31 Jan, 2010
▼昨日の車内で共有してきたと思しき地味な風邪にやられて、今日はほぼ寝て過ごす。午前中は、この寒気は寒さのせいだろうと井上陽水みたいなこと(→参考)を考えてやり過ごすつもりだったのですが…。とりあえず早寝します。
本日のレビュー:JOHN NORUM「WORLDS AWAY」
96年ZERO CORPORATION。言わずと知れた元EUROPEのギタリストのソロ作です。参加メンツはBLUE MURDERにも軽く参加していたケリー・キーリング、ACCEPTのピーター・バルテス、TYTAN〜AC/DC〜DIO〜UFOのサイモン・ライト。ダウンチューニングでソリッド&ガッツィーに攻める90年代スタイルの楽曲で、非常によい。これを「こんなダークなジョン・ノーラムはいらない」と断罪してしまう向きがいるのも分かりますが、無駄に退廃的であったりすることもなく、非常に目の詰まった音であるので、聴き応えに不足なしです。リードギターは相変わらずほんのり暴れのあるトーンで熱っぽく弾き倒してくれてファンは満足。お、途中で「TOTAL CONTROL」あたりに入っていてもおかしくなさそうな湿り系チューンも出てきました。「FACE THE TRUTH」収録の"Endica"のヴォーカル入りヴァージョンなんてのもあって、それはあんまり感動ないですが、このアルバムのチャームポイント程度にはなっているかと。探し出して是非聴けとはいいませんが、手に入る機会があるなら買ってみると面白いでしょう。
30 Jan, 2010
▼京都のライブから戻りました。ありがとうございました。総勢6バンドだったにも関わらず、巻き気味の進行で21時台にサックリ終わり、ヤマウチ・ザ・マインドや小鳥美術館の二人をはじめ会場に駆けつけてくれた人達と二郎系ラーメン屋「地球規模で考えろ」に並んで食べて帰ってきてまだ余裕の25時台。京都近いっすね。土曜にスッとライブしに行くには最高です。今日ご一緒してくれた皆さんやSWEETMUSIC山田さん、ほんとに気軽に呼んでやってください!
▼で個人的に行きたかったところも全部網羅できて、観光面でも大満足。昼は知恩院近くの天下一品で「屋台」を頼み、そのすぐ近くのコロッケ屋で湯葉とエビのコロッケを買い、リハ後は新京極商店街の
MR.アサヌマでシェイクを頼み(他のメンバーが頼んでいたパフェやアンパンも相当うまそうでした)、すぐ近くの中古CD屋・TAKE Jにて
本日の収穫、
UNHOLY「RAPTURE」(AVANTGARDE MUSIC、フィンランドの超ディープなドゥームゴシック3rd)、
JOHN NORUM「WORLDS AWAY」(96年)、
ROSICRUCIAN「SILENCE」(91年・SUNLIGHT STUDIO録音、SLAPDASH前身のスウェディッシュ変則デスラッシュ)。ムチャクチャ安くて、相変わらず最高の店でした。大昔ならこの3〜4倍は買ってたな。賑やかな大通りの途中にあるので、京都に遊びに行くことのあるメタラー諸氏は、一緒に連れている友人・彼女・家族その他を「ちょっとそのへんの店見ててね!」といって残してスッと訪れるといいです。AVISも行きたかった。
本日のレビュー:UNHOLY「RAPTURE」
うーむディープ。初期KATATONIAや、かの有名な世界最遅フュネラルドゥーム・THREGOTHONなどをリリースしているイタリアのAVANTGARDE MUSIC所属のフィンランドのバンドの97年3rd。これはごく限定的な耐性を持っていないと中に入っていけない音です。普通のゴシックでも普通のドゥームでもなく、「あらゆる規律をご破算にしてもいい空気になった今、へヴィメタルはどこまで不穏になれるか」が自由に研究されていたデスメタル初期の無法状態時代からダイレクトに続く、深々とした真っ黒い夜中の大洋のごときリアル・ドゥームの類。スッと手がかりをつかんで乗っかって得られるような何かしらの快感は皆無といってよく、CELTIC FROSTが扉をあけた暗黒絵図の世界をひたすら不親切に語り直してくれています。まったくエキサイトしない単純なメロディの群れと、AMON DUULさながらのドロドロした原始性、場違い感が凄まじいアトモスフェリックなシンセ。ULVERやBEHERITや後期BURZUMみたいな虚空系アトモス・ブラックが好きな人や、いっそPAN AMERICANだのLABRADFORDだのといったジャーマンロック・インスパイア系の悲壮ポストロック/エレクトロニカの界隈に勧めてもよさそうな気がします。自分は病気だと思う人はぜひどうぞ。
29 Jan, 2010
▼明日は京都。新京極TAKE・Jに寄れたらいいなと。マズイのは最近CDがまた大好きになってきたことです。
本日のレビュー:THOUGHT INDUSTRY「ASSASSINS, TOADS AND GOD'S FLESH」
