SCSIDNIKUFESIN

1 Oct, 2014

▼タメました。ここのところは自作パーカッションの洗練に取り組んだり、思い立って全編AORなソロ新作を作りはじめた(DOIMOIの新曲があまりに難航し、曲が作れない人ではないことを自ら確認するため、とソロで出演のライブに向けて)り、ギターの運指&ピッキング練習パターンを考えて実践したりというのを、就寝時一緒にフトンに入らないといつまでも食い下がるムスメの目を盗みながら(寝付いた後、または早朝4時半起きなどで)やっておりました。

いつもならその成果を嬉々としてここでご紹介するところですが、パーカッションは恐ろしい時間を費やした結果、手近な材料でいいものができすぎてしまったのと、ギターの練習フレーズも巷の本では見かけない切り口でしかもなかなか効果的なので、ぺろっとワールドワイドウェブの海に流すのがもったいないなと躊躇してるところです。特に後者は、知らないアフィリエイトブログとかで同じタブ譜を見かけたら切ないなーという危惧により。

パーカッションについては本当に長年の夢だった「足を踏み下ろすだけで、角度や予備動作に神経を取られることなく安定してスネア的な役割の音を鳴らせる箱」と「足だけでトライアングルを鳴らすキット」が両方作れまして、これは大変画期的なのです。現物のある場でならいくらでも解説しますので、そういった場所に来てください。例えば

10/4 (Sat.) 名古屋 鶴舞 KDハポン
テト・ペッテンソン企画「カーテンコールで待ち合わせ vol.1」
開場18:30 / 開演19:00
予約¥2000 / 当日¥2300(D代別)
IOUEEE / シャンプーハッツ(相模原) / トキノミノル / テト・ペッテンソン

など。トキノミノルはカーリーズ&トゥラリカのメンバーの混成バンドで、その後輩がテト・ペッテンソンです。シャンプーハッツは架空プレス業者に騙されてレコなしレコ発をやる羽目になったとtwitterで話題になった人達(私もその件リアルタイムで見ました)。現在制作が大詰めのAOR調なソロ新曲2曲は、ご来場の方にフリーDLしてもらえるようにするつもりです。何かしらの方法でご予約おねがいします。

▼長らくこのブログ(がブログではなかった頃から)を見ていただいている皆様、3年前このように生まれたムスメは現在、おかげさまでこんな感じになりました。ありがとうございます。
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ムスティンの口の形に憧れているとかいないとか。(いない)
楽器はなかなか覚えませんが、オリヴィア・ニュートン・ジョンの"Physical"、カーリーズ全曲、「となりのトトロ」の主題歌と挿入歌、平安会館のCMなど歌のリクエストはいくらか受付可能です。

▼サウンドベイのバーゲンや植田楽-YAの一時閉店セールでひどいことになっているここ一ヶ月強の収穫、いろんなブックオフでWAKTER BECKER「11 TRACKS OF WHACK」(94年ソロ1st)、BRENT BOURGEOIS「BRENT BOURGEOUIS」、STEVE LIKATHER「CANDY MAN」(94年)、O.S.T.「FOOTLOOSE」、BRUCE HORNSBY「HARBOR LIGHTS」、ATLANTIC STARR「WE'RE MOVING UP」。
サウンドベイでORANGE 9MM「PRETEND I'M HUMAN」(99年)、JANIS IAN「STARS」「AFTERTONES」、SOLEFALD「PILLS AGAINST THE AGELESS ILLS」(ノルウェーブラックアヴァン派2001年作)、PETER, PAUL & MARY「LATE AGAIN」、MR.BIG「LEAN INTO IT」「LIVE」(いずれも良コンディション外盤100円でようやく買い替え)、Y&T「MUSICALLY INCORRECT」(95年)、TONY MACALPINE「PREMONITION」(94年)、HEATMISER「MIC CITY SONS」(エリオットスミス在籍屈折歌心グランジ96年)、HIRAM BULLOCK「WORLD OF COLLISION」、RICK PRICE「HEAVEN KNOWS」。
一時閉店で復活待ちの植田楽-YAの最終売りつくしでSTEVE WARINER「DRIVE」、JAMIE WALTERS「JAMIE WALTERS」、FRIDA「SOMETHING'S GOING ON」(ex.ABBA、フィル。コリンズpro)、DAVID FOSTER「RIVER OF LOVE」、ERIC CHAMPION「REVOLUTION TIME」、LUTHER VANDROSS「FOREVER, FOR ALWAYS, FOR LOVE」、ALICE COOPER「THE LAST TEMPTATION」、MARC JORDAN「BLUE DESSERT」、THE ALMIGHTY「PSYCHO-NARCO」、PAUL BRADY「TRICK OR TREAT」、YES「TALK」、CYNIC「FOCUS」(ボーナス入りリイシュー)、VINCE NEIL「EXPOSED」、BRAND X「MOROCCAN ROLL」、SONNY LANDRETH「SOUTH OF RI-10」、DERRINGER「DERRINGER / SWEET EVIL」(リック・デリンジャー・バンド、76/77年作カップリング)、SLAUGHTER「FEAR NO EVIL」、PHIL COLLINS「DANCE INTO THE LIGHT」、BAD MOON RISING「OPIUM FOR THE MASSES」(日本盤)。
栄ミュージックファーストでIN FLAMES「LUNAR STRAIN」(1st外盤オリジナルに買い替え)。以上、大量ですが大半は100~500円にて購入です。聴けてない!

▼時々「楽しみにしている」と言ってもらえる地元名古屋の食べ物屋開拓記録は、また近々の更新でがんばります。

WALTER BECKER - 11 Tracks of Whack

本日のレビュー:WALTER BECKER「11 TRACKS OF WHACK」

トゥラリカのタクミ君がレコメンしているのを見かけた矢先にタイミングよく捕獲。先にソロデビューしていたドナルド・フェイゲンに遅れること10年以上、STEELY DANの片割れのウォルター・ベッカーが94年にリリースしたソロ1stです。

アルバムタイトルに出てくる「whack」の意味について調べると「ピシッと強打する」みたいなのが最初に出てきますが、多分このアルバムに関してはここでの説明が近そうな気がします。ぼやっとした写真にこの頃の流行りのタイプライター風フォントをあしらっただけのジャケといい、佇まいからは相当カジュアル(適当?)なノリが。内容は更に、不安になるほどラフで、リズムマシンとギターでさっと作ったデモのようなトラック数少なめなものが大半。STEELY DANでの鬼の作り込みと比べるとかなり異質です。その分、どの曲にもひらめき性の高いネタがドシッと居座っていて、トータルの聴き応えは超濃厚。

ヒップホップ手前のチルアウトR&B的な妖シブ系レイドバック感と、90年代初頭のアンプラグドブームのあとで大勢の妙齢ミュージシャン達がこぞって乗っかった「昔はいろいろあったけど今は落ち着いてこざっぱりとクリーントーン」感が無境界化して絶妙すぎる色相をなしているところに、フュージョンマナーにのっとったテンション攻めや、その他の斜め上的暴投の数々。しかしミュージシャン/クリエイターとしての造詣が底支えして、楽曲への落とし込み方はあくまで紳士的。黒い筐体で100音色100リズム入りみたいな家庭用キーボードに電源入れてすぐ出るようなこんな音でいいの?てなカンタンなデジタルシンセも平気で使われてるんですが、簡素なアレンジと相俟ってやけに目立つその響きが、確信犯的かつ病性の際立つものに。

ウォルター氏本人によるヴォーカルは、枯れ方や絞り方が相方のドナルド・フェイゲンにかなりよく似ていて、声域が低い分セクシー・ダンディー感が割増に。ドナルド氏はプロデュースと鍵盤でも参加していて、その他のメンツはシブ系仕事人ディーン・パークス(g.)、TZADIKでリーダー作を出していたりもするベン・ペロウスキー(ds.)など。アルバム中でも際立つ怪曲"Lucky Henry"で危険物のようなソロを弾いているアダム・ロジャーズというギタリストはノラ・ジョーンズの作品にも参加していたりで、その他よく知らない名前もきっとこわい人達なのでしょう。

STEELY DANの触ったら血が出そうな尖ったところが好きだったんだけどドナルド・フェイゲンのソロ作品ではピンと来ませんでしたよという人、「善良な市民の顔して結果的にフリークアウトしまくっているような音源」をチェックしたい病気の人などの、ニッチな需要に最高に応えてくれるアルバムかと。当サイト的には相当おすすめ。