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discs 2017-03-13

SUDDEN DUSK
HOWEVER

1981  KINESIS INC.

81年アメリカ、4人組プログレバンドの1st。プログレの純血性にこだわる向きからすれば、「81年」で「アメリカ」という時点で即圏外扱いになりそうですが、むしろプログレッシャーでない人がまさに今聴くのに良いと思われる内容です。

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大雑把な組成としては「チェンバー感あり、のんびりと高速崩壊を不敵に行き来するPICCHIO DAL POZZO的素っ頓狂アヴァンレコメンがベース」「そこにSEBASTIAN HARDIEばりの叙景系雄大ムードが違和感なく挟まってドラマ性のレンジがやたら広い」といったところ。レコメン感については割とテンプレートに忠実で普通にCUNEIFORMっぽいのですが、もっと下地の素養の部分で、パット・メセニー・グループあたりに潜り込めそうな進歩的なコードヴォイシングや、クールな?変則拍子を使いこなしているのがなかなか恐るべきところ。「演出/楽曲表現としての混沌」のやりかたが二段・三段進んだ感のあるここ数年の野心的な人達からブラックミュージック要素を取り除いた残りのように聞こえる瞬間もあり、心に響く楽曲性がありますね。はい。そういう瞬間は少しだけでもよく効く。

明らかにスジがいいというか一時の夢で終わるはずがない能力の高さを感じるので、メンバーのその後を調べてみましたらば、管楽器と鍵盤を担当するボビー・リードさんが、エンジニア/プロデューサー業の傍らブルース・ホーンズビーのバンドの一員として永く活動している人でした。

HOWEVERとしては85年に2ndと、バンド名義ではないですが主要メンバーが集まって2008年に久し振りの1枚を出しているようです。

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プログレ

discs 2016-10-25

DREAM THEATERとプログレメタルブーム

各々のシーンで熟成・研磨されてきたものが結果だけ好き勝手にブッタ切られて組み合わされる傾向が今ほど顕著になる前は、普通に過ごしている人が接触をもつ機会が希薄であろう音楽のまわりには、物理的制約(人脈・地理)を受けながらある程度時間をかけてしか進まない「系譜」がもうちょっとわかりやすくあったものと記憶しています。(その是非は置いておくとして)

「プログレッシヴなメタル」の現在を見ると、ジェントスタイルの拡散と活用で以前とは情勢がすっかり変わってしまって、そもそもちょっとくらい複雑なのが当たり前みたいになってるような。しかしかつては確実にDREAM THEATER一党支配な時代がありました。B!誌の白黒ページに載る西新宿あたりの輸入盤専門店の広告に「Q.ライク/D.シアタータイプハイトーンプログレメタルGood!」みたいな文句が毎月のように躍った時期を覚えている向きも多いかと。DREAM THEATERが90年代のプログレメタル事情をいかに動かし、その前/後はどうだったか、活字と音源だけで追っていた身の体感ベースですが、まとめてみようかと思います。

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80年代のプログレッヴ・メタル

プログレメタルの源流をどこと見るかといえば、「HEMISPHERES」~「SIGNALS」の頃のRUSHでしょう、ということで大なり小なり納得してもらえるかと思います。RUSH自体は全然メタルじゃないですが、カキカキした変則拍子を今日的なポップさとめぐり合わせて、HM/HRに直接転用可能なスタイルを築いたという点で、ジャズやクラシック趣味が混じっていた70年代のプログレオリジン組の試行の一部を一歩推し進めた存在だったと思っています(「クリムゾンの"Red"はメタルだ」等の主張、むろんわかります)。また後のプログレメタラーの多くが、RUSH的なアプローチをそれとわかる形で参照しています。

もうひとつ、大作指向や曲中の急なテンポチェンジなどの要素は、IRON MAIDENからの影響も大きいところ。IRON MAIDEN自身はGENESISがその影響源といっているようです。メイデンの世界観をQUEENSRYCHEやFATES WARNINGが引き継ぎ、そのまた次世代への下地となっています。(断定を避けるのがめんどくさいので度々言い切ります。信じ~あなた次第。)

