SCSIDNIKUFESIN

2 May, 2011

▼昨日は一日、矢場町ナディアパーク8Fのスタジオにて、LOVE WILL TEAR US APART(マルオト・ex.SUPER USA!の久保田君、CLIMB THE MIND山内君、me・ex.iGoの健太君、小鳥美術館の館長さんによるバンド)のレコーディングでした。
スタジオは土日の予約が数ヶ月先まで常に埋まっているような人気の格安公共施設で、各種コンデンサマイクやらDIやら機材も借り放題の凄いところ。まるでPC上のアンプシミュレータでとっかえひっかえ人気の名機を試すような感覚で「じゃコンデンサはNEUMANNのU89を2本で...MD421はレコーダーのインプットの関係で使える所そんなにないから要らないっす...」と夢のようなコーディネイトを楽しむところからスタートして一人テンションぶち上がり。
コントロールルームも使えば多分ProToolsとかがあったんだろうけど、それをやってデータだけ持ち帰る術も何も知らないので、いつものZOOMのレコーダーを演奏スペースに持ち込んでの録音。とにかくだだっ広いところにじゅうたんやイスを配置し、サークルの部室のごとく緩い雰囲気のもと、リラックスして演奏してもらえました。録れ具合も(演奏・音ともに)上々。早くミックスして、出来上がったのを自分が聴きたい。
ちなみに昼は以前の日記でご紹介した泰山に行ったのでした。日曜の日替わりの冷しゃぶ定食も最高。
▼本日は退職完了につき付随して発生する諸手続きなど。そんな日がなにもこんな晴天じゃなくても...というくらい暖かい一日で、黄砂も調子よくブッ飛んでいたようです。この連休中、行きたいライブはいっぱいある/あったけど、個人的な娯楽関係の出費は当面自粛の方向。
DEEP PURPLE「BURN」

本日のレビュー:DEEP PURPLE「BURN」

明後日からのオフィシャル外出(四国で一泊)に向けてiPodの中身を強化中である現在、だんだん誰が聴きたがるとか関係なく「人に何かパッと言われたときにスッと肝心なのが出てこないようなダメだ」という感じになってきて、王道どころをガンガン補充しています。その中で凄く久し振りに改めて聴いた1枚。あのDEEP PURPLEのあの"Burn"が入っている74年作です。
1曲目は例の有名なタイトルトラック。DEEP PURPLEのパブリックイメージといえば"Highway Star"とか"Speed King"とかこれでしょう。もともとVANILLA FUDGEみたいなバンドがやりたいということで始まったDEEP PURPLEは、60年代風のサイケな哀愁の中に偶然リッチーのクラシック趣味とリンクする芽を見つけて、ついでにハイトーンスクリームもたまたまそこにあったことで、叙情ハードロックの礎を築いたという人達でありますが(その融合の瞬間は「IN ROCK」収録"Child In Time"参照のこと)、この曲もおおむねそのイメージどおりでしょう。だがしかし総体的にこの時期の彼らは、お湿りブルーズ趣味のデイヴィッド・カヴァデイル(Vo.)とソウル~R&B野郎のグレン・ヒューズ(Vo./B.)の二人がリッチーにたて突いて頑張って、ファンキーでブラックな感じになってしまっていたことはハードロックファン以外にはあまり知られない事実。ドラマーのイアン・ペイスは天然でスウィング気味のノリノリな叩き手であるので、実際けっこういい具合に出来上がってます。有名曲のすきまのマイナーどころにこそ、グレン・ヒューズがもともといたTRAPEEZEやデイヴィッド・カヴァデイルがのちのち始動させるWHITESNAKEの片鱗がビシバシと感じられて、これだけいろいろまとめてDEEP PURPLEとして聴けるなんてお得!てな楽しみ方ができることに今日気付きました。リッチーの存在感はもはや司会者の立ち位置。ベクトルが四方を向いて曲がちぎれそうな激ファンキーチューン"You Fool No One"など、ぜひ非メタラーの人の感想も聞きたいところ。
そしてラスト前の"Mistreated"はロニーもRAINBOW時代のライブで歌っていた曲。デヴィ・カヴァが歌うこちらのオリジナルは、より枯れっぽい印象が強い仕上がりになっております。メタルにしか興味がない人でも"Burn"とこれが入ってれば買って聴くに値するでしょう。