昨日からなんとなく続きで。実験的ミクスチャーメタルの最高峰といえばこれ。METAL BLADEリリースの93年作2nd。このバンド、メタルの領域の中だけで変なアプローチを試みるのではなく、うっすらインディロック〜ポストコア的感触をもった珍しい人達なのです。パワーコードにこだわらないノイジーなコードワークと、変拍子というより変則グルーヴというべき強力な躍動感。例えるなら「バカになったBASTROまたはTHE JESUS LIZARD」「無駄のないMR. BANGLE」でしょう。AMPHETAMINE REPTILEからデビューしてたら完全に違った運命が待っていただろうに。前例がほとんどない試みをやっているにも関わらず、努力賞という感じではなくて非常に完成度が高く、演奏もちゃんと激テク。作品を重ねるにつれどんどんオトナになっていって、クオリティは維持していくんですが、ヴォーカルが直球で聴くにはちょいと物足りないので、もっぱら景気よく絶叫する場面が多いこのアルバムくらいの感じが一番ちょうどいいと思います。
28 Jan, 2010
▼今日も欠かさずギターの運指練習しました。いや、2月にライブが決まったログメンの自主練をやらないといけない。今日になっても未だ、得三のサイト上のスケジュールページでそこだけブラックホールがあるかの如く情報がまったくないのが何故かは分かりませんが、15日月曜19時開演、実際は押し目にはじまって我々は2番目、最近注目のシラオカと対バンです。あと来週レコーディングに参加させてもらうことになっている名古屋奇跡の歌心HADAさんの曲も覚えねばならないじゃないか。「失業して早半年、食料も切れて炊き出し(※押韻に気づくべし)/ 銀行で残金800円降ろし、その金でレンタルDVD(※この一節だけだと分からないですが、前後の流れ上、アダルト作品) / 新作2ディスク、マイクチェック、1、2、3、4」これは大変です。「モヤモヤさまぁ〜ず」にうつつを抜かしてる場合ではなかった…(面白かったけど)
▼ところで、世を忍ぶ仮の仕事の縁で個人的にさせてもらった録音が、めでたくCDに収録されて既に販売されてるようなので宣伝しておきます。プロレス団体「ゼロワン」の団体テーマ曲?応援歌?の全面アレンジおよび演奏・コーラス入れを私がやって、更にDOIMOIのヴォーカル二村が、ホールリヴァーブガンガンで谷村新司よろしくガッツリ歌っているという意外なもので、なんと昨年「あいのり」に参加していたレスラー・崔領二さん名義のシングルに収録。オンラインで買えるのは唯一
こちらのみ。同じく「あいのり」メンバーであったシュレック氏のブログで
裏ジャケのアップが映ってまして、確かに私の名前が確認できました。ご興味のある方は在庫があるうちにどうぞ!
本日のレビュー:GALACTIC COWBOYS「SPACE IN YOUR FACE」
サム・テイラーのプロデュースのもと、ATOMIC OPERAよりひと足早くKING'S Xチルドレンとして世に出た、ヒューストンのGALACTIC COWBOYSの93年2nd。KING'S Xよりも更にあからさまに「METALLICAミーツBEATLES」を体現するバンドで、歌の入っていないところだけ聴けば本当にスラッシュメタルそのもの。デビュー作は中途半端にダウナーなグランジテイストが混じったりしていましたが、このアルバムはひたすらソリッドで小気味良いです。で歌が入るとやたらポップで、KING'S Xよろしく多重コーラスを入れまくるのはいいものの、ポップさの質が私の積極的に好きではない部分のBEATLESまんまなので、久々にしっかり聴き直しましたがやっぱり「試みは面白くて感触は好きだけど、曲の肝心なところはそんなに(単純に好みの問題で)好きになれないバンド」でありました。声がUGLY KID JOEにちょっと似てるあたり、常に漂うユーモラスなムードと相俟ってあんまりシリアスに向き合えないというのもあるかも知れない。これが超ストライクな人もいるでしょうし、THE WILDHEARTS大好きな人とかはほんとに大喜びだと思います。それより今回の聴き直しでは、スラッシーな部分の鋭利具合やリフメイキングそのもののセンスが実は半端じゃなかったという事実に気がついてちょっと株が上がりました。VIO-LENCEかMORTAL SINかという。未だもって珍しいバンドだと思うので、機会があれば聴いてみてください。
27 Jan, 2010
▼イベントごとが何かと重なって、3人の野村さんと同時にメールのやりとりをしたりしているこの頃です。日中うっかりメールを見たまま夜になってから返信を忘れてしまったりとか最近ありがちなんですが、スレッド式掲示板がもうちょっとコンパクトになったような「マルチトピック・自分用メモ」的なオンラインサービスがあったら知りたいです。