その他、孤高の突発組として、スケールアウト系フュージョンをスラッシュメタルに持ち込んだWATCHTOWER、その無定形っぷりをもう一回転してRUSH的なスタイルに持ち帰ったドイツのSIEGES EVEN、カナダの脱力不協和音王VOIVODなどなど、カルトスラッシャー達によるインパクトも見逃せません。「めちゃくちゃでもいいんだ」というリミッター外しから数々のクロスオーバーを生んだスラッシュメタルシーンには、その手の突然変異を生み出しやすい土壌があったと思います。

QUEENSRYCHEとFATES WARNING

DREAM THEATERでどよめく前は、プログレッシヴなメタルといえばQUEENSRYCHEだったはずです。とはいえ今聴くとさほど複雑な変拍子にまみれているわけでもなく、精神に来るような暗いコード感と大仰なコンセプト指向で「頭脳派」と認識されていただけのことなのではとも。

その空気感を拝借して、実際に変拍子/変則展開/組曲といったそれらしい要素を突き詰めていったのがアメリカのFATES WARNINGで、DREAM THEATERの初期、特に前身のMAJESTY時代などは、ありありとそこからの影響を見て取れます(メンバー自身公言もしている)。この時点では、「欧州的な湿ったメロディックメタルが、やたらと技巧的に折れ曲がっている」のがプログレメタルの姿でした。

90年代、メタル畑の行き詰まりとDREAM THEATER

89年に「WHEN DREAM AND DAY UNITE」でデビューしたDREAM THEATERは、卓越にもほどがあるテクニックを持ちながらも、音楽的にはFATES WARNINGをもう少しポップな(それこそRUSH的な)方向に開いた程度で、激震を与えるとまではいかない内容でした。

その後シンガー交代やレーベルとのゴタゴタではかばかしい活動ができない間、世の中はミクスチャーブーム(RHCPほか)、グランジブーム、スラッシュメタルのグルーヴオリエンテッド化(ブラックアルバム/PANTERAほか)が次々起こったわけですが、DREAM THEATERはグルーヴメタルの硬質感も拾い、ミクスチャーとは少々違うがDIXIE DREGS的なパカッと明るいフュージョン由来のファンクネスも堂々と使い(ダサフュージョンやホーンセクションを唐突にメタルに導入するのはこの時期軽く流行った)、時代の潮目ならではの飛び級的進化を見せます。そして何よりその統合能力が高くて、あらゆる要素を楽曲のドラマ性の昇降に使いこなしたし、長いものが冗長にならなかった。

どうやってもオルタナティブな風情だけは出せないが格段に垢抜けた新シンガー、ジェイムズ・ラブリエを迎えて世に放たれた2nd「IMAGES AND WORDS」は、正統派も過激派もある程度成熟してしまったメタルシーンにおいて、その新鮮さでファンを喜ばせただけでなく、グランジに追われてもうやっていけないかもしれない、さもなくばヘヴィ化するしかないという空気が漂っていた各国の演者界隈にも新しい可能性を提示。かくして、DREAM THEATERと同じ養分を吸った同期というよりも、彼らに直接触発されたプログレメタルバンドが世界中にゴロゴロ大発生する事態となります。

だがしかし、アイディア勝負ではなく統合力こそがクオリティの鍵であったため、おおかたのバンドは「末端だけDREAM THEATERにそっくりで、到底太刀打ちはできない」といった程度に終わってしまう羽目に。マニアは今度こそ...とショップおすすめの新人を買ってみては、DREAM THEATERに惚れ直すという時期が続いたことかと思います。

「オーガニック」なる新トレンド、フォロワー層の成熟

「IMAGES AND WORDS」から約2年後の94年、DREAM THEATERは前作制作時にあったアイディアを含む3作目「AWAKE」を発表。70年代HRを思わせる歪んだオルガン、美麗なる叙情性に取って代わる(駆逐するほどではない)ペンタトニック、そして7弦ギター導入によるモダン・ヘヴィネス(死語!)をフィーチャーし、きれいなもの好きなメタラーには少々快適でない方向へと進化して波紋を起こします。

が、もともと芯にあった精緻さや技巧性はまったくもって損なわれておらず、安易な重・暗・鬱化ではない、むしろ大充実の内容でした。「こんなに緻密なのにこんなにダイナミック」と演者界隈に再び衝撃が走った結果、このアルバムで聴けるのとソックリなオルガンの音やダウンチューニングがまた蔓延。プログレメタル界のオピニオンリーダー状態に。ちなみに先輩だったはずのFATES WARNINGもこの変化に追随します。

この頃には第一波に触発されたグループも洗練が進んできて、オリジナリティはさておき記憶すべきクオリティを達成するバンドや、垢抜けたシンガーがいてフォロワー以上の存在感を示すバンドもちらほら。また「D・シアター+PANTERAタイプのテクニカルスラッシュ!」といったハイブリッドな売り文句が例のB!誌の白黒ページに躍ったりすることも。(で、最高の名前を2つもくっつけるほどの出来ではなかったりする)

メロハー的なとっつきやすさとメロディセンスの冴えがあったENCHANTは長い間踏ん張っていて最近復活もしたし、ドイツのIVANHOEは故チャック・シュルディナー(DEATH)から別プロジェクト・CONTROL DENIEDのフロントマンとして白羽の矢が立つ力量のシンガーを擁して優れた作品を残しました。その他SANVOISEN(QUEENSRYCHE寄り)、EQUINOX(EL&P的美学とRUSHの融合)などなど、アルバム1~2枚だけで散った良バンドはいろいろいます。

多様化とブームの収束

90年代後半になると、宝塚的メロメロ歌劇感+変態性を持ち込んだSYMPHONY Xが著しい飛躍を見せたり、尖ったヘヴィネスをスペイシーな方向に発展させたデヴィン・タウンゼント関連ユニットや、FAITH NO MORE的振れ幅をより金属質にしたようなPAIN OF SALVATIONなどが、「進歩的なメタル」の新解釈(わざわざそんなキーワードを標榜していたわけではないと思いますが)を提示。

同時に、デスメタルの世界でメロデス/ゴシックが行き着くところまで行き着いてANATHEMAやらOPETHやらがどんどん枠をはみ出し、プログレメタルブームのテンプレートをなぞらずとも面白くて新しいメタルを追求できるアイディアがあちこちで見られるようになったのを受けて、DREAM THEATER似の一派は自然と層が薄くなり離散していったように思います。そのタイミングでMESHUGGAHがブレイクし、(まっとうなフォロワーが出てくるまでに時間がかかったものの)「テクニカル」の定義が覆る事態となり2010年代の今につながると。雑に10年くらいスッ飛ばした分は若い方々にお任せします。

以上、物の本に書いてありそうなことばっかですけども、最近93年来日公演のDVDを観てDREAM THEATERを見直した勢いで書いてみました。これから知るという人はお役立てください。

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プログレメタル

discs 2016-10-25

アーティスト概要 (DREAM THEATER)

技巧派プログレメタルの代名詞として一般リスナーにもその存在を知られるアメリカのバンド。多くのジャズミュージシャンを輩出している名門・バークリー音楽院で結成。当初はMAJESTYと名乗っていたが、89年の1stアルバムリリース時に同名異バンドがいるという理由で改名することになり、リーダーでドラマーのマイク・ポートノイ(現在は脱退)の父の提案で現在の名前に。由来は近所の映画館の名前。ちなみに旧名のほうは、前後をひっくり返して1stアルバム収録のインスト曲のタイトルとして残っている("YTSE Jam")。

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いきなりメジャーのMCAからデビューを飾るも、線の細い初代シンガー(さらに昔もう1人在籍したようですが)のチャーリー・ドミニシがいろいろダメで解雇、マネージメントとの関係も上手くいかないなど、順調に活動できない時期が続く。新シンガーのオーディションの末、カナダのWINTER ROSEにいたジェイムズ・ラブリエを獲得し、ATLANTIC傘下のATCOから2nd「IMAGES AND WORDS」を92年に発表。コテコテフュージョンからPANTERA的へヴィミュージックまでをぬえのように繋いだ多彩な音楽性で、90年代のメタルシーンを揺るがす大名盤となる。

グランジ礼賛ムードもたけなわな94年、7弦ギターを導入しよりへヴィ&オーガニックな音楽性にシフトした3rd「AWAKE」で賛否両論を起こすも、フォロワーの多くはこぞって追随し、やはりプログレメタルシーンの台風の目となる。同年、音楽的方向性の相違などから、独特の揮発するような叙情性を漂わせていたキーボーディストのケヴィン・ムーアが脱退。ケヴィンはその後、自身のプロジェクト・CHROMA KEYを立ち上げるほか、ポートノイとFATES WARNINGのジム・マセオスとのユニット・OSIとしても活動する。

