SCSIDNIKUFESIN

20 Jul, 2011

▼安田顕、自分の性格は「陰・鬱・暗」。
http://www.htb.co.jp/personality/yasuda.html
もし自分が女だったら好きとか言いそうだと思うタイプがヤスケンです。
FOREIGNER「UNUSUAL HEAT」

本日のレビュー:FOREIGNER「UNUSUAL HEAT」

メロハー/AORの三大バンドや四天王を決めたら絶対数に入るであろうFOREIGNER。看板シンガーのルー・グラム不在中の91年にリリースされたアルバムです。FOREIGNERといえば「4」までと世間の評価は定まっていて、ましてルー・グラムすらいないこんな時期の作品は過小評価どころか無視扱いですが、ちょっと待てよと一石を投じるのがこのサイト。
代打シンガーのジョニー・エドワーズ、前任者の暑苦しくセクシーなヴォーカリゼイションとは微妙に路線が違って、ウッと張らないときの余裕がやたら奥深く、ヒラヒラとした細かい節回しにセンスが漂う、まるでポール・ロジャースのような素材。それでいてハイトーン時にはトム・キーファー風のザラつきがわずかに出るのがまた珍しい。序盤はとりあえずアリーナ感漂うただロッキンなだけの曲が続きますが、このヴォーカルだけでけっこう聴けてしまう感があります。
半分バラードみたいな曲になると、転調やらヴォーカルラインの譜割りやらでなかなか意外なフックを効かせてきて、そこはギタリスト(兼キーボーディスト)のミック・ジョーンズの手腕。ジョナサン・ケインやデズモンド・チャイルドみたいな甘味職人ではないし、ゆえに曲のツブ立ちも往々にして微妙ですが、シブさとともに信念を感じるのがいいです。ギターの音の立ち上がりだけはいつも鋭くて冴えている。ギタリストなのに曲の後半のいいところでギターソロを入れず敢えてキーボードでまとめたりする奥ゆかしさもリスペクト。
7曲目してようやくこれぞメロハー!という直球前向きチューン"When The Night Comes Down"(字面だけでもベタな名曲感満点)と、WINGERばりにオシャレなルートの押さえ方からの思いがけないクライマックスでドバドバ泣かせる8曲目"Safe In My Heart"、この流れがとにかく素晴らしいです。これだけ紹介したくて今回取り上げました。