▼ついに今朝の「とくダネ!」でもTwitter議員の特集が組まれるに至りましたですね。そろそろバンドでアカウントひとつ運用したいと思うのですが、たぶんライブの宣伝とメタル所感にしかならなそうなので自粛しているところです。しかし中野美奈子が寿退社して佐々木恭子が戻ってくるっていう展開はないのかな。
本日のレビュー:GOREFEST「FALSE」
初期NUCLEAR BLASTリリース。オランダの老舗デスメタラー・GOREFESTの92年2ndです。この時期のバンドとしてはまだ少数派だった2音半下げチューニングでもって、あまり粘性がなくバキバキとした、グラインドやインダストリアルな香りもそこはかとなく漂うリフ使いを繰り出してきます。威圧的でヴァイオレントではあるけど不吉さや冒涜的な感じはさほどなく、リズムがとにかく鋭くて、何食わぬテンションでタタタタ〜とブラストを挿入するドラムはかなりの安定感。妄想の肥大化を止めきれずにムチャクチャなことになってしまった…というケースが多い初期デスメタル界にあって、このバンドは非常にクールで無機質ですね。その後スローダウンしてモダンへヴィ路線にも乗っかっていったと記憶していますが、そうなるのも確かに納得。MESHUGGAHみたいにしなやかなのだったらメタルでも聴ける、という人にもお勧めすることが可能でしょう。
26 Jan, 2010
▼昨日の日記に載せたDANGER DANGERのレビューでアンディ・ティモンズのことを書きましたが、このアルバムで彼が弾いたのは2曲だけ、というご指摘を複数の方からいただきました。助かります、ありがとうございます。最近のこのサイト、昔の記憶だけ頼りに、改めて調べたりせず書くことが多いからか、適当な誤情報が増えててけしからんですね。何より誤情報をもとに作品の内容をホメたりするのが信用なりません。ということで、取り急ぎの訂正でした。
25 Jan, 2010
▼やっぱり美しい速弾きはいつでも出来たい、ということで2年前の正月に自分でまとめたエクササイズをまた頑張ってみたりしています。がしかし"Take The Time"(もちろんDREAM THEATER)のシンセとユニゾンするキメフレーズや"Colorado Bulldog"(もちろんMR. BIG)のイントロを弾ける速度と精度が中学生時代から上がってないので困ったもんです。世で活躍するシュレッダー達は、何をやってどこで一段シフトするんでしょうか?積年の疑問です。
本日のレビュー:DANGER DANGER「DANGER DANGER」
セルフタイトル作なのでDANGERが4つ並びますね。アイバニーズ勤務の大学の後輩が「ポール・ギルバートよりもマーティ・フリードマンよりも、センスある大人のプレイヤーだった」と目撃証言をしていたアンディ・ティモンズ率いるDANGER DANGERの89年1stです。むかーし聴いたときはWARRANTとかと大差ないナンセンスなスリージー系ヘアメタルにときどき湿っぽいBON JOVIみたいな曲が混じっているバンド、といういい加減な印象でしたが、ちゃんと聴くとこれは、THE BABYSの時代から受け継がれる赤面メロハー魂をしっかりと秘めた、相当に小っ恥ずかしい音じゃないですか。専任シンセ奏者がいるのもなおさら昔っぽい。"Bang Bang"とか"Rock America"とか、いかにも捨て曲っぽいタイトルの曲が意外とフェイクで大名曲だったりするので、たとえば中古盤屋で出くわして「あーDANGER DANGERか、内容はこんな感じか、まあ〜〜いいかな」と裏ジャケのクレジットに騙されて棚に戻してはいけません。でアンディ・ティモンズのギターは、一聴して激テク系だとは気づかないくらい、楽曲性を高めるソロを弾いていて、(…と思ったらこのアルバムで彼が弾いているのは2曲だけだったようです。後日註)。この時期のこの手の連中の中ではWINGER級(あそこまでワンアンドオンリーな感じもないですが…)の良いバンドでした。メタル云々を抜きにして単純に「聴ける産業ロック/ハードAOR」をお探しの向きにもお勧め。
24 Jan, 2010
▼予告どおり昨日はALLieのレコーディング現場へお邪魔して、僭越ながらコーラスで一発参加させてもらってきました。未ミックスの音源をしこたま聴けたんですが、やはり録りの段階で音が違いすぎて、どうやったらそうなるかは分からなかったですが、この超えられない壁をミックスでどうにかしようというのはそりゃ無謀だわと現実を知ることができました。やっぱりプロにお任せすべきだな…と思いたものの、もうマイクとかいろいろ買っちゃったので、モト取るまでは自力で頑張ります。
▼で夜は実家で一泊(経緯は
一昨日の日記参照)。姉と子供二人(旦那さんは会社関係のお通夜でパス)も泊まりