SCSIDNIKUFESIN

February 2011

28 Feb, 2011

▼いきなり高いディストーションペダルを買ってしまいそうになりました、危ない危ない。今にもポチッといきそうだったのはこちらです。
CATALINBREAD「DIRTY LITTLE SECRETS」
WAMPLER「SUPER PLEXTORTION」
紆余曲折を経て今は完全にペダルで歪みを作るようにしているのですが、前から持っているMI AUDIO「TUBE ZONE」が果たしてベストチョイスなのか?と思い始めたが最後、TONE FACTOR(日本から直買い可)とYoutubeの行ったり来たりで昨日深夜に大物色。ハイゲインでも低音が潰れず、セッティング的にも潰しのききそうなこの2台に候補を絞り、よっぽど今日のうちにポチッとやってやるぞというくらいの意気込みでいました。
しかしここは冷静にと、今日の帰宅後改めてTUBE ZONEの使い方を検証。買った頃に適当に動かしたままだった内部トリマーを調整したうえでバランスをとったら、何の問題もなくなりました...。そしてこれは24V駆動が可能なのがほんとに良くて、そのために買った珍しいパワーサプライ(9V~18Vまで電圧が可変)+Yケーブルで高電圧を送り込んで動かすと、キャラクターまでは変わりませんが歪みが若干緩んで音量が上がり、おお余裕ってな感じになります。
ということでひさびさに短いサンプル音源を作成してみました。TUBE ZONE→ORANGE TINY TERROR(ゲイン9時)→PALMER PGA04→PCでギターはいつものHAMER(ハムバッカー、リアPU使用)です。 両方とも前半が9V、後半が24Vです。スタジオで鳴らしたときはもっと、「天井が上がる感じ」が顕著だったんですが、これだとあんまり音量以外の違いが分からないですね。うっかりPC側でノイズゲートを切り忘れて、立ち上がりの鋭さに違いがあるのにそれが消えてしまっているという問題もあります。まあ電圧のことは9割以上自己満足です。
ともあれMI AUDIO「TUBE ZONE」、引き続き愛用していくことになりました。臨時収入もあったりしてすぐにオーダー完了してしまいそうなところをよく耐えた。誰か買って、試奏させてください。

27 Feb, 2011

▼今日は縁あって、「業界のすきまに存在するこんなバイト」的な仕事を名古屋の真ん中でやってきました。疲労するほどの活動量では全然なかったけど疲れた...。どの程度映るのか、わかりませんが、鏡見て演奏中の動きの練習を本気でやろうと心に誓った次第です。合間の時間に立ち寄ったabsenteeで癒されたな~、タコライスほんとにおいしいですタコライス(=写真左上)
▼覚悟を決めて昨日ANTHRAX名古屋公演(5月7日)のチケットを購入。7K超えは厳しいです。もう後に引けない。あとはバンドのベストパフォーマンスを祈るのみ...ジョーイがかっこいいといいなあというのと、リズムパターンの変わり目でテンポまでガタッと変わる癖がどんどん顕著になるチャーリーもピシッとやってくれるといいのですが。
ANTHRAX「RETURN OF THE KILLER A'S」

本日のレビュー:ANTHRAX「RETURN OF THE KILLER A'S」

ANTHRAX来日に向けてどうしたらいい?という人向けの、ベスト盤レビューです。まず今回は80年代のスラッシュメタル時代を支えた2代目シンガー、ジョーイ・べラドナを含むメンツであるので、これではなくジョーイ時代の代表曲を余すところなく網羅した2枚組の「ANTHOLOGY: NO HIT WONDERS 1985-1991」の方を買っておくべきです。オリジナルアルバムを揃えるのはしんどいという人にもこの1枚で済ませたらどうでしょうとお勧めできる完璧さ。EPリリースのみだった"I'm The Man"や"Anthsocial"フランス語バージョンまで入っているとは、まじめに揃えたファンの方が悲しくなるほどです。
でこちらの盤(「RETURN OF~」)はどうかというと、グランジ時代を闘った3代目シンガーのジョン・ブッシュと、先述のジョーイとが共演を果たした"Ball Of Confusion"(TEMPTATIONSのカヴァー、このアルバムのみに収録)が入っているのが目玉で、あとはジョン時代(以下「80年代」)・ジョーイ時代(以下「90年代以降」)の曲が少しずつ入った中途半端な内容。90年代以降は、第1弾となった「SOUND OF WHITE NOISE」以外のアルバムではそうシングルヒットを出していないので、「NO HIT WONDERS」と「SOUND OF WHITE NOISE」を持っていればとりあえず今回のライブは楽しめると思います。
それでもまだANTHRAXに興味があれば、90年代以降の残りのアルバムも全部買ったらよろしいです。80時代は、有名曲以外は確かに不発弾だなという曲が多かったですが、90年代以降の非シングル曲はなかなか遊びのバリエーションが豊富で、メタラーじゃない人が積極的に楽しめる内容になっていますので。やっぱり80年代のも別々のアルバムで全部買うか...ということになっても、「NO HIT WONDERS」はリマスターであるし、「I'M THE MAN」や「PENIKUFESIN」や「ATTACK OF THE KILLER B'S」などの企画盤にしか入っていない音源の中でも特に肝心なものを押さえてくれているので、オリジナルアルバムと重複して所有することになっても悪くない品です。
ということで"Ball Of Confusion"に釣られたり、全時代フォローしているからいいじゃんといってこの「RETURN OF~」は買わないように。ということでした。リマスターなのか知らないですが音の改変もちょっと好ましくないです。
以下、ANTHRAXを知る上で見逃せない、EP・企画盤のみの収録曲。

26 Feb, 2011

▼休日ですが平日の話題を。世を忍ぶ仮の職場で世を忍ぶ仮の仕事中、少し前からFMラジオが強制的に流れるようになっています(ヘッドホン+iPhoneで回避しようとしたけど、時々呼びかけを聴き間違えたりすることもあったりしてヤメになりました)。
ヒットチャートとは遠く離れたところに長らく身を置いていて、好き嫌いというよりもほとんど知らないという状態になっている自分が、実はラジオの流行りの中にもいいものを見つけられるんじゃないかと淡い期待を抱いてみたりもしたのですが、やっぱり基本的にはゲップが出るだけという現状です。
冒険的じゃなくて大衆にフィットするやり方なら他にいくらでもあろうに、揃いも揃ってIV-III-VIの解決(キーがCメジャーの場合F→E→Am)にしか行かないのは何故なんだ世間の職業作家たちや若いインディバンドの皆さん。これを制限する法案でもお国のために誰か出してくれないか。イギリスに反レイヴ法があるように。
WHITESNAKE「1987 / SLIP OF THE TONGUE」[AXE KILLER Remaster]

