SCSIDNIKUFESIN

September 2010

29 Sep, 2010

エグゼクティブなドラムスローンに座り、片手間で練習パッドをトトトトとやってはリバウンドコントロールの練習をする毎日。いったい何になりたいんでしょうか。立派なブラストを叩けるようになりたいだけです。ワンバスブラストを炸裂させられるフットワークはどうやったら鍛えられるんでしょうか?明らかに左が利き足なので、右足はうまく自重で自然落下できず、体軸のブレ度が左よりひどいのが悩みです。
そんな今日もアコギを練習し、STIFF SLACK横にオープンするバー「ABSENTEE」の3日連続オープニングイベントの最終日10/3にやらせてもらうことになったソロ演奏(IOUEEE)の対策に余念なしです。まだ時間わかんないですが日曜は昼から開けてるそうなので、皆さん適当に来てやってください。
CLIMB THE MIND「ほぞ」

本日のレビュー:CLIMB THE MIND「ほぞ」

10/1から一般流通に先駆けてSTIFF SLACK店頭・通販で販売になるそうなので、そろそろご登場願いましょう。もう10年以上のキャリアになる名古屋の良心・CLIMB THE MINDの10/10発売予定の最新作2ndフル。手元にあるのはコメント寄稿用にいただいたCD-Rです。今まではアルバムでも曲単位でも長いタイトルがついているのが印象的でしたが、今回は過去(「血」や「木」という新作を作らなければきっと今後も)最少字数で来ました。心境の変化というでもなく「やってみた」というだけなんでしょうが、なんとなく特記事項。
音楽的には前作路線の、フォークギター単身弾き語りでも成立するしんみりした楽曲をエモ/ポストコア由来のササササと細かい手数系アンサンブルに落とし込む手法を堅守。核の部分は大らかなバラード化がどんどん進む一方、演奏面は特にドラムを中心としてこれまで以上に忙しい詰め込み度合いになっている場面もあり、向きが異なる「妥協のなさ」の離れ具合がそのままバンドの個性の強烈さとして作用しています。で時々、全部が同じ方向に重なるような展開が急に来ることもあって、その瞬間のベクトルの伸び具合からくるカタルシスがまた半端でない。
今回印象的なのは、ポリティカルな香りや「主張」の類をほぼ完全に捨てて、家庭的な情景を変な輪郭でトリミングしたような歌詞群でした。闘争的な「仕掛けてくる感」がどこを取ってもがさっぱりゼロなのが却ってパンクな佇まいにも見えるという、オトナのネクストレベル。TEASI、DISCHARMING MAN、GO FISHあたりと近い質感のじっとり濃密な静けさがあるのも、この世界観あってのことでしょう。何を言ってるのか意味がわからずに聴いては損というくらい、歌詞だけでも独立した作品として充実してます。
ところどころ、このパターンにこのフレーズの組み合わせは前作の...という瞬間がなくもないのですが、聴き慣れていくうちに意識がフラットになって問題なくなる範囲内。脳裏にべたっと張り付くメロディは多々あって、中毒性の高さは相変わらずです。今の手法での完熟した姿を見たというところで、次の一手がどうなっていくのかもまた楽しみになる盤。バカ売れ祈願!!
[myspace]

27 Sep, 2010

▼(昨日からの続き)うーんイスが、暑い。サウンドハウスのレビューには蒸れるなんて一言も書いてなかったのによお。爽やかな座布団の調達が急がれるとともに、ドラムイスなのに「じっと座る」なんて用途が想定されてないゆえのこの状況であるならば、座ってるあいだじゅう常にツーバスの練習でもするしかない。ということでとりあえず、今これを打ちながらタカタカと脚を動かしています。ダイエットによいのではないか。ピート・サンドヴァルまでは遠いにしても、アンダース・ヨハンソン程度までいきたいところです。
▼しかし片付けてから2週間経った今もなお、部屋のキレイさを完全に維持していて、毎日自室が最高です。LOVE WILL TEAR US APARTクボタ君の「部屋が汚い人が自己管理できてるとは思えない」が勝手に効いてます。クボタ君ありがとう。
EXIVIOUS「EXIVIOUS」

只今のBGM:EXIVIOUS「EXIVIOUS」

長いこと人に貸していたのがしばらく前に戻ってきて、名盤だったことを思い出してひさびさに聴いてます。購入時のレビューはこちら。すべてが最高。
[myspace]

26 Sep, 2010

▼遂に自室のパソコンデスク用のイス・TAMA HT741が到着。うーんエグゼクティブ。当初の予算の3倍(約17K)してますが、これから他に乗り換えることはあるまいという買い物をしたのでひたすら納得・満足です。角度や高さをこまめに調整できる小振りな背もたれが最高。使用開始半日にして既に「ちょっと位置を動かすにもひたすら重い」「低反発でジットリ沈み込むので密着して暑い」という問題が浮上するも、なんとか自分側から順応していきたい所存。皮くさい・ゴムくさいのは早く抜けてくれ。
全然関係ない流れですが、Photoshopで「フィルタ」>「シャープ」を使わずに、レイヤーをコピーして「ハイパス」> そのレイヤーを「ソフトライト」化、で自然なシャープネスを得るという技を最近知って重宝してます。上の写真も5年ものの携帯のカメラ(200万画素)で撮ったのをそれで補正してます。機会のある人はお試しあれ。
▼ひさびさにアコギを練習したら完全に指先の皮が幼児化していて、今メキメキと痛みが。来週日曜くらい(のたぶん明るいうち)に何かやるみたいですよ!
SALEM「KADDISH」

本日のレビュー:SALEM「KADDISH」

アメリカ以外の初期アングラデスメタルを収集していた頃にたまに存在を思い出しては気になっていたバンドの94年作。スイスのSAMAELと混同そうな響きの名前ですがこちらはイスラエル。イスラエルといえばORPHAND LANDだけかと思ってましたが、突出したバンドがいるということはやっぱりその裾野もあるってことですね。ORPHAND LANDみたいに露骨に民族楽器を取り入れたり「アッラー!」「ジハード!!」などと叫ぶことはなく、メランコリック度もそこそこ、お草の香りもあまりせず、CELTIC FROSTのドロドロした部分だけにひたすらフォーカスしたようなゴシック/ドゥームです。PARAMAECIUMが更にフラフラしたかのような。THERIONみたいなサービス心旺盛なやつに興味が持てないシブ好みの向きには最適。

