SCSIDNIKUFESIN

20 Oct, 2012

▼大量消費向け商品/サービスを個人の動物的主観だけで斬る批評家になってる傾向に気付いたら、毎日の生活を見直した方がいいかもしれない。「カレーうどんに『カレー』を求めるか『うどん』を求めるか」についてごく浅い内容を書こうとして、まず1行だけ文字にしてみた瞬間に思ったことです。
いや、人のそういうの見るのは基本的に好きなので、これを見た方は特に見直さないでください。
▼どうでもいいことついでに、先週大掃除をした自室がきれいすぎて、座っているだけで気持ちがいいです。心から。部屋の床が見えてる面積とそこに住まう人の幸福感は、たぶんこのように比例するのではと考えます。
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今回、PHASE IIIからIIに戻ったという塩梅です。思えばかれこれ人生の大半をIIIで過ごしているからいかん。律する、律するぞ。
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本日のレビュー:TWO FIRES「BURNING BRIGHT」

90年代初めに突如現れた衝撃のJOURNEYそっくりバンド・THE STORMの遺志を継ぎ、中心メンバー二人が立ち上げた正統派メロハーのホープ・TWO FIRESの2010年3rd。再出発第1弾は相変わらずっぷりに安堵し、2ndは悪い意味での相変わらずさと、何よりしょぼしょぼのサウンドプロダクションが大きなマイナスとなって「この人達もいよいよ立ち行かなくなってきたか…」と切ない思いを抱いたものでした。
数年あけてリリースされたこの3rdは、なかなか良いという評判だけ目にしていて、しかしネットで試聴することもなく、今回買って初めて聴いています。なるほど確かに「久々の力作」というみずみずしさにあふれた出来。今風のソリッドな音作り(お決まりの温泉リバーブすら一切ない)と、それを活かしきるボトムまわりのアレンジによって、甘々100%の衝撃とはまた違うパンチが飛んできます。それでいて大筋はJOURNEYスタイルの高品質王道メロハーを守り抜くという。
基本的に何か新しいところのある、変わり続けるバンドが好きですが、彼らの場合そもそもの出発点が「黄金期JOURNEYに永遠に憧れる」というところ(であると当人達が断言しているという話は聞いたことないものの、ヴォーカルの人もソロでJOURNEYのカヴァーアルバムを出していたりするのでもはや自明)からなので、こうやってミリ単位の改善を地道にやっていってくれたらもう全然嬉しいし満足。それでも感動させるに充分なクオリティがあるからこそ。朗々としたハスキーなハイトーンと、適度にクソベタを迂回するコード展開+メロディ、全てを美しくお膳立てするアレンジの洗練。気持ちいいとしか言いようがないから問題なく受け入れるまで、という価値観の世界においては最善を尽くしているバンドだと思います。次回作も期待してます。