、ガチガチしてないのに詰まっているというこの見通し感と重量感のバランスが相変わらず素晴らしい。1本のギターをやけに横に拡げるこれは、エンハンサーの類じゃないと思いますがどういうマイキングしてんでしょうか。ありのままのトリオ感が「IRON MAIDENがツインリード時もバッキングを重ねない」てのと同じでグッときます。だがしかしいつか録ってもらいたいのはデイヴ・サーディー。
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18 Oct, 2010
▼17日の収穫、熱田のブックオフでJACKAL「VAGUE VISIONS」、バーゲン棚の無名メタル率が相変わらず凄いサウンドベイ金山にてLEVIATHAN「DEEPEST SECRETS BENEATH」、SIRRAH「ACME」、OPEN HAND「THE DREAM」。今日もこれからJACKALをレビュー行きにしようと思ってますが、最近のレビューはほんとに90年代前半にBURRN!のCDレビューを指くわえて見てたアラサー・メタラーだけのためのチョイスになっててすみませんです。この手の陳謝がたびたび書き込まれてはいっこうに何かが改まる兆しのないこの日記およびレビュー。なんとか理解する手がかりを仕込みながら書いているつもりではおりますが。最近気付いた自分の傾向は「譲歩できる範囲内ではできるだけ親切、そしてその譲歩ラインを動かす意思は基本的にゼロ」でした。
▼ログメン次回のライブが決まりました。初の名古屋市外!
- 11月13日 (土) 春日井 CAWA
- "A Meeting By The River Vol.5"
- 18:00開場 / 19:00開演
- ログメン, ioueee(杉山), naam', asana(soloset)
- 前売1,500円 / 当日2,000円
「海外渡航経験は日間賀島」くらいの感じでバッチリ春日井です。asana浅野さんにお誘いいただきました。オマケ的にioueeeもちょっとやらせてもらえるというお得な日ですので、ぜひお越しください。
本日のレビュー:JACKAL「VAGUE VISION」
90年代メタラーには懐かしい名前。同郷のNARITAにヴォーカリストを貸し出していたこともあるデンマークのバンドです。93年2ndで、徹底して外盤派の私もこればかりはゼロ・コーポレーションの国内盤で買いました(500円だったし)。むかーし(たぶん高校時代)試聴して買わなかったときは、とにかくスパッと駆け抜けてくれなかったからという印象を持ったことを覚えてますが、確かにツーバス疾走系でもなければ泣きメロまみれでもないスタイル。とりあえずヴォーカルがブルース・ディッキンソンの優秀なレプリカで、曲もメイデンをいろんな角度で抽出しつつ、微妙に別物にした感じ。そのまんまな無骨さも随所で見せる一方で、ミステリアスなアルペジオや屈折したリフ運びには、メイデンとQUEENSRYCHEをリンクさせるような感覚も。豪快さとマニアックさのバランスが、ただただ通りのよいだけのメタルチューンに飽きた耳には非常に快くフィットしてくれます。ここぞというところで謎の転調ばかりかまして「ストレートな名曲」をほとんど持たない初期ELEGYとかに比べれば全然分かりやすいほうで、ビクター・テイチクあたりが強力にプッシュしてればもっと日本で売れたのにとも思います。
16 Oct, 2010
▼金曜夜はTERA MELOS名古屋公演で前座に出演。TERA MELOS、何が曲を曲としてつなぎとめているのか全然わからないけど明らかに何かに従って演奏する系の、ガムランみたいなバンドでビックリでしたなー。歌うときは常にびったり二声コーラスてのが更にあやしげでした。CLIMB THE MIND山内君が弾き語っていたというハックフィンファクトリーにも行きたかった〜。ワンマン早く見たいです。
▼今日は朝から3週間ぶりに4人揃っての練習をしたのち、前から気になっていた石川県民のソウルフード・
チャンピオンカレー名古屋栄店へ。カレー自体は確かにリピート性の強そうな独特の味でしたが、売りにしているカツがいかにも残念(厚めのコロモで非常にインダストリアル)なのと、B級ぽくまとめられている割に値段が高い(ココイチ+200円の相場感)ということで、再訪があるかどうかは微妙。油にうるさい元大阪府民のヨメさんはカツを10分の9くらい私にとこに移送してくれました。メシ食った感のフィニッシュが別途必要ということで、大須まで足をのばして快可立ことQuicklyで紅芋シェイクタピオカ入りをオーダー。こちらは文句なくマスターピースでした。この中途半端なグルメブログ感は何なんだか。
▼夜はHiGEのライブを拝見しにダイヤモンドホールへ。
