SCSIDNIKUFESIN

9 Feb, 2013

▼朝、ギターをかつぎながら前々日に届いたTシャツ(約50枚)とその他の荷物を両手で持って、最寄駅まで10分以上徒歩でいかなければいけない事態を甘く見ていたことをひどく後悔するところからスタート。絶対両肩の筋肉裂傷になってるわと途中で思ったけど、結果的には全くの無事。近所のおいしい鶏肉屋が6時台から仕込みをしてて、信用度が上がる。
集合場所にちょっと遅れて着くと、「10分遅れます」とメールをよこしていた移動車所有者のメンバーが30分遅刻。その後彼はいわきまでの約550kmの道のり、時間にして6時間以上、を一人で運転し、ようやくたどり着いた会場の駐車場にあった、見にくいポール的なもので車体後部をへこませ、自分自身も大いに凹んでリハに入ることに。
▼いわきSonicはでかい。名古屋でいえばクアトロよりちょい小さいサイズ。出迎えてくれたto overflow evidence後藤さん(Sonicのスタッフでもある)から、イトーヨーカ堂の反対方向に歩いて2件目の中華料理屋(進行方向に対し右手)がよいと聞いて、行ったら実際に当たりでした。レバニラ炒め定食が一番おいしそうでした。
今のいわきは、小名浜の復興工事にあたる業者の宿泊で、駅前の安いホテルは軒並み1.5ヶ月先くらいまで満室。おかげで片道20分くらいの距離にある旅館を押さえることになったのだけど、4人1室で泊まれるいい所でした。(詳細後述)
▼この日は先の後藤さんによる渾身のブッキング。いきなりのオファーのメールに快く対応してもらったばかりか、凄まじいメンツを揃えてもらって本当に感謝しかないです。
1番手は地元のnotice it。ちょうど自分の大学卒業くらいの時期を思い出すダンスパンクテイストの楽曲を基調に、実直に伝えたいことを伝える姿勢が響くバンドでした。MCでは津波被害や原発事故のことも当然のように語っていて、特に原発のことはいま地元で「触れても仕方がないから誰も触れようとしない」という空気がある、とどこかのニュースサイトの記事で目にしたことがあっただけに、それではならんとする彼らのような若い世代の声が、大きい力になっていけばと切に思った次第です。
2番手は東京のcurve。年末に三重・松坂で共演したばかりで、その前にも東京で一緒にやらせてもらいましたが、常に揺るがぬスケール感とその再生能力にはいつも感服します。歌の豊かな詩情表現と並行して、エフェクトを駆使した背景描画への気配りも完璧。ダウンチューニングの同志でもあり、次なる攻めの一手をどこに打ってくるのかが既に楽しみになってます。
▼転換中のBGMはワタシ選曲の「90年代初頭の重量級HM/HRいろいろ」を流してもらっていた(iPodにプレイリストを作ってシャッフル状態でPAさんに預けた)のですが、curveの後ではたと大昔のラジオのニュース音声に切り替わり、そういえばkillieの転換はいつもこうだったと思い出す。毎回とてもこわいです。ということで3番手killie、ライブ本編は長大なる3曲を続けざまに演奏。グッとテンポを落としてドゥーミー&メタリックなシーンが増え、ブラスト全開な作風とはまた違った阿鼻叫喚の画が繰り広げられました。予測や期待を振り払って変化を続けるブラックメタルバンドの如き佇まいにしびれた。
4番手は1年半ぶりの共演となったsosite。sositeはライブの場でこそ思い知ることのできる凄みが半端でなく、偶然と戯れながら偶然を制するような時間感覚や間合い、自由なようでいて美しい摂理の内に収まる音使いが冴え渡る。質量感を生々しく伝えるPA具合も好マッチで、何度も心で唸りつつ見守りました。終演後、まだ持っていなかったCDを自分達のとトレードしていただく。
▼ラスト前は再び地元からto overflow evidence。ヴォーカルスタイルは激情系の絶叫ながら、曲はどれもポジティブな明るさに満ちていて、最前のお客さんから移入感充分なシンガロングが起こるさまは、名古屋でClimb The Mindを見るが如き輝かしさがありました。その次が自分達の出番だったけど、最後の曲のおわりまでフロアで見守ってから楽屋へ移動。
最後の我々、今回のツアー(と称する4回のライブ)では最新アルバム全曲再現と謳っているわけですが、福島のみ初めてだったのとバンド数も多かったのとで、旧曲を含めたダイジェストで演奏させてもらいました。
  1. 帆影
  2. 円群
  3. 静かな庭
  4. 1535
  5. 遺跡
  6. 小鳥
  7. 誓い
  8. 誰が傾いているか
  9. オープンリール
  10. オリンピック
  11. 郷愁Yeah(アンコール)
ありがとうございました。
▼終了後は近所のいい感じの居酒屋へ案内してもらい、全バンドそろっての打ち上げ。ひとしきりゲス話に花を咲かせすぎたあと、車で10数分の距離にある宿へ。
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4人一室の風情ある旅館で、北国の入り口らしく極厚布団+毛布+極厚布団という重々しい掛け布団セットが圧巻。夜遅すぎて誰もいない大浴場は意外と湯の温度も下がっておらず、2007年のフジロック以来の「メンバー同士で風呂」というイベントを満喫して就寝しました。翌日東京編に続く。