SCSIDNIKUFESIN

8 Aug, 2010

▼セルフ散髪、やると直後は絶対「二度とやらねー」という気分になるのに、3ヶ月経つとそれを忘れて、理髪店に行く煩わしさが勝ってしまうというサイクル。今までなんとかスレスレで失敗せずにきていたのですが、今日はついに側頭部で事故が起き、一部ちょっと夏のツンドラみたいになってるので早くそこだけ伸びてほしいです。
DREAM THEATER「WHEN DREAM AND DAY UNITE」

本日のレビュー:DREAM THEATER「WHEN DREAM AND DAY UNITE」

今日は幕張で彼らがフェス客の度肝を抜いてきてくれたことと思います。何か1枚と思って、3作目「AWAKE」は以前に紹介済み、代表作2nd「IMAGES AND WORDS」は作品として巨大すぎてさらっとは書けないので、とりあえずこのデビュー作で。89年リリース、プロデュースはその後PANTERAやDEFTONESを手掛けて一躍時の人になるテリー・デイト。後々までライブで演奏される代表曲を含みながらも、シンガーが違うということで「まあ駆け出しの1枚よね」てな評価に落ち着くことの多い作品で、おおむね間違ってはいないでしょう。
まず作風については、2nd以降のようなフュージョンの域まで踏み込むハイブリッド感はなく、ポストスラッシュ的なへヴィリフも(まだスラッシュメタルが生だった時期だから当然)見当たらず、QUEENSRYCHEインスパイア系とSHRAPNEL系の間を行きつつ豪勢に盛られたシンセ類がちょっとポンプロック/AOR風なメタラーズ・メタル。ブリッジミュートしながら同じ音程を2回ずつ高速で弾くフレーズの多用もあって、超ド親切なCYNICてな聴き方も可能(たった今発見!)。変拍子やテクニカルなパッセージを入れてもあまり尺を取りすぎずにコンパクトにまとめる時間感覚はRUSH譲り。どうもどこか、「HM/HRとプログレだけ好きな奴が凝り固まって作った盤」という感じがしない最大の要素は、やはり3rdまでで脱退してしまうキーボーディスト、ケヴィン・ムーアが発する音でしょう。大げさなドラマには更にヒステリックな表情を付け足し、柔らかな風情を描く場面もお座なりにならず(メタルバンドのパワーバラードは大抵イントロが始まった瞬間からゴミ箱行きであることが多い)繊細な空間演出をこなし、下品なキラキラにならずして高音域(EQ的な)を効果的に活用するこの人の存在感は、メタル界においてはそれまでにない新鮮なものでありました(その後メランコリックなエレクトロニカ方面へ傾倒していくという顛末も納得)。
で問題のオリジナルシンガー、チャーリー・ドミニシですが、JOURNEYのそっくりバンドにいて甘いAORを歌っていればきっと「いいよーもっと頑張れー」と言われていた器でしょう。声・唱法ともスティーヴ・ペリーとゲディ・リーが6:4みたいな、線は細いが悪くない素材。後釜のジェイムズ・ラブリエが器用で安定感もある人だったためにけちょんけちょんな評価になっているのが可哀想。今は自身のバンド(その名もDOMINICI!)を率いて頑張ってくれてるようで何よりです。myspaceも発見
ということで「DREAM THEATERだけど別物」「知られざる80's USメタル」という気持ちで聴けば全然上級の部類に入る出来の作品かと思います。
[amazon.com sampler]