SCSIDNIKUFESIN

2 Jun, 2011

昨日の収穫、上前津サウンドベイでTOTO「HYDRA」。
▼真人間復帰まで秒読みの中、今日の昼は近所のPAL CAFEを初訪。一見すると絶対死ぬまでお世話にならないだろうと思うような、常連が集まってゆっくりしてそうなオシャレカフェなんですが、意外と利用しやすいランチをやってました。プレートもの、パスタ、カレー、ピザなどから選べてどれも800円前後。スープもサラダも手作りで、野菜や米は産地にもこだわっている模様。ボリュームも問題なく、湯呑み一杯分くらいのシャレたアボカドまぐろ丼でも高値で食わされるんじゃねーだろなと警戒しなくても大丈夫です。吹上で何か用事があるって事は少ないと思いますが、そんな時があれば行ってみてください。土日もランチ有り(水曜休)。
そして今晩はこれ↓が届いててんやわんやです。
REQUIA「REQUIA VOL.1」

本日のレビュー:REQUIA「REQUIA 1」

活動休止中のTHE UNDERCURRENTのギタリスト・山崎さんによる新生トリオバンドです。今回このアルバムのレコーディングのために、アメリカ人ベースヴォーカル氏がデイヴ・サーディ(BARKMARKET)にラブコールを送り続け、晴れてニューヨークの御大所有のスタジオでの制作が実現、帰国早々にご厚意で「辛口レビューよろしく!」と送っていただいたのがこの手元の8曲入りCD-Rです。エクスクルーシブ!なんてことだ、ということで責任をもって長めに書かせていただきます。ちなみに国内では秋頃に自主リリース、アメリカでは某大型レーベルが動くとか動かないとか...
さて内容のほう、THE UNDERCURRENTの2ndでもオリエンタルな陶酔的轟音への傾倒が聴かれましたが、そこで垣間見えていたものがこのアルバムでは全面拡大。これとTHE UNDERCURRENTの間に短期間活動していた別のバンドを始めた頃は「PINK FLOYDがストーナー化したようなことをやっている」と言っていて、確かにそういう感覚の線上にあるような、しかしいわゆるストーナーの類にありふれているBLACK SABBATH風の記号の嵐はほとんどといっていいほど見当たらず。ドゥーミーなグルーヴを土台とする一方、東洋音階を多用するメロディが常に瑞々しく流れていて、旋律から立ちのぼる湯気やオーラまで収めたようなスペイシーな空間づかい。JESUやENVYみたいなスタイルともまた全然違います。とにかく他人の言葉は借りてない。似通ったパーツが見られるバンドを無理やり挙げてみることもできなくはないですが(KINGSTON WALL、ALCHEMIST、たまにANATHEMAあたりか)、各々根っこは異質なのであまり意味はなし。漠然とチラ見させていた理想がついに結晶として想像以上の姿を見せたという点では、DREAM THEATERを脱退したケヴィン・ムーア(Key.)のソロユニット・CHROMA KEYを初めて聴いたときの、驚きと納得が同時に来る感覚を思い出しました。
バンドで曲作りをしたりする身分としては、「誰々・誰々・誰々の影響をうまくまとめて、オリジナリティを出しつつ聴きやすくまとめている」と言われるのはけっこう嬉しいホメ言葉です。が、「売れるも聴きやすいも関係なく、他の誰でもない音楽を鳴らしていてその内容が感動的」というほうが『アーティスト』の姿としては本来的なものかも知れません。このアルバムではとにかくその姿勢が貫かれています。何にも構わず好きなことだけやるのが仕事だ、と言われたとして、自分だったらここまで突き詰めたものを生み出せるかなと思わず考えてしまいます。
サウンドプロダクションについては、末端の細かなアレンジから曲のBPM自体まで、今回はかなりデイヴ・サーディの意見(半ば指令)が採り入れられたそうです。実際、楽曲のイメージがさまざまな音響工作によってぐっと明確化されているのは確かで、ソリッド&パンチーでカッコイイ音を録る以外のデイヴ・サーディの耳のよさ、コーディネイト能力を改めて確認。とともに、バンドの音楽性がその貢献を引き出したともいえるわけで、実にベストマッチだったんだなと思います。
リリースに絡んでオフレコの凄い情報も聞いてまして、フィックスして公開OKになったところでまたお知らせします。PEACEVILLEやCENTURY MEDIAから出ても不思議じゃないくらいの内容ですが、いま聞いてる名前はもっと凄いです。