會田"アイゴン"茂一さんブログに頻繁に登場するいい感じのヒゲ長髪男性がHiGEのドラマー氏だとようやく知る。若いメンバーに囲まれてのアイゴンさん、若かったなー。思わず加入してしまうのも納得のフィット度(作風的にも)でした。「メンバーの誰もが無事故があたりまえで、男女3:7くらいの若い客が幸せそうに飛び跳ねたり人差し指バンギングしたりするライブ」までの途方もない距離を時々こうして具体的に視認できるのはたいそう意義深いことであります。
本日のレビュー:PHANTOM「CYBERCHRIST」
少し前に購入してあった品です。93年、SHARKリリース。強烈なJUDAS PRIESTリスペクトを打ち出すニューヨークのパワーメタルバンドです。曲は重厚&大仰で泣き成分は少なく、プリーストっぽさの中でも「PAINKILLER」で新たに加わった部分のみ抽出したような感じでしょうか。香りだけわずかにスラッシーさが混入。でもいわゆるUS METALな雰囲気とは違って、基本的にはよくよくプリースト・イズムを研究してある形跡が感じられます。ヴォーカルも基本的にロブらしさを忠実になぞろうとするスタイルながら、びーっ!と勢いよく飛び上がるハイトーンっぷりはどことなくグラハム・ボネット風でもあり。ヴォーカルがこうでなければもしかして一時期以降のMARSHALL LAWやデイヴィッド・ウェイン(ex.METAL CHURCH)のREVERENDみたいに聴こえたかも知れません。何にせよ、今や完全に忘れられているマイナーバンドの割にかなりまともに出来上がった音で、「店先で見かけて迷ったら買ってください」といえる粒立ち。
[myspace]
14 Oct, 2010
▼スピッツの新作からの数曲がオフィシャルサイトで試聴可能になっている。うーん、別段作風が変わったでもないのに特にぐっと来ないのは、これ以上新しく「スピッツらしい名曲」を記憶に登録できる(したいと思える)キャパがなくなっているからか。さながら「SLANG」から「EUPHORIA」で軌道修正したあとのDEF LEPPARDのような(メタル界のたとえしか知らない私です)。「何も変えなくてもやっていけるんだろうけど、求められる・求められないに関わらず、新しいからには"新しい"ものを出し続けてもらった方が楽しい」派は少ないのか?そんなことを考えたり考えなかったりしつつ明日はライブ。
本日のレビュー:DEF LEPPARD「SLANG」
昔にも書いた気がするけど見つからないのでとりあえず。80年代のゴージャスプロダクション&なよなよハイトーン・アリーナロックの代名詞DEF LEPPARDが、90年代に入ると「最近はSTONE TEMPLE PILOTSが大好きだ」とか不穏なことを言い始めて、96年に案の定放ってきたダーク&ダウナーな問題作。限りなく安値で中古市場に出回っています。が、これは意外といい盤です。
ただ流されてみただけではなく、時流にあやかるにもそれなりのセンスがあって、しかも10年以上のキャリアをかなぐり捨てて猛烈に「攻め」ているところが少なくともちゃんと対峙するに値すると思います。グランジ感化組のメタルバンドによくあったALICE IN CHAINSクローンタイプではなく、STONE ROSES、BECK、PRODIGY、KULA SHAKERなどなどを彷彿とさせるダウンビート感&コラージュ感+エスニックテイストを強くフィーチャー。ただしヴォーカルラインを軸として曲の筋をビシッと通すという親切な考え方は以前と変わらず、さらっと聴き流してしまいそうなちゃらい雰囲気の中にもしっかりと芯がある。シングルカットになった"Work It Out"なんか、王道デフレパ節とオルタナグルーヴが奇跡的なシナジーを生み出した名曲です。目の詰まった音圧と浮遊感の組み合わせはケン・アンドリュース・プロデュースの一連の作品に相通じなくもない瞬間が。リアリスティックながらもきれいに仕立てられたサウンドプロダクションも秀逸です。
車の中とかにポンと入れておくと、何も考えずに数周ブッ通しで聴けてしまうような適度な薄さ。300円とかで買ったら「あ〜思ったよりいい買い物した」と思えるはずです。見送っていたメタラー諸氏は今こそ。
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13 Oct, 2010
▼珍しく平日の世を忍ぶ仕事帰りにサウンドベイ上前津に寄ったら、高校からの友人M田君(彼も普段は車通勤のところ、たまたま一日乗車券で地下鉄だったから途中下車したそうな)に遭遇。またいろいろお勧めを教えてもらえたので覚えておこう。とりあえず今度実家に帰ったらFOREIGNERの後期作を持ち帰ってくるべしと公開メモ。彼は私なんかに代わってここで毎日レビューを書いてもらいたいくらい信用のおけるリスナーなのですが、ネットの世界にまったく露出してなくて紹介のしようがないのが惜しいです。twitter始めんかな。
▼今週金曜の夜はこれで!