後任にロックスターキャラ(額にサングラス系)のデレク・シェレニアンを迎え、MAJESTY時代から温めていた20分強の大曲"A Change Of Seasons"を遂に録音、カバー集と抱き合わせで95年にリリースする。続いて97年に発表された4th「FALLING INTO INFINITY」では、陰鬱げなうねりで押す野性的&コンパクトな曲が増え、これはどういうことかと評価も揺れる。99年、鍵盤奏者が更にジョーダン・ルーデスに交代。以降はメタル然としたエッジを取り戻したところにより硬質感とシリアスさを強めた作風となり、ほぼ2年に1作のコンスタントなペースで大作を次々と発表していく。

2010年、サイドプロジェクトなどでの活動のためにバンドを少し休業したい意向があったマイク・ポートノイが、他のメンバーの反発に遭いそのまま追い出されてしまう。後任はオーディションの結果、ex.ANNIHILATOR~EXTREMEのマイク・マンジーニ(ジェイムズ・ラブリエのサイドプロジェクトMULLMUZZLERのメンバーでもあった)が加入。名付け親を欠いての再出発作は皮肉にもセルフタイトルだった。低音オリエンテッドなゴリゴリ感を薄めて往年のスタイルに戻り、現在も鋭意活動中。

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プログレメタル

discs 2016-10-18

ROCKJUMPING
JACK IN THE BOX

1993  CRIMINAL RECORDS

続くフルアルバムのレビューを先に書きました。

こちらは93年リリースのデビューEP。のちに多数のデモ音源を含む2枚組アンソロジーに丸ごと収録されるも、オリジナル盤ともども今は入手困難でガッツリ値が張ってしまっています。

Discogsでしつこくチェックし続けて数カ月、ようやく相場の半額ちょいくらいの出品があったので即ポチポチポチとやってやりました。レアなものをお勧めしてもしょうがないんですが、配信版は普通に買えることだし、日本語のレビューはたぶん見つからないであろうので、いつかこのバンドのことが気になって情報収集しまくってここに辿りつくかもしれない人のために書いておきます。

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ダーク&へヴィというテーマに貫かれながらも知性の効いたアレンジで豊かな音楽性を示した「STIGMATA」には、個人的に大いなる衝撃を受けました。その2年前ということで、煮崩れる前のルーツ(メタル)成分がより出ているのを期待したところ、収められていたのはむしろ、より臆面ないナマナマしさでALICE IN CHAINSフォロワ―をやっている姿。ヴォーカルのハーモニーやギターのワウ入り単音フレーズなど、「STIGMATA」ではそこまで露骨じゃなかったAIC模写が要所要所に。

むろんコピーの範疇に収まらないひとクセも大量に含んでいて、危ない橋を渡るような音使いのあとで思いがけないところにズドッと着地するハイセンスはこの時点で既に健在。硬質感・へヴィネスとメロディックさが乖離せず両立する具合はオーストラリアのSHIHADの初期にも多少通じるような(表現内容自体は違う)。スパーッと開けて軽くなる場面やクリーンのアルペジオなんかでは、ルーツにあるらしいKING'S X色も顔を出す。

という具合で聴きどころはしっかりあるものの、総じて「AICの世界観を目指す途中で独自色がこぼれ出ている」という域ではあります。あとサウンドプロダクションはこの時期のアベレージより若干物足りないくらい(リバーブかなり深め、かつヴォーカルのコンプ薄めでローカル感有)。メンバーの関連作品にも手を出すくらいのファンになったのでなければ、アンソロジー盤「STIGMA MMX」のデータ版でまず聴いたうえで、プレミア価格で現物を所有したいかどうか落ち着いて考えてもいいのでは、という私感です。なにぶん全5曲で4000円とかしてしまうので。と言いつつ自分自身はたいそう満足しております。

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オルタナオルタナメタルグランジ

iatethat 2016-10-11

カフェ シブル

自宅から6km強の距離ですが、白鳥公園でムスメを遊ばせてからのここというコースで年に数回は(自転車で)訪れるお店です。看板の屋号の下に「Baked Sweets And Coffee」とあるとおり、自家製のケーキ(タルト系中心)・クッキーの類がメインで、モーニングとランチも有り。早朝×遠方ということでモーニングはまだ体験できていなくて、もっぱらランチで毎回大満足させてもらっています。

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ランチはパスタのセット、カレーのセット、マフィン&スコーンにスープ(今までのところほぼミネストローネ的なもの)の3種類から選べて、サラダとドリンクがついて1,100円(2016年10月現在)。毎度確実に頼むのはマフィン&スコーンランチです。スコーンとか、「女子にしか分からない小麦食」の象徴的存在だとワタシも思ってましたが...

