SCSIDNIKUFESIN

11 Oct, 2013

▼ちょっと前ですが無事ムスメが2歳になりました。

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思ったより手を焼く毎日ですが、成長しかしないので面白いものです。「Just a small town girl...」と歌いかけると、ちゃんと「じゃーにー」と返してくれるようになりました(※曲は勿論"Don't Stop Believin'")。最近はジムダンロップのTortexピックがいいらしい。カメ~、カメの~、と喜びます。

▼ということでここしばらく猛烈にやっていたことは、「メインで使うピックの再検討」でした。長かったJazzIIIの時代はもう(ワタシのもとから)去ったかも知れない。高音のジャキジャキ感が足りんよなあといってシールドを変えたりピックアップを変えたりする前に、これを見直していればよかった。

指を持っていかれない弾き方をしてればピックのでかさは案外問題ない(脱ジャズピック)、固ければ薄くてもいいし弦離れが良いことはすばらしい(ウルテム/ポリアセタール)、いや端の処理が滑らかなら本体が厚くても(ジムダンのStubby)尖ってなくても(同デルリン)いいかもしれない、極薄&しなりまくりのナイロンを深く当てると別次元の快感がある(HERCO)、などさまざまな価値観にめぐり会っております。ジムダンの芸の細かさにも改めて感じ入った次第。まるで想像つかないし試してもないのがV-Picksですが、どうなんでしょう。高いですよね。

ちなみにJazzIIIのジョン・ペトルーシ・モデルは、恐ろしい滑りの良さと絶妙なチョイでか具合で、「他に乗り換えるアテもないし微妙に弾きづらいときもあるけど結局JazzIII派」てな人は試してみるといいと思います。メタル畑のアーティストモデルに抵抗がなければ。同じくチョイでか&チョイ薄?のエリック・ジョンソン・モデル(というかJazzIIIの古い型の復刻ってことらしいですが)も、散々いろいろ試したあとで戻ってみるとやっぱり総合力高め。ギター関連のアクセサリ界(弦から電池まで)に氾濫するエリック・ジョンソンの影に抵抗がなければおすすめです。

いろいろあって、今のところの暫定1位はジムダンロップのUltex Sharp 1.00mmに。このシリーズについては世間で言われてる「厚みの狂い」に関して考察があるんですが、このサイトを見てくれている人でさえそんなにピックの話ばかり好きじゃないと思うので、回を改めるとします。

最近の収穫、栄ミュージックファーストでDAVID SANBORN「VOYEUR」、川原通ブックオフでAIR SUPPLY「LOST IN LOVE」、GLIDE「DISAPPEAR」(オージーグランジバンド)、DAVID CROSS「THE BIG PICTURE」(ex.KING CRIMSON)、熱田ブックオフでLITTLE RIVER BAND「MONSOON」、DIANE SCHUUR & B.B. KING「HEART TO HEART」、9月末に尾頭橋から移転してオープンした楽-YA大須店にてDAVE STEWART「GREETINGS FROM THE GUTTER」、TOTO「FAHRENHEIT」、FOREIGNER「MR. MOONLIGHT」、ARETHA FRANKLIN「ONE LORD, ONE FAITH, ONE BAPTISM」、バーゲン中だった大須グレイテスト・ヒッツにてLEO KOTTE「MUDLARK」、ZZ TOP「TEJAS」、今池P-CAN FUDGEにてWHITE LION「MANE ATTRACTION」、STAN BUSH「STAN BUSH」、STEVE MORSE BAND「STRESSFEST」。節約したい(するしかない)× CDはちょこちょこと買いたい = 安売り棚行きになりがちな盤が(内容的にも)好き、という最近の好循環。出費は往年の2割程度か。

WHITE LION - Mane Attraction

本日のレビュー:WHITE LION「MANE ATTRACTION」

91年ラスト作。泣ける出来だったのでご紹介します。わりとジメジメした鋼鉄スタイルで80年代のUSハードロックシーンに現れ、ガンズ登場でルーツ回帰旋風がシーンに吹き荒れた途端にちょっとアーシー&ラフな作風に転じるという、CINDERELLAあたりと似た変遷を辿った人達です。

このアルバムでは一作前の3rdから踏み込んだアーシー路線に、ときどきオルタナの息吹を感じる重さ・鈍さも溶かし込むという試行を敢行。かといって安直にALICE IN CHAINS風になるわけではなく、「流行りはそんな調子か、じゃ分かった」と見切り発車的イメージだけでなんとなく骨太になった感じがたまりません。ほかにも更にブルーズ・ブーム、アンプラグド・ブームなどひととおり踏まえつつ、もともとの音楽性とごく自然にリンクさせているところが見事。80年代HRの型から離れるこの手の模索行為が、結果的にロックとしての根源的な魅力にアクセスしてしまったりするから、この年代のこのシーンにだけあった「終わりゆくメタルと無視しきれないグランジの狭間の音楽」はたまらんのです。

たまに大胆に振り切った曲があるいっぽうで、ん~~やっぱりこれでいかせてくれませんかね!とばかりに爽やか感炸裂な旧来スタイルの曲も混じってくるあたりも、実に人間臭くて惹かれます。これはたぶん個人的な「葛藤の中、これがいいかどうかあらかじめ確信は持てないが、それだけに遮二無二健闘してみたアルバム」愛好癖ゆえの感想ですが。

ヴォーカルのマイク・トランプの声質や唱法はどっちかというとラフ寄りな雰囲気で活きるところがあり、この時期の音楽性はまさにフィットしてます。そしてギターのヴィトー・ブラッタのオーバースペックなまでの上手さがやはり圧巻。リードプレイにおいてはEVH師匠を大声にしたようなやや昔気質な派手さと音のクリアさ、確かなブルーズフィーリングを下地にしたニュアンスを誇り、メタリックな響きで埋め立てすぎないバッキングの重量感&立体感の扱いにもひたすらセンスが光る。ちなみにリズム隊はWHITE LION解散後、ザック・ワイルドとPRIDE & GLORY結成に関わる人達です(デビューまで残るのはベースのジェイムズ・ロメンゾのみ)。

楽曲的に「耳に残るフック」云々が多少弱いところもありますが、90年代の入り口の激動に移入できるHRリスナーなら間違いなく買いです。