- 10月15日 (金) 名古屋 栄 タイトロープ
- 「TERA MELOS Japan Tour」
- 18:00開場 / 19:00開演
- DOIMOI, TERA MELOS(USA), KIRIHITO, WOZNIAK
- 前売3,500円
外タレの前座でいつものMCをやるのは無礼でしょうか?面白がってもらえるでしょうか?きっとその時間は彼ら、外で極太濁流麺でも食ってんでしょうから、普通にやろうと思います。実はKIRIHITO(昔のCDレビューあった!
これ)に緊張してる私です。
本日のレビュー:JEFF WATSON「LONE RANGER」
まず非メタラーのみなさん、「8フィンガータッピング」なるご苦労様なテクニックがあるということをご存知でしょうか。左右両手の親指以外の8本を全部使うタッピングなわけですけども、それを最初に俺のもんと言い張ったのがこのジェフ・ワトソンです。主に1本の弦上で1オクターブ半くらいの密接した分散和音をプルリピラリロと上って下りるパターンが多く、そんなら人より余分に指使わなくてもスウィープでいいんじゃないってことになったのか、この人の後に大してポピュラーになることのなかった奏法です。
彼が世に出でたのがNIGHT RANGERというバンドで、解散して作ったソロ作のタイトルがこれ(孤独のレンジャー)とは笑わせます。リリースはテクニカル系ギターインスト作品の総本山・SHRAPNEL。92年作ながら、グランジ・ミクスチャーの香りなどは一切なし。ポール・ギルバート、ジェイソン・ベッカー、リッチー・コッツェンなどなどSHRAPNELの看板を背負って立った若手連中に比べるとフラッシーな要素には(8フィンガーをやってる瞬間以外)欠け、楽曲性重視のつもりが「悪くないけど人畜無害」に陥ってしまったというパターン。もっとフュージョンまで股にかけた遊園地みたいなカラフルさを期待したんですが、結局エディ(・ヴァン・ヘイレン)が大好きでアコギも意外に得意なのねということが分かって終わりでした。おっスケールアウトもお手のものか、と思ったらゲスト参加しているアラン・ホールズワースのパートであったり…。DIXIE DREGSとかも好きなのかと思ったらゲスト参加しているスティーヴ・モーズ本人であったり…。なんか最近のレビューは全然ホメてないのが多いですね。買い物としては面白かったんだけどなー。
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11 Oct, 2010
▼10日の収穫、補充後のバーゲン棚チェックに行ったサウンドベイ金山にてJEFF WATSON「LONE RANGER」300円にて。何だかうすーく過ごしてしまった連休ですが、DOIMOI次作用に少しずつ録りためてある音源のミックスでかなりいい前進があったのでまずまずよし。
▼以前
VIRUSを教えていただいた方から、
CHROMA KEYが好きならこれもということでオススメをいただきました。
THE 3RD AND THE MORTALの残党がやっているという
THE SOUNDBYTEというバンドで、トリップホップ/アンビエントとメランコリック鬱ゴシックがメタル側で合体したような、最近のULVERをもうちょっとわかりやすくした感じでこりゃー非常にいいですね。
こういうの、先達をよく研究してポッと出てきた若手にやられても「おーそう見ますか、よくわかってらっしゃる…」でなんとなく終わってしまいがちなのですが、前時代を築いた当人が地続きでやると、何がそう思わせるのか分からんですが(絶対何かが出てるのだと信じてますが)決定的に突き動かされ方が違います。キャリアを重ねてなお「違ってるけど、続き」なことをやり通せるミュージシャンは素晴らしい。
▼
コダマ10のタイムテーブルが発表になりまして、われらDOIMOIは土曜序盤の景気づけ部隊的な位置で頑張らせてもらいます。持ち時間40分あるのでビシビシ詰め込んでいきます。皆様是非によろしく。その前に急遽決まった今週金曜のTERA MELOS前座(場所はタイトロープ、出番早めです)も!
