SCSIDNIKUFESIN

26 Mar, 2013

▼去年の7月末にリリースしたアルバムのたった4公演だけのツアー、2月からひと月半かけておこなっていて、その最終の名古屋が無事終了しました。フー。1件企画を仕切ると1年は休養する我々が同時進行で3件(福島のみ会場のオーガナイズ)も手掛けるのは未曾有の出来事だったわけですが、つつがなく終えられたのも関わってくれた皆さんのおかげ。ありがとうございます。
▼名古屋はstiffslackおかかえのmalegoat、去年新宿NINE SPICESのイベントで引き合わせてもらった大阪のNiard(ex.ナイスパの伊藤さんにもこのへんいろいろ感謝してます)を招いて、ドサクサでわたしのソロ=ioueeeも混入するという計4組。わたしはとにかくCDRのプロモーションとしてのみのステージになりましたけども、思いが実ってたくさん買ってもらえました。わたしもこれでたくさんCD買えます。原価を下げてクオリティを上げる自主CDRづくりは今後も突き詰めていきたい所存。
Niardは勝手に日本のEXIVIOUSだと思ってる人達。最初に共演したときはうおースゲーと思っているうちにサーッと終わってしまったイメージだったので、長めのセットに期待していたら、ベースとギターで計2回も弦切れるという。しかしながら全パート隙のない演奏力と構成力の恐ろしさはじゅうぶん伝わるステージでした。 惜しくもカットされた"Equal"聴きたかったなー。ライブでたまにあるこういうハプニングの対処法を、ワタシはむしろ楽しみに見るんですが、あるはずの弦がなくても穴をあけずに見事演奏をつないでいたし、2度目の弦交換タイム中に始まったジャムでは日頃の鍛錬が窺い知れる饒舌なアドリブがサスガでした。バンドのこういう生々しい姿を見られるのはレア。
ちなみに打ち上げでは、学生時代は口がバイクに乗って走ってるような人だったのにここのところすっかり大人しくなったと思っていたDOIMOIのボーカル二村君(※大阪育ち)が、真性大阪人である彼らに同卓で囲まれて、ひさびさに公共モード全開になっていた次第。オフでも容赦ない人達です。
▼打って変わってmalegoatはポンポンと曲を続けていくこざっぱりとしたステージ進行。拍子やフレーズのひねり方にせよ何にせよ、エモ風国産バンド(それはそれの風情ありですが)の枠を大きく超えたUSスタイルがやはり痛快。異常に重量感&キレのあるリズム隊は特に外タレっぽいといつも思う。ベースのハジメ君、リハ前にわたしが二束三文で打ったEXOTICのEP Boosterをいきなり使ってくれたんですが、曰く「今までにない感じの低音の押し出しがあって、よかった」との事。買ってくれたTシャツもライブで着倒してくれることを願う。この日2度目の披露だというホヤホヤの新曲をやってくれて、なんだか複雑にガクガクしたリズムのキメがあって微妙に新機軸。かっこよし。
▼自分達の演奏は、相変わらず実感と評判が食い違うのでなんともいえませんが、えせホーミーもキマッたし、最新作全曲再現はきっちりできたかと。40分以内のアルバムを作ると心置きなく全曲演奏できたりするからいいなあと思いました。次も(いつの話か知りませんけども)そんなもんでいこう。味仙でダーッと打ち上がり散らかして、26時そこそこの帰宅。地元のライブはそこがすばらしい。

本日のレビュー:ETNA「PUZZLE」

買い物もたまってきてるのでいい加減レビュー復活します。日記本編とは脈絡なく、今日はこちら。同じユーロプログレでイタリアにもETNAがいましたが、こちらは初期MAGMAのベーシストだったベルナール・パガノッティ率いるプロジェクトが 94年に発表した唯一のアルバム。
女性ヴォーカルで、デジタルシンセバリバリ、ギターの存在感はあまりなく、ベースは例のあのボグェ~ッとしたハイゲイン&ハイサスティンサウンド。今更ニューエイジ?てなネイチャー系の透明感(伝わるでしょうか)がけっこうプッシュされていて、スネアもスチュアート・コープランド風のハイピッチだし、90年前後だけで終わったサイバー感満載の微妙すぎる佇まいなのですが、パガノッティの唸りがひたすら強烈に全体を牽引しているお陰で「辛口プログレ」としてまとまってしまっているという。いい仕事しすぎでしょう。シンガーのローラさんもZeuhlファミリー風の絶唱をときおり繰り出します。MAGMAファンかつ「時期はずれこそ真の旬」派のリスナーにはなかなかおすすめ。
試聴リンクは残念ながらまったく見当たりませんでした。STEWART/GASKINミーツMAGMAを妄想してしのいでみてください。