SCSIDNIKUFESIN

7 Aug, 2011

▼昨晩はパイプカットマミヰズ舟橋君のお誘いで新栄クラブロックンロールにてDOIMOIライブでした。ロックンロールはムチャクチャ御無沙汰だと思ったら前回は全然去年の8月14日。近頃は目も耳も記憶領域もフシアナ化が著しいのが悩みです…
終盤3曲を残したところで珍しく弦を切り、5弦を6弦化(通常のインターバル2音半+特殊チューニング分=4音半下げ)して押し通したけど、メンバー以外特に誰からも何も(弦を切ってたことすら)言われなかったので良かったやら寂しいやら。弦は「切れたときが張り替え時」ポリシーで中学生以来やっております。大抵は一度張り替えたら「つい最近張り替えた」と思い続けて半年以上そのまま、別に問題もないです。逆に良い点はだんだんテンションがマイルドになっていくところ。次回の8/20(新栄DAY TRIVE)・21(八王子RIPS)は年に1~2回あるかないかのフレッシュなコンディションで臨むことになりますのでそのあたりもよろしくお願いします。
茨城のcuol(と溺れたエビの検死報告書の総帥!)と昨年10月のコダマ以来の再会も果たせたし、リハ後開演前の空き時間に寄った栄ミュージックファーストにて収穫=ROUGH SILK「WALLS OF NEVER」('94ドイツ)もあり、充実感とともに直帰。
▼明くる日(=今日)に控えるカーリーズのレコーディングにむけての作業などしつつ、25:45からはSEPULTURAがドイツのメタルフェス・WACKEN OPEN AIRに出演する模様の生中継を見ました(前回の日記のHELLOWEEN同様)。あこがれの黒人シンガー、デリック・グリーンをようやくバーチャル生体験。とにかく大男でメンバーの誰よりもガタイがよく、ジョン・ブッシュみたいにキレのある煽りまくりのパフォーマンスを期待してたらそうでもなくて、ドッシリ構えていれば全て何とかなるカリスマ系。時々顔芸で目をグリッと見開くのがリアルに怖い。「War for テリテョーレー」("Territory")、「I see the world, ディエーッ」("Arise")など妙にや行が絡む独特の発音もちょっと怖い。でもかっこよかったです。選曲は敢えてフェス仕様だったのか、リリースしたばかりの新作はほぼそっちのけで"Arise"、"Refuse/Resist"、"Inner Self"などのクラシックを連発。全然作から加入したドラマーもとりあえず不足はなく、「ライブだと全曲1.5~2倍くらい速い」という癖もしっかり引き継いでました。
その次のDIR EN GREYもちょっとだけ見てみて(SEPULTURAとの体格の違いが凄すぎた)、28:45~に控えるKREATORのために目覚ましをセットして自室の絨緞で仮眠をとるも、目覚めるともう30(=6)時手前。ミレ先生すいませんした。
▼なんだかんだちゃんと寝て、朝からカーリーズの歌録りへ。演奏だけ録って聴いておーと思っていた曲に歌がついて、迷宮組曲の音符取りゲームの心地でした(=パーツが揃って完成する様子に膝をうつ)。まだちょっと作業は残っていますが、先に録りが完了しているLOVE WILL TEAR US APARTともども、どういう形で世に出回ってくれるのか楽しみ。
SEPULTURA「ARISE」

本日のレビュー:SEPULTURA「ARISE」

(日記からの続き)昨日の1曲目にこれのタイトルトラックをやっていたので、デリック加入前のこちらを敢えて。スラッシュ時代のSEPULTURAの作品群の中ではいつも「BENEATH THE REMAINS」のほうに軍配を上げていて、こっちは主役系のたたずまいになりすぎというか、前作にあったただならぬ張り詰め感とかもちょっと洗練の犠牲になっている感じがして特に好きということはないアルバムでした。TNTでも大名盤と言われる「INTUITION」よりその前の「TELL NO TALES」のほうが面白いと思っているし、「バンドが個性の限りを尽くした出世作」の次に「前作で固めたノウハウの範囲内でとにかくガッチリ磨きあげた期待どおりのヒット作」が出ると世間は順当に後者にばかり名盤として語り継ごうとするのが長年納得のいかないことです。しかしこれもそろそろ最初に買ってから15年近く経とうとして、洗練をとにかく前向きに捉えて聴いたらどうかというのが今日のいま。
「BENEATH~」の方が好きな理由のひとつにドラムサウンドのキレの問題があって、こちらはバスドラがみちみちと沈み、スネアはバサ、バサ、とリムの硬さより低音の鳴りとスナッピーばかり目立つのがなんか迫力を殺ぐなと、やっぱり今でも思います。前作は本国でスコット・バーンズ録音→MORRISOUNDでスコット・バーンズ+トム・モリスがミックス、こっちは録りだけMORRISOUND(エンジニアはスコット・バーンズ)→ミックスはアンディ・ウォレス。「CHAOS A.D.」もなんか偏狭な音だし昔のアンディ・ウォレスは当たり外れありますね。スラッシュメタルは大部分が体感の音楽であるので、ドラムサウンドは作品の魅力をかなり左右すると思ってます。
それでもなおイゴール・カヴァレラの高速2ビートはやはり野獣。荒々しいドライブ感、フィルでむしろ重量感を増す全力殴打は別格です。次作以降一気に顕著になるアンドレアス・キッサーの人力インダストリアル風エキセントリックノイズはここでは全くといっていいほど出てきていないものの、たまにDビートをオシャレにスラッシュ化する場面なんかがあると("Subtraction")、このへんの本歌取り感はアンドレアスかなーと察せられたりします。聴き進んでいくほどに("Altered State"~"Under Siege"の流れあたり)SEPULTURAのおいしいところがしっかり入っていて、何だ別に全然悪くないじゃんと思い始めている自分がいますが、「いかにもな主役感」という印象になっていた原因はたぶん冒頭2曲のワンツーパンチが「MASTER OF PUPPETS」と同じ方式だからかとも思えてきました。
ちなみに97年のリマスターには、MOTORHEADの"Orgasmatron"のカヴァーやら、"Desperate Cry"のスコット・バーンズ版ミックスやら計4曲のボーナスが入っています。"Orgasmatron"はいずれ劣らぬ荒くれ声ということで当然ハマっていて、"Desperate Cry"は何だかSADUSみたいになってます。本編は音圧より解像度UP系のリマスターなので悪くないです。
ちなみに"Arise"が入っている通信カラオケはある。