8 Oct, 2010
▼やる気なく出品価格で入札しておいたカシオトーンが誰とも競らずに落札、本日到着。いまひとつ信用できない出品者だったけど完動品でコンディションも問題なし。だがしかし、思ってたよりも相当でかい…くそ重い…。超ローテクのくせに。これを何かのライブに使うのは、自転車生活マンの身には相当つらいので、使い道を考えたいところです。買ってから言ってしまったこのセリフ。さいわい、音はかなりいい感じでした。
本日のレビュー:POSTMORTEM「REPULSION」
DESTRUCTIONの「CRACKED BRAIN」で歌ってた人のバンド、のつもりで買ったらそれはPOLTERGEISTでした。ましかし同じドイツで、愛すべきB〜C級(たまにお宝)の巣窟・PAVEMENT MUSICからのリリースなのでよし。PANTERA風というよりB-THONGとかSLAPDASHを思い出す感じの、妙にズクズクに湿気をたたえたへヴィスラッシュ。フィルのバリエーションが2つくらいしかないドラマーが、印象に残るくらいイモくて、あとのパートもオッこいつはという素材はいないようですが、なんとなく曲は心地よく聴けるのでトータルで悪くはないです。直線的な曲展開や歌メロが若干TESTAMENT風でもある。あー何か、持っておく必要もない感じのをつかんでしまったなー。たぶんバーゲン品が300円→100円とかだったからいいんですけど。ひとしきり懐かしんで満足。
メタルの万能辞書
ENCYCROPAEDIA METALLIUMで調べたら、このイモドラマーがなんと現在はDIE APOCALYPTISCHEN REITERに…!と空目したけどDIE METALLISCHEN RUCKKEHRERという聞いたこともないバンドの間違いでした。POSTMORTEM自体は今も活動してるようで、
激重デスラッシュに化けてます(けっこういい)。がんばれー。
7 Oct, 2010
▼できないアコギで無理やりやったこの前のライブ(とその直前に見た山内君と小鳥美術館とyokさんの演奏)以降、楽器をちゃんと練習せねば機運が激上がり中。毎日少しはアコギに触るようにしていますがまだアルペジオの薬指がよたよたの超ナイーブちゃんで情けないです。少し前に買ったドラム練習パッド用スタンドも日々かなり役立ってます。ああエレクトリックギターはどこへいった。一番やれたいのはスティーヴ・モーズのようにイマジナティブでニュアンスがあってクリーンな激弾きであるのに。「ピッキングの質」と「左右の一致」を高めるために何をやったらいいか、有益な情報を握っている人がいたら教えてください。館長に教えてもらった「単純な半音昇降フレーズを極端に遅く弾き続ける」をたまにやりますが、それはかなりイイです。
本日のレビュー:DEEP PURPLE「BANANAS」
凄いタイトルの03年作。リッチー離脱後、スティーヴ・モーズ(ex.DIXIE DREGS, KANSAS)のDEEP PURPLEは、フュージョンテイストを不敵に組み込んだ「
PURPENDECULAR」と「
ABANDON」の2枚が素晴らしくてチェックしていたのですが、このアルバムはとにかく「普通」とも何とも言い難い、「何もない」みたいなハードロックチューンがずらずらと続く、釣りなのかと思うような内容。引退したジョン・ロードに代わって鍵盤を担当するドン・エイリーに存在感はなく、スティーヴ・モーズもソロパートでようやく持ち味を発揮するくらいで、イアン・ギランの変な声がひたすら躍るという印象。リズム隊の円熟なら存分に愉しめます。60年代からやってるバンドが未だに新作を(しかもそこそこのペースで)出しているという事実だけでじゅうぶんスペシャルなことなのかも知れんです。
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5 Oct, 2010
▼STIFF SLACK横のバー・ABSENTEEのオープンと同時に先行放流されたCLIMB THE MINDの新作「ほぞ」、twitter上では既に大反響なようで、嬉しい話ですね。一般発売待ちの店も明日くらいから発売になるところがあるようですので、各地の皆さん、最寄のレコード屋に「入荷してないですか」と詰め掛けてみてください。