本日のレビュー:WHITESNAKE「1987 / SLIP OF THE TONGUE」[AXE KILLER Remaster]

言わずと知れたWHITESNAKEの、言わずもがな代表作である「1987」(日米ではセルフタイトルまたは「サーペンス・アルバス」。「1987」は本来は曲順違いのヨーロッパ盤につけられたタイトル)とその次の「SLIP OF THE TONGUEのカップリングリイシューです。本編の内容については浅めにしておきましょう。サイクスが絡むまでに積み上げたキャリアこそWHITESNAKEだと思っている身には単なるヒット曲集くらいにしか思えないのが「1987」(一番好きな曲は"Give Me All Your Love")、デヴィ・カヴァ本人をして「バンドじゃなくてサーカスショウだった、悪夢」と言わしめる「SLIP OF THE TONGUE」はDLRバンド時代の諸作と同じくコマーシャルな音楽性の中にスティーヴ・ヴァイの尽きぬクリエイティヴィティが堪能できるという目線で全然傑作。「1987」はどうしてこんなに音が悪いのか、キース・オールセンには責任とってほしい。ついでにこの盤では「SLIP~」もリマスターで大幅改悪されてます。
メインで書いておきたいのはこれがフランスのAXE KILLERからのリマスター再発だということです。どの再発も真っ黒のジャケに作り変えてしまう嬉しくない趣味をもつレーベルですが、ついでにもれなくレアなボーナストラックを追加してくるから侮れない。このアルバムは2枚組で計7曲が追加されていまして、それについて細かくご紹介します。
まず「1987」自体が変則的な内容で、9曲入りのUS盤仕様の曲順を本体としたうえで、欧州盤のみ収録の2曲("Looking For Love"と"You're Gonna Break My Heart Again")がオマケ的に配置。その2曲と"Sweet Lady Luck"は、94年に発売されたベスト盤でも聴くことができました。
その他なぜかただの既発曲2曲があるのは無視するとして、目玉は日本独自の編集盤「1987 VERSIONS」でのみ(シングルB面は除く)聴けた2曲、"Standing In The Shadow Of Love"のギター差し替え版と、FLEETWOOD MACもやっていた"Need Your Love So Bad"(リトル・ウィリー・ジョンのカバー)のシンセバージョン。特に後者!(※埋め込み再生禁止だったのでクリックしてYoutubeページへ移動してください)
これも84年バージョンと87年バージョンが存在するらしく、シンセではなくオルガンが入った84年バージョンは今やCDでは入手できない模様。まあシンセは安っぽいですが、デヴィ・カヴァの真の歌唱力が堪能できるいいテイクです。このシンセバージョンは、何やら最近発売された「SLIDE IT IN」の25周年記念エディションにも入っているとか。AXE KILLERリマスターは基本的に生産数限定のはずなので、興味を持ったかたは25周年のほうをどうぞ。

25 Feb, 2011

▼例年の数倍だとか数10倍だとか言ってるけど全然効いてこないな、殲滅したか?体質が変わったか?と思っていた例のやつですが、今日あたりからさすがにちょっと来始めています。残念。杉林の上空をべとべとの粘液が染みたシートを垂らしたヘリが飛ぶとかなんとか、受け側じゃなくて発信側のほうでどうにかするのを国策にしてもらえないでしょうかね。そんな一大産業を潰すようなことにはきっと真剣に取り組まない今の日本。
PHILIP LYNOTT「SOLO IN SOHO」

本日のレビュー:PHILIP LYNOTT「SOLO IN SOHO」

昔はサッパリ良さが分からなかった1枚です。THIN LIZZYのヴォーカル/ベースのフィル・ライノットのソロアルバム(80年VERTIGOリリース)。たぶんそれこそ10年振りくらいに、角度を変えて冷静に聴いたらなかなか凄い内容でした。
ギター主体というイメージを強調するアンサンブルから脱却して、エレドラやシンセベースなんかも多用するアレンジに挑戦し、レゲエ風の曲すら登場。とりあえずTHIN LIZZYのことは一切忘れて聴こうとすれば、これはまさに80年前後のMTVポップス、ニューエイジブーム、原始ネオアコみたいなもののミックスです。で、ガーッと空間を埋めてくるギターの音圧が減じた分、自ずと歌心の比重が増すわけですが、そこで容赦なくほとばしるアイリッシュ・テイスト。この段階でもなおフィルの存在を抜きにして言えば「時代が大きく動いた瞬間(パンク・ニューウェーブでロック/ポップスが激変した時期)に辺境でも存在した、独自すぎる解釈で流行りものを平然と料理してしまった非洗練アイリッシュポップス」として相当面白いです。インドポップスや中国ポップスなど、英米のスタンダードに迫ろうとしながらどうやっても拭い去りきれない土着色がにじんだ「地方のメインストリーム」フェチの人は大いに楽しめるポイントがたくさん。
それで最後に、しかも歌ってるのはフィル・ライノット!THIN LIZZYのメンバーまでばんばん参加!という順序で楽しんでいくと、THIN LIZZYファンはガッカリせずに済むどころか幸せにニヤニヤできるという寸法です。例のツインリードもけっこう惜しみなく出てきますし、ブライアン・ダウニー(THIN LIZZYでフィル以外に唯一のオリジナルメンバー)が大半の曲を叩いてます。ほんとに信頼されてるんですねこの人のドラムは。ちなみにアルバムタイトルのSOHOは、宅録(small office/home office)でしこしこ作ったというわけではなくてロンドンにそういう地名があるそうで。ところで全部の音に軽く「オ」が混じったような発音のフィルのヴォーカル、こういうバック演奏に重ねると何だか浜田省吾みたいだというのが今さらにして意外な発見でした。

