SCSIDNIKUFESIN

29 Aug, 2010

本日の収穫、ディスクヘブンの中古コーナーからSTEVE VAI「REAL ILLUSIONS: REFLECTIONS」。ヘブンは最近地下に貸スタジオをオープンさせたそうです。大昔、御器所に店を構えていた頃、離れにあったパンク専門店「エレクトリックサン」を畳んだあとにデス/グラインド専門店として新装開店したときの屋号が「SOUTH OF HEAVEN」(SLAYERに同一タイトルのアルバム有。位置的にもヘブンの少し南にあった)で、FM愛知で凄い深夜に奇跡的に放送していたラジオ番組のタイトルが「HEAVEN TONIGHT」(イングヴェイの曲名から)、それで今回はというと、ヘブンの地下にあるってことで「STAIRWAY」(TO HEAVENってことですな...)だそう。お見事!なのはいいけど、ヘブン本体の経営は相当しんどいらしいので、ヨソではまず見ないであろう80~90年代マイナー盤の死蔵在庫とか、どこで買っても値段の変わらない国内盤新品とか(ヘブンなら15%OFF)、たまにはドカンと買いに行きましょう。通販もやってます→サイトはこちら
STEVE VAI「REAL ILLUSIONS: REFLECTIONS」

本日のレビュー:STEVE VAI「REAL ILLUSIONS: REFLECTIONS」

2005年のスタジオアルバム。デイヴ・リー・ロス・バンド時代の盟友ビリー・シーンが全面参加で、更に何曲かではグレッグ・ビソネットも叩いているというちょっと豪華なお膳立てつき。このアルバムのツアーではビリーに加えてトニー・マカパインなんかも含むメンツで廻っていたようです。
前置きはさておいて、このアルバムはメタルを少しなら許容するという人、メタル界の中の偉人には多少興味があるという人にもぜひ聴いていただきたいスゴイ内容。デヴィン・タウンゼントを輩出した「SEX & RELIGION」を超えたんじゃないでしょうか。フラッシーな超人プレイと奇特なフックを連発する楽曲性の高さ、アンサンブルの多彩さがどれも満開という感じでせめぎ合う出来で、ギターインストの退屈なイメージとはかけ離れた、優れた音楽作品になっています。どうしてもノーマルになれないヴァイの変態さの切り口がいろいろありすぎてとにかく驚きの連続。30年近くのキャリアになろうという人が。この人が7弦ギターの市販モデルを世に送り出した元祖だということをすっかり忘れてましたが、アップトゥデイトなエグめの低音リフなんかもいい感じにこなしてます。本人によるヴォーカルがけっこうシブくていい味で、DOKAKA風のオーケストレーションにも挑戦してしまうという野心ぶりには感服。
目玉はなんといっても8分にも及ぶラストの"Under It All"。MATS & MORGANとEXIVIOUSとNEVERMOREとDREAM THEATERが合体を果たしたかのような、光条のような激弾きと神々しいコード展開と朗々としたヴォーカルと異常な手数のドラミングが雪崩の如き勢いで蛇行する、この人のキャリアの中でもハイライトになるであろう曲です。「この1曲のために買っても損はない」と久々に堂々と言える。
ちなみにビリー・シーンの影は全編通してまったく感じないので、ファンはご注意。
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