自分も時々、たまにしか会わない人から「CDが出たのは知ってるけど、会ったときに直接買おうと思っていた。その方が利益が大きいだろうから」と言われることがありますが、発売直後に限っては、タワーレコードなどの量販店で購入してバックオーダーを促すのも大いに意義深い(実績として残って次回リリース時の展開に有利にはたらく、追加材料如何によっては後追いで店頭展開してもらえる場合もある?など)ですので、アマゾンで買うよりは無駄でないです。むろん直買いのほうがなおあったまる感じですが。アマゾンは基本的に1,500円以下のマンガを一緒に買いたいときなどの最終手段ですけども、レビューはぜひ投稿してください(
我々のもついでに!)。
ああ実家にドドンと残っているDOIMOIの1st、生きてるうちに全部捌けるかな。そのうち資源不足で回収されて溶かされてペットボトルか何かになってしまったりするのは避けたいな。
本日のレビューその1:AIRBORN「I WISH」
昨日からの続きで、ついでにバーゲンで買ったLONG ISLANDものをまとめて消化しちゃいます。まずこちらは、中古で見かける機会の比較的多いドイツのバンド・AIRBORNのアルバム。中身を見ると、たぶん当時お蔵入りになったのであろう85〜86年の音源に、95年の新録2曲を追加した「青春の思い出」的リリースである模様。内ジャケのメンバー写真が
TITANをもしのぐ凄まじさでたまげます。内容は、シンセをドップリあしらったD級AOR。とりたてて素晴らしいわけでもないがピュアさは一級品という、覚悟したとおりの仕上がり具合。ギターの影をほとんど感じないくらいかなりソフトタッチで、スティーヴ・ペリーのソロアルバムとかが大好きな人向けだと思います。ジャケデザインの安っぽいエンボス具合からゼロ・コーポレーション系の細腕叙情HMを期待した人は全然違うので引っ掛からないように。
本日のレビューその2:LOCOMOTIVE DREAM「LOCOMOTIVE DREAM」
はい次。なかなか凝ったムーディなジャケで、期待が持てます。バンドはカナダの5人組。音にはなかなか安定感があり、男らしいラフさを意識しかけた「KEEP THE FAITH」の頃のBON JOVI、または「18 TILL I DIE」の頃のブライアン・アダムスみたいな音にジョン・ウェットンぽいようなとんでもなく大人しいヴォーカルを入れた、超地味なアダルトハードロック。ラテンの香りはないがNUCLEAR VALDEZあたりを彷彿とさせる枯れ具合を見せる場面も。晴れ晴れしていると感じる瞬間が1秒もないのが異常の域。そこに暗闇にモヤモヤと煙をあげながら走る汽車のこのジャケ、もしやトータルで意図的な演出なのか。大概、アリーナクラスの客相手の売れ線バンドを地下室でコピーしたみたいなバンドが多いLONG ISLANDにあっては、変わり種といえるかも知れません。誰のファン向けでもない、強いていうならLONG ISLANDファンのための1枚。
4 Oct, 2010
▼(昨日の続き)ということで土日の話。土曜のまず昼は、存在は知っていて先週「PS」(名古屋ローカルの情報番組)で紹介されていた伏見のラーメン屋「まるだ」へ。しょうゆはごくオーソドックスな二郎インスパイア系で、魚介スープのほうは大量のねぎと玉ねぎが効いててはじめは意外、だんだん辛い、総じてOKという感じ。リピート可能な手応えでした。晩は近所にあって行ったことがなかったスリランカカレーの隠れ名店「コロンボ」にて。インドカレーとはまた違うクセとさらさら度合いが完全に持ち合わせの価値判断の尺度外にありながら、結果的には「かなりウマイので他の種類も試したい」という感想に行き着きました。変わったカレーを食べたい人にはオススメです。鶴舞にはインドカレーのおすすめ「ムガルパレス」(ルウの濃さとナンの安定感はかつて試した市内のインドカレー屋の中でもベスト)や本格的だが辛すぎないタイカレーが食べられる「サワデーすみ芳」本店もあるし、カレー好きには困らない街だと思います。
