SCSIDNIKUFESIN

3 Jan, 2014

▼おっと明けてました。10年以上続けてることがあるのっていいよね、くらいの感じで存続しているこのブログですが、2014年もよろしくお願いします。年明け早々の元日午前から、BSで21年前のお正月映画「ラスト・アクション・ヒーロー」が放映されててとりあえず見るという幕開けをし、今年も引き続き90年代に負ったものの精算が続きそうです。

▼とりあえず昨年末の出来事から。ここ最近の収穫、サウンドベイ年末バーゲンの金山でJOHN PARR「JOHN PARR」、BAD BRAINS「QUICKNESS」、THERAPY?「NURSE」、5枚で100円コーナーではDOG EAT DOG(ロニーが1曲で参加)欲しさに悩んだ挙句のCHERYL CROW「TUESDAY NIGHT MUSIC CLUB」、MARIAH CAREY「MTV UNPUGGED EP」、O.S.T.「SPAWN THE ALBUM」、SELDOM「PLACES I HAVEN'T SEEN」、DOG EAT DOG「PLAY GAMES」。同上前津でAMERICA「HOMECOMING」、ANDY SUMMERS「CHARMING SNAKES」、LITTLE FEAT「DIXIE CHICKEN」、MADBALL「DEMONSTRATING MY STYLE」。そのほかブックオフ黒川でPETER GABRIEL「US」、バナナ本店でTHE RODS「VENGEANCE」(ロニーが1曲で参加の2011年作)。

▼長らく更新をさぼってたのは、暮れの22日にあったソロライブの練習と、次の案件向けにやっていた足元パーカッション制作のためでした。バスドラはピエゾピックアップを使ったけっこう無理やりなものになりましたが、長らく欲しかった「足を踏み下ろすだけでカポッと音のするスネア」が、カスタネットの原理を参考にしてようやく完成。

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赤い球体は画鋲みたいなピンで、固定用に使ってます。あとは肝心な演奏の準備をがんばります。

▼「1年で出会った音源ベスト選」、一応2013年版もやります。去年は深夜のブックオフ通いが定着するとともに、AOR/スムースジャズ/ただのシャバシャバメインストリームポップの安く買えるものをとにかくバカスカ買うようになり、リスナー人生でけっこう久々の新規開拓があった年でありました。迷えるくらい数もあり、10枚に絞った結果がこちら。レビュー掲載済みのものはタイトルが過去記事へのリンクになってます。

RESTLESS HEART「WHEELS」
カントリーとAORがナチュラルにクロスした、80年代の素晴らしき遺産。すべての前向きハードポップ愛好家におすすめ。

LARSEN / FEITEN BAND「LARSEN/FEITEN BAND / FULL MOON」
これを一番聴いてます。新たに師と仰ぐこととなったバズ・フェイトン大先生の青春。甘くなく諧謔に走りもしない、極上のシブめフィジカルフュージョンポップ。

PETER GABRIEL「SO」
大衆の方に顔だけ向いて眼は白目。地味に薄気味悪くて静かにラディカルな、奥ゆかしき旧時代エレポップ。

PASQUALSE MINIERI / GIORGIO VIVALDI「CARNASCIALIA」
やっちまえ的闇鍋だったとしても快くオーガナイズされた現代音楽ロック。伊マイナープログレで久々にひいた当たりでした。

STEVE MORSE BAND「STRUCTUAL DAMAGE」
フュージョン/ハードロック/プログレメタルから等距離にある理想のミュージシャンズ・ミュージック。上手くて面白いし、音楽として良いところがいいです。

LITTLE FEAT「LET IT ROLL」
脱オヤジ声が思わぬ好結果となった、AOR版フィートの個人的快作。時流になびいたようでいて逆に底力や芯が見えるような内容かと。

WHITE LION「MANE ATTRACTION」
ヴィトー・ブラッタはHM/HR界で最も過小評価されているギタリストの一人。80年代の終わりとともに残した輝かしいラスト作。

GREGG ALLMAN「LAID BACK」
武骨が売りな部分もあるサザンロックをメロウに洗練してしまった、アメリカ(の田舎)の良心の結晶的アルバム。バズ先生が哭く2曲目イントロの最大瞬間風速よ。

JESSE COLIN YOUNG「THE PERFECT STRANGER」
ハードロックとメインストリームAORの境界にJOURNEYやSURVIVORがいるとして、さらにそこと接するメインストリーム・サイドの哀愁最右翼的アルバム。ツカミがでかい。

CIRCUS MAXIMUS「ISOLATE」
今回唯一の2000年代作品。強力に磨き上げられたCONCEPTIONミーツSYMPHONY X的フィンランド産プログレメタル。いずれじっくりレビューに書きます。

その他、10枚には入らなかったが候補にあがったのはZZ TOP「DEGÜELLO」、JANIS IAN「BETWEEN THE LINES」、FOREIGNER「MR. MOONLIGHT」、DAVID SANBORN「AS WE SPEAK」THE BLUE NILE「HATS」EXIVIOUS「LIMINAL」STAN BUSH「STAN BUSH」など。とにかく旧譜が多かった。

お知り合い圏内/お世話になってるバンドではquizkid「333」、キツネの嫁入り「死にたくない」、SOSITE「Syronicus」などいずれもグレイトな作品がリリースされていて、自分達もうかうか休んでちゃいけねーと尻を蹴られる思いです。渡米中のボーカルが9月に帰国してから最短でいつライブをやれるか、未だまったく不透明なDOIMOIですが、忘れてもいいので頑張りだしたら思い出してください。

O.S.T. - Last Action Hero

本日のレビュー:O.S.T.「LAST ACTION HERO」

93年公開の同名映画のサウンドトラックです。主演はアーノルド・シュワルツェネッガー。映画のざっくりした内容はこんな感じ。

廃業寸前の映画館のじいさんオーナーが持っていた、映画の世界に入れる「魔法のチケット」により、シュワルツェネッガー主演の人気シリーズもの刑事映画(劇中の架空作品)『ジャック・スレイター』の世界に少年が迷い込む。シリーズの大ファンである少年のネタバレ知識によりドタバタと難を逃れる二人。少年は現実世界にジャックを連れて帰るが、紛失したチケットをジャックの宿敵に悪用されてまたドタバタ。最終的には「状況設定はどうあれ、トラブルに次ぐトラブルを切り抜けた挙句、大切な人とのじんわりシーンを経て温かいエンディングを迎える」というハリウッドの掟を遵守して終了。アメリカン・エンターテインメントな演出とかわいいストーリーで、それと知って楽しむ分にはけっこう楽しい作品だったと思います。

サントラのほうに話を戻すと、これはこの時期に流行った「サントラとは名ばかりで旬なバンドのコンピレーション」的なあれでして、AC/DCによるメインテーマが軽く流行ったりして当時けっこう話題にはなった気がします。一応顔ぶれを全て書くと、AC/DCのほかALICE IN CHAINS、MEGADETH、QUEENSRYCHE、DEF LEPPARD、ANTHRAX、AEROSMITH、CYPRESS HILL、FISHBONE、TESLA、バケットヘッド。グランジ全盛だがメタルのトップバンド達もまだ元気だったこの時期の世相を、果てしなく微妙に反映したラインナップであることです。ALICE IN CHAINSはインディロック色のないグランジだったし、FISHBONEも提供曲がやたらメタリックな"Swim"なので、聴いてみると意外に統一性があるような(ないような)。今にして振り返ると、「QUEENSRYCHEってそんな売れ線まで行ってたの!?」というのが不思議なポイントでしょうが、彼らは硬派であるにもかかわらず80年代メタルブームを味方にメジャーのEMIでジワジワと人気を上げ、アンプラグドブームにたまたまガッチリ噛みあったアコースティックバラード"Silent Lucidity"で大ヒットを飛ばし、この頃にはミリオンアーティストになっていたのです。

各アーティストともアルバム未収曲が多く、作品としての価値は決して低くないので、こういう時代だったな~という感慨とともに、だったのか~という資料として、安く見かけたら手にしてみてください。

懐かしい。シュワさん若い(劇中のジャック・スレイターの服装をしています)

MEGADETH自身の企画盤「HIDDEN TREASURES」でも聴けます。

安易にスクラッチ?を入れてみたイントロが決してダサくない。ANTHRAXはいつでもキレキレ。ジョン・ブッシュ帰ってきて…