SCSIDNIKUFESIN

18 Mar, 2012

本日の収穫、一日出遅れたサウンドベイのバーゲンでCONCEPTION「PARALLEL MINDS」、 YNGWIE MALMSTEEN「YNGWIE J. MALMSTEEN'S RISING FORCE」「TRIAL BY FIRE - LIVE IN LENINGRAD」、 HELLOWEEN「CHAMELEON」。すべて300円で外盤買い替え。聴くものがより狭くどころか、同じところを掘り返すサイクルに。これではあんまりなので曲作りサイクリングをかねてブックオフ数店も廻り、MASQUERADE「MAQUERADE」(往年のスウェーデンのポストTNT最右翼バンド1st!リマスター&来日公演映像追加のリイシュー外盤)、 ISLAND「PICTURES」(UNIVERS ZERO系のスイス産チェンバー激プログレ幻盤)、 DOWNSET「DO WE SPEAK A DEAD LANGUAGE?」、 THE PRESIDENTS OF UNITED STATES OF AMERICA「THE PRESIDENTS OF UNITED STATES OF AMERICA」(ボーナストラック大量追加&DVDつきの10周年リマスター)。こっちのほうがよっぽど貴重な品を発掘できました。すべて250円または500円。
▼夜は大学のサークルの同期である和田君(ex. STEREO FABRICATION OF YOUTH)が加入したサンセットレコードのライブを見に出掛ける。彼が関わったであろう曲は一発でそれと分かる(なおかつそれは良い)し、グイグイ揺らすリードギターも特徴的(なおかつ同)。自分にないものを持っている歳の近い/同じ人にはやはり特別に刺激を受けます。あと以前、部屋用に理想のイスを探し求めていた頃、面識のない私にメッセージフォームからおすすめのドラムスローンを教えてくれた(そしてその品は実際購入に至ったといういい話)ドラマーのケンタローさんが叩くのも初めて拝見。FOO FIGHTERSやAS MEIASなど好きなバンドの共通項があるだけあって、気持ちよい重量感とキレで魅了していただきました。フーファイの"Up In Arms"とか再現してくれたら激ハマリしそう。
それと関係あるようなないような、しかも何度目かですが、最近なにげにNIRVANAを見直しています。大学時代にやっていた変拍子オルタナメタルバンド・ガニオテは間違いなく高校時代に「BLEACH」を聴いた衝撃と危機感が種になっていて、ガニオテの積み上げのうえに今の芸風もあることを思うと、繰り返し愛聴したかどうかはともかくとして「人生の中で重要なスイッチになった10枚」を選ぶとしたら絶対入ります。シアトルグランジの歴史とかまで含めて眺めても、しみじみいいバンドですねNIRVANAてのは。
カーリーズ「エチケット」

本日のおすすめ:カーリーズ「エチケット」

私が去年、録音(とカバーレイアウト協力)をさせてもらった作品です。20日発売で、明日には店頭に並ぶところもあろうかと思うのでささやかながら支援をば。
cinema staffをはじめトゥラリカやカオティックガールシンドローム、rika siakai、ピーターフォークなどなどなど、良質なグループを大量輩出する今の名古屋きっての音楽人材バンク・南山大学アメリカ民謡研究会から現れた4人組ガールズバンド。2曲入りのデモCDしかなかった頃から、一部の目ざとい人々に「ヤバイのいるらしい」とチェックされていた彼女らですが、今回はようやく7曲入りのアルバムです。オリンピア周辺の脱力アノラック/ギターポップを若干昭和な色合いに引き込んだような音楽性…と外枠から説明しにかかるのがあほらしいほど、曲のツブ立ちが凄い。
流通用インフォでトゥラリカのヌメヌメノン君が書いていることが要は全部なんですが、これ以上分解して説明することができない巨大な素因数のような「曲の良さ」が最大の特徴。水分過多気味の消費向け音楽が提案してくるような解決ケースには一切従わずしてきちんと王道を往くコード進行と、それにぴったり沿って良いところをつかまえるヴォーカルライン、リズム割りのフックの三位一体。ただでさえ高めのアベレージに加えて、各曲かならず「ここでマジック!」という飛躍ポイントが埋め込まれているという事態。演奏はつたなげだが締めるべきところは締まっていて、アレンジも必要充分プラスの彩りで愉しい。この上なくガーリーではありつつ、吐きそうな厭味が不思議と不在なのは、成果物を冷静・的確に評価する俯瞰力ゆえでしょう。演出ないし描写と「わざと」の違い。
奇特な音楽性を選択する、アレンジにこだわり抜く、詞世界もろとも特定の設定を作り上げる等々、バンドの音楽をブラッシュアップする(≒不特定多数に伝わりやすい落としどころに向かわせる)道筋は数あれど、どんな壁も垣根もなぎ払ってしまうのは「曲(の核の部分)の(圧倒的な)良さ」が一番だよなと、既に彼女らを見知って絶賛している向きの顔ぶれを見てそう思います。
↓「中間部にSFっぽい効果音と、全体的にボーカルにもSF風のエフェクト」というリクエストに応えたワタシです。(アピール気味に)
↓個人的に、飛び道具性はないが静かなマジックが冴えると思っている2曲。