おうおう、毎食豪遊しとるやないけ、と思われそうですが、そのぶん平日はエコノミカルに済ませてるのです。そしてメシばっか食っているのではなく、翌日の
ABSENTEEでのソロ出演のためにひたすら歌とアコギの練習をしてました。
▼で翌日曜は朝から、堀田のまたもインドカレー屋「
MAYA」にてモーニング。350円でドリンクにチャイが選べて、あの充実感のナンロール(中身はタンドリーチキンと野菜とオーロラソース)やナンピザはスゴイ。ついでにすぐ近くのカインズホームをフラついて、昼は吉牛の新メニュー・
牛鍋丼。ノーマルな牛丼よりこっちが好きです。
徹底して食べ物のことしか書いてないですが、帰宅後は再び練習。そしておおむね満を持して、久々にART OF FIGHTINGのTシャツ着用でABSENTEEに赴き、甘党の友・ベイリーズミルクと自家製ピクルス(辛めで超ウマ)という食い合わせ無視なセットをまずはオーダー。しばらくだらけたのち、持ち曲4曲と"1984 / Jump"(VAN HALEN)、"Iron Man"(BLACK SABBATH)、 "Painkiller"(JUDAS PRIEST)のコピーを弾き語ってきました。Ustreamしてもらえて若干テンションも上がり気味。今ならまだ
残骸が見られるみたいです(本人はこわくて未確認)。初日の山内君弾き語りの素晴らしさといいこの日といい、ツマミのウマさといい、ABSENTEEには既に良いイメージだけがインプリントされているので、何かにつけ今後も通いたいと思ってます。
▼その後、6月にあった大学のサークルの後輩の結婚式二次会幹事チームの打ち上げ兼・彼らの新婚旅行帰還祝賀会として、ABSENTEE / STIFF SLACKからほど近い「月の雫」でげらげらと飲み食い。基本的に休日は曲作りでもしないと有意義に過ごせた気がしないのですが、日曜おわりのこのイベント2本で一気に満足。なんか必要以上に詳細に日記らしい日記になってますけどもここまで読んでいただいている方がいたらありがとうございます。
本日のレビュー:MONSTER「THROUGH THE EYES OF THE WORLD」
B〜C級メロハーや幻のNWOBHM再発のリリースにその身を捧げてわずか数年で散ったドイツの良心・LONG ISLANDレーベルからの1枚。絶対ダメそうなバンド名に悲惨なジャケですが、BLACK'N'BLUEのドラマーを含むそうです。95年作。プロデュースはマックス・ノーマンで、LONG ISLANDにしては異例の安心して聴けるメジャー感。ディー・スナイダーを若々しくしたようなヴォーカルと、ピート・レスペランスの意外性が7割くらいになったような安定感あるテクニカルギタリストがいて(ベースも問題ないんだろうけど往々にして目立つポジションではないので…)、曲はスリージーR&Rのちょっと湿り気多めで日本人に聴きやすい感じ。初期SKID ROW+FIREHOUSE+ややTESLAといったところか。89年くらいだとこういうバンドが、山と積もって端から腐りかけるくらい存在してましたが、95年だと多少のありがたさもあるというもの。当のドラムのピート・ホルムズですが、シンバルの点数の多さを誇示しつつ必要以上のフィルで「デキる奴いるぜー」と自己主張してくれてなかなか楽しい。この手の出来上がりきった音楽は、後発になればなるほど「で、敢えて何なんすか?」ということになって、彼らなりの回答は特になさそうですけども、LONG ISLANDコレクター、ならびにBLACK'N'BLUEマニアのみなさんには、血眼になってようやく手に入れて聴いてもガッカリしないだけのクオリティだと言っておきます。
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3 Oct, 2010
▼この土日、だらだら過ごしすぎた〜と思って今日の夕方まできましたが、そこからのイベント2本ですべてが清算。詳しくは明日の日記で(今日は8時間寝ます)。↓のレビューは夕方出掛ける前に書きました。
