SCSIDNIKUFESIN

18 Nov, 2010

▼一昨年に買ったノートPCでついたポイントが2000円分くらいあったので、アイオーデータで浅めのキーボードを購入。かな表記のないシンプルなやつで薄さは満足。スタイリッシュに仕上げようとするあまり、エンターキーまわりの配置が何やらイレギュラーで異常に使いづらい...盲点。そして、浅いのはいいけど押鍵したときにやたらチープな金属音がチキチキと鳴って割と耳障り。シンプルな用途のためにある品物で、もっと高価なものがある中にある安いものには、何かしらの理由があるのだと肝に銘じておきたいと誓う機会が多いここ最近です(ディスプレイの失敗しかり。もう慣れた)。予算の3倍くらい出して買ったTAMAのドラムスローン(※自室の普段座り用)には常日頃満足感を噛み締めているから、やっぱりそういうことなんだと思います。だからといって値の張るものを全部安心して買っていたらそれはそれでショッキングな目に遭うこともあろうし、どちらにしても泣ける毎日。
HADA「出発」

只今のBGM:HADA「出発」

ワタシが鍵盤で全面参加しました。明日発売です、よろしく。
HADAさんは、ある日突然名古屋のK.Dハポンというライブハウス/イベントスペースに音源を持ち込み、あまりに「普通じゃない」ので即イベント出演が決定、Keiさん(Ett/ex.花電車)などから手放しの絶賛(≒評価不能宣言)を受け、あれよあれよと名古屋のトゥルー・オルタナティブ・SSWの座についた、何かというなら奇才としか言いようのない人です。
このアルバムは、1stアルバム以降に書き溜めた楽曲群を、松石ゲルさん(Ds./ザ・シロップ, BUILDING, BEMBE, ホットハニーバニーストンパーズ, ex.GUIROほか)所有のスタジオで録ったもの。私が参加したときは既に大半の曲は歌を含むベーシック部分が録られたあとで、事前に渡されていた音源もあったけど基本的には、コードつき歌詞カードを渡されて「この曲はアコースティックピアノでおねがいします」「この曲はエレピで」と言われるがままにその場で2~3回聴いて、よたよたと録ったものがそのまま採用されるというおそろしい手法で作られていきました。たぶん先に録っていたゲルさんと神谷君(B./ジョンのサン)も同じだったろうし、一度マスタリングが完了したあとで「何かが足りない」といって急遽呼び出されたKeiさん(G.)とまっち君(Cho./紙コップス, ex.PIGGY)もそうだったみたいです。
そこまではまずまず珍しい話ではないんですが、聴いて合わせるべき曲そのものというのが、既成概念どころか西洋楽典の12音階の存在を幻同然にしてしまうヴォーカルライン(時にラップ。自称ヒップホップなので)や展開を持つうえに、「妄想上の異性」と「堕落した生活」についての内容がほぼ100%を占める凄い歌詞で、はてこれはどこから来てどっちを向いた音楽なのか!?と(HADAさんの中からHADAさんのプラスチックメガネ越しに見える方へでしかないんですが)当惑したまま録るしかないという極限状態がオーバーダビングで5人分(それぞれに経験のあるミュージシャンによる)集まっているのがこの作品の大変なところです。「どこまで狙ったの」と尋ねられたら「全部マジック」と答えるしかない。ピュアネスで並ぶものがあるとすれば獄中時代のBURZUMとかだと思います。あー全然伝わっている気がしない。何をするにもエクストリームなHADAさんはCDでちゃんと音源を買ってもらうためにMyspace上から曲を全部消してしまっているので、ジェット達こと石田さんが途中でマジ切れするこの映像(BEAVIS & BUTTHEAD級の悪三昧行...)の終わり3分くらいで流れるリーダートラック"renovation"をぜひお聴きください。