SCSIDNIKUFESIN

24 Jun, 2012

▼カルピスを毎回一定の濃度目指して調合して飲む身としては、あれのアイデンティティは「濃縮状態から戻して飲用すること」ではないと思っているので(※「気分に合わせて濃さを変えられるのがよい」という人にとってはきっとその限りでない)、フルーツ系の味がするやつはただのひと手間かかるジュースです。
▼前回の更新から約1ヶ月間、方々に多大な迷惑をかけながらも引き続きいろいろやってました。音源は何とか完パケのものが出来上がり、ジャケもほぼほぼ完成し、PVの進行も順調に推移している模様。ツメのツメで思わぬペンディング事項が発生し、押し寄せる(手招いてるわけですが)難局のフルコースぶりにもはや感心すらしかかりつつ、7/25発売は成し遂げられそうです。DOIMOI新作「MATERIALS SCIENCE」よろしくお願いします。担当A&R佐久間さんには一生感謝します。
また発売直前か直後にでも、前作でやったセルフ解説をどこかに載せようと思ってます。今回はレーベルのお世話になる関係でインタビュー的なものでもいくつか喋らせていただくことになると思うので、重複回避のためここでは椿鬼奴ばりにどうでもいいズレたことだけ書くつもりですが。
▼以下、ひと月を振り返って主な出来事をハイライトで。
  • 東京でのマスタリング立ち会い前日夜にミックスを根底からやり直し、途中でやっぱり一部分だけ直せばいいことが分かって、壮絶な二度手間を経ながらほぼ徹夜でトラックダウンを続け、朝8時過ぎに乗る予定の新幹線に11時半に乗った。
  • 1月にオーダーして同月中および3月に発送されたTシャツがイギリスからまだ届かないので、通販サイトにガタガタの英文で再々抗議したら送り直してもらえることになったのはいいけど、文章がまわりくどかったのか「えっとよくわかんないんだけど結局届いてないのどれ?」と一度確認されて辛かった。
  • 今月2日の下北沢ERAでのmalegoat&Mirror企画はとにかく最高の一日で、演奏もよくできたと思って帰ってから録音したものを聴いたらショックで立ち直れなくなったまま未解決で今に至る。
  • 近所の外食録。アンナンブルーはランチなら全然カジュアルに行ける感じでかつ内容は大変ナイス。カフェ コピ・ルアックはオシャレッティそうな外観ながら満足感高めで丁寧な料理でよかった。隣のドールハウスの店と中でつながっていて、たまにワークショップなどもやるらしく、文化的な拠点としてもおもしろそうな場所。pal cafeも毎回満足度が高く、ガッツリいきたい向きにも対応型。鮨はーべすとの海鮮丼ランチは圧巻。以上すべてベビーカーを押してムスメともども強硬潜入してます(※入る前にベビーカー大丈夫ですか?と確認して低頭に入らせてもらってます)。
  • 収穫はMODERN ENGLISH「STOP START」、メロハー同然のさわやかトーンに飲まれつつヴォーカルだけGANG OF FOURかKILLING JOKEみたいなシャビシャビニューウェイブ。THE (EC) NUDES「VANISHING POINT」、クリス・カトラー率いるトリオの94年作。両方ともサウンドベイ上前津にて。今年は年末に振り返るべき収穫物がほとんどなさそう。
  • 乳児泣き止ませミュージックのナンバーワンが相変わらずGRYPHONの1st1曲目。リコーダーの突き抜ける高音とほどよいパーカッシブさが、大泣きしている時でも効果てきめん。グズり程度ならデメトリオ・ストラトスのこれ(1:34~)もポカンと釘付けになっていい感じ。
本格的に落ち着いたら前のような更新ペースに戻したいところです。ちなみにライブは東京と名古屋で1件ずつ決まっております。こちら参照
THE (EC) NUDES「VANISHING POINT」

本日のレビュー:THE (EC) NUDES「VANISHING POINT」

ex.HENRY COWのクリス・カトラーを含むトリオの94年作。この年代のレコメン系ってもはや自己模倣しかしてなくて不毛なのでは、というイメージをもって手に取りましたが、試聴したらこれが良い。五輪真弓的な硬質感をもつ女声がアウトしまくりな不協メロディをなぞるあたりはART BEARS~NEWS FROM BABELの頃のやり方と全く同じながら、シンガーが担当するアコーディオンが時々妙なラテン/フォルクローレ感を出してくる点がユニークであったり、ギターはギターでフレッド・フリスやヘンリー・カイザーばりの尖り方で押しまくるハードなたたずまいがなかなか印象的。
で、後ろで糸をひいているのがレコメンおかかえリマスター職人でもあるボブ・ドレイク。彼とカトラーはのちにTHE SCIENCE GROUP(こちらはポストコア/マスロックも真っ青のエレクトロナイズド人力テクニカルインスト)で再び結託する組み合わせで、もっというと件の女性シンガーのエイミー・ディナイオもTHE SCIENCE GROUPの1作品に参加していたようで、そうなるとほぼ前身といってよい域。ポストロック/エレクトロニカ以降のむちゃくちゃなカットアップ/コラージュ再現感はまだ全然ないものの、いわゆるレコメンシーンの範疇での記号踏襲にとどまらない発散的なグルーヴは相通じるものがあります。一連の作品や関連人脈の仕事を追っている人、そうでなくとも規格外ミュージックからプログレ/レコメンに行き着いたという人にも、一聴の価値はあるかと。
ライブは4人でやってるようですね。
有名曲がこんなことに。