本日のレビュー:ARMORED SAINT「NOD TO THE OLD SCHOOL」
さほど好きというわけではないものの、ジョン・ブッシュ(ex.ANTHRAX)がいい仕事しているので買わざるを得ないARMORED SAINT。これは01年リリースの、新録6曲+ライブ2曲+初期EP4曲+デモ6曲という、企画盤としては割と無駄のない内容なので購入。もともと特に引っ掛かりのあるメロディを設けるでも、リフに特徴があるでもなく、ただただストッとしたHMを聴かせるバンドなので、オールドスクール礼賛を打ち出した新録曲は当然以前にも増してスルスル〜と流れていってしまう感が強め。やっぱりチャーリー・ベナンテの生み出す捻じれたリフと相俟ってこそ絶妙の諧謔を放つ素材だと思うんだがなー。初期の代表曲"March Of The Saint"の再録なんてのも混じってて、これはさすがにカッコイイ。ダイナミックな曲線を描くジョン・ブッシュの歌唱の後ろにブルース・ディッキンソンの影が色濃くあることを再認識。
83年のデモ4曲(実際にリリースされた3曲と、同時期に録られていた1曲)はとにかく青々しさ全開で、それだけで楽しめてしまう振り切れ方。この頃からジョン・ブッシュは出来上がってます。「キャラクターの完成度が凄い新人」という点ではジェフ・テイトと並び評されても良かったのに。で最後に入っているデモ6曲というのが、90年に白血病で亡くなったデイヴ・プリチャード(G.)を含む88〜89年のセッションで、解散前ラストアルバムに収録の"Reign Of Fire"も入ってます。あとの曲は多分アウトテイクとして眠っていたもののようで、別にアルバムに入っていてもおかしくない曲(けっこういい出来)から、世相を反映して妙にミクスチャー風の曲までさまざま。多分これをずっと世に出したかったんだろうと思うとちょっと泣けます。USメタルの歴史はひととおり網羅したいなんていう人なら、バンドのファンでなくとも買って充実する盤でしょう。
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1 Oct, 2010
▼今日はSTIFF SLACK実店舗のとなりにオープンしたバーABSENTEEへさっそく行ってきました。いやーシャレオツな店内。飲み屋ばりに選べるカクテル、そしてつまみは激ウマ(自家製ピクルス超おすすめ!)。「安定期」知らずの攻めを続ける新川さんに改めて感服ですわ。でこの日はCLIMB THE MIND山内君の弾き語りソロライブが催されまして、本人がしきりに気にしていたとおり異常にデカイ声での熱唱を至近距離で目の当たりにできて最高だったなー。「ほぞ」から"ベレー帽は飛ばされて""教えて、とろ""壁の植物""つげ"、前作から"萌える傘の下"(順不同)という選曲だったと思います。バンドバージョンでは入ってないキメフレーズなんかも増えてたり、意外なコール&レスポンス(試行のみ)も盛り込まれたりしてニクイ内容でした。
しかもその後、人が少し捌けたあとで、なんかやれよー!というノリでその場にいた小鳥美術館がソファー(=ステージ)に上げられ、ABSENTEE誕生を祝すハッピーバースデートゥーユ〜と"うらおやつ"を、これまた練習のぞき見くらいの距離で拝めて感無量。目下アコギ練習中なので館長の手元に釘付け。今までプライベートで会ったことがある中で最強のギター弾きは彼です。またしばらく談笑ののち、25時過ぎに帰宅。日曜夕方に私も演奏させてもらうことになってるんですが、ハードルが上がってしゃーないですな。練習がんばろ。
只今のBGM:DRILL FOR ABSENTEE「CIRCLE MUSIC」
(日記から続き)ABSENTEEはSTIFF SLACKと店内でつながってるのですが、その貫通工事の日の「まさにDRILL FOR ABSENTEE!」とのツイートに笑ったのでした。作品のレビューは
過去掲載分を参照のこと。
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