アルバムタイトルを通し番号にされると漫然とコンプリートしてしまう罠というのがありますね。しかもこのCHICAGOは相当な多作ときたもんで、どこまで集めたらいいか困ってる人も多いと思います。ノイズパートありでプログレまがいの1st、"長い夜"の「II」、もう一度プログレ路線でしかも"Saturday In The Park"も入った「V」、変則レアグルーヴ?な「VII」、産業ロック寄りのEW&Fてな「13」、"素直になれなくて"の「16」と、その時々なりに見逃せない作品ぞろい。"長い夜"のリメイクが入った86年の「18」は個人的にアウトだったので、この「17」がデッドラインかどうか確かめたいと思い続けてはや数年、ようやく315円でご対面したのでした。
「16」はメロハー的な赤面ノリがかわいかったですが、84年のこのアルバム、既にちょっと肩パット入りすぎてる感じです。80年代特有のサウンドプロダクションの中で、バシャバシャしたゲートリヴァーブはまだ良くても「シンセのシーケンスでチャキチャキツクツクした鋭角的なアレンジワーク」が入ってくると途端にどうも苦手で、このアルバムはそんな感じでした。よく出来てるようで聴きどころがないというか、ダーク路線をあきらめた4th以降のHAREM SCAREMのような。てことでハードロック/プログレ/AOR耳でCHICAGOを楽しんでおられる向きは「16」までで打ち止めでOKだと思います。
でもソウルノリの洗練過多バブリーポップスが好きでなおかつCHICAGOも好きよって人にはたまらなく面白いかもしれないです。