SCSIDNIKUFESIN

24 Jul, 2012

▼公称の発売日の1日前ということで、既に現物をご購入いただいた方もおられる模様。DOIMOIのサードアルバム「MATERIALS SCIENCE」、スペースシャワーネットワークスより発売です。よろしくお願いします。
の前に、何はなくともこれ。
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次の次の日曜、名古屋ちょっと久し振りになってしまいました。長めの持ち時間で頑張ります。初共演でがっつりユニティーして、東京での企画にも呼んでもらったりとお世話になりまくりのMIRRORと、清水さんとは幻のLOSTAGEとの対バン(06年)以来になるCARDとの3組です。過ごしやすいKDハポンでじっくりご覧ください。
▼一応オフィシャルに近いところから何か書いておいたほうがいい気がするので、ナタリーのニュースについてちょっと補足を。
twitterのタイムラインに入ってきた意外な見出し文に面食らうが早いか、レーベルの担当者の方から即電話があって説明を受けました。「グランジバンド」「結成9年で初のアルバム」の表現は、何かの意図があってレーベルが働きかけたものではなく、ナタリーの判断であの字面にまとめられたものだということ。訂正を要請したものの、ナタリーでは一度出た記事の変更はしないという原則があるということ。の2点でした。バンド側からも訂正を求めなくて大丈夫か?と訊ねられましたが、凄い速さでリツイートされるのを見るにつけ、これで初めてバンドの存在を知る人が変に思うような動きを敢えて起こさなくてもいいし、大っぴらに「結成9年で初じゃない」と言っていいならそれを広めていけばいいので、特になにもしないことにしました。
「グランジバンド」と括られることについては何の問題もないというか、むしろ「メタルバンド」と完全に言い切られてCRIMSON GLORYやEXCITERやHADESのファンから「ハイトーンスクリームがないから論外」とそしりを受けるより、TADやWILLARDやGRUNTRUCKと並ばせてもらうほうが間違いなく実情に合ってる気がします。ニュースとして流すならグランジのほうが引っ掛かりがあるでしょう、というナタリー編集部の嗅覚ゆえの判断とも勝手に思ってます。出世街道に乗ろうか下りようか迷っているような30代・元ロッカーの皆さんが「え?」と振り返ってくれるならひたすら本望。
「結成9年で初」については、変な作為のないただの誤りかつ訂正の余地なしなら、地道に事実を広めていくのみと思っています。「作ったつもりでも知られていなければ存在してないのと同じ」という世界からのお言葉とするなら、それはそれで否定のしようがないですし…。とりあえず、バンドにも聴く人にも損害はなく、「初だと思ったら何とあと2枚もありました」というただの事実までニュース力を持つことになるのは、よく考えたらお得なのではないか。とすら思いかけてます。プライドはないのかと問われそうですが、分相応のやつはあります。
▼最近の収穫、ブックオフ栄にてPINK CREAM 69「CHANGE」(95年名作!)を500円、THE ALMIGHTY「SOUL DESTRUCTION」外盤250円で。STIFF SLACKにて来日公演の熱さめやらずSELF-EVIDENT「ENDINGS」「WE BUILT A FORTRESS ON SHORT NOTICE」。好収穫続くも、時間帯が深いのでレビューはよく知った感じのやつで。
PESTILENCE「MALLEVS MALEFICARVM」

本日のレビュー:PESTILENCE「MALLEVS MALEFICARVM」

古いROADRUNNERの大雑把な裏ジャケ。何ともいえずそそられます。オランダが誇るテクニカル・デスメタルの雄といわれるPESTILENCEの88年作。いきなりギターシンセを大量導入してSADIST(イタリア)みたいになったラスト作はまだしも、彼らがテクニカルデスとして評価されていることにいまひとつピンと来ていない私です。
このデビュー作は、質感的にはATHEISTやSADUSの初期に近いかも知れません。多分に体当たり的な焦燥感があり、しかしリフはどこか捻じれているという。その捻じれ方もかなり微妙な域で、「FORBIDDENがDEATH ANGELに比べて神経質な感じがする」くらいの噛み分けができてやっと判別つく程度。ただ、EなりDなり6弦開放の音をひたすらルートにして邪悪っぽいリフを弾いているだけの感じはなく、変な音使いによって尻が浮くような違和感は(責め立てるような疾走感の中にも)どことなく認識できると思います。ヨーロッパの初期デスメタルは高速2ビートがモタモタして気持ちよくないことが多いですが、彼らはなかなか牽引力のあるスネアでぐいぐい聴かせてくれます。
ギターの音だけは極悪ながら、録ってるのがカレ・トラップなので、ドラムサウンドが完全に初期BLIND GUARDIAN風のボシャボシャビタビタとしたやつなのがちょっとだけ残念。その分特定の趣きはあるものの、完全にニッチなマニアの愉しみではあります。