SCSIDNIKUFESIN

2 Dec, 2013

▼売りの山を一部処分したので勢いづきました。もうこんな風に淡々と買い物報告をしたりする個人サイトもめっきり少ないよなあ、と思いながら最近の収穫、いろんなブックオフでMICHAEL BOLTON「THE HUNGER」「SOUL PROVIDER」「TIME, LOVE & TENDERNESS」「THE ONE THING」、RICHARD MARX「FLESH AND BONE」、JACKYL「JACKYL」(電ノコHRバンド1st、外盤買い換え)、DOOBIE BROTHERS「STAMPEDE」、BOBBY CALDWELL「WHERE IS LOVE」、G//Z/R「PLASTIC PLANET」、PSY・S「ウィンドウ」、RORY GALLAGHER「DEFENDER」、USA FOR AFRICA「WE ARE THE WORLD」、THE REGULATORS「THE REGULATORS」、PRETTY MAIDS「STRIPPED」、GUN「GALLUS」、楽-YA植田本店でDWEEZIL ZAPPA「GO WITH WHAT YOU KNOW」(06年)、THUNDERHEAD「THE BALLADS '88-'95」(大名曲"Good Things Never Last"収録のバラードアルバム、外盤買い換え)、バナナ本店にてALPHONSE MOUZON「MIND TRANSPLANT」(トミー・ボーリン、ジェイ・グレイドン他参加)、サウンドベイ上前津でPITCHSHIFTER「DISENSITIZED」、NEIL YOUNG AND CRAZY HORSE「SLEEPS WITH ANGELS」(94年)、今日フィンランドから届いたJESSE COLIN YOUNG「THE PERFECT STRANGER」(ex.THE YOUNGBLOODSのシンガー82年ソロ)。もはやAORとも呼べない、ただの80年代メインストリームシンガーものにも足を踏み入れてるわけですが、マイケル・ランドースティーヴ・ルカサーが仕事しすぎで恐い。

▼今月の22日(日)、こんなイベントに参加させてもらいます(ソロ)。年明けにもガッツリ歌とギターで頑張らねばならない案件(ソロ)が控えておりまして、今回は展示会のゲストミュージシャンという立ち位置もあり若干普段と趣向を変えて臨みます。ルーパーはUSPSの頑張り次第でDIGITECHの日本未発売なやつに置き換わるかもしれない。写真に映っているTCのFlashbackも、ディレイとして超素晴らしい(実はコーラスにもなる)ので、以後積極的に使っていこうと思います。これはおすすめ。

LORDIAN GUARD - Lordian Guard

本日のレビュー:LORDIAN GUARD「LORDIAN GUARD」

日記本編の収穫群の、ゴージャス(※80年代当時)すぎるバンド/ミュージシャン名の嵐にゲップが出かけたので、レビューはなんとなく超絶アングラカルトメタルでいきたいと思います。エピック・メタル、クサメタル、呼称はさまざまですが、とにかくおとぎ話のように夢想的かつヒロイックで、何はなくとも大仰さただ一点のみにすべてを賭けるメタルの一派というものが、世には存在してます。(全然詳しくないですが。)NWOBHMの時代から脈々と続くそんな流れの中で、細分化が明確になってきた90年代半ばに登場したそのスジの決定打と目されているというのが、こちらのLORDIAN GUARD。80年代に活動したWARLORDの元メンバーによるバンドだそうで、リリースは聞いたこともないドイツのレーベルですが活動拠点はアメリカです。

IRON MAIDENが蒔いた種に誤読を加えて、「純・正統派のつもりがかなり奇特な突き抜けマッチョメタル」となった同郷アメリカのMANOWARにも似た狂気と、その腰をフニャッと折るようなショワショワのシンセ、ペッカペッカとモタり気味なツインリード、女性シンガーなのにひたすら低音域で某国国営ニュースキャスターよろしくフン!ムン!と気合がこもるヴォーカルとの対比が何ともゾワゾワする(寒気的な意味で)、ダウンビート・アブストラクト・脱力悲壮感メタルがここにあります。ちなみにドラムは全編ツンペタした音の打ち込み。ノルウェーブラックの本気な人達が真顔のまま時々作る納涼フォーク作品のような、表面的な穏やかさの裏に確実に潜む凶々しさや妄想世界の底知れなさがとにかく恐い。宗教的な世界観がバンドのコンセプトとして大きいようで、そういう意味では悪魔崇拝を軸に極端さに興じるブラックメタルと実際に相通じるところがあってもおかしくないかもしれません。

ツーバスバリバリの完成されたエピックメタルを求める向きには、いろいろとプリミティブ過ぎてツラいでしょう。ABRUPTUMやBEHERITのようなとりとめのないアトモス系が好きだったり、不安にさせる曖昧な音響にじっと浸るのが好きというコアな人に積極的にお勧めしたい。これが2000年以降のバンドだったりすると、サウンドプロダクションの悪さも含めて「わざとの崩れ表現」である可能性が高まってシラケがちですが、このアルバムは収められているすべてが「そうと信じて、なってしまったもの」であるように思われます。決して量産されないピュアネス。気軽には近寄れない。

「これは俺のための音楽かも知れない」と思った人だけどうぞ。探せば一応手の届く値段で出回ることもあるようです。