まずマフィンはいわゆるモチモチして表面に細かいゴマっぽいものがふってあるアレではなく、カップに入れて焼いたのがモコッとはみ出したような形の、モロッと崩れながら食べ進める、お菓子でよくあるほうのタイプです。中身は、インターバルは不明ですがいろいろ変わります。直近で行ったときは「サツマイモ・クリームチーズ・ベーコン」でした。USBメモリくらいのサイズ感のベーコンがボコボコと埋まっており、クリームチーズもサツマイモも「カタマリで入ってる」的存在感。ソレが中までホコホコの焼きたてで出てくる店、なかなかないのでは。

スコーンのほうは、果物など何かしらの甘いもの入り。こちらも焼かれて出てきます。バナナの焼いたのとかが好きな人には最高かと。生地はあくまでプレーンで、デザートとまではいかないがセットのドリンクが出てくるまで残しておくとちょうどよい(私のようなオッサンとしては。女子は食中にパクつくものなのか?)。スープは具だくさん、サラダのドレッシングもオリジナル。しっかり食べる人でもじゅうぶん満足するセットになってます。

カレーは変化球的スパイスをさほど効かせず、野菜・肉が入り混じる大量の具材からにじみ出たコクによって丸みがついている、シチュー的な方向性。カレーを選択するときによくある危惧「他におかずがなくてもひと皿で食事として満たされるだろうか」は全くの杞憂に終わります(セットのサラダを差し引いたとしてもなお)。パスタは直近の記憶がないのですが、カレー同様に満たされたという覚えはあります。総じて何を頼んでも、手の込み具合とボリューム(総量の中の組成比を含む)が相関して定まるところの食べ応え値が、ちょうど理想のポイントにきてくれるお店なのです。ええ。ここまでして更に、ついてくるコーヒーもスキッとしたハンドドリップ(紅茶やジュースも選択可)。

ケーキ類はタルトのタルト部分の具合がとても良いらしく(奥さん談)、チョコチップなりクルミなりのウワモノがゴロゴロボコボコと乗っていてとても嬉しい(私感)。過度に飾らない仕上がりで400円前後というのもありがたい。クッキーその他の焼き菓子はドカンとした佇まいで200円程度。種類豊富で、手土産にも最適かと。たまーに、長く置いておけないストックがあって店員さんも余裕があるときだけだと思うんですが、ランチにおまけで1/4カットくらいのケーキがついてくる時もあったりなかったり。(なかったりが基本なのでくれぐれもそのつもりで)

店内は明るくてゆとりのあるレイアウトで、雑誌有。全席禁煙。席数はほどほどなので混雑すれば待つこともあります。駐車場には余裕があり、遠方からも訪ねやすいでしょう。なかなかついでのない方面ではありますが、中川区~名古屋港あたりに行くことがあった際にはぜひ思い出して立ち寄ってみてください。

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名古屋市熱田区古新町1-24
不定休(ブログにて告知)
http://www.cafecible.com/shop_info/
https://tabelog.com/aichi/A2301/A230112/23004834/

ランチ洋菓子

discs 2016-10-05

アーティスト概要 (RUSH)

74年デビュー、カナダを代表し北米大陸以外でも高い人気を誇るプログレッシブハードロックトリオ。

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結成当初はLED ZEPPELINになりたかったらしく、極端なヴィブラートが特徴のハイトーンが比較的オーソドックスなハードロックリフに乗るスタイルからスタート。やがてプログレへの憧れを見せ始めて大作志向に傾倒する。とはいえあくまでトリオ編成で、シンフォニックなハーモニーなりジャズや電子音楽との融合なりに色気を見せることはなく、あくまでハードロック的な表現を組曲形式で長尺にすることでプログレっぽさを演出していた。その時期の代表作は76年の4th「2112」。

