SCSIDNIKUFESIN

14 Dec, 2012

最近の収穫、上前津サウンドベイでVAN HALEN「A DIFFERENT KIND OF TRUTH」。今日は先にレビュー書きましたが、書き終えて気が緩んだところで、終わりのない満腹感(食べ終わったのもう4時間前、胃の中は飲み会のコース料理)で頭回らなくなってきました。とりあえず、「見る」「回る」などの単純な動詞が漢字変換の候補に一切出てこないという症状について何かご存知の方は教えてください。こうしている今も「見物 (-物) る」「回転 (-転) る」と違う言葉で変換して1文字消してから語句を完成させたりしています。「語句」って打とうとして一番目に「獄」が出てくるのとかも絶対おかしいしな。ひと晩中顔面にゆっくり1滴ずつ水を垂らされる拷問の如き地味かつ確実な不便さだ。ググれカス、でもどうやって。
▼最近バンドのFacebookページをようやくそれらしく活用しはじめました。最新情報のようでいてこのサイトの延長みたいなことばっかり書いています。でも実際情報は早いので、便利に使ってくださいね。
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本日のレビュー:VAN HALEN「A DIFFERENT KIND OF TRUTH」

今年のうちになんとか買えました。といっても中古でなので悪いファンですが。思えば中学時代、ヤングギターを頼りに初めてレンタルしてきた洋楽がVAN HALENでした(アルバムは「1984」)。「BALANCE」が出た頃はもっとアグレッシヴなメタルに傾倒していて、「3」はなんだか手が伸びず、「楽しみに待ったVAN HALENの新作」は20年間でこれが初めて。しかも評判がけっこう良かったので、あんまり周到に試聴したりもせず、ただじっくりと出会いの時を待ってました。735円で引き合わせてくれたサウンドベイ上前津、どうもありがとう…
ということで、早送りを一切せず、静粛に座して聴いてます。いや、良い。離れてるあいだに2周くらいしたデイヴと久々の合流というだけでも何か新鮮なものができる気がしていましたが、ちゃんと新作です。むちゃくちゃ前のめりな作風。サミー時代に実践した「曲としてじっくり聴ける高品位ポップ・ロック」の研究結果は、本当に細かいレベルでしたたかなフックとして昇華。骨太なアンサンブルがかたちどる広めのスペースで、デイヴの歌声が所狭しと両翼を広げ宙を蹴りまくる。ひさびさの高速ツーバス疾走チューンあり、ローCでガリガリやるヘヴィリフあり、"Dance The Night Away"ばりにコンパクトに泣かせるヴォーカルオリエンテッド曲も最高。ギターがもの言うゴージャスロックって結局VAN HALENだったよね、とここ30年くらいの出来事をあっさりダイジェストにまとめて余りあるような強力さです。これは価値ある再結成。
デイヴは何だかんだでずっとアングラで現役だったので、多少声が老けてはいるものの、パフォーマンスに不足はなし。一方で「最近は見るのが痛々しいまでに弾けてない」と話題になったエディのギター、全然攻めまくってます。なんとなくラフに聴こえるのはきっと、バッキングもオーヴァーダブなしのワントラックのみになっているせい。これ昔の曲のあれでやってたパターンだ!という楽しみと、なおかつ少しずつ新しさがあるというバランスが素晴らしい。
息子が担当するベースもテクニカルなユニゾンをきっちりキメたりして、ただの親の七光りではないようです。はじめのほうの曲で一瞬、マイケル・アンソニーを思わすコーラスが入ってホラやっぱりと思いましたが、彼がいないことは本当に残念に思います。ドラムは相変わらずあの音。気持ちいいジャスト感でトントンと明朗に響く胴鳴りが健在ぶりを伝えます。
聴き進むと思いのほか全編ゴリ押しでちょっとやり過ぎ感もありますが、省みればもともとこれくらい無骨なバンドだった気がしなくもない。とにかく楽しいです。初めての人も臆せずこのアルバムからどうぞ。