SCSIDNIKUFESIN

10 Jan, 2013

昨日の収穫、世界最強のメタル情報アーカイブ・Encyclopedia Metallumから迷い込んだギリシャのNO REMORSE RECORDSからARK「BURN THE SUN」(ex.CONCEPTIONのトゥーレ率いるバンド2nd)、MARSHALL LAW「METAL DETECTOR」、ATTACK「THE SECRET PLACE」(伝説のジャーマン最弱バンド、95年作リイシュー)、それとチェコの元祖シンフォニックデス・MASTER'S HAMMERのTシャツ。
NO REMORSE RECORDSは、80~90年代のメタルの超レアなオリジナル盤デッドストックがしれっと普通の値段で売っていたり、とんでもない貴重盤(私が見たときは、ジェフ・スコット・ソートが歌っていたTAKARAのオリジナルジャケ1stなどを発見)がボッタクリではない良心プレミア価格で売っていたりと、古きを知るメタラーには驚きの店です。私もそのサイトを発見したその晩に、これは正気じゃないわと衝撃を受けて、全アイテムくまなく見漁ったうえ、予算の都合もあってまずまず妥当かつありがたい4品のみ購入に至った次第。見事に90年代コンシャスな地味チョイスだね、と言ってくれる同志がどれだけいるのやら。一番おったまげたATTACKがリマスター再発だったのはちょっと残念だったけど、限定1000枚らしいしまあよし。クリアトレイを黒プラスチックのに変えて雰囲気を味わおうと思います。
▼DOIMOIの遅すぎるレコ発まで1ヶ月切りました。2/9福島でSOSITE、curve、to overflow evidence、notice it、killieと、2/10東京でMIRROR、sgt.、rika siakaiと、3/2大阪はキツネの嫁入り、CARD、小鳥美術館、最後の3/23名古屋はmalegoat、Niardと一緒にやらせてもらいます。豪華!俺得(使い方これで合ってますか)!時間などの詳細はホームページでご確認をば。ライブ予定を忘れさせない程度のお知らせプラス日々のちょっとしたことはFacebookページでも書いてます。いいね!をしていただくと情報を見逃しませんので、便利に活用してください。
ARK「BURN THE SUN」

本日のレビュー:ARK「BURN THE SUN」

90年代のフィンランドを支えた個性派メロディックメタルバンド・CONCEPTIONの解散後、ギタリストのトゥーレ・オストビーが新たに結成したバンドの2ndです。件のNO REMORSE RECORDSに1stもあったけど高かったので。このバンドはほんとに国内盤しか見かけなくて、外盤は存在しないかと思ってました。
トゥーレはパコ・デ・ルシアに多大な影響を受けたというメタル界では珍しいギタリストで、CONCEPTION時代からフラメンコとも中近東風ともつかないコード感と飛沫が舞うような速弾き、変拍子や長尺な展開も使いこなすプログレッシブな構築性を、自身の音楽に投影してきました。一方で本格的に声楽を習得したロイ・S・カーンの深々しくロマンティックな歌唱もバンドの強みの大きな一端だったわけですが、このARKではそれらの要素をすべて漏らさず引き継いでいるか、進化させています。
歌っているのはヨルン・ランデ。ロニー・ル・テクロ(TNT)のVAGABONDで最初に世に出て、WHITESNAKEの本物の残党とともに本家をほぼ再現するTHE SNAKESを経て、このARKをはじめイングヴェイバンドほか数々のプロジェクトを転々とすることになる、典型的な渡り鳥シンガーです。スムースで煙をくゆらせるような色気とシブみのあるヴォーカリゼイションは、まさにデヴィ・カヴァとロイ・カーンの中間の趣で素晴らしい。
楽曲はCONCEPTIONの大名盤3rd「IN YOUR MULTITUDE」での試みを更に推し進めたような、激テクだがムード第一のたそがれプログレッシブフラメンコメタル。ちょっとアンビエントな空間演出なんかもうまーくハマります。トゥーレさんのとろけそうなニュアンスと激弾きの二刀流は相変わらず冴えてます。むしろ以前よりも出たがり感が増しててファンは大満足。
最近の若手はテクもヘヴィネスの扱いもメロディの量感も凄くてそこは感心するけど、コワモテパート→手のひら返しのエモっぽいクリーンパート、の一辺倒で「薫り」に欠けるよね、とお嘆きの熟年メタラーには本当にシックリくると思います。CONCEPTION良いバンドだったよなあと言っている向きはもちろんチェック必須で。