SCSIDNIKUFESIN

11 May, 2013

▼むかーしからこの日記を見ていただいている方には見飽きた文句かと思いますが、「自室の掃除をするときはいつも大掃除規模。このタメ癖をどうにかしたい」と10年も言い続けたのなら、もう結論は「どうにもならない」であるとした上で、新しい次元の対策を考えたほうがよいかもしれない。「どうもしなくてもよい」と思わないことが大事な最後の一線です。今日もまた床面積が劇的に回復し、絨毯のあいだの見えない堆積物をダイソンがたらふく吸い込んでくれました(引くレベル)。
今シーズンの教訓は、「臨時の大荷物で届いたダンボールは瞬殺すべし」です。ここに何か適当に入れて/置いてもいいよね、というスペースをいかにコントロールするかが肝というところまでは突き止めています。あとダイソンが本気で凄い。同意した人は多分同じくらい汚す人。
▼このブログ、マークアップを見直すとともにHTML5化しました。そのうちレスポンシブ化するための準備として。ソースを見ると以前よりスッキリしてます。1行以下の空白を表示するために無意味なdivを入れていたのを<p>~</p>に置き換えたいけど過去ログの都合で保留中です、と同業者向けに言い逃れておきます。
▼来週DOIMOIが3ヶ月ぶりに東京でライブします。長めのセットを予定してますので是非。ご予約はDOIMOIオフィシャルサイトなどで今すぐ。
5/18 (Sat.) 東京 新代田 FEVER「comrade vol.5」
open/start 17:30/18:00
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adv/door 2,500yen / 3,000yen
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本日のレビュー:PETER GABRIEL「SO」

元GENESISの個性派シンガー(ざっくりとした紹介にとどめておきます)、ピーター・ゲイブリエルが、ソロキャリアに入ってから最初にバカ売れした86年の5th。元プログレ組らしい面影をギリギリ残していたそれまでの作風(というかアレンジの傾向)から大きくシフトチェンジし、シャバシャバした80年代メインストリームテイストを大幅導入。ニューエイジ風のフワフワしたシンセ/シーケンスや、どこかカクカクとした、グルーヴという言葉を水で薄めたような装飾的16ビートが支配的になり、プログレファンからすれば「終わったな」と吐き捨てられそうな仕上がり具合に。
それによって毒にも薬にもならない良質ポップスになっているかといえば、全然そんなことはないという。一般通念上の「叙情感」とかそういうものとはもともと無縁な人でしたが、ここでもそれはさほど変わらず、まともな泣き所は極端に少ない。更に「ソロシンガーとして売れそうないい声か」といえば、そうとも言いがたいネチネチしたユニーク系。思えば彼がGENESIS在籍時最後に残した「幻惑のブロードウェイ」は、拍子抜けするくらいシンプルなポップスをその輪郭だけ取り出して、内側・裏側にブッ飛んだ独自の妄想世界を塗りたくったような出来具合が不気味さの要因だった気がしていますが、このアルバムとて、そのやり方が行く所まで行っただけのことのように聴こえます。形だけ売れ線風にして終了というのとは違い、よく分からないどこかをビシッと睨みつけるベクトルの強さは相変わらず謎めいて不気味。なまじ軽く泣けるコード展開が入ったりする場面も、鳥居みゆきがギリギリの奇跡で一瞬だけハートウォーミングさを醸しだしてくるかのような(?)、今の狙ってやったなら凄いけど本気?というぞわぞわがつのるばかり。むしろその感じが極大に達したのがこのアルバムという気も。伝わってないかも知れませんが、ここまでのところ全力でホメています。
GENESIS時代のこの人の奇行を知らずに、聴きやすい売れ線音楽としてこれに接した人がどういう感想を持つかはよく分かりません。秘めたる狂気性(あんまり使いたくない言葉ですが)を全部引っ張り出すつもりで入り込むと、何だか青ざめつつも抜け出せなくなる作品かと。個人的にはULVERと同じ波長を感じています。ちなみにヒット曲"Sledgehammer"など何曲かは、ただのゴージャスグルーヴに終始してたりもするのでそこだけ本当に注意。
映像で見ると結構明らかですね。不気味。
最近のライブ。雰囲気あります。トニー・レヴィンのスティックさばきがばっちり映ってる。