23 Feb, 2011

▼むかーし父親のLP棚を漁ってみたときにそういえばBEATLESが何枚か出てきたのを思い出して、最近まとめて購入したリマスターを全部CD-Rに焼いて、この前実家に帰ったときにあげたんでした。(孝行話は惜しみなく開陳、しかも新品の現物をもう1セットとかじゃないのがセコイ)
そのあと早速軽く聴いたようで、数時間後の夕飯の食卓で言われたのが「ビートルズってあれだなあ、今聴くとものすごいマイルドだなあ。昔出てきた頃は何だーこの(騒々しい、テンション高い)音楽はと思ったけどな」とのこと。当時の人にとっての特別感はそこかと、分かっちゃいたけど実際に言われて新鮮な思い。
今までずっとBEATLESを避けて通っていたのはそのあたりの問題が理由のひとつで、登場当時のそんなショックは知る由もないはずの同級生とかがBEATLESのあれが好きここが好き、これを聴け、ジョンとポールのどっち作の曲はどんなんで、全部すごいよね、とか(うっすら唯一神を見るような空気で、これが重要)言ってくるのが盲目的に思えて、いま冷静にフラットに並べて聴けばBEATLESばっかりそんなに偉大じゃねーよ、ケーブルテレビ加入して「HEADBANGERS BALL」見ろよと反感を持ってしまっていたわけです。KING'S X愛が高じたところにたまたまBSで見た「アイ・アム・サム」に後押しされてそんなコンプレックスからもあっさり卒業です。オチなし。
JASON LOEWENSTEIN「AT SIXES AND SEVENS」

本日のレビュー:JASON LOEWENSTEIN「AT SIXES AND SEVENS」

買ったときはまあフ~ンで、ひさびさに聴き返したら俄然いいじゃんというパターンのやつを今日も。SEBADOHのフロントをルー・バーロウと分け合っていたジェイソン・ロウエンステインによるソロアルバムです。02年リリースだからSEBADOHのラストアルバムから間もない頃に作られていたんですね(リアルタイムで買ってたはずだけど今や実感なし)。全パート完全に一人で演奏していて、録音はリールテープの8トラックレコーダーでやったとのこと。機材とミキシングにはケヴィン・カルタス(ex.RODAN~RACHEL'S)の助けを借りたとあります。おお。さすがルイヴィルネットワーク。
内容は、SEBADOHからフォーク要素(ルー先生)とノイズ要素(エリック)を除いたら残るダメロッキンな部分だけを煮詰めて濃縮したような作風。ぺなぺなのナチュラルオーバードライブだから気付きにくいものの(しかし100%アナログ録音なだけあって全体のサウンドプロダクションはKYUSSばりの趣き)、隙間を縫うようなコード感や歌メロ運びの具合が完全にFOO FIGHTERSやSEVEN STOREY(知られざる名バンドです聴いてください)、RIDDLE OF STEELの後身である愛しのTILTSあたりの路線です。いいじゃないかジェイソン。ローファイなオーケストレーションでマスキングされてるのが良いのか悪いのか分からないけども。今まであまりにルー先生贔屓だったけど、やはりこの人もなくてはならない存在でした。おっと終盤で更にダウンチューニングのいかついリフも登場、これはいかん。寝かせておきすぎたことを今猛烈に悔やんでいます。楽曲としてのフックは地味ですが、インディロック界隈に点在するこの手の渋ロックを積極支持する人は是非確認を。

21 Feb, 2011

▼予告どおり、昨晩は栄タイトロープでBALLOONS見てきました。クラブドーターがライブハウスでもあった頃から見ていて、DOIMOIの3人時代(2006年)に共演したときからは何かにつけ良くしていただいて、自分の中ではもう随分長いなーと思うバンドのひとつです。年末に3作目のアルバムをリリースし、この日の名古屋はレコ発ツアー(ツワー!)9/10箇所目。
本編セットリストはすべて新作からと気合充分。新作はAORの香りがズルイと評判ですが(去年のライブリポートでも言及)、改めてライブの場で見るとやはり、位置エネルギーをタメては放し、タメては放し...てな調子で休符やシンコペーションを細かくコントロールするフックづけがどこまでもアダルト。サビ寸前でしゃがんでジャーンプ!でひとつになれる10代の盛り上がりには目もくれないオトナの諧謔(いや、意外とそういうの好きだったりするかも知れませんが)。コード感の濁り具合にも心なしかアラフォーの色気が。
この新機軸が加わったことで、BALLOONSといえばもっぱら高精度クリーンギター×2、というイメージだったところに加えて、ベースが俄然オフェンスの存在感を放つようになったのも見逃せない点です。そして恐るべき切り替え能力で天地の如きコントラスト表現を飄々とこなすドラミングには、葵紋の印籠を見せられた悪党よろしくははーっと平伏すしかない。本人さえその気になるなら、メジャーアーティストのツアーバンド要員の座を総なめにしていったりすればいいのに。
昔からこれはやばいなー凄いなーと思うようなライブを見るとき、バンドは主観体たるプレイヤーの寄り集まりじゃなくて、曲になるものをどこかから受信してきて客席に放出するひとつの大きな変換器であるように感じるのですが、この日のBALLOONSはそれだったと思います。もともと都会的で潔癖なイメージ漂う音楽性だったのが、ここ数年はそのクリーンさが「あるべき音しかない」という域まで届くに至って、とにかくしこたま気持ちいい。あの清廉なアルペジオと手数ドラムが変拍子で絡むさまを聴いているとしかし、FATES WARNINGを彷彿とさせてならないんだな~とメタラーとして言いたいだけ(絶対影響受けてないと思う)。またご一緒させてくださいね!!

20 Feb, 2011

▼昨日はまた実家に人を呼び寄せて、売りCDの山、および今の住まいに移送されずにいる残留CDの山をリアルタイム裁判で買い取ってもらうイベントを開催。よく売れた~。しかしこれ、学生時代からたびたびやっていますが、いっこうに全滅してくれません。見やすく整理してしつこく再開催しますのでどうぞよろしく。
▼ついでにそのまま実家に久々の一泊。明くる今朝は「題名のない音楽会」でEL&Pの"Tarkus"のオーケストラアレンジをやるというので、英国5大プログレバンドの中でEL&Pに一番思い入れがないなりに有り難く見る。指揮を兼務する佐渡氏が番組の進行とともにどんどん汗だくになりながら司会役を果たす様と、いろんな人が指摘しているようにマーティのギターのボディにあった「激辛」のプリントに目が離せませんでしたね。マンティコアのルックスもひどい。しかしタルカスはそのうちちゃんと聴き直そうと思います。
▼夜はこれからBALLOONSのライブを見に栄タイトロープへ。らけいこに向けて腹をチューニングしかかったけどそういえば今日は日曜日(=定休)なのだった、NO!帰り遅くなりそうなので先に日記書いてしまいました。感想はまた明日以降。
BRUTALITY「WHEN THE SKY TURNS BLACK」

