SCSIDNIKUFESIN

5 Jun, 2013

▼最近の収穫、サウンドベイ金山でSTEPHEN BISHOP「BEST OF BISH」、MARC JOHNSON'S RIGHT BRAIN PATROL「MAGIC LABYRINTH」、COREY HART「COREY HART」、BOB DYLAN「NEW MORNING」、CHICAGO「19」、と今池WILD HONEYにてBOZ SCAGGS「OTHER ROADS」、DAVID SANBRN「HIDEAWAY」、大須K-HOUSEにてDARYL HALL & JOHN OATES「CHANGE OF SEASON」、BEN SIDRAN「OLD SONGS FOR THE NEW DEPRESSION」、栄スカイルのブックオフでGARY MOORE「STILL GOT THE BLUES」、大須グレイテスト・ヒッツでRING, CICADA「GOOD MORNING, MR. GOOD」、DAVID SANBORN「TAKING OFF」、ここまですべて500円以下。あとは新品で、1日に見に行ったライブ会場で小池喬「お風呂の栓」(シラオカ小池さんソロ)、アマゾンでGREGG ALLMAN「LAID BACK」、STEVE GROSSMAN「PERSPECTIVE」、JESSE COLIN YOUNG「MAKIN' IT REAL」、BUZZ FEITEN「BEYOND THE BOX - EXPAND YOUR BLUES/ROCK GUITAR SOLOING」(CDつき書籍)。なんだなんだなんだと。
▼80年代のオリビア・ニュートン・ジョンのライブ動画でのバズ・フェイトンの客演に脳髄握りつぶされたのが昨年10~11月。ようやく先日購入したLARSEN/FEITEN BANDが猛烈に良すぎて、バズ先生の参加作品を調べあげて片っ端から試聴するに及んだ(※先週末の休日に一念発起して29時までやった)結果、ここ数日は中古CD屋に行くと、というか率先して訪れては、最近あまり熱心に見ていなかった70年代ロックやSSW、ソウルの棚も目を皿にしてゆっくり見るようになりました。
バズ先生、仕事しすぎて、参加してるといっても1枚に1曲のみ、しかも認識できるのはソロだけとか、ヘタすればバッキングギターのみってこともザラですが、それをきっかけにあまり馴染んでこなかった音楽に自発的興味を持てていることが結構楽しく、しかも多くは再評価され損ねて捨て値で落ちててくれるので、とりあえずはポイポイと回収してみている次第。フュージョンやSSWもののマイナー寄りな作品だと手に入りにくいものもあって、その為だけにアナログプレイヤーも買ったろかという気が起こるというもの。
▼支留比亜珈琲とべら珈琲と割烹みどりの素晴らしさについてはまた次回。近頃毎晩猛烈にギターの練習をして、脱力と必要最低限の随意運動のはざまで右手が揺れております。
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本日のレビュー:DAVID SANBORN「AS WE SPEAK」

巨大肩パットの入ったサックス吹きの人影を鮮やかにあしらったジャケで邦題は「ささやくシルエット」。バズ・フェイトン参加作品ということで購入した1枚です。ただし1曲目のバッキングのみ。先にその話だけします。ソロにおいてはベンド時の独特のカーブや、ブルーズをよくよく経過したニュアンス(タッチ、タイミング感とも)の細かさ、常に少しだけ意表を突いてくる譜割りの大胆さで、あっ御大だ!と分かりやすいスタイルを持ってますが、バッキングでは抜群のタイム感のよさ、それを助長するアタックの鋭い鳴りで、一見オーソドックスなカッティングやアルペジオでも絶妙なシブさを発揮。この参加曲でも、エレピにぴったり追従する見事なカッティングで、平穏な楽曲にささやかなスリルを与えています。とはいえ大きく目立つこともなく、これだけのために呼ばれるとはまさに仕事人の極み。
立ち戻って作品全体のことを。「泣きのアルト」で80年代に大人気を博したデイヴッド・サンボーン、件のバズ先生とはTHE PAUL BUTTERFIELD BLUES BAND、THE RASCALS、FULL MOONと若かりし頃から活動を共にしてきた盟友。これは82年の作品で、特に序盤は、今の感覚でいうと「ニュースのBGMみたいなフュージョン」の最たるもの。ただしオマー・ハキム&マーカス・ミラーによるソリッドかつコブコブしたリズムの華やかさが相当なもので、メトロノームをおかずに白ご飯を何杯もいけるクチの聴き手なら相当濃厚に楽しめるかと。いや当然サンボーン氏の歌心を愉しめばよいわけですが…
全9曲中2曲でボーカルが入っていて、それが全曲でギターも弾いているマイケル・センベロという人によるもの。この人がまたサンボーン氏のサックスに負けず劣らず、ベルベットのように滑らかに伸びるハスキーハイトーンの持ち主。無理やり例えるならリチャード・マークスとジャミロクワイの中間のような。作品のちょうど折り返し点の5曲目で一度歌が入ると、続く後半(再びインスト)はしっとりアダルトタイムに突入。メロウな泣きが大量発散され、メロハー寄りのAOR好きにもようやくアピールするかと。でラストに、6分を超すもう1曲の歌入り曲"Love Will Come Someday"。長々としたイントロも余裕で吸収する、スケールの広い大名曲で、今日はこれを紹介したいだけでした。
バズ先生参加の冒頭曲も。