SCSIDNIKUFESIN

15 Jan, 2011

▼前回の日記の件(更新を怠ってアコギの練習をしているくだり)の本番=IOUEEEライブをSTIFF SLACK横ABSENTEEにてやってきました。今回のスタンダードナンバーは前にもやったPANTERAの"Walk"、新しくSEPULTURAの"Refuse/Resist"とMETALLICAの"Enter Sandman"、『大改造!!劇的ビフォーアフター』で家が完成したときのテーマをしょーもない感じで。そのうちアレックス・スコルニックみたいなアルバムを勝手に作りたいです。劇的に暇になったりすればの話...。
カオティックガールシンドロームのダイスケ君が最近始めたユニット・ピーターフォークを初めて見れたんですが、アコギ弾き語り+木琴(たまにアルト&ソプラノリコーダー)で異常に高い完成度を誇るデュオでした。静かな脅威がシーンにまたひとつ、アメ研界隈のみなさんはスゴイなー。竹岡君(ALLie)+田島君(a million miles)の弾き語りデュオ、yokさん、予定調和のごとく客席から引っ張り出されたCLIMB THE MIND山内君、更に若干抵抗するところを引きずり出されたタクミ君によるトゥラリカ・アローン+新川さん(iPadドラム!)でシンガロングと、全員アコギが巧くて改めて己のダメ具合を確認。アコギは大人のたしなみなのか。しかし終始調子のよい新年会になったことです。
終了後は数人で突発的に焼肉を堪能して23時過ぎに帰宅という理想的なシメになりました。催しごとを楽しんだ後でそこそこの時間に寝れるってのは嬉しいです。休日のライブは全部デーゲームみたいにならんかな。
SEPULTURA「CHAOS A.D.」

本日のレビュー:SEPULTURA「CHAOS A.D.」

(日記からの続き)今回和みフォークアレンジで"Refuse/Resist"を手にかけるにあたってヴォーカルラインの譜割り確認のために久々に出してきてついでに全編聴きました。ブラジルでは英雄のSEWPULTURAがスラッシュ時代の金字塔「ARISE」で洗練を極めたあと93年にリリースした作品です。プロデュースとエンジニアはアンディ・ウォレス。
METALLICAのブラックアルバムでのコンパクト化、PANTERAがダメ押しした重圧グルーヴスラッシュ、ALICE IN CHAINSその他によるメタルのエッジを残したグランジ、BIOHAZARDが挑んだラップメタル、JANE'S ADDICTIONやPRIMUSの登場によってくっきりしたミクスチャーなどなど、この時期はいろんな新しいものが同時に多方面から押し寄せていたタイミングでしたが、SEPULTURAの場合は一見PANTERA化したようでいて、リフの端々に漂う極度の鋭角感だとかノイジーなフレーズを繰り返すシーケンス感が、MINISTRY~NINE INCH NAILSの流れで沸いたインダストリアルメタルの香りをかなり濃厚にまとっているのが感じられます。マックス・カヴァレラがFUDGE TUNNELの人とまさにインダストリアルメタル一辺倒のサイドプロジェクト・NAILBOMBを立ち上げることからも、その辺の音に傾倒していたのは確かでしょう。
ただそれを普通にはやらずに、ブラジル土着の音楽を持ち出してきてリンクさせることで、90年代中盤に一時的に流行るトライバル・グルーヴ・メタルの礎をたまたま築いてしまったというのもこの作品の価値あるところ。(次の作品「ROOTS」で完全に確立させるわけですが、誰が何をやっても「ROOTS」みたいにしかならないということでけっこう早々に廃れてしまいます。)それとアンドレアス・キッサーのリードギターがいきなり人力インダストリアルノイズの道に覚醒してしまったのも見逃せない点。このトンガリ具合がマックス・カヴァレラが去ったあとのSEPULTURAを支えているといっても過言ではない。90年代初頭の、「新しい動きをなんとなく意識してやってみたらたまたま更に新しいものが出てきてしまった」という創造的な連鎖をよく象徴する1枚であります。
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