78年の「HEMISPHERES」でプログレ路線の頂点を極めたあとは、それまで実践してきたシンセの同時演奏(MIDIペダルを使用)や変拍子などの要素をコンパクトなポップス的楽曲の中に落とし込むようになる。"The Spirit Of Radio" "Freewill"などその後のキャリアの最重要代表曲を含む80年の「PERMANENT WAVES」、定番インスト曲"YYZ"や"Tom Sawyer" "Limelight"などのヒットを収めた翌年の「MOVING PICTURES」と、RUSHのパブリックイメージを体現する作品がこの時期に作られた。

シンセの比率を高めてよりラジオ向けになった82年の「SIGNALS」は、身売りしたとのイメージから悪く言われることもあるが、ここから87年の金字塔「HOLD YOUR FIRE」にかけて、このコマーシャル路線で人気を不動のものにしていく。しかも言うほどペラペラな流行便乗系ではなく、RUSHらしいハイレベルな演奏やアレンジワークがしっかり詰まっている。

時代が徐々にゴージャスなものからシンプルなものへと向かい始める80年代終盤、らしさを失うほどではないが様子見的な作品が続く(「PRESTO」「ROLL THE BONES」)。オーヴァーグラウンドがグランジ/オルタナに乗っ取られると、そのダイレクトなエネルギー感を完全にプラス方向に取り込んで、職人的アンサンブルと(かつて自身もそうであった)骨太でシンプルなロック性を結合した音楽性でアイデンティティを再定義。93年の「COUNTERPARTS」はシングルカット"Stick It Out"がビルボードのロックチャートで首位をマーク、続く96年の「TEST FOR ECHO」は更にカラフルで往年の代表作に匹敵する内容になった。

2002年の「VAPOR TRAILS」以降は、オルタナティブな質感をやや抜いてハード&プログレッシブな傾向を強め、ライブ盤で間をもたせながらベテラン現役として新作も定期的に発表し続けている。

来日を切望するファンは多いが、ライブでは非常に大掛かりなセットが組まれるため、海外での人気の高さとは温度差がありすぎる日本での公演の実現は難しかろうと諦めムードも漂う(一説には、80年代に来日した際、ホテルで一般人の喧嘩の仲裁に入ろうとしたメンバーがひどい剣幕で返り討ちにあったことがトラウマになって二度と来ないとも言われている)。

海外では"YYZ"がバンドビギナーの定番練習曲になっていたりと、大衆レベルで親しまれている。ただ、初期に顕著だった滑稽なまでのハイトーン、フロントマンのゲディ・リー(B./Vo.)のなんともいえないルックスから、ナードの音楽と目されることがしばしばあり、PAVEMENTの歌詞でからかわれていたりもする。日常の場で女性がRUSHのTシャツを着るのは(「RUSHのフロントマンはルックスが悪い」という一般的認識から)相当な珍事になるらしく、純粋なファンから「冗談でそういうことをするのはよせ」と言われる事例もあるとのこと。

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プログレプログレメタルすごいハイトーン

discs 2016-10-04

VICTOR
VICTOR (ALEX LIFESON)

1996  ATLANTIC / ANTHEM

96年にリリースされた、カナダのプログレハードロックトリオ・RUSHのギタリストであるアレックス・ライフソンのソロプロジェクトアルバム。I MOTHER EARTHのエドウィン(Vo.)が半数の曲で参加。

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RUSHが93年に発表した「COUNTERPARTS」は、ドップリというほどではなかったものの、多分にグランジからの影響を反映した内容でした。このVICTORはその拡大版といった作風。というかRUSHで主に曲想のベースを描いているのは明らかにアレックス・ライフソンなので、おおむねRUSHです。

完全グランジモードに振り切っている曲は本当にただのそれで、エドウィンのヴォーカリゼイションもあって若手バンドの如くかっこよい。しかし挟まってくる変拍子やちょっとしたコード選び、粗密差で流れを作るアレンジワークの手馴れた感じから、RUSHの頭脳から出てきたものであることがわかります。

