SCSIDNIKUFESIN

17 Sep, 2011

▼まず昨日の収穫、アマゾンマーケットプレイスでの買い物からFAR「WATER & SOLUTIONS」。FAILUREに続いて大定番の品、今回初めて買いました。呼び出されてボコられても仕方ないです(メガネだけちょっと高かったので事前に外させてください)。
本日の収穫はサウンドベイのバーゲンで、まずはKISS「DOUBLE PLATINUM」(ベスト)、MORDRED「FOOL'S GAME」、CONSOLATION「STAHLPLAAT」が金山。上前津ではBAD COMPANY「HERE COMES TROUBLE」(92年)、同「STORY TOLD & UNTOLD」(96年)、FAITH TABOO「PSYCHOPATH」。すべて300~500円のバーゲン棚からの収穫で、200円OFFなので6枚合計1英世(漱石)以内。よくやった。
さっそくチェック程度に聴いてみた結果、敢えてレビュー行きにもならなそうだったやつだけここで簡単に片付けてしまいます。名前だけうっすら覚えていたFAITH TABOOはたぶんスウェーデンのハードAORで、リリースは90年代前半(クレジットがない)。前時代の虚飾感がソリッドなファンクテイストに置き換わったのみという感じで、ちょっと初期B'zっぽい。CONSOLATIONは昔から好きなオランダのパワー酒乱グラインダー・NEMBRIONICのレーベルメイトでスプリットも出していた同郷のバンド。当たり前のリフをやたら大仰げに演出することにひたすら徹する素直な楽しい系グラインドでした。奇跡への賭け金が200円くらいで済んだから良しとしよう。
▼4~5年に一度訪れる「いまのヘッドホン、これでいいのか」キャンペーン。昨日の晩にビクターHA-MX10評判を目にして、そのままうっかりポチッといくのをグッとこらえて今日はその実物確認の旅に出掛けました。
1店目、大須の第1アメ横ビル内のオーディオ屋。試聴用ソースはABBA。確かに中高域の解像度が凄く、うっすらしたリバーブ成分を瞬間ごとにばっちり追えるくらいの克明さ。高級スピーカーのツイーターにへばりついているかのような感覚です。変に迫力を出そうというフシのない、モニター用なりの低音も好感(今持ってるのがその点最悪)。近い価格帯やもうちょっと上と比べても、スタジオユースという目的をクリアするためだけの徹底した仕上がり具合は突出して印象的。
もうこれで決まりでいいだろうと思いながら、念のため更に別のを試してみると、180度違うカラーで引っ掛かったのがオーディオテクニカATH-M50。最初の印象はとにかく「異様にデッド」のひと言。アタックがポンポンと威勢よく立って、さっきのHA-MX10で聴こえて感動した余韻は逆にほとんど行方不明。本気で同じソースなのかと疑うほどでした。かといって曇った感じはなく、バランスは良好。その上で音場感の幅に自然な広さがあって、スピーカーで聴くのとかなり近い感覚で全体をスッキリ俯瞰できるという感じです。細部の解像度云々とはまた別の「分離のよさ」でとにかく群を抜く。
ここで一時帰宅して、M50の風評を調査。CMで誰々が使ったとか、PERFUMEのオフショットに私物として写ってたとか、色々話題になって売れまくった品らしいです。それだけにインプレの類は「低音がない」「低音がボワボワ」「低音がスッキリしている」「サ行やハイハットがきつい」「高音は頭打ち」「ミックス用途によい」「ミックスには向かないと思います」などまったくバラバラ。参考にしようとするのはヤメて、ダメ押しの確認で今度は名駅ビックカメラへ。
ビクターはなかったけどM50はありました。試聴ソースは90年代後半以降に録られたとおぼしきポップめのジャズ。デッドが売りじゃあジャズみたいなのはダメかなと思いきや、立ち上がりの元気さとバランスのきれいさだけで充分作品として楽しめる域までいっていました。更にためしに3万以上とかのもっと上位の品を聴いてみると、なるほどM50では全部コツコツキラキラいってたピアノがちゃんとツルッとカロヤカだなとか、それなりの違いは確認できました。
しかし今回の想定はおもにミックス作業および室内での普段使い(深夜)。ミックス作業ではいつも高音・低音のエッジとボーカルなどの中心要素のバランス取りなどで苦労することが多いので、それを端的に見渡せるM50が用途にマッチしてくれそうだという結果で落ち着いています。せいぜい歪んだギターがLRで鳴る程度のロックには向くと思います。音数が多かったりリッチな残響に命を賭けたりするようなポップスなら絶対HA-MX10に助けられることでしょうが、そっちは音場が狭めで音源にぴたっと近い感覚があるために、全体の中のバスドラの音量感を確かめたりといった作業には集中力が必要かと。M50はパット・メセニーも制作現場で使っているという話があって、最終的にはそういうところで納得して終わりです。レコーディング用の安いヘッドホンアンプと共に明日ポチッといこう。