SCSIDNIKUFESIN

5 Jan, 2013

▼明けましておめでとうございます。今年も諸々継続してまいります。まずは2~3月のDOIMOIレコ発ツアーから。よろしくお願いします。
▼年末のサウンドベイバーゲンでナイス安物買いができたことにより勢いづいて最近の収穫、まず年末のバーゲン終盤リベンジでサウンドベイ金山にてPRESTON SCHOOL OF INDUSTRY「MONSOON」(ex.PAVEMENT)、SARKOMA「INTEGRITY」。ハシゴした栄ミュージックファーストではOBITUARY「THE END COMPLETE」。あとSTIFF SLACKにて新品でCLIMB THE MIND「とんちんかん」。
年が明けるとブックオフが1日から開いててくれたので助かりました。まず1日に熱田店でPHILIP BAILEY「CHINESE WALL」(フィル・コリンズとのデュエット"Easy Lover"収録)、新瑞橋店でM.S.G.「M.S.G.」(マッコーリーのほうの91年セルフタイトル作)。2日は川原通店を訪れるも収穫はなく、3日は大曽根店にてRICHARD MARX「PAID VACATION」("Now And Forever"収録93年作)、黒川店にてPSY・S「NON-FICTION」("Earth""Angel Night"収録88年作ようやく捕獲!)、FORTUNE「MAKING GOLD」(オリジナル外盤)、栄スカイル店にてLOCAL H「PACK UP THE CATS」、MISERY LOVES CO.「MISERY LOVES CO.」(95年EARACHE)。
また一日空いて本日5日は栄生店でMASSACRE「INHUMAN CONDITION」(ex.DEATHのビル・アンドリュース)、SILVERCHAIR「NEON BALLROOM」、太閤通店は何もなく、高畑ミュージックフリークは昨年末で閉店しており(自転車で行ったのに超無駄足で精神的号泣)、大須グレイテスト・ヒッツでJACK DEJOHNETTE「PARALLEL REALITIES」、MINDFUNK「DROPPED」。
CLIMB THE MIND以外はすべて500円以下でした。かなりありがとうございました。
PECCATUM「LOST IN REVERIE」

本日のレビュー:PECCATUM「LOST IN REVERIE」

新年一発目は、昨年末のバーゲンでの買い物中、ブッちぎりで大変な内容だったこちらを。マニアには言わずと知れた、ex.EMPERORのイーサーンとその妻イーリエルによるユニットの04年作。ノルウェーブラック系のサイドプロジェクトものによくある、極端に不親切系なフォーキーものかな~くらいに思って買っただけに相当ショッキングでした。
クラシック風のオーケストレーションやヴォーカルとエレクトロノイズが混じるULVER~BURZUM的アプローチ、BEYOND DAWNがやったようなインディロック風アンサンブル(しかしじっとりとした宿命的な暗さがある)、それこそ初期EMPERORやSATYRICONのように無慈悲に暴走するガチ高速パート、THE 3RD AND THE MORTALやIN THE WOODS...のようなプログレベースの静謐パート、更にはEKTRO RECORDSの連中がやりそうなエレピ主体のダウナー・フューチャージャズ・パートまで登場し、それらが確信をもってカットアップされたような、なんともアーティスティック極まりない作品。ノルウェーブラックメタルとその周辺に派生した前衛エレクトロ/暗黒トラッドの試行のすべて(EKTROはフィンランドですが)を、これでもかと同じ鍋で煮てしまった結果の如き盤です。
やりすぎでは…という気がしなくもないながら、FANTOMASほどわかりやすいシャッフル/カットアップ芸の美学ではなくて、「フォークギター2本でも電子音響でも、ノルウェーブラックが出自だと何かブラックメタルになるよね」というボンヤリとした認識の歴史を遂にここまで実体化した、というもののように思います。おおもとを辿ればCELTIC FROSTが開発した「ラディカル、荘厳、悪魔的なるメタル」の進化形なわけですが、それがメタルもロックも踏み越えてここまで拡張された音楽になってしまうとは、改めてノルウェーシーンの芸術意識の高さと才人の多さを実感する次第。