SCSIDNIKUFESIN

27 Feb, 2012

最近の収穫、STIFF SLACKにてTHE LIFE AND TIMES「NO ONE LOVES YOU LIKE I DO」、RETISONIC「ROBOTS FUCKING」、THIS TOWN NEEDS GUNS「ANIMALS」。久々の新品新譜充よし。
▼0歳児ができると往々にして経験するあるある:
自分と配偶者のどちらに似ているか確認するために、実家に帰ったら自分の乳飲み子時代のアルバムをあける。
意外と一緒に写っている自分の兄弟姉妹のほうに似ていたりする。
今では穿った言説をべらべらと垂らしたり、何かアクションをとるにもそのあとさきをグチグチ考えたり(考えなくて後悔したり)と、色々とややこしい大人になってしまった自分が自分の子供と同じくらいの大きさだった30数年前、うっすらテンションの高い顔つきの両親に見守られながら、こぼしたお菓子なんかを傍らに、あまりに屈託ない笑顔をカメラに向けるようなどこにでもいる乳児らしい乳児でいたことに衝撃を受ける。
…自分がそんな顔をできていたなんてショッキング。0歳児のナイーヴィティを散々思い知ったあとで見ると殊更。そんなに何を失ったというのか。色々ややこしいのとどっちの生き方のほうが幸せそうかって、一目瞭然で屈託ない方であるわけで、それと引き換えに蓄えてきたはずの社会性も人より大したことはなく、ただただ積もっためんどくさい考えや意識を払い落としていかないとこの先の人生損だ。と思ったはいいが、その決意が結局こういうめんどくさい言説に行き着いてしまっている時点で早くも望み薄。ありがとうございます。
RETISONIC「ROBOTS FUCKING」

本日のレビュー:RETISONIC「ROBOTS FUCKING」

ちゃんと考え始めたらいろいろ出て来そうだけど、一番好きなパンクロックはBLUETIP、ゆえにRETISONIC(実質的な後身バンド)。バンドアンサンブルが奏でる音楽の中でパンク畑のものが最も冴える、軽くてシャープで運動神経良さそうなビート感、それの最上級のやつを持ちながら、あくまでナイスフックを主力に据えてパカスカパカスカと矢継ぎ早にパンチラインを繰り出すアラフォートリオ。いつだって最高です。DCポストコアへのコンテクスチュアルな思い入れを抜きにしても、紛う事なきオールタイム・グッド・ミュージック。「こざっぱり」という単語は初期M.O.D.と彼らだけに捧げたい。相変わらずギターワークや歌メロは迂回迂回また迂回の妙なもので、それがただランダムなものではなくちゃんと背骨の通ったものだから良質な味の長さ・奥ゆかしさになるし、一箇所にとどまって似たようなアルバムを何枚作り続けられてもなんとなく飽きずに聴けてしまう。(口ずさむことはなかなかないけど。)
このバンド、最重要メンバーのジェイソン・ファレル(G./Vo.)がアートワークとエンジニアもやる人で、毎度毎度サウンドプロダクションが最高なわけですが、今回もグレイト。ロウでほどよく遠く適度な圧縮感もあり、パーフェクトなスタジオライブを目の前に見ている感じ。そしてベースがLAUGHING HYENAS~MULE(いずれ劣らぬシブ系ジャンクバンド)のジム・キンボールというのがやはり個人的にポイント高し。ドラマーの出自はノーチェックでしたが、いま調べてみたらGARDEN VARIETY、まさにRETISONICと同系のエモ属性ゼロなこざっぱりポストコアで最高ではないですか。なんとニッチなエリートグループ。マイペースに次回作もぜひよろしく。
なぬ、関連動画のジャケ画像が気になって調べたら、JUDAS PRIESTの"Hellion"~"Electric Eye"をカヴァーしてる7"があるとな…Youtubeで探しても見つからなかったのでネタなのかどうか確認できませんが、ブリッジミュートのツブ立ちとシャープな整合感にはもともと親近感あったのでした。なおさら最高。