SCSIDNIKUFESIN

23 Feb, 2011

▼むかーし父親のLP棚を漁ってみたときにそういえばBEATLESが何枚か出てきたのを思い出して、最近まとめて購入したリマスターを全部CD-Rに焼いて、この前実家に帰ったときにあげたんでした。(孝行話は惜しみなく開陳、しかも新品の現物をもう1セットとかじゃないのがセコイ)
そのあと早速軽く聴いたようで、数時間後の夕飯の食卓で言われたのが「ビートルズってあれだなあ、今聴くとものすごいマイルドだなあ。昔出てきた頃は何だーこの(騒々しい、テンション高い)音楽はと思ったけどな」とのこと。当時の人にとっての特別感はそこかと、分かっちゃいたけど実際に言われて新鮮な思い。
今までずっとBEATLESを避けて通っていたのはそのあたりの問題が理由のひとつで、登場当時のそんなショックは知る由もないはずの同級生とかがBEATLESのあれが好きここが好き、これを聴け、ジョンとポールのどっち作の曲はどんなんで、全部すごいよね、とか(うっすら唯一神を見るような空気で、これが重要)言ってくるのが盲目的に思えて、いま冷静にフラットに並べて聴けばBEATLESばっかりそんなに偉大じゃねーよ、ケーブルテレビ加入して「HEADBANGERS BALL」見ろよと反感を持ってしまっていたわけです。KING'S X愛が高じたところにたまたまBSで見た「アイ・アム・サム」に後押しされてそんなコンプレックスからもあっさり卒業です。オチなし。
JASON LOEWENSTEIN「AT SIXES AND SEVENS」

本日のレビュー:JASON LOEWENSTEIN「AT SIXES AND SEVENS」

買ったときはまあフ~ンで、ひさびさに聴き返したら俄然いいじゃんというパターンのやつを今日も。SEBADOHのフロントをルー・バーロウと分け合っていたジェイソン・ロウエンステインによるソロアルバムです。02年リリースだからSEBADOHのラストアルバムから間もない頃に作られていたんですね(リアルタイムで買ってたはずだけど今や実感なし)。全パート完全に一人で演奏していて、録音はリールテープの8トラックレコーダーでやったとのこと。機材とミキシングにはケヴィン・カルタス(ex.RODAN~RACHEL'S)の助けを借りたとあります。おお。さすがルイヴィルネットワーク。
内容は、SEBADOHからフォーク要素(ルー先生)とノイズ要素(エリック)を除いたら残るダメロッキンな部分だけを煮詰めて濃縮したような作風。ぺなぺなのナチュラルオーバードライブだから気付きにくいものの(しかし100%アナログ録音なだけあって全体のサウンドプロダクションはKYUSSばりの趣き)、隙間を縫うようなコード感や歌メロ運びの具合が完全にFOO FIGHTERSやSEVEN STOREY(知られざる名バンドです聴いてください)、RIDDLE OF STEELの後身である愛しのTILTSあたりの路線です。いいじゃないかジェイソン。ローファイなオーケストレーションでマスキングされてるのが良いのか悪いのか分からないけども。今まであまりにルー先生贔屓だったけど、やはりこの人もなくてはならない存在でした。おっと終盤で更にダウンチューニングのいかついリフも登場、これはいかん。寝かせておきすぎたことを今猛烈に悔やんでいます。楽曲としてのフックは地味ですが、インディロック界隈に点在するこの手の渋ロックを積極支持する人は是非確認を。