ハイライトになっているのは、ダルベロなる女性シンガーが唯一参加している3曲目"Start Today"。「COUNTERPARTS」に入っていたとしても同じく突出していたであろう変則リズムの荒々しい曲を、70年代のゲディ・リーに激似の超音波ヴィブラート+ウルトラハイトーンで狂ったように歌い散らす、もの凄い録音。この恐るべき声量とロングトーンを聴くためだけでも、このアルバムを所有する価値があります。

後半は単調なシーケンスとスポークンワードがメインの実験的なトラックが登場したりもして、ソロプロジェクトならではの好き勝手さが発揮されるがゆえにちょっとしたダレも有。ですがトータルではそれを補って余りある裏RUSH&裏I MOTHER EARTHな内容(+ダルベロさんの怪演)ですので、見かけたら保護されることをお勧めします。

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オルタナオルタナメタルグランジ

discs 2016-10-04

これのことを伝わるように書きたくて、1~3作目も取り上げました。長かった。カナダのオルタナシーンを先導した(かどうか知りませんけども)I MOTHER EARTHの、活動停止前ラストとなった2003年の4th。

リリース当時、シングルヒット狙いの曲をしつこく要求するレーベルと折り合いがつかず、ほとんどプロモーションがなされないまま世に出たそうで、ワタシもつい最近まで存在すら知りませんでしたが、そんな処遇に終わったのが非常に惜しまれる、充実の傑作に仕上がってます。

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前作の流れで更にトゲをなくすかと思いきや、拡張された音響感覚はそのままに、へヴィ度大幅アップ、ムーディ度もちょい増しで、DEFTONES+(最近の)ANATHEMAもしくはCHROMA KEYかという新フォーマットをいきなり体得。ゴリゴリと蹂躙し続けることはなく、むしろ牙を剥く時間は短め。しかしながら、おとなしく一歩引き気味の場面でも「今これだけ場所が空いてるってことは、後でゴァーって来るんだよな...」という示唆による心理的へヴィネスが常に充満していて、アルバム全編やけに緊張感がある。その演出のうまさは過去最高なのでは。プレイヤー冥利を捨てて、楽曲の造形をできるだけソリッドに伝えることに専念している印象です。(奔放に伸びたり緩んだりするところがI MOTHER EARTHらしさでもあったのですが)

2代目シンガーのブライアン・バーンも前任者のカラーから脱却し、ガサッとした力み成分が顕著に後退。太さもありながらソフトでクリーンな本来の声質で、DEFTONESなりTOOLなりの感じに近い躁鬱キャラへと転じています。スゴむ場面のかっこよさにはクラッと来るレベル。器用な人...と思ったら、活動停止中にタトゥーアーティストになったり、最近はラジオのアナウンサー業も始めたり、前任者が復帰してからはSTONE TEMPLE PILOTSの新シンガーの座を狙ったりと、恐ろしく手広い実力者でした。

曲は極端にコマーシャルではないがひとつひとつがデカく、9割方ミッド~スローテンポながら先述の緊張感ゆえかダレ知らず。終盤に差し掛かる8曲目で、ギターの擬似スラップが野生16ビートに乗って炸裂する1stからの伝統芸スタイルがひさびさに復活(前作3rdには1曲もなかった)。ラスト前の10曲目には4部構成で8分に及ぶ組曲もあり、ここは現代版RUSHの面目躍如か。PORCUPINE TREEも青ざめるわと。

サウンドプロダクションの異常な良さも特筆すべき域なので書いておきます。すべての音がテカッと抜けてくる感じは2000年代以降然としたものながら、間違っても生音に音源を重ねたりはしていなさそうなドラムの圧巻の処理、特に4曲目をお聴きください。エンジニアはKING CRIMSONの「THRAK」やDREAM THEATERの「METROPOLICE Pt.II」、そして他ならぬTOOLの「ÆNIMA」~「LATERALUS」を手がけたデイヴィッド・ボットリル。はい、そう言ってしまうとそれで片付いてしまう感じになりそうで言わないようにしてましたが、全体的にTOOLっぽさを志向したのではと思われる形跡がけっこうあります。決して流されちゃってるとは思いませんが!

