SCSIDNIKUFESIN

17 Sep, 2013

▼最近の収穫、たまってます。サウンドベイ金山にてMICHAEL LEE FIRKINS「MICHAEL LEE FIRKINS」、STEVE MORSE「COAST TO COAST」、大須グレイテストヒッツにてCHET ATKINS「ALMOST ALONE」、DARYL HALL & JOHN OATES「PRIVATE EYES」、大須K-HOUSEにてGEORGE LYCH「SACRED GROOVE」、どこぞのブックオフでSTREETS「1st」(KANSASのメンバー)、SCARCE「DEADSEXY」(96年A&M、マイケル・バービエロプロデュース)、栄ミュージックファーストでLEGER DE MAIN「THE CONCEPT OF OUR REALITY」(ロドラー兄弟率いるプログレメタルマニア懐かしアイテム)、LORDIAN GUARD「LORDIAN GUARD」(カルトクリスチャンメタル1st)。

続きます。サウンドベイのバーゲンで久々に大収穫。金山でTHE BUTTERFIELD BLUES BAND「KEEP ON MOVING」、JESSE COLIN YOUNG「AMERICAN DREAMS」(ex.THE YOUNGBLOODS、ソロ78年作)、ARETHA FRANKLIN「YOUNG, GIFTED AND BLACK」、LITTLE FEAT「LET IT ROLL」(88年)、PAT TRAVERS「BLUES TRACKS」(マイケル・リー・ファーキンス参加)、ERIC JOHNSON「TONES」、JON SECADA「JON SECADA」、上前津にてAMBROSIA「LIFE BEYOND L.A.」、BEGGERS & THIEVES「LOOK WHAT YOU CREATE」、CHRISTPHER CROSS「CHRISTOPHER CROSS」、STEVIE RAY VAUGHAN「COULDN'T STAND THE WEATHER」、DONALD FAGEN「THE NIGHTFLY」。AOR&アメロック祭りで。

毎日更新できるくらいレビューネタはありつつ、ムスメとともに寝入る → 単身早起きして作曲ウォーキング → 家族の朝食を作って仕事に出掛ける、という異様に健康的な生活を送っているここ最近。2年前くらいにタネができていた曲の間奏と3番が完成して、ようやくそろそろ終止線を引けそうです。全曲同じペースだとすると次のアルバム完成は20年後ですが。

▼最近の感動といえば矢場町賽の目で見たシラオカ小池さんの弾き語りソロ。音源は持ってるもののそこには入ってない曲も大量にやってくれて、終始静かに衝撃を受けてました。

以前、長めのセットで新曲だらけ(自分が見るのが久々だったため)のシラオカを見たときも同様だったものです。シラオカだととにかく音数は少ないし静かだし、ミニマムな材料の組み合わせでよく次々とこんな発明を…という感じで見守るのですが、演奏が自身のアコギひとつとなると、アレンジによる楽曲の作り込みがかなり積極的で、譜割りもコードチェンジもけっこう入り組んでいたりする。なのにやっぱり「最小限で最大」な感じがするのは、「これでワンフレーズ」として聴こえる1単位の大きさがとにかくでかいからではないか。と思いました。わかりづらい書き方でしょうか。細かいところはおもしろくひねってあっても、Aメロでボン、Bメロがボン、という俯瞰力でまとまっているというか。そして各パーツがじゅうぶんにおもしろいので、いわゆるポップス的な「サビ」まで到達する曲がほとんどなくても全然大丈夫という。こんなドッシリ構えた曲つくってみたいよなー。といつも思いますよ。

ちなみに同じ日に見たトゥラリカ匠君ソロも、本人の言う「弾き語り云々じゃないところ」のパフォーマーとして、何何何?と引き込まれる謎めきが存分に光ってました。普段バンドでやってるのと全然違うようなギターワークも普通に上手いし。何よりあの声使いの異質さは「他にない感」が歴然と。そして初めて見た小川緒川、YUIのようなヴォーカリゼイションでびっくり(似てて偉いという意味ではない真の賛辞)。アメ研ではないそうだけど南山こわいよ南山。

LITTLE FEAT - Let It Roll

本日のレビュー:LITTLE FEAT「LET IT ROLL」

サザンテイスト土臭系雑種アメリカンロックの超古株・LITTLE FEATの再結成第1弾となった88年作。昔買ったままになっていた70年代の作品を最近聴き返したら全然好きな感じで、88年なら更にいい具合に商売っ気を出してシャバシャバしてるだろうと(そのヨコシマな感じを好む私です)期待してバーゲン棚から拾い上げましたが、全然強力なグルーヴがありました。変則ニューオーリンズなドラムとチャラチャラ景気のいいピアノはそのままに、線は太いがソフトな色気がいかにも80年代向きな新ヴォーカルのクレイグ・フラーが投入されたことで、更に何だか分からないハイブリッド感と耳当たりの楽しさがエスカレート(オリジナルのローウェル・ジョージが好きだった人にはその限りじゃないかも知れませんが)。AORシンガーがやりそうなしっとりした曲でも、どこか踊りたがっているような軽妙なドラミングがミスマッチでなく盛り上げていてかっこいい。TOTOに素手・丸腰で決闘を挑む田舎の猛者的な。

派手なリヴァーブは極力抑え目で、サウンドプロダクションがむちゃくちゃ良好なのも素晴らしい。ハイファイでほどよく80年代的だがとにかく自然。メンバーも制作陣も、バンドの持ち味を良く分かっていたんでしょう。明らかに作品の魅力が割増になるレベル。

メロハー/AORファンにおすすめするには立ち位置が不思議すぎて、ビンテージロックに関心がある人に「入門編にいいよ」というのも何だかピュアじゃない感じがするし、結局LITTLE FEATがちょっと好きな人に「見過ごしてるかも知れんけどいいアルバムですよ!」とお知らせして終わりなのかも知れませんが、息の長いバンドの複雑な熟成を愉しむ趣味のある方には間違いなく最高な1枚。