SCSIDNIKUFESIN

21 Feb, 2011

▼予告どおり、昨晩は栄タイトロープでBALLOONS見てきました。クラブドーターがライブハウスでもあった頃から見ていて、DOIMOIの3人時代(2006年)に共演したときからは何かにつけ良くしていただいて、自分の中ではもう随分長いなーと思うバンドのひとつです。年末に3作目のアルバムをリリースし、この日の名古屋はレコ発ツアー(ツワー!)9/10箇所目。
本編セットリストはすべて新作からと気合充分。新作はAORの香りがズルイと評判ですが(去年のライブリポートでも言及)、改めてライブの場で見るとやはり、位置エネルギーをタメては放し、タメては放し...てな調子で休符やシンコペーションを細かくコントロールするフックづけがどこまでもアダルト。サビ寸前でしゃがんでジャーンプ!でひとつになれる10代の盛り上がりには目もくれないオトナの諧謔(いや、意外とそういうの好きだったりするかも知れませんが)。コード感の濁り具合にも心なしかアラフォーの色気が。
この新機軸が加わったことで、BALLOONSといえばもっぱら高精度クリーンギター×2、というイメージだったところに加えて、ベースが俄然オフェンスの存在感を放つようになったのも見逃せない点です。そして恐るべき切り替え能力で天地の如きコントラスト表現を飄々とこなすドラミングには、葵紋の印籠を見せられた悪党よろしくははーっと平伏すしかない。本人さえその気になるなら、メジャーアーティストのツアーバンド要員の座を総なめにしていったりすればいいのに。
昔からこれはやばいなー凄いなーと思うようなライブを見るとき、バンドは主観体たるプレイヤーの寄り集まりじゃなくて、曲になるものをどこかから受信してきて客席に放出するひとつの大きな変換器であるように感じるのですが、この日のBALLOONSはそれだったと思います。もともと都会的で潔癖なイメージ漂う音楽性だったのが、ここ数年はそのクリーンさが「あるべき音しかない」という域まで届くに至って、とにかくしこたま気持ちいい。あの清廉なアルペジオと手数ドラムが変拍子で絡むさまを聴いているとしかし、FATES WARNINGを彷彿とさせてならないんだな~とメタラーとして言いたいだけ(絶対影響受けてないと思う)。またご一緒させてくださいね!!