本日のレビュー:BRUTALITY「WHEN THE SKY TURNS BLACK」

シブ好みUSブルータルデスメタラーの94年作。今まで何度も売ろう売ろうと思っては寝かせてきた品ですが、久し振りに聴いたらピタッと来たので実家から持ち帰ってきました。変則的なダウンビート主体で、ブラストパートはたまに入るものの長続きせず、スパスパ畳み掛ける気持ちよさは皆無。しかしリフの音使いの屈折っぷりがかなり邪悪で、最近改めて感銘を受けたIMMOLATIONにも近いドヨドヨとした不気味さが漂います。ドラムの音がトリガーくさいのには若干萎えるところ。ジム・モリス録音なのでサウンドプロダクションは(94年にしてはかなり)良好ながら、もっとアナログくさいダメな音で聴きたかった感もあり。最近はこういう、一見どこがツボかわからない低速デスメタルってちゃんと存在するんでしょうかね。こういう音は好きなはずなのにハイテンション責めには疲れた、という人はぜひ聴いてみてください。
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18 Feb, 2011

▼最近考えていることは、デスメタルのドヨドヨと不穏に迫ってくる感じを、切り貼りのクロスオーヴァーじゃなく、薄めて溶かすような感じで、かつ愛と敬意をもって、もっと自由化できないかなということです。難しそうですね。
DEATH「SYMBOLIC」

本日のレビュー:DEATH「SYMBOLIC」

懐かしの一枚をおもむろに。メタルシチズンがデスメタル界の異変に気付き始めた93年、ジーン・ホグラン(ex.DARK ANGEL)+スティーヴ・ディジョルジオ(SADUS)+アンディ・ラロック(ex.KING DIAMOND)という最強の布陣でリリースしたテクニカル&メロディック・デスの金字塔「INDIVIDUAL THOUGHT PATTERNS」で一躍トップバンドになったDEATHが、メロデス7大バンド(EDGE OF SANITY、AMORPHIS、SENTENCED、AT THE GATES、DISSECTION、IN FLAMES、DARK TRANQUILLITY、だと思っています)もひとしきり出揃って温まったシーンに再度ぶつけてきたのがこの6thでした。
余談ですが当時は、CARCASSがCATHEDRALがPARADISE LOSTがみんなどこまでいっちゃうのと目が離せなかった、エクストリームメタルのビッグバンみたいな数年間でしたねー。そこから先は、目につくところではせいぜい順列組み合わせか高圧縮化くらいしか行われていない気がします。最近のデスメタルをほとんど聴く気にならない最大の理由。
本題に戻ってこのアルバム。アンディ・ラロックの代わりに入ったリードギタリストは現在はフロリダの大学でジャズを教えている人だそうで、言われてみれば確かに、物凄く流麗かつわずか~にスウィング気味な軽妙さでスイスイとスケールアウトしてくれます。凄いなこの人、読み方わからんけど(つづりはBOBBY KOELBLE)。ベースのケリー・コンロンはMONSTROSITYやVITAL REMAINSなんかにも絡むことになる生粋のデスメタラー。巨漢グラサン激手数マシンのジーン・ホグラン(Ds.)は続投、そして孤高の英雄チャック・シュルディナー(R.I.P.)はといえば、より余裕のにじみ出た作曲をするようになってまさにミュージシャンとしてのピークにあります。BPMとかを見れば前作ほどの異常な勢いはないまでも、鉄壁の完成度はキレキレという言葉が相応しい。デスメタルの下敷きになっているアグレッションの芯だけ残して、ほとんど最近のNEVERMOREみたいなことをやっています。METALLICAのブラックアルバムやPANTERAの登場によってメタルサウンドのポップソング化が実現したその道筋を、エクストリームメタルの世界まで延長・開放したバンドのひとつがこの人達だったといえましょう。
サウンドプロダクションの面でも、同じMORRISOUNDでの録音ながら今回からエンジニアがジム・モリスになり、クリア&ソリッドで量感もある仕上がりになっています。最近の、すべてが変に「マキシマイズ」された化調っぽい音とも違って安心感がありますね。展開は目まぐるしいわ、調性は一定してないわで、フック云々名曲云々という見方をすれば正直そこまで親切な内容ではないのですが、円熟とイノヴェイションの健康的な同居という1点だけでも充分素晴らしい盤でした。
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16 Feb, 2011

本日の収穫、米アマゾンから到着のTHE BEATLES「THE BEATLES IN MONO」(モノラルミックスのリマスター10枚組ボックス)、「YELLOW SUBMARINE」「ABBEY ROAD」「LET IT BE」(いずれもリマスター)。人からすれば勝手にすればって話かもしれませんが、自分としては遂にこの時が来たと。足を踏み入れるなら全か無だろうってことで、全の最善と思われる買い方をしてみました。急に昔からのマニアだったみたいに「いやねえジョージがね...」などと語りだしたりする予定は今回はないです。
とりあえず現在、ボックスセットから順にリスニング中。今まで一般的に聴かれていたバージョンを知らないので何とも言えないところではありますが、嫌味のないリマスターで音はむちゃくちゃいい気がします。紙ジャケは若干扱いづらく、紙の厚さの割にCDサイズなので折り目の部分とかが非常にゴテゴテしているものの、意地でもアナログを再現してやろうという執念には好感が持てます。
THE BEATLES「RUBBER SOUL」

只今のBGM:THE BEATLES「RUBBER SOUL」

(日記からの続き)開封からひたすらリリース順に聴き続けて現在これ。このアルバムから心なしか一段大人になるのですね。思いがけないコードの登場や歌メロのきわどい瞬間などのディテールばかりに注意を払って聴いております。見逃せないひとコマは実際多い。買う前に下調べしていたときは知らなかったんですが、このアルバムと「HELP!」のみステレオミックスも収録されてます。お得だな。

15 Feb, 2011

▼今日は赴任先のインドネシアから一時帰国中の後輩を囲む会でした。スキあらばありとあらゆるジャンルの突発イベント(≒トラブル)を呼び込む体質の彼は、今回も火山灰と降雪のダブルパンチで帰国に難が生じかけたそうですが、結果的には何事もなかったという様子でとなりの席で酒を飲んでいました。リアルタイムで増え続けていく武勇伝を今後も楽しみにしたい。
しかし楽器メーカー勤務と素材メーカー勤務と家具製造販売業勤務による素材・工法トークにまったくついていけず、もうちょっと人生まともにしていかないと、と改めて自覚した晩でありました。
BROKEN HOPE「REPULSIVE CONCEPTION」