地元のヒーローだからなのか、プロモーション不足でよほど余らせたのか、今でも全然新品でたやすく入手可能です。気になった人はぜひとも回収に乗り出してください。

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オルタナオルタナメタルグランジ

discs 2016-10-04

BLUE GREEN ORANGE
I MOTHER EARTH

1999  UNIVERSAL MUSIC

UNIVERSAL移籍後、99年にリリースされた3rd。オーディションで得たニューファンドランド島出身の新シンガー、ブライアン・バーン加入後初のアルバム。何かしら褐色のがさがさした雰囲気があった過去2作のジャケとは打って変わって、ツルッとしたCGで押し切るカバーアートからして、変化の予感(とポストグランジ期のニオイ)がします。ちなみにアルバムタイトルどおり、絵柄は同じで背景色のみ青・緑・橙の3とおりが存在するマルチカラー展開でした。

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ブライアン・バーンの歌唱は、この時点では声質も歌い方も前任者のイメージに非常に忠実。表現の幅も声量感・ピッチなどもまったく不足なしで、バンドのカラーに合った逸材といえます。ウェットに歌い上げることも可能でなお良い。

音楽的な変化の方向としては、いわゆる「攻めのスローダウン」「派手さを捨て、よりディープな方向に」と言われる類のもの。エフェクトや鍵盤によるウワモノ要素が増えてインダストリアル+ダウンビートな描写を入れたり、後期FAITH NO MOREみたいにレトロ感をちょっと滑稽に切り取ってみたり、非人力ビートを入れて突き抜けたポップさに挑んだりと、歪んだギターに固執しないアレンジワークを展開。いっぽう曲の骨子の部分は、単純なフック・わかりやすい感動を作るの拒否するかのごとき、一聴目の地味さ。

曲ごとにやっていることはいろいろで、カラフルさはあるものの、静/動の静の部分が「これで1曲」と認識するに足りないくらいの静まり具合になることしばしば。うーんと思っていると、とびきり漫然と進行するラストの曲がもうPINK FLOYDのようで、なるほどそういう覚悟だったのかと合点がいく。

「らしさ」の所在と境界線を確かめつつ定型からの脱却を図った過程の記録として、この時期の彼らが作ってしかるべき内容であったと思います。

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オルタナオルタナメタルグランジ

discs 2016-10-04

96年2nd。活動のピークをもたらした作品で、最高傑作と推す向きも多い1枚。例によって冒頭には短い序曲的トラックつきで、今回は高速パーカッション+高速シンバルレガート+何かしらの笛のみによる原始感最大な47秒。I MOTHER EARTHというバンド名にもなんとなくシックリ来る気がしますが、この名前、もともとは「IMEと書いてI Am Me(アイェムミー)と読む」だったのが、I、M、Eを何かの略だということにしようと後からなって、何の意味もなくつけたのだそうです。

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さておき内容の続き。前作の淀み感や野生感はおおむねそのままに、SMASHING PUMPKINSばりのキャッチーさ(パッと聴き全然感触が違いますが)が大幅増強。さらにRUSH譲りの端正でコンパクトなプログレセンスもうっすら加味されて、アタマ3曲(CDの2~4トラック目)で最大限の決定力を発揮。あとは曲中に極端なテンポチェンジがあろうと、超ロングソロを含む8分弱の曲があろうと、バンドのポテンシャルを物語る方向でプラスに作用するばかり。すべてにおいて、前作でやりかけていたことをもっと先まで実践しているかのようです。意欲的。

サウンドプロダクションも前作に比べると仕掛けが増えて、へヴィな場面ではSTONE TEMPLE PILOTSよりもエグく、ソフトになるときはジェフ・バックリーの如し。これが時流なりの洗練だけではない、演者の強い意志がにじみ出るもので、バンドとしてのシグネチュア・サウンドを完全に確立した感があります。グランジ時代を宣言した先発有名バンドと同じ重さでは語られないけど、英国プログレでいえば四大(GENESISをカウントすれば五大)バンドに対するGENTLE GIANTくらいの存在といってもよいのでは。

前作で数曲入っていた、高速ラテンパーカッション+ギターの擬似スラップで突っ走るキメ曲が本作ではラスト1曲のみ。じわじわといく曲展開と、はっきり叙情的なメロディ、磨きのかかったファンクネスで、7分が長く感じない文句なしのハイライトです。

表情豊かな歌唱で躁鬱的レパートリーにも余裕でついていくシンガーのエドウィンが、アルバム全編で凄くいい仕事をしてるのですが、残念ながら彼はここで脱退。

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オルタナオルタナメタルグランジ