SCSIDNIKUFESIN

4 Mar, 2011

▼衝動買いの峠は越えたものの(※先月末の日記参照)、依然このWAMPLERというメーカーが気になって製品のチェックを継続。MARSHALL再現系の歪みペダルが豊富で、その中でもエドワード・ヴァン・ヘイレンのいわゆる「ブラウン・サウンド」を猛烈に再現したPINNACLEというやつが非常にいい出来です。
Youtubeを探すとやっぱりVAN HALENのフレーズを弾く外国人が大量にいるんですが、このスティーヴ・タウンゼントという人が別格でした。本領発揮は2分20秒あたりから。
全時期をフォローするEVHネタのオンパレードっぷりが壮絶でそして異常に巧い。途中からペダルの紹介じゃなくて完全にこの人のEVHマニア度開陳動画になってます。すごいなあ。
VAN HALEN「FOR UNLAWFUL CARNAL KNOWLEDGE」

本日のレビュー:VAN HALEN「FOR UNLAWFUL CARNAL KNOWLEDGE」

てことで普段あまり省みないサミー・ヘイガー時代のVAN HALENを。サミー・ヘイガー加入後3作目となった91年のアルバムです。頭文字を略すとF.U.C.K.になるというのはファンの間では有名な話。世間は既にグランジ全盛の時期ですが、それでうっすらソリッドになっただとかいう影響は特になく、歌えるシンガーを擁するアメリカン・スタジアム・ハードロックとして順当に熟成しています。デイヴ時代に比べると突進力が弱まっているのは、作り手が意識を変えたというより、活動規模に適応してきたという感じで、当時の彼らのライブ会場に集まる観客を揺らすにはこんな作風が妥当だったんだろうなと思えます。それがロックの本質的魅力に近いか遠いかは別として。
でやはり二言目にはエディのギター。フラッシーな目立ち方は少しずつ減ってきているものの、キャリア10年以上にして新しい技も少しずつ盛りこんでくるのが凄いところ。2曲目"Judgement Day"での高速8分音符刻みアーミングノイズや両手タッピングは私がギターを始めた頃最初に身につけた飛び道具プレイでした。"Spanked"では7音下げ(オクターブ下のEが鳴っている!!)をやってるようですが、どうやってテンションと音程を保っていたのか謎であります...。タッピング・アーミング・チョーキング・トレモロピッキングを組み合わせる通常のギターソロはもはや惰性の域か。初期ほどキレキレとはいえないが、フォロワーの追随を許すものではないという点では依然ありがたみがあります。
曲のほうは、中盤に出てくる"Pleasure Dome"が、歌で聴くと地味だけどバンドは最高にかっこいいですね。兄アレックスのキビキビとしてうっすらハネるグルーヴは異次元。ハードロック界で最もノリノリのツーバスを踏む人はこの人なんじゃないでしょうか。あとはNHKのドキュメンタリーのエンディングに流れてもおかしくない粛々とした雰囲気の"Right Now"。BURRN!で年に1回ある読者人気投票のキーボード部門で「印象的なフレーズを作るから」という理由でエディ・ヴァン・ヘイレンが1位になることがよくあったというのは笑い話ですけども、この曲もイントロのパンチはなかなかのもんです。