只今のBGM:BROKEN HOPE「REPULSIVE CONCEPTION」

日記やブログなどでBROKEN HOPE推しをアピールしているデスメタラーは日本にそう多くないようで、今日このサイトにBROKEN HOPEを検索してたどり着いた人がやたら沢山いらっしゃいました。というのも、検索されたキーワードが「BROKEN HOPE ヴォーカル 自殺」。調べてみたら本当にそういうことだったみたいです。残念...。USブルータルデス界でも屈指のロウトーンと深い倍音の持ち主で、この人の具合悪そうなグュオォという激烈ガテラル声が好きだったのに。
ということで彼らのフェイバリットアルバムを聴いて今晩は追悼です。これの4曲目がリリース当時、イントロに喘ぎ声のSEが入っているという理由だけで「ヘヴィメタルシンジケート」(バーンコーポレーション提供のFM番組)でオンエアされたのですが、曲本体のほうにかなり衝撃を受けた記憶があります。リフの切れ味は鋭いのに、リズム全体は重戦車どころか深夜の清掃車ばりのドシドシした迫り方で、ほとんど止まりそうを通り越して時々本当に止まったりする不親切ダウンビート、そこに乗る異常な倍音を帯びた地底声。アルバム全体もほぼそんな感じです。ブラストパート(スネアとバスドラを同時打ちする、昔のSUFFOCATIONによくあったパターン)もどことなくクール。大抵のブルータルデスはモサモサドヨドヨ系かソリッド&スポーティ派のどっちかに振れてしまうところを、スーパードライなのに腐肉感も尋常でないというのは、3rd以降のCARCASSの質感にも似て貴重なものといえます。
残されたギタリストのコメントによると、「2000年以降は彼とは関わりがなくなってしまっていたが、つい最近また一緒につるむようになって、新しいドラマーとリハーサル用の場所も見つけてまさに新生BROKEN HOPEを始動させようとしているところだった」とのこと。なぜ自ら命を絶つことになったのかは全く分からないそうです。生前散々汚く醜い死や神への冒涜を歌ったデスメタルバンドのシンガーにも、冥福のあらんことを。
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13 Feb, 2011

▼たった一度の29時超えがその後2日もひびくようになってしまってショック。曲作りと望まざる惰眠の距離、それは紙一重ほどであります。今から追い込んで今日が有意義だったことにしたい(現在21時半過ぎ)。AS MEIASレコ発・奈良編行きたかったなーほんとに。
CIRCLE「TULIKOIRA」

本日のレビュー:CIRCLE「TULIKOIRA」

別のアルバムを先月取り上げて度肝を抜かれた、フィンランドの異次元メタルバンドの2005年作。よく輸入盤のケースに張られている「遂に出た新作!」的なステッカーを模したものがジャケの一部としてプリントされているんですが、LENGTHのつづりがLENGHTになっているあたりも確信犯と思わざるを得ない。
相変わらず83年頃を思わせるポンコツ原始スラッシュ風(ただし演奏のキレは高い)のメタルサウンドを具材にして、GURU GURUや極初期ASH RA TEMPELを思わせるサイケな時間感覚&ループ感で聴き手の脳系統をグニャグニャに混線させる、きわめて悪どい21世紀型サイコミュージック。冒頭曲ではアトモスフェリックブラックテイストすら注入し、24分を超すラストの大曲に至っては、MANOWARに中近東のオヤジフォークシンガーを無理矢理あてがったような導入部からごく自然な流れで寝落ち寸前のAMON DUUL~準備運動中のFAUST風展開を悠長に繰り広げ、ラスト20秒でまさかのメインテーマ再現をブチかまして逃げる始末。
既に存在する何者をも含まないようにするフリーミュージックとか、雑多なものの断片をとにかく陳列する類のアヴァンミュージックと違って、手を出している素材については恐ろしく深い造詣があるはずなのにその常識を一切なぎ倒してしまっているところにこのバンドの怖さがあります。若くしてMELVINSとタメを張るのではないか。音楽を曲だ歌だではなくデザインとして聴ける人向け。
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12 Feb, 2011

昨日11日の収穫、近所のイオン内のタワーレコードでMR. BIG「WHAT IF」。有名バンドの新品をタワーで買うとは何年ぶりだろか。感無量の感想は本日のレビューにてどうぞ。
▼で夜は後輩宅にて、おでんと牡蠣で飽食を極める企画に便乗。「磯の香りを放ちまくる牡蠣を、食べる分だけ都度洗って卓上蒸し器で蒸してレモン汁で食う」編と、「圧力鍋パワーでがっつりダシの染みたおでんを土鍋一杯分ずつ空けていく」編が反復する2ステージ制(=写真、クリックで拡大)、ラストは夢の光景 a.k.a. ボールいっぱいのチーズケーキを大スプーンで好きなだけすくって食うというチルアウトタイムつき。
以下、防備録として。
下水道グラインド+セサミストリート
文字どおりのバカテクドラム
その後のリサーチで彼の名前はスティーヴ・ムーア、参加バンドはRICK K AND THE ALLNIGHTERSというらしいことが分かりました。
▼未明に帰宅し今日は完全に惰性の一日。買い換えて引退していたPCをリビングのテレビにつないだら超快適で、リビング用に買ったノートPC(ロースペックなのでレコーディングとかは到底無理)の活路を一生懸命考えているところです。明日は有意義にいこう。
MR. BIG「WHAT IF」

