SCSIDNIKUFESIN

7 Apr, 2011

▼人生に新たに加わった二者択一は「ARかノングレア」。ニュー携帯の壁紙に設定したロニー(ジェイムス・ディオ)の写真に本気で毎日ホレボレしているので、けっこう真剣に選びます。
ENUFF Z'NUFF「TWEAKED」

本日のレビュー:ENUFF Z'NUFF「TWEAKED」

80年代アメリカのヘアメタルムーブメントの中にあって、BEATLESインスパイア系のパワーポップを聴かせていた異色バンド・ENUFF Z'NUFFの95年作です。当時しっかりBURRN!のアルバムレビューでこのジャケを目撃していたはずなのに、あまり記憶がない...。
それもそのはずで、グランジブームに乗っかったというより巷でそんなのしか流れてなかったからそうなったんでしょうが、ダルな横ノリをフィーチャーした、いかにもな90年代サウンドになっています。一見。ここでおおかたのハードロックファンは「こんなの俺のイナフズナフじゃねえ」とつまづくところですが、彼らはただ単純にALICE IN CHAINS風になったりするのとは訳が違う。BEATLESインスパイアなバックボーンがここでますます発現し、「RUBBER SOUL」以降顕著なサイケ&オリエンタル趣味の中にグランジのバイブレーションを見出してみせたといった感じの変化を遂げています。15年を経てフラットに聴くと、これが実に長く聴き続けられそうな味わい。ハードロック畑ならではの明快さも失わず、PEARL JAMミーツIT BITESてな趣きもあります(かといってフランシス・ダナリーのソロとは似てない)。
激名曲がボコボコ埋まっているわけではなく、あくまでしみじみと雰囲気だけがよいという手の好盤であるので、わざわざ探して買えとまでは言いませんが、持っててちょっと嬉しい1枚ではあります。「地味に良い」のさじ加減は、STONE ROSESやKULA SHAKERあたりのテイストを我流に希釈したDEF LEPPARDの意欲作「SLANG」の如し(そこまでのビッグネームじゃなかったから大した論議も巻き起こらなかったという)。