25 Sep, 2010

本日の収穫、再訪したバーゲン中のサウンドベイ金山にてARMORED SAINT「NOD TO THE OLD SCHOOL」、SALEM「KADDISH」(イスラエルのドゥームバンド94年作)、LOCOMOTIVE DREAM「LOCOMOTIVE DREAM」(LONG ISLAND)。バーゲン棚から黒そうなCDをあらかたカゴに詰めてる赤い髪のおねーさんがいて怖かったな...。
▼先日仮ミックスしたDOIMOI新音源用の曲をしばらくぶりに聴いたら最低の音で、10年前にお世話になったこのサイトのミックスダウンの章をもう一度参考に手直ししたら色々なことがあっさり解決。かっこいいGUIの激重VSTコンプとかに踊らされてはいかんな。結局未だに、初めて自分のレコーダーで本格的に(かつ適当に)録った00年のガニオテのアルバムが一番音がいいというのが結構な悩みです。
ANTIDOTE「TOTAL」

本日のレビュー:ANTIDOTE「TOTAL」

懐かしい!!という90年代メタラー諸兄も多いのでは。当時まだ今のようなモンスターキャラではなかったSTRATOVARIUSのティモ・トルキがミックスをやったということでちょっと話題になったフィンランドのバンドの94年作です。「内容はへヴィ系」としか記憶がなかったんですが、じっくり聴いてみるとこれがなかなか。基本的にはPANTERA系になりたそうな音ながら、ヴォーカルはジェイムズ・ヘットフィールドの真似を基本にときどき野太いハイトーンを駆使してロブかグラハム・ボネットあたりになりきる感じで、バックの演奏も随所でメタルらしいメロディアスな要素が頻出。神経質な作り込みとも相俟って、FIGHT(1st)+SANVOISEN(通じるかな~...)とでも言いたいような、ザッツ90年代な出来。突出した名曲・名フックの類なんぞは敢えて求めません。わざわざティモ・トルキがやったというサウンドプロダクションのほうは、強めのコンプにト~ンと深くて中程度の長さのルームリヴァーブが乗るドラムサウンド(打ち込みまたはトリガー疑惑あり)にダレル感化系のトランジスタの歪みがドライに鳴っていてベースは聞こえないという、90年代前半によくあった感じ。作品の価値としては度外視していい要素だと思います。ともあれ「90年代の報われなかったマイナーバンド、今聴くと面白いんじゃないか」の原理だけでCDが買える人にはなかなかおすすめです。

24 Sep, 2010

23日の収穫、バーゲン初日のサウンドベイ金山にてMONSTER「THROUGH THE EYES OF THE WORLD」(LONG ISLANDリリース、ex.BLACK N' BLUE)、以下バーゲン棚より100~300円にてIMMOLATION「UNHOLY CULT」、ANTIDOTE「TOTAL」「MIND ALIVE」、PHANTOM「CYBERCHRIST」、POSTMORTEM「REPULSION」、AEROSMITH「GREATEST HITS」(非リマスター)。同・上前津ではAIRBORN「WISH」(LONG ISLAND)、ANTHRAX「MUSIC OF MASS DESTRUCTION - LIVE FROM CHICAGO」(CD+DVD)、300円でDEEP PURPLE「BANANAS」。金山のバーゲン棚に90年代のダメそうなマイナーメタルがやたら大量にあって久々にコーフンしました。好収穫。
▼で夜はハックにてkamomekamomeツアーファイナルに出演させてもらってきました。しょっぱなのaieからずっと最高なイベント!メインのkamomekamomeはほんとに信じられない演奏で激感銘。世界最上級の歌う変拍子。NOT A NAME SOLDIERSの人もそうでしたが、ハードコアの人はやっぱり「伝えること」に非常にまっすぐというか、何故そのステージに立っているかが凄く分かりやすいですね。大柄な体躯をグラグラと揺らして歌う向さんの気迫はスゴかったなー。終焉後はドラマーの嶌田さんと軽く挨拶できたんですが、記憶に残る固さの握手でありました。百戦錬磨の人ほど握手が固い。名古屋でも柏でもどこでも、またご一緒できたら幸せです。
と余韻を噛み締めているうちに申し訳程度の平日が暮れて、収穫CDに囲まれての週末アゲイン。毎週が今週みたいだったらなー。
IMMOLATION「UNHOLY CULT」

本日のレビュー:IMMOLATION「UNHOLY CULT」

NY産頑固一徹老舗デスメタルバンドの2002年作。本気のブルータルデスメタラーの終着駅・フランスのLISTENABLEリリース。あやしいリフでドスドスと押す不気味シブ系だと記憶してましたが、知らない間にこんなヘンタイになっていたとは。INCANTATIONのズルズルモヤモヤ感+GORGUTSの不条理テク展開が一体化したかのような、カオティックの域すら侵すスゴイ内容です。これは強烈。ベテランだからということでバイアスがかかっているだけなのかも知れないですが、選択された白々しいポーズではない、本物のシックネスにとにかく震えます。スポーティなだけの若手や、対象化されきった無味乾燥なデスラッシュの展示会みたいなリバイバルものに何の興味も沸かないというオトナリスナーに大いにおすすめ。
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22 Sep, 2010

▼最近、DOIMOIで使っているメインギターを手にする機会があった小鳥美術館長とCLIMB THE MIND山内君の二人ともに「このギター凄く弾きやすい」と言われ、大して調整もしてないですけどエヘエヘ...と軽くいい気になっていたら、それは半年くらいかかって伸びきった弦のせいだったと、今日たいそう久し振りに弦交換をして気が付いた次第です。前回が多分3/7のERAの時でそこから替えた記憶がない。いまフレッシュに生まれ変わったメインギターは、さっきまでと同じゲージの弦が張ってあるとは思えないテンションの固さで、そしてガットギターがテレキャスになったくらい高音成分がシャキッと出ている。へぇ~。
▼ヤフオクで衝動買いしたドラムの練習パッド用スタンドが到着。これでマウス操作の片手間にダブルストロークを練習します。
CROWBAR「CROWBAR」

只今のBGM:CROWBAR「CROWBAR」

ひさびさに普通に聴いてます。かっこいいですなー。DOWNのメンバーを含む重量級サザン・スラッジャーの93年1st。ギターのトーンにしろリフ作りにしろ、EYEHATEGODあたりより相当メタル寄りの感触が強め。ダミ声ながらも割と頑張って常に歌メロを追っているヴォーカルのきたなさがグッとスラッジ方向に引っ張っている感じでしょうか。フック云々を探すというよりも音に身を晒していれば常に気分がいいという聴き方が可能です。それだけにアルバム何枚も必要ない気もしますが...。とりあえず初期作の潔さを買おうじゃないかということで、この1stは文句なくおすすめできます。
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21 Sep, 2010