本日のレビュー:MR. BIG「WHAT IF」

ガマンできず買ってしまいました、オリジナルメンバーでの再結成作!ジャケがこれまでになくCGだなと思ったら、リリースがFRONTIERS RECORDS(メロハー/様式美の老舗バンドから若手までガンガン拾う、メロディックHM/HRの巨人軍みたいなイタリアの新興レーベル)なんですね...切ない...。さておき内容ですが、ビデオクリップが先行公開されていた冒頭曲の、マイナーキーでこれまでにない男らしさをふりまく感じからもうガチっぷりが伝わってきます。映像もむちゃくちゃかっこよくて、ビリーがエリックにコーラスを重ねただけで旧ファンにとっては感無量。こちらですどうぞ。
いやーいい。その後もやたらソリッド&重厚に攻める曲がてんこ盛り。こんなMR. BIG初めて。しかしこのアンサンブルは紛れもなくあの4人だとひしひし思わされるというところで、再結成アルバムとしては凄く理想的な出来になっていると思います。時間の経過がポジティブに活きた、この上ない現在形。ここでショータイム!と言わんばかりのバカテク展覧会パートは一見抑え目になっているものの、楽曲性にフィットする形でところどころにちゃんと配置されています。
中盤過ぎまでほぼずっとゴリゴリなのでさすがにオイどうしたと思いかけると、8曲目でがらっと空気の入れ替わる和みチューンが出てきて、フーッようやく力抜けた~となるこの流れの快感も半端でない。しかし安息の間はわずかですぐに戦闘モード。おっさんら、逞しくなりましたな...。こんなもんだろうという期待とは全然違ったけど超・満足です。復活作良いらしいっていうけど今更なあ~と買わずにいる、中学高校時代をMR. BIGで過ごした大勢の皆さん、明日からの日々を生きていく力になるようなアルバムですので(!)、すぐ買ったほうがいいです。
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10 Feb, 2011

▼絶対来てると思いかけた花粉に意外と悩まされていない2月半ば。もう2月半ば!うっかり正午に目を覚まして24時に就寝する一日に12ヶ月をあてはめるなら、ちょうど「ごきげんよう」を見終わろうとする頃か。「今日はまだこれからの希望に満ちている」とか思ってるタイミングですな。うっかりすると記憶が飛んだかのごとく18時を迎えてしまったりするからこれは注意が必要だ(超ひま人だったことがある人間ならではの発言)。計画!
IMMOLATION「HARNESSING RUIN」

本日のレビュー:IMMOLATION「HARNESSING RUIN」

NYブルータルデスの古株、IMMOLATIONの05年作。2000年代のデスメタルなんて全部、記号を要領よく追いかけてるか、記号を逃れようとするその足取りが結局列になってユニークでも何でもないかのどっちかだろうと、すっかり興味など持てずにいるんですが、昔からやってるバンドの一部の人達だけは違います。IMMOLATIONはこれの前のアルバムでもその深化ぶりに驚いて、ここでもゆるやかなグレードアップが見られます。
メロディック化になびくでもなく、使った刃をただ研ぎ続けるでもなく、デスメタルのえぐみの核をしっかり捉えた上でリズムは豊かに、リフは大粒に。INCANTATIONと似たラインの不気味系ながら、GORGUTSのような不条理感もうっすら導入し、AUTOPSYのような無骨さも若干あり、とにかく不穏であることに100%の心血とセンスを注いだような出来。新しい形を求めたりしなくてもデスメタルはまだまだこれだけ芳醇になれたのかと感心します。何にでも「いわゆる」がついて見える近頃のエクストリームミュージックにウンザリな向きにおすすめしたい真打ち。
余談ですがこの人達、アートワークはいつもアンドレアス・マーシャル(BLIND GUARDIANほかジャーマンメタル系を多く手がけるイラストレーター)なのに、このアルバムだけ違う!
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9 Feb, 2011

本日の収穫、今池P-CANにてMONTROSE「MONTROSE」。いやーずっと探していた(安値で)。ようやく買えた。これでMの棚で注意して探すものが減りました、MY SISTER'S MACHINEも買えたしあとはMOTHER LOVE BONE。
MONTROSE「MONTROSE」

本日のレビュー:MONTROSE「MONTROSE」

少し前にたまたま見た個人ブログか何かで、デビュー前のVAN HALENが影響を受けているはずの1枚として挙がっていた作品です。プロデュースがテッド・テンプルマン(初期VHを手がける)で、シンガーに至ってはサミー・ヘイガーその人だったりするので当然そうなんでしょうね。日に焼けかけた安いのをどっかで見つけんかなと思い続けてたぶん半年くらい、ようやく購入。
内容はまさに73年のアメリカから出て来て納得なハードロックそのもの。欧州産バンドのような、その後鋼鉄化していきそうな悲哀とかリリシズムはなくて、LED ZEPPELINを部分拡大してGRAND FUNK RAILROADをハードエッジにしたような快活サウンドです。BAD COMPANYとAC/DCの中間点にあるような感じ。
バッキングはオーヴァーダブしないギターがスカスカな音像(ライブレコーディングに近い)の中でパリッピシッと刺激性を放ってくるあたりとか、ラフで派手派手しい表情付けのヴォーカリゼイションとか、構図感がほんとに初期VAN HALEN。サミー・ヘイガーもVH加入後のようなシャーシャーしたハスキートーンと違って結構デイヴ・リー・ロスっぽいのが不思議。
こういう、今となってはオーソドックスでしかない初期ハードロックは、音楽的特徴について取り立てて何を書いたらいいか困りますが、冴えてる度は間違いなく高い盤です。もともとセクシーで不良っぽいのがロックだったんだよなあと思い起こされます。

8 Feb, 2011

▼今日は新栄アポロシアターにてTHE DISMEMBERMENT PLANの再結成ツアー名古屋公演を見てきました。いやー最高だった、想像をはるかに超えた。拍子もコード展開も歌メロも、軸が歪められるような感覚のオシャレさでデザイナブル、スマート&ウィアード。ヴォーカルのトラヴィスの、歌メロの踏み外し方とかシアトリカル・バカなパフォーマンスには若干ピーター・ゲイブリエルの影も見えたか。そしてこれまでに見た外タレの中で抜群のいい顔大賞、ベースのエリック。この人を見たかった。MARITIMEで2度見たときもノリ方が異常にカッコよくて音の方も何故かやけにドボッと太いボトム感があるな~と思ってましたが、相変わらずで最高。しかもムチムチだったのが2割くらいサイズダウンして三枚目役の映画俳優みたいになっていた。
エリックには2005年、DOIMOIの2回目のライブでMARITIMEと共演を果たしたときに打ち上げで親切にしてもらった思い出があって、今回は絶対話しかけてCD渡してやろうと目論んでいたのでした。ライブ終了後にのこのこと歩いてきたところを話しかけて、まんまと成功。しかもかなり喋ってくれました(05年のライブのときは我々の出番中に会場外にいたようで演奏を見られてないし、打ち上げで喋っただけなので当然覚えられてはいませんでしたがそのつもりだったので無問題)。我々の2枚のアルバムのタイトルやアートワークを見て「何、ドイモイはメタルなの?SLAYERみたいな?」と(メロイックサインつきで)言うので「そうそう、それでFOREIGNERみたいに歌う」と返してみたら「FOREIGNER?『Doule vision~』って?じゃ多分QUICKSANDみたいな感じだね」と完璧に気の利いたコメントをもらいました。さすがいい歳したアメリカ人。
会場をあとにして、居合わせた大学時代のサークル仲間の面々とココイチを食らうという超久し振りな展開を楽しんで小雨の中帰宅。平日の良いライブは週の中休みの祝日に匹敵いたします。しかしもっとやってくれればまだ何曲でも見れたなあディスメン。
FOREIGNER「HEAD GAMES」

只今のBGM:FOREIGNER「HEAD GAMES」

(日記からの続き)こともあろうにディスメンが今1枚も手元になく、FOREIGNERもルー・グラム時代で「DOUBLE VISION」だけ持っていないので、以前も登場しましたがフェイバリットなこの盤を。ルー・グラムのハード&ソウルフルな熱唱は若干ドライ気味の作風にばっちり合います。ポール・ロジャース在籍末期BAD COMPANYがメロウなメインストリームポップスじゃなくてBOSTON方向に進んでいたらこうなった、という感じですね全体的に。たまに混じっているロッキンなだけのつなぎっぽい曲もいい風情。JOURNEYのようなパンチは期待しちゃいけませんが、良質の辛口産業ロックです。
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7 Feb, 2011

▼昨日の日記が土曜日の出来事で長くなりすぎたので、ドミノ式に今日は日曜の出来事を。といっても大したことはほとんど何もしてませんで、昼行った店のご報告です。千種の坂を西に下りきって少し入ったあたりに前からあるなと思っていたcafeバビューを初訪問。古そうな家具と小物で揃えられた内装(天井・壁も含めてけっこうガッツリ費用かかっている感じ)で、絵本やカルチャー誌がズラズラ並ぶ本棚(この手の店の定番なのでしょうか、しかしniro cafeの本棚のサブカル度は凄かった)もあり、「カフェ女子の夢」を固形化みたいな店でした。しかしランチは意外と量も食べ応えもあり、+50円の大盛りで私の胃でもOKなくらいに。シャレオツ気分を味わいながら長居したいカップルとかにはいいんじゃないでしょうか。ドリンクは別。
▼明くる本日、朝から信じられない訃報が。58歳とは若すぎませんかい旦那、マシュマロマンだと散々バカにしてすいませんでした。ゲイリー・ムーアよ安らかに。まともに聴き込んだのはベスト盤とTHIN LIZZY参加音源くらいという薄いリスナーではありますが、唐突にいなくなられると悲しいです。
THIN LIZZY「BLACK ROSE」

只今のBGM:THIN LIZZY「BLACK ROSE」

こんなときくらい珍しくSKID ROW(セバスチャン・バックのやつではなくてゲイリー・ムーアが70年代にやっていた方)でいこうかと思ったものの、やっぱり気分的にあんまりトリビュートにならなかったので聴き慣れたこちらを。THIN LIZZYでフィルの存在感以外の「ぽさ」の核が実はブライアン・ロバートソンだったことはWILD HORSESで明らかになっているので、これも結局あんまり相応しいチョイスではないのですが。
「マシンガン・ピッキング」と呼ばれたトレードマークの速弾きはTHIN LIZZYではそれほど炸裂してないですが、その片鱗を伺わせる演奏はそこかしこに。ただ速いのではなくて、異常なクリアさが鋭さを際立たせてこその「マシンガン」であることです。それでいてこの弾き倒し感を醸し出す熱気。巧いギタリストのひとつの理想形なのかも知れんとこの歳になって気付きました。きっと違うけど暑苦しく粘っこいリッチー・コッツェンなのか。
このアルバムはしかし何といっても"Sarah"がいい曲。フュージョンAOR風の優しい歌ものです。大学時代に学祭限定のコピーバンドでやったけど、生きてるうちになんべんでもやりたいですねこれは。ひとクセありつつビートロッキンな"Waiting For An Alibi"からの流れの素晴らしさは2011年の今さら敢えて言うに及ばず。
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6 Feb, 2011

▼少し前、DOIMOIのベース担当・篠田君がおもむろにMARSHALL JCM800のコンボ(もちろんギター用、彼はもともとギタリスト)を購入。それをワタシがライブで使ったほうが(今まで使っていた自分所有のMESA BOOGIE 50CALIBER+エクステンションキャビより)いいかもしれないという疑惑が最近浮上していて、それを徹底検証するべくスタジオに両者を持ち込んで比較したいという話をしたら、それなら身近な高級アンプ所有者に集まってもらおうということになって、ALLie/room501の竹岡君のFENDER DELUXE REVERB、a million milesの田島君のBAD CAT CUB II Rも一堂に会しての大・試奏会に(=写真)。これが滅茶苦茶有意義でした。ワタシのメサは結局生き残ることになりひと安心。24V駆動させたMI AUDIO「TUBE ZONE」のパワーも確認。
参加者全員テンション激上がりでしたが、実際ものすごく楽しいので、知り合いのバンドマンを誘って同様の会をドンドン催すといいです。
▼夜はまたSTIFF SLACK横ABSENTEEにて、新川さん主催の店内ライブを見物。ソロライブはやったことなさそうだがギターと唄はできるようだというお客さんを事前に指名して、とにかく何かをやらせるという冒険的な試み。どうなるのか全く見当がつかなかったこともあって、想像以上に充実したオモロイベントになっていました。ナイスオーガナイズ&ナイスパフォーマンス。隠れた芸達者がまだまだポコポコといるものです。
終了後はなんとなく予想された飛び入りタイム(といっても新川さんの強制指名)に突入し、トゥラリカ・アローン=タクミ君に続いて私もちょろっとやってきました。前回出演時の残りネタがあってよかった。何の打ち合わせもなくベース篠田君を巻き添えに歌わせてみたら見事やりきってくれました。彼は男の中の男。
▼時系列は前後しますが、↑のイベントの前に、長らく行けていなかったら・けいこをひさびさに訪問。王道の汁ありのほうをオーダーしましたが、ヘヴィユーザーの竹岡君と田島君(アンプの会のあと、いったん解散してまた合流)はともに汁抜き+生卵。けっこう塩っ気の立つ醤油味なので、スープで味を全体にまわらせるよりは濃縮状態のまま卵のまろやかさでバランスを取るのが賢明なのかも。次はそうしよう。
▼ABSENTEEでのイベント終了後は、出演者の4分の2を含むメンツでカラオケに雪崩れ込むというので追従。イベント本編以上の芸の炸裂を見た。しかしきょうびのカラオケはPANTERAに"A New Level"が、SEPULTURAに"Territory"が、METALLICAに"Sad But True"が入ってないのは納得いかないっすね。アルバム2曲目フェチとしては。
MATS/MORGAN BAND「THANKS FOR FLYING WITH US」

本日のレビュー:MATS/MORGAN BAND「THANKS FOR FLYING WITH US」

評判が良いらしかった05年作。先日ようやく買いました。冒頭曲が76年くらいの後発組フュージョンプログレ/ジャズロックの超モロスタイルで面食らいましたが、その後はMESHUGGAHがブルガリアで修行したかのような音飛び風ズタズタ変拍子を惜しみなく注ぎ込みつつ、テクノ/エレクトロニカの「らしい」部分を突いた和音使いを多発するシンセをザッパくずれのアホっぽさで鳴らし、踊らせたいのか踊らせまいなのかまったく不明。そこにやっぱり中後期RETURN TO FOREVERラインの正統派フュージョンテイストが「どーもお騒がせしてます」とばかりに出てきてはまた去っていくという。遊びまくるだけではなくて、冗談のキツさをまっとうに楽曲性の凄みとしているあたり、もはや名人芸の域です。プログレ/ジャズロック/フュージョン/トラッドロック/マスロックがやんわりクロスオーヴァーするこの手の体力系変拍子音楽の30年間くらいをグルッと統括してくれた傑作でしょう。
冗談キツいといえば、盲目のマッツ(Key.)が白杖を片手に飛行機の操縦席に着いている裏ジャケ。突き抜けてますなあ。
[myspace]

4 Feb, 2011

▼ANTHRAXがひさびさにフェスではない普通のツアーで来日、しかも名古屋は土曜。嗚呼、揺れる財布の紐(チケット代は例によって7K超え)。基本的にジョン・ブッシュ積極肯定派ですがジョーイの戻ったANTHRAXも見たい、というか中学高校時代の自分に見せてやりたいので是非行きたい。間違っても"Only"とかはやらないでもらいたい。
...と思ったら動画あった。(2010年)
「夜もヒッパレ」でミスチルにコブシをきかせ過ぎる尾崎紀世彦じゃないか。昔からのシャープ音痴。これでいいのかよメンバー達。
でもダン・ネルソンよりはまし。(2008年)
うっすらジョン似なだけのダミ声をブレイズ・ベイリーばりのノーコンでブッ放す、ANTHRAXにとってはとんだアマチュアでしたね。これが4代目だなんてとんでもない。アクションももさい...。
で、これがジョン・ブッシュ。(95年)
1番Aメロの途中で余裕の歌唱放棄(しかも腕組み)、からバシッと戻る瞬間がカッコ良すぎる。ヒューストン熱い。ARMORED SAINTさん、お願いなんでこの人ANTHRAXに戻してください。ポール・クルックもなかなかいいリードギタリストでした。
ちなみに初代のニール・タービンはこんなことになってました。(2009年)
これアンタの持ち曲じゃねーだろう(在籍中に作ったのかも知れないが)!!
こっちこっち(87年)。このノリならとても見たい。METALLICAのカーク・ハメットは昔ライブでギターソロ以外音量ゼロにされてたらしいですが、ダン・スピッツもこの手元の動きを見ると相当あやしいですね(サビなんか完全に弾いてない)。ソロになるとフレーズ自体はいつも大変しょーもないのだが、こんなにテンポアップしても完璧にクリーンに弾くとは、上手いのかダメなのかわからない人です。今は時計職人だし。でジョーイにはこのファッションもぜひ再現してもらいたい。

2 Feb, 2011

▼HR/HMを聴き始めて15年余り、つくづくいいバンドだなと思い続けているのがKING'S Xです。ドロップチューニングでのヘヴィで硬質なリフ(METALLICAやPANTERAがスローダウンするより前から)と、親しみやすくも意外性のある歌メロやコード進行が、乖離したままただ同居しているのではなくて必然性をもって混じりあっているスタイルで、初期は「『METALLICAミーツBEATLES』といわれるKING'S X」というのが定番の紹介文句になっていました。
くどくどしい個人的事情の説明は割愛するとして、とにかくいい加減BEATLESにちゃんと向き合うタイミングが来てるんじゃないかと思い始めたのがここ1~2年。要領よく網羅するにはリマスターBOXが一番賢いらしく、しかもモノラルミックス版のほうが作り手の意図した出来に近いとの情報も。ということでモノラルミックスのBOXセットと、そこから漏れている後期3枚のリマスター、円高に乗じてUSアマゾンからお取り寄せしてやりました。以上、人生で遂にこの一線を越えたという記録まで。
KING'S X「KING'S X」

本日のレビュー:KING'S X「KING'S X」

METALLICAがブラックアルバムを出してからしばらく流行った、「デビューから年数の経っているバンドが心機一転のタイミングで敢えて出してくるセルフタイトルアルバム」のパターンで、92年リリースのこれは4作目になります。例の「METALLICAミーツBEATLES」というカラーはデビュー当初から一貫しているのですが、初期にいけばいくほどただファンキーなだけ、もしくはソウルフルなだけの曲というのが多くて、この4thは初めてその部分がほとんど抜け落ちた内容になっています。
決してフラッシーではないが捻じれてるにも程があるリフの数々は、ギターを弾く人じゃないと伝わらないかもしれないシブさながら地味に孤高。歌メロはこれまでになく目鼻立ちのくっきりしたものが多くて、アクロバティックなコード展開と分厚い三声コーラスも健在。何より、今まであんなに似たような曲調のリサイクルばかりしてきたKING'S Xが、全曲こんなにはっきりと違うテーマを提示してくるとは。似たりよったりのユルさが持ち味のバンドでもあるんですが、この無駄のなさにはすげーなあと思ってしまいます。
これ以降、ソリッド路線を試したり、オルタナ色を強めたりという時期を経ながら、今ではあらゆる迷いが消えて質の高い量産体制がすっかり整ってしまって、ちょっと興味が薄れていたりもします。さておき、音像も含めてハードロック然としていた頃で初めての人に一番勧めやすいのはこれ。個性が端的に伝わるのは1枚前の「FAITH HOPE LOVE」でしょう。
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