SCSIDNIKUFESIN

25 Feb, 2011

▼例年の数倍だとか数10倍だとか言ってるけど全然効いてこないな、殲滅したか?体質が変わったか?と思っていた例のやつですが、今日あたりからさすがにちょっと来始めています。残念。杉林の上空をべとべとの粘液が染みたシートを垂らしたヘリが飛ぶとかなんとか、受け側じゃなくて発信側のほうでどうにかするのを国策にしてもらえないでしょうかね。そんな一大産業を潰すようなことにはきっと真剣に取り組まない今の日本。
PHILIP LYNOTT「SOLO IN SOHO」

本日のレビュー:PHILIP LYNOTT「SOLO IN SOHO」

昔はサッパリ良さが分からなかった1枚です。THIN LIZZYのヴォーカル/ベースのフィル・ライノットのソロアルバム(80年VERTIGOリリース)。たぶんそれこそ10年振りくらいに、角度を変えて冷静に聴いたらなかなか凄い内容でした。
ギター主体というイメージを強調するアンサンブルから脱却して、エレドラやシンセベースなんかも多用するアレンジに挑戦し、レゲエ風の曲すら登場。とりあえずTHIN LIZZYのことは一切忘れて聴こうとすれば、これはまさに80年前後のMTVポップス、ニューエイジブーム、原始ネオアコみたいなもののミックスです。で、ガーッと空間を埋めてくるギターの音圧が減じた分、自ずと歌心の比重が増すわけですが、そこで容赦なくほとばしるアイリッシュ・テイスト。この段階でもなおフィルの存在を抜きにして言えば「時代が大きく動いた瞬間(パンク・ニューウェーブでロック/ポップスが激変した時期)に辺境でも存在した、独自すぎる解釈で流行りものを平然と料理してしまった非洗練アイリッシュポップス」として相当面白いです。インドポップスや中国ポップスなど、英米のスタンダードに迫ろうとしながらどうやっても拭い去りきれない土着色がにじんだ「地方のメインストリーム」フェチの人は大いに楽しめるポイントがたくさん。
それで最後に、しかも歌ってるのはフィル・ライノット!THIN LIZZYのメンバーまでばんばん参加!という順序で楽しんでいくと、THIN LIZZYファンはガッカリせずに済むどころか幸せにニヤニヤできるという寸法です。例のツインリードもけっこう惜しみなく出てきますし、ブライアン・ダウニー(THIN LIZZYでフィル以外に唯一のオリジナルメンバー)が大半の曲を叩いてます。ほんとに信頼されてるんですねこの人のドラムは。ちなみにアルバムタイトルのSOHOは、宅録(small office/home office)でしこしこ作ったというわけではなくてロンドンにそういう地名があるそうで。ところで全部の音に軽く「オ」が混じったような発音のフィルのヴォーカル、こういうバック演奏に重ねると何だか浜田省吾みたいだというのが今さらにして意外な発見でした。