▼連休最後の昨日は、わらわらと5人くらい集まって立ち食い・卓球・カラオケなど珍しい遊びで過ごしたのでした。ここのところ出し方がわからなくなっていた、普通声とNAPALM DEATHのバーニー・グリーンウェイみたいなドス声の中間のナチュラルオーバードライブ声を再び心得た。が日常での使いどころはなし。METALLICAのコピーバンドでもやりたい人がいたら、オーラのないジェイムズが名古屋市にいると記憶しておいてください。
で休み中の早起き・早寝サイクルが板についてしまったのか、眠くなって22時半に就寝してみたらこれが極楽でびっくりでした。よく寝たなーと思ってふと目が覚めてもまだ28時半、大概満足したと思って次に気が付いてもまだ7時(ちなみに起床時刻は8時)という贅沢。クソ暇な生活になったら毎日8時間寝てやりたい。絶対無理。
▼今日は、名古屋駅近鉄パッセ内の書店に著書のPRで来ていた「水曜どうでしょう」のミスターこと鈴井貴之氏のサイン会が19時からあったものの当然間に合わず、小鳥美術館長が最近ドラムで加入したmeのライブにも間に合わず、ミスターを目撃してきたヨメさんとそのへんで落ち合って、通りすがりにあった栄 ちょもらん麺に討ち入ってみましたが...スパスパ噛み切れてツルツルしない感触のカマボコみたいな麺が嗚呼、残念無念。そのあたりでお腹がすいても、耐えて少し移動して女子らけ行ってください。
▼23日がまた休みと浮き足立っている皆さん、朝はサウンドベイバーゲン初日。そして夜はこれです。一日に二度会いましょう。
9月23日 (Thu.) 名古屋 今池 HUFK FINN
17:30開場 / 18:00開演
DOIMOI, kamomekamome, aie, NOT A NAME SOLDIERS
前売2,500円 / 当日3,000円
THOUGHT INDUSTRY「OUTER SPACE IS JUST A MARTINI AWAY」

本日のレビュー:THOUGHT INDUSTRY「OUTER SPACE IS JUST A MARTINI AWAY」

おもむろに。レッチリ~JANE'S ADDICTIONで熱気を帯びたミクスチャーブームがメタルシーンに飛び火した中から出てきた変わり者バンドの96年3rd。初期は割とモロにメタリックなイディオムもよく登場していましたが、ここではギターの歪みの質と、リリース元がMETAL BLADEということくらいで、性質的にはポストコアに近い内容。JESUS LIZARDやBASTROみたいな変則パッセージが破裂しながら飛んでくるような勢いと、VOIVODの「ANGEL RAT」前後のような一見正気っぽい妙な温度感を併せ持つ、例えようのないユニークさです。しかも曲によってがらっとカラーを変える雑食ぶり。FAITH NO MORE(MR.BUNGLEでもいい)あたりと同じステージで見られたら面白かったんだろうなーと思います。演奏もキレがあってかっこいい。あんまり語り継がれてないですが非常にいいバンドでした。

19 Sep, 2010

▼今朝も曲作りサイクリング。これは休日のよき習慣になりそうです。午後は実家でくつろいで、今また「マイHEADBANGERS BALLライブラリ」を整備すべくYoutubeを徘徊中。
TYPE O NEGATIVE "Black No. 1" / SEPULTURA "Territory" / BIOHAZARD "Tales From The Hard Side" / ATOMIC OPERA "Justice" / CROWBAR "Existence Is Punishment" / TOOL "Prison Sex" / JANE'S ADDICTION "Stop" / DANZIG "Mother 93" / PRIDE AND GLORY "Losin' Your Mind" / ROLLINS BAND "Liar" / THE BLACK CROWES "A Conspiracy"
うむ懐かしや。あなたの癒しは何ですかと尋ねられたら今度からとりあえずこれらを見ることと答えよう。
PSYCHOTIC WALTZ「A SOCIAL GRACE」

本日のレビュー:PSYCHOTIC WALTZ「A SOCIAL GRACE」

過小評価どころか評論家連中の目に留まってすらいないグレイトなダーク・プログレメタルバンドの1st。先に持っていた2ndが素晴らしくてずっと探していた品で、eBayで20USD前後で出るのが常、アマゾンマーケットプレイスだと.comでも.co.jpでも4~5千円でしか見かけなかったのを、この前たまたま.co.jpのほうで1200円で出品されていて即ゲット。ありがとう。
1曲目イントロからいきなり、WRATHCHILD AMERICAやREALMあたりのようなテクニカルパワーメタルあがりのスラッシャーとATHEISTみたいな筋金入りマスメタラーの中間をいくかのような戦慄のイントロで仕掛けてきて大興奮。たまにQUEENSRYCHEの扮装みたいになるのがいかにもこういうバンドの初期作って感じで微笑ましいですが、全般的にはSIEGES EVENともWATCHTOWERともFATES WARNINGとも違う独自色をもう充分に確立させていて、じっくり対峙する価値のある超大粒な存在であることが伝わります。ひとくちでまとめるならやはりCYNICミーツNEVERMOREか。屈折リフに変なタイミングでボンゴが絡んできたり、なにかと異様。素晴らしいなー。90年でこれは早い。細くて荒いが邪魔なものはないサウンドプロダクションにも好感。いくらおすすめしても入手が難しいので仕方ないですけども、またリイシューになったら(一度なってそれが既にレア化してます)必ず捕獲してください。

18 Sep, 2010

▼昨晩自室でギターを手に曲作りをしようと試みるも最低の結果に至り、「手で考える曲はいかん。」ということで今朝早く、目的を定めず自転車で外出。自転車はやはり集中できてよいです。で千種くんだりからノロノロ30分ほどで堀田付近にたどりつき、以前昼に行ったインドカレー屋のモーニングがあることを思い出して一人颯爽と「プーリタルカリセット」を注文(写真)。ポコッと膨らんだ揚げパンとサラッとしたカレーのセットで、パンチのあるルックスの割に朝食にはちょうどよいボリューム。チャイも選べて350円は良い。カインズでお買い物をする機会があったら、早めに出掛けて堀田MAYA、おすすめです。完全にグルメブログ口調ですが。
▼昼は昼で、自転車で10分以内の距離なのに今まで行っていなかった、「水曜どうでしょう」の藤村Dの実家であるカフェレスト ラディッシュを訪問。食べ物は日替わりランチと小倉トーストだけで、ランチが「豚の生姜焼き」というのでオーダーの段階では若干肩透かしを食らうものの(以前自分がバイトしていた店では「原価率を上げず工夫も必要ない日替わりランチの代名詞」的な扱いだったため)、超肉厚な豚が3切れ+野菜モサモサのすごいのが出てきて味も秀逸。セットのドリンクはアイスクリームも選べたりします。どうでしょう関連の品々が陳列されている一角はコアな単身男性客と常連らしき女子大生風の4人組が長居していてじっくり見られませんでしたが、普通に定食屋としてリピートしたいクオリティでした。喫茶の時間帯に訪れて小倉トーストってのもありでしょうから、KDハポンあたりでライブがある遠方のバンドマンなどにはぜひ立ち寄っていただきたい。
▼その足で、以前から悩み抜いている自室の椅子探しに大須へ。可能性のあるものには片っ端から座りまくって、想像で決めていた条件と実情がけっこう違うことを知り、何も買えなかったが大きな前進。で帰宅すると郵便受けに本日の収穫、全作品廃盤でレア(海外で相場2,000円前後)なのにアマゾンマーケットプレイスで奇跡的な安値で放出されているのを偶然捕獲できたPSYCHOTIC WALTZの1st「A SOCIAL GRACE」、ずっと外盤に買い換えたいと思っていてヤフオクに出ていたのをこれまた安く落としたDREAM THEATER「AWAKE」。同日にオーダーしたUK便(マーケットプレイス)と九州便(ヤフオク)が同時に届くとは、このZOverstocksJPNなるUK業者優秀です。欲しいものが出てたら安心して買うといいです。
DREAM THEATER「AWAKE」

只今のBGM:DREAM THEATER「AWAKE」

新規購入したPSYCHOTIC WALTZのほうを書こうと思いましたが、懐かしさのあまりこっちを。いやー素晴らしい。リアルタイムで聴いてた人は「えーこんなん?」とショックを受けたものでしたが、それでも売り飛ばしたりせずにリピートさせるだけのパワーがありました。このアルバムについてはなんか昔もここで長ったらしく書いてますが、再度。
プログレ(の一部)とフュージョンとAORとメタルが渾然一体となった2nd「IMAGES AND WORDS」で一躍90年代HM/HR界のニューヒーロー筆頭に躍り出た彼らの待望の新作が、グランジ真っ盛りの潮流(94年当時)に乗っかってへヴィ&オーガニック化したものになるなどとは当時のファンの誰も期待せず、しかしそれをやってしまったとして当然の如く賛否両論。が、ハイブリッドにハイブリッドを重ねて、手仕事の丹念さとインパクトが両方とも極限までスゴイ、他の誰も成し得なかった音楽をポンと登場させたのはやっぱり偉業です。中途半端な習作でなく、「ガッツリ完成しているがどこまでも新鮮」という塩梅になっていることが素晴らしい。いつの時代も、新しく世に出る音楽作品とは常におおよそこうあるべきと思います。
レンジを広げる一方で、もともとの性質であるメロディのみずみずしさやドラマの緩急は捨てずに保持。決してファンを置き去りにしなかったのも良いところ。ハイライトは数あれど、DREAM THEATER流へヴィの極北に挑戦した"The Mirror / Lie"がやはり衝撃的でした。へヴィ、ダーク、アグレッシヴ、複雑すぎて不安、というのをわかりやすい音響的要素だけでなく作曲でもって丁寧に表現している曲だと思います。ラストにケヴィン・ムーアが失恋の痛手をブチまけたという超ダウナー&アブストラクトな"Space-Dye Vest"が入っていて、これだけは当時も「何だこれ」という声が特に強かったですが、彼が脱退後に一人で始めたCHROMA KEYを聴くと解決します。つくづく本当に最近のULVERみたいな曲。
ちなみにこのアルバムの制作に際しては、時間の都合で収録できなかったがちゃんとレコーディングされている音源というのがいくつか作られていて、"The Silent Man"のシングルには"Eve"というさらっとしたインスト(日本盤初回プレス分はボーナスとして8cmシングルで封入)、"Lie"のシングルには"To Live Forever"という歌もの曲が入っています。敢えて2枚組にして漏らさず入れる必要があったというほどの力作じゃあないですが、この時期の彼らが好きという人なら押さえておきたいところ。もう新品は無理なので中古で頑張って探してください。
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16 Sep, 2010

▼そういえばiPodに動画を入れられるということを思い出し、懐かしのビデオクリップをまずはYoutubeから大収集するのにやたらと時間を使ってしまった。でそれらのファイルをiPodに移せる形式にするためのエンコードに更に相当な時間がかかることがわかり、とりあえず途方に暮れている次第です。やっぱス、"Spoonman""Room For One More""Biscuit For Sumt"のビデオはかっこいいっす。勝るものないっす。このショックをなんとかしなきゃと思いながら一生を過ごしていくんだと思います。
ついでに今日はレビューを割愛して懐かしクリップをばんばん貼ってきます。(都合により埋め込みと別窓が混在してます)
COVERDALE/PAGE "Pride And Joy" / MEGADETH "Sweating Bullets" / FIGHT "Nailed To The Gun" / ANTHRAX "Only" / PRONG "Snap Your Fingers Snap Your Neck" / CORROSION OF CONFORMITY "Albatross" / TAD "Grease Box" / STONE TEMPLE PILOTS "Vasoline" / SOUNDGARDEN "My Wave" / QUEENSRYCHE "I Am I" / JEFF BUCKLEY "Grace" / RAGE AGAINST THE MACHINE "Freedom" / COLLECTIVE SOUL "Shine" / RUSH "Stick It Out" / SLAYER "War Ensemble" / LIVING COLOUR "Sunshine Of Your Love" / PANTERA "5 Minutes Alone" / SOUL ASYLUM "Runaway Train" / ALICE IN CHAINS "Rooster" / PRIMUS "Mr. Krinkle" WHITE ZOMBIE "Black Sunshine"
以上、思春期の懐メロでした。

13 Sep, 2010

▼予告どおり昨日は学会でアメリカから一時帰国する大学時代のサークルの先輩の歓迎飲みで名駅方面へ。たまにしか行かない名駅なのでもちろん早めに出て12日の収穫、駅裏の69にてGARY MOORE「BACK ON THE STREETS」。妙に偏った品揃えと安さが魅力の店です。たまに近くを通るときには必ず寄りたい。
で物色後、中途半端に時間があいたので、そのまま自転車で10分強の距離にある実家へ。普段は姉夫婦+子供が来ているところにヨメさんと一緒に帰るばかりなのですが、珍しくフラッと一人で両親しかいない実家に行くというのもなかなか良いものでした。「これから飲み会なんだけど、時間があるから」と一報入れて行ったものの、予想通り果物とかゼリーとかが出てきて、これぞ実家...と噛み締めながらシメのパピコまでおいしくいただいて小一時間の滞在おわり。充実。
んで夜の本編はひさびさの先輩がゾロゾロ現れて大変良い時間だったなー。「現在の日常ではないけど、以前は散々その中にいて、ある時点までの自分に至らしめたその空気」に久し振りに振れるのは、何だかいろいろと補正される心地です。下級生ポジションを満喫、胃も満タンにしてちょっと苦しくなりながらの帰宅。日記は昼にアップしてあったので風呂入ってそのまま奇跡の24時台就寝。良い週末でした。
GARY MOORE「BACK ON THE STREETS」

本日のレビュー:GARY MOORE「BACK ON THE STREETS」

ルックスはマシュマロマン(ゴーストバスターズ)。ハードロックというにもどうもオヤジっぽくてノリの重厚さがなく、優秀なAORチューンを放つときもあるけど演ってる本人がマシュマロマンじゃなあ...と、80年代のソロワークにはあまり入り込めずじまいのゲイリー・ムーアです。これはTHIN LIZZYに出たり入ったりしている頃(78年録音)の作品なので安心して買いました。何よりフィル・ライノットとの共演曲"Parisienne Walkways"のスタジオ版が入っているし。プロデュースはクリス・タンガリーディス。
のっけからただの高速ペンタごり押しが和みアイリッシュに聴こえる独特のマジック炸裂でよい感じ。2曲目でいきなり、THIN LIZZYでは軽快なシャッフルチューンだった"Don't Believe A Word"をお湿りブルーズバージョンで、しかもフィル・ライノットとデュエットで披露するので驚いた。もう一発フィルのペンによる"Fanatical Fascists"があり、これはTHIN LIZZYのビートパンク風の側面をモロに思わせる出来。ここまででもうTHIN LIZZYファンは買わないといけないですね。おまけにブライアン・ダウニーも8曲中4曲で叩いてます。かと思えば続く2曲はSPECTRUM~ジェフ・ベックを嬉々として再現するインスト。元COLOSSEUM IIの肩書きがなかったら恥知らず呼ばわりされても仕方ないモロ具合ながら、ドン・エイリーとサイモン・フィリップスを従えての熱演にはやはりエキサイト。結局どうしたいんだと思って更に進むと、グレン・ヒューズというかTRAPEEZEの"Coast To Coast"にしか聴こえないソウルAORチューン(でもギターソロは"Sarah")、再びビヨビヨしたシンセが踊るジェフ・ベックよぎり系えせファンクフュージョン風インストときて、ミュージシャンシップが満たされればポリシーも何もないのか...と匙を投げかけたところでスッと切り込むラストの"パリの散歩道"。「泣き」とは何ですか、と尋ねられたときにこれさえ聴かせれば誰でも納得するであろう、ハードロック史の中でもモニュメンタルな名曲です。再びフィルとのデュエット曲で、その後ゲイリー・ムーア単体でのライブテイクなども発表されていますが、PRETTY MAIDSがカヴァーした"Please Don't Leave Me"同様、フィル入りのオリジナルバージョンはべたついた詩情もサラッとなる感じがありますね。遠い思い出のように淡々としかし深々と語りきる度量はさすが。1コーラス目と2コーラス目の間のマンドリン風のトレモロがまた泣けます。
ということで、プレイヤーとしてのゲイリー・ムーアに心酔する向きにはまた別の聴き方があるとは思いますが、いち音楽作品としてはいろいろと不純なところが多い、しかしラストですべてが水に流れるというズルイ1枚でした。繰り返しになりますがTHIN LIZZYファンであればチェック必須。たびたびリイシューされながらもちょっとレアになってるようですね。レトロなMCA盤でゲットできたので良かった。

12 Sep, 2010

▼栄ミュージックファーストにて11日の収穫CAULDRON「CHAINED TO THE NITE」。ミュージックファーストはほんとに良品が安くていつ行っても最高。メタル系商品の回転がなにげに早いのもいいです。VIO-LENCEの1stのオリジナル盤が1,800円という心憎い値段でずっと置いてあるんですが、買おうかどうか苦悩中。
▼そして11日夜は大須(矢場町)「賽の目」にてログメンのライブ。賽の目は、ラーメン屋「山頭火」の並びにあるオリジナル雑貨/服の店「麻芽」の2階に割と最近オープンしたイベントスペースで、床が若干傾くくらい古~い民家をリフォームした凄く雰囲気のあるところです。共演はツクモクのB./Vo.のノビさんが歌うデュオ・DINNER SETのみ。居心地良くて楽しいイベントでした。DINNER SETはどうしてあんなに達者なんだろなー。打ち上げの帰り際、PAをやってくれたTheモールスシンゴーズの西田君がINCASEのリュックを使っているのを発見し激アガり。自分それのギターケース使ってますよ、買ったときのサイトのURL送ります、といってさっき調べたら、なにやらギグバッグからは撤退してるっぽい雰囲気(USサイトのみ、ベース2本収納用バッグだけが掲載中)。おお残念。この先ますます同じものを使ってる人に遭遇することはなさそうだ。(↓は購入時に撮って載せた写真)
▼今日は夜に、大学時代のサークルの先輩でいまアメリカの研究機関?大学院?に行っている人の一時帰国もてなし会に参加予定。近頃もっぱら片言MCへのモチベーションが落ちているのでネタ投入してもらってこようと思います。
CAULDRON「CHAINED TO THE NITE」

本日のレビュー:CAULDRON「CHAINED TO THE NITE」

HELVETETS PORTつながりでmyspaceを渡り歩いたときに発見した、カナダの80年代アンティークメタル忠実再現系バンドの09年作。パワーメタル風なんだがどこかDOKKEN的な軟弱さが...という凄く微妙なところを突いた、独特のクセも感じる正統派HM。86~93年頃のアメリカおよびドイツにゾロゾロいたあの感じです。当時のBURRN!のレビューに載ったらきっと76~83点の間くらい。どうも締まりのないヴォーカルはANGEL WITCH風なところもあり、デスメタルも通過した耳で完全にこういう音を対象化してしまっている感じはCARCASSの「SWANSONG」にも若干通じる(ちなみにリリースもEARACHE)。ミックスはニール・カーノンを起用するも、演奏は心なしかだらしなく、そのあたりも含めて不思議と愛せる雰囲気を放ちます。激名曲!というほどのものではないがやたら安心するアンセム感を漂わす"Chained Up In Chains"ほか佳曲多し。こういう現役バンドの作品は新品で買ってあげたかったなー。私が手にしたのは2枚組の限定盤らしく、そこに入っている2曲(普通のスタジオ録音)はアルバム本編より若干硬派でかなりいい出来なので、できれば限定盤を入手されることをおすすめします。
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10 Sep, 2010

▼infoseekから件名に【重要】と入ったメール、見ると無料ホームページスペースサービスを終了するという内容。おーまたひとつの時代の終わりです。TRIPOD JAPAN時代からお世話になってきた身としては感慨深い。そして早めに有料サーバに乗り換えておいてよかった。
メモ帳と素材集サイトさえあれば誰でもホームページが作れる!という漠然とした高揚感に満ちる中、テーマも使い方も指定されずにただ放出したい何かを書き連ね、その土台づくりまで自分でやるという素人がぞろぞろいたあの数年間は、なかなか特別な期間だったなと思い出されます。いま30歳前後くらいで、「~のホームページへようこそ いらっしゃいませ あなたは 人目のお客様です」「当サイトは基本的にリンクフリーです。リンクを貼ったら、管理人にメールでお知らせしていただけると嬉しいです。相互リンクさせていただきます。」とかやってた人、かなりいるんじゃないでしょうか?ブログ→SNS→twitterときている現在もあるんでしょうかねそういう市場。
ちなみに時々このサイトの扱いが「ブログ」になっていることがありますけども、コメント・トラックバック機能もテーマ別ソート機能もない、WINDOWS98スピリットが息づくアナクロな「ホームページ」「ウェブ日記」ですので、それでお願いします。更新は秀丸でやってます。
EGG「THE CIVIL SURFACE」

本日のレビュー:EGG「THE CIVIL SURFACE」

HATFIELD & THE NORTH~NATIONAL HEALTHの鍵盤奏者、デイヴ・スチュアートがいたバンドの74年作。リンゼイ・クーパーやらティム・ホジキンソン、バーバラ・ガスキンなどなかなか豪華なゲストをピンポイントでちょこちょこ起用しつつ、基本はちょっと地味めのインストオルガントリオ。ピアノや管楽器が入ることはあれどシンセにはどうも慎重だったようで、耳当たりの問題だけでいえばいわゆるプログレらしい華やかさとは程遠いところにいます。が、カンタベリー特有の脱力と知性と諧謔の共同生活的ななんともいえない空気は全開で、アンサンブルの緻密さや和声展開のアクロバティックな美しさ、「ものすごく派手」と「ものすごくささやか」の両端を切り落とした狭いレンジの中でも表情の移ろいを楽しませてくれる大人の仕上げ感覚が最高。アンサンブルが地味なので気付きにくいですが、変拍子の緻密さはこの界隈の作品随一といってもいいレベル。昔はよくわからんかったけど「きっといつか...」と思って売らずに寝かせておいてよかった。
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9 Sep, 2010

▼マイク・ポートノイ(Ds.)がDREAM THEATERから脱退とは、これびっくり。だがデビューから5年以内に早くも誰も越えられない金字塔を打ち立ててしまって、そこからズルズルと通算20数年に至るまで、その余波の中で微妙な振れを続けてきたのなら、いっそバッサリと違うものに乗りかえてしまった方が自由で健康的かも知れないとも思います。と、前向きな再編・解散の類にはけっこうポジティブな私ですが、DREAM THEATERにポートノイがいないと思うと心情的に寂しいですね。後釜はデレク・ロディジョージ・コリアスでも入れたらいいんじゃないすか。マイク・マンジーニのパターン(ANNIHILATOR → EXTREME)で。
CHROMA KEY「GRAVEYARD MOUNTAIN HOME」

只今のBGM:CHROMA KEY「GRAVEYARD MOUNTAIN HOME」

日記からの流れで、同じくDREAM THEATER卒業生のケヴィン・ムーアによるユニットの3rd(04年リリース)をひさびさに聴いています。彼の在籍時最後となったアルバム「AWAKE」のラストを飾った"Space-Dye Vest"で、メランコリックを通り越してどこまでもズドーンと陰鬱なピアノと電子音・ナレーションの類コラージュ+ロウトーンヴォーカル、という彼の趣味の基盤をはじめて生々しく公開してくれたわけですが、そこにトリップホップやらポストロックの香りも足して始動させたこのCHROMA KEYのデビュー作は、そういう音に免疫のないメタラーにも「これは中身のある、聴き込める音楽だ」と思わせるところのある大名盤でした。次いで、チルアウト感に強めにフォーカスした2ndを作り、そっちは新鮮な驚きこそなかったが充分良いといえる出来に。そして世間がポストロック/エレクトロニカ全盛というタイミングで世に出たのがこのアルバムです。
レコーディングは当時の移住先トルコで敢行。参加ミュージシャンも現地の人のようです。このアルバムの前にソロ名義で映画のサウンドトラックを作っていて、その流れでこのアルバムも、著作権の消滅した50年代の映画に勝手につけたサウンドトラックという体で制作したそうです。そのせいか音響的な要素がよりくっきり表出しつつ、歌う曲ではアコギなんぞも導入してこれまで以上にガッツリ歌ものとして挑戦。TARWATERやらJESSAMINE、PAN AMERICANなんて名前もちょっと頭をよぎります。ポジティヴな場面もあるけど基本は鬱なため、脱バンド後のULVERを思い出す場面も。統一された色調なのに凄く多彩に聴かせてくるセンスはさすが。テクノロジー実践を目的としたり、「今聴くと新しく聴こえるもの」を結局そのままトレースしたりするのではなく、表現したい情緒があってそのためにすべての音が並んでいるというところにこのアルバムの聴きやすさの本質がある気がします。とてもいい職人なのに最近の活動が活発でないのが惜しいところ。
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8 Sep, 2010

▼この夏はじめて手にして大活躍だった品が、蚊や小バエを一撃で電気処刑する蚊取りラケット。無血で成敗できてとにかく超スマートで便利です。で今日ヨメさんが「ここのところ遂に虫たちも耐性をつけて、網のあいだをすり抜ける術を身につけたようで上手く獲れない」と言うので、電池の交換を提案しました。
▼明後日土曜がログメンのライブだなー大丈夫かなー!
9月11日 (Sat.) 名古屋 矢場町 賽の目(麻芽2階)
18:30開場 / 19:00開演
ログメン, DINNER SET
1,500円(incl.1おにぎり) ※25名限定
大丈夫なので、来てください。あっ今日も嘆願した...。
CARAVAN「CUNNING STUNTS」

本日のレビュー:CARAVAN「CUNNING STUNTS」

カンタベリーのポップ派代表バンドの75年作。ジョン・ウェットンをも凌ぐ英国一のジェントル声シンガー、リチャード・シンクレアは脱退済み。フォーク/プログレ/ソフトロックの橋渡し的なものだった音楽性も徐々に変化を見せ、ここではウエストコーストポップスのような洗練されたアレンジを効かせたシットリ系のレパートリーが並びます。そこに、必ずしもコンパクトにまとめようとはしないプログレ特有ののびのびした開放感、やろうと思えばいかようにも転がせるんだが今回はストレートにいくぜという隠れた緊張感が加わり、他のものには代えがたい種類の幸せ度を楽しめます。18分強に及ぶラスト前の大曲は、「グレーとピンクの地」収録の"Nine Feet Underground"同様、締まりのないところがいいという感じでタラタラ続くものの入り込んでしまえば決して退屈ではない出来栄え。この匙加減はCARAVANだけですな。奇特なわけではないがどの角度から聴かれても「ちょっと変わってる」と思われるであろう、複雑な味わいの良作。
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7 Sep, 2010

▼近頃とにかく人に何かを嘆願してばかりのこの日記、さすがに「おすすめのイス」は反応ないだろうと思ったらフォームからメッセージいただきました(しかも知っている地元バンドの方!)。ほぼ完璧に条件にあてはまる品で、予算さえクリアすれば最後にはこういう選択があるということが分かり一歩前進です。この場を借りて(いや、この場は自分のもんですが)ありがとうございます!
▼近頃多くて、非常にうさんくさいと思っている「生まれ順別性格診断」。あの類の番組で語られる像のほとんどが素人の想像の範囲内にあるステレオタイプばっかりで、ニコニコしながらネガティブな特徴ばっかりあげつらう学者も信用ならず、そんな単純なセオリーの組み合わせで世の中回ってねーよと思うんですが、指摘される事のどれもこれも当たって困る~という思いをした人はどこかに一人でも実在するんでしょうか?根拠を主張しやすくて誰にでも当てはまる安全な「あるある」だからテレビ的には扱いやすいんだろうけど、そんな消極的で一過性なもののために昨今消費著しい有吉や優木まおみに積む金があったら、どうか「建もの探訪」のロケ先をワールドワイドに拡大して平日22:00~に移してください。と今日も嘆願。
OVERKILL「HORRORSCOPE」

本日のレビュー:OVERKILL「HORRORSCOPE」

スラッシュメタルムーヴメントの中でもロウなパワーメタル臭を残した独特のスタイルを貫いて、未だに変わらないまま現役として活動中のバンドの91年作。長年在籍したギタリストが抜けて初の作品だったと記憶していますが、このバンドの主たる存在感の元は爬虫類ハイトーンのブリッツとベースのD.D.ヴァーニであるのでさほど影響はなし。プロデュースはテリー・デイトが担当し、これまでに増してソリッドな音作りも相俟って、わっしょいと拳を握るメタル感が、減ったわけではないけどよりドライなものへと変化。リフの音列による興奮が隅に追いやられて、刻まれるリズムの感触の鋭さとMOTORHEAD的な爆走ノリだけが浮き彫りになり、メタルもやぶさかではないニュースクーラーてなあたりの人が肌で楽しめるようなつくりのアルバムになっていると思います。次作「I HEAR BLACK」はぐっとテンポを落として曲の深みを探求しようとした形跡(そしてそれが割と眠い)が見られますが、こちらはまだPANTERAやブラックアルバムのショックから時間が経ちすぎていないタイミングとあって、新時代のフィーリングと旧来の個性がいいバランスで折り合っているのではと。この2枚の試行が結実してその次の大名盤「W.F.O.」へと至る。
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5 Sep, 2010

▼みなさんは自宅のパソコンデスク用のイス、どんなのをお使いでしょうか。昔からこれだけがシックリくるのを見つけられなくて、今も探しています。最も理想に近いスタイルは現時点でこれ。(写真)↓
ご説明します。
脚にキャスターは不要
床面に這うヘッドフォンのケーブルなどをグリグリと轢いてしまわないように、定点で動かない方が都合がいい。
背もたれは小さめ
深夜のミックス作業中などにうっかりよりかかって寝てしまうのを防ぐため。全くないのも疲れることが判っているので少しはついててほしいです。
高さ調整はガス圧式
座り癖が非常に悪く、座りながらグリグリと傾いたりすることがあるんですが、ネジ式だとそういう動きから金属粉が発生して床面に落ちたりします。高さ調整ができなければ、座面高さは50cm前後。
座面が極端な四角形でない
ギター・ベースの練習やレコーディングをするときはちょっと脚を開くので、できれば丸イスが一番都合がいいです。上の写真の候補(ちなみに正体はZENNのドラムスローン)は脚のラインにあわせて軽く凹凸のついたサドル型なのがちょっと嫌。
表面の素材は化繊メッシュか布
皮は夏、汗がべったりしてつらいです。上の候補はここでアウト!
座る部分のふちに金属やプラスチックの面が出ていない
冬に冷えて困るので。スツールで探すと結構この問題に悩みます。
以上の条件を満たす究極の1脚をご存知の方、または20K前後くらいでお前に一生もののいいやつを作ってやるという方がいたら本当にご連絡ください。宅録ッカーのための究極イス、いざとなりゃドラムスローンにも!などと銘打ってIKEAとサンレコがコラボで発売すりゃ飛ぶように売れるに違いないのに。
UNIVERIA ZEKT「THE UNNAMABLES」

本日のレビュー:UNIVERIA ZEKT「THE UNNAMABLES」

しばらく前に実家から持ち帰ってきた品。フレンチプログレの巨星MAGMAの初代ベーシストが、MAGMAの音楽をもっと周知させるために、メンバーたちに別名義でわかりやすい音楽性のアルバムを作ったらどうかと持ちかけて出来上がった作品だそうです。ライナーによると「A面はBLOOD, SWEAT & TEARSやCHICAGOみたいなジャズロックやR&Bで、B面に返すとMAGMA節全開というつくりにした」と書いてありますが、まあそのとおり、前半は多少異様な図太さがあるもののMAGMAをブラスロックバンドとしてのみ機能させたような小曲群。クラウス・ブラスキスもただのそのへんのシンガーとして歌ってます。ヴァンデは結局容赦ないですが...(本人のペンによる5曲目特に)。で11分に及ぶ6曲目"Africa Anteria"でいきなり「M.D.K.」のノリが。ただしダーク方向に破綻することまではせず、多幸感あふれるアフログルーヴで攻めに攻めながらスピリチュアルジャズ風なしくずし展開でどんどんテンションがのぼりつめていくという、とにかくトランシーな1曲。でラストで出ちゃいました、コバイア語が。とはいえこれも「様子のおかしい筋肉系サイケフォーク」て感じで親切心がなくもない出来。これでMAGMAの音楽が一般にも浸透して人気アップのきっかけになったのかどうか?時の審判を経た現在では「MAGMAを心で感じるファンならチェックしておきたい、場違いな挑戦を試みてやっぱり違うものにはなりきれなかったレアな姿を収めた1枚」で落ち着いてると思います。
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4 Sep, 2010

▼ああだこうだやっていたドラムトラックのミックスに決着をつけ、4月に自転車で20分程度のところに引っ越してきたCLIMB THE MIND山内君宅探訪企画を遅まきに決行。クーラーの効いた日当たりのいい部屋でお菓子攻めに甘んじ(文字通り)、近所のおすすめ洋食屋で夕飯と。最近のCLIMB THE MINDのギターパートの音数同様、物が少なく見通しがスッキリした、めちゃめちゃいい部屋だったな~。これ見よがしに高圧縮な自室も何とかしたくなりました(がもう無理)。10/10/10に発売の2ndは、ほんとバカ売れするといいです。
BRUCE COCKBURN「BRUCE COCKBURN」

本日のレビュー:BRUCE COCKBURN「BRUCE COCKBURN」

少し前にバーゲンで購入。フォーク/SSWの世界はろくすっぽ網羅してない私ですが、その中でダントツに好きなカナダ人シンガーの70年1st。個人的に苦手とするオヤジ声の対極の、ウイスパー風のササササした高音が乗りつつしっかり深くて芯のある声質で、やや抑え目の内省的な感じで歌う雰囲気もよく、USフォークの土臭さを針葉樹林の質感に代えたようなカナディアン独特の優しさも最高。ほぼアコギ1本+αで全編通してますが、その+αの選択が絶妙で、まったく飽きずに最後までいけます。デビュー作とあって驚嘆の連続という域のその後の作品に比べるとまだ、肉に塩を振っただけというか、持ち合わせの素質のみで仕上げられた最小限の内容という感じもしますけども、却って「いろいろ悟った後のオトナな作品よりそっちのほうがいい」という人にはいいかも知れません。
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3 Sep, 2010

▼録り(マイキング)が悪くてミックス難航中の現在、5月ごろはじめて見たその日にあらすじと結末をネットで調べてしまった韓国ドラマ「IRIS」を結局その後も楽しく見続けてしまって、ライブがあって見れなかったために録画してあった最終回2時間スペシャルを今日見終わったりしました。クライマックスを演出したすぎてどんどん雑になるイベントの畳み掛けと、最後になってそこまでするならはじめから総力結集して立ち上がれば白黒つけられたんじゃんという5人戦隊必殺技パターンにいい意味で絶句しっぱなしであったなー。全体的に凄くアメリカナイズされつつも端々では雑多な影響が混在しまくる様子は辺境メタルを聴くような感覚でもあり。さすがにノーカットDVDボックスは買わないが、続編が放送されたら見てしまいそうだ...。
MEDINA AZAHARA「SIN TIEMPO」

本日のレビュー:MEDINA AZAHARA「SIN TIEMPO」

日記から続くような続かないような流れで、辺境メタルといえば個人的にはこれ(本当は韓国のCRASHとかがあればよかったんですが...)。スペインを代表する国民的HMバンドの大名盤92年作。スペインはちゃんと文明国なんで辺境と呼ぶのも不適切なんでしょうが、ことメタルにおいてはということで。これ当時、キャプテン和田のラジオ番組「ヘヴィメタルボンバー」で凄くプッシュされていたのがそういえば思い出されます。のっけからRAINBOWの"Spotlight Kid"とGYPSY KINGS(声が激似)が悪夢の中で合体してしまったような壮絶な巻き舌様式美メタルが炸裂。スペインは地中海の向かい側のトルコなど中東圏文化からの影響もあるってことで、そういう音階もたびたび登場して更にえらいことに。次はシャッフル、次はバラード、ちょっとコマーシャルな曲も...というバランスの取り方も含めて、全体的に「イングヴェイを通して感じられるRAINBOWぽさ」を凝縮したものが下地になってる感じです。とにかく強制的なまでに耳に残るシンプルなメロディラインが多く、3回くらい聴いたらライブで合唱できそうでしかもその後何度でも聴けるという、普通にものすごく優れたアルバムでもあると思います。各人の演奏能力も高い。メタラーじゃなくても中古で見かけたら(意外とある)興味本位で買ってみてください。
[myspace]

2 Sep, 2010

▼しばらくぶりの更新ですが至って元気に生きています。少し前に録ったDOIMOIのドラムトラックのミックスをし続けてました。昨日は池下UPSETにてイベント「KILL YOUR T.V.」に出演、最近あんまりなかったチューニング問題(ずれて聞こえる、または普段ありえない狂い方をする)がちょっとひさびさに発生して悩ましかったですな~、見てる人はそこまで気にならないようですが。克服したい。
LOVES.のドラムの秋山さん(ex.downy)がメタラーだという情報を聞きつけて、どのあたりが専門で...と突撃してみたところ「BON JOVIから始まって、SLAYERまでの間全部。DOIMOIにはY&Tの哀愁を感じた」とのお言葉を頂戴。今後も事あるごとに日本のバンドマン業界・元メタラー事情を暴いていきたいと思います。
▼帰り道、あまりにノドが乾いて自販機の缶飲料を立て続けに2本飲みました。 ただ「プリンシェイク」が入ってる自販機が少なすぎだと思う。
I MOTHER EARTH「SCENERY AND FISH」

只今のBGM:I MOTHER EARTH「SCENERY AND FISH」

アプローチが面白くて、耳に残るメロディとかはあんまり頻繁に出てこないものの存在は印象的なバンドでした。96年のアルバム。PEARL JAMとJANES ADDICTIONの中間を更にインテリぽくしたような、野性グルーヴのうねりを巧妙にコントロールするグランジーなハードロック(逆順でも可)をやっていて、RUSHのアレックス・ライフソンも惚れ込んで自身のソロアルバムにこのバンドのメンバーを起用しています。当時のアメリカでの扱いはどっち側だったんでしょうか?気になります。一応リリースはCAPITOL。暴れているようでビシッと意図に貫かれているバッキングギターの多彩さなんかは、今聴いても意外と古びてなくて楽しい。だんだん似た感じの曲が増えてきて全12曲が長く感じますが、高速パーカッションも入ってやたら激アゲなラストの曲で目が覚めて終わるという構成のおかげで後味は良好。JANES ADDICTIONが聴けるメタラー、「COUNTERPARTS」のドンヨリ感がいとおしいRUSHファン、TRIBE OB GYPSYS好きの人などなどにおすすめ。
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