SCSIDNIKUFESIN

18 May, 2012

▼目をつけたものはまるで自分がその良さに最初に気付いたように書き立てるわたくしですが、近頃のベストは「おさるのジョージ」~「ひつじのショーン」が続きで見られる土曜午前のNHK教育テレビです。
▼「おさるのジョージ」。原題はCurious George(なのでウチの子供が何か興味ありげにしている様子を最近「キュリアス幼児」と呼ぶ)。やたらノリノリのテーマ曲、こんなの聴いて育ったらアメリカの子供はいいよなあと思ったら、原語バージョンを歌っているのはDr. Johnとの事。岩崎良美版もいいけども。その日本語版テーマ曲と同じ声の軽妙なナレーション、原語版だと意外すぎる男性のロウトーン。イタリア料理屋のピスゲッティさんは吹き替えなしで見てみると英語が超なまってる。黄色いおじさんのクローゼットの中は全部黄色い服。
ちょっと好き放題しても周りの人間(大人)は叱らず、むしろ自ら気付かせて平和的解決をアシストする匙加減が子育ての心構えの参考になるなーと感心するのですが、いかんせんおさるのくせにジョージが賢すぎて、最終的にはゴルゴ13と同様の「あいつがまたキメてくれた」的な満足まで味わうことになるという一石二鳥番組です。
▼「ひつじのショーン」はイギリス制作。確かにありますね、牧草地帯とひつじ園のイメージ。賢くて加減を知らない羊たちがかなり知的に好き放題やるだけの話なんですが、登場人物のキャラづくりに現実社会の階層構造の縮図を滲ませてくるあたりも、(よく知らないなりに)なるほどイギリスって感じがします。まあ知りませんが。
もはや「ロンドンハーツ」級に悪い笑い一辺倒ながら、誰かが過度に不幸に陥りそうなときは皆で結託して救助モードになるあたりで、かろうじて子供向け番組としての体裁を保つという一面も。それと、クレイアニメだとは全く信じられないクオリティ(アニメーションの技術のみならず、動きの描写の的確すぎるデフォルメぶりまで)には毎回感心しきりです。あれの制作の舞台裏特番とかあったら見たい。セリフが一切ない(※註:番組全編、動物の鳴き声および人が喋ってる風のフガフガのみ)声優陣のアフレコ風景とか。おなじ制作チームが作っている「こひつじのティミー」も同様に「コイツはこういう役回り」的キャラ構成が容赦なくて、どうしようもない感じがいいです。
▼さてどうでしょうか。何の為のプレゼンかわかりませんが、土曜朝ちゃんと目が覚めたらこの二つ、見てみてください。
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本日のレビュー:POND「POND」

少し前に100円か300円で回収した品。玉石混交のリアル世代グランジから「玉」をより分けて拾い集めるのがここ2・3年のミッションになっております。リリースは93年SUBPOPからで、これが1stフル。グランジ界は 1)てれてれルーズ&アメリカーナタイプ、2)スラッジ寄りタイプ、3)レトロ回帰グルーヴタイプ、4)メタルからの越境タイプ、5)ノイズトリートメント&こだわりメロディタイプなどなど色々おりますが、分けるならPONDは1+5でしょうか。CHAVEZやDIRTNAPに届く一歩手前のMUDHONEYまたはSCREAMING TREESて感じで、いかにも売れなさそうな地味さも含めて奥ゆかしさがたまらないです。体感的な重さはさほどないが常にドゥーンと張った感じを漂わす音像づくりのお陰で、トリオの割にはちょっと音が厚いのもポイント。ホレ見ろと誇示しない程度のサイケ感、今の時代にはなかなか見掛けないものです。だらしないのかシャレこみたいのか微妙なメンバー写真の髪型もそれを代弁しているのか。これはぜひとも(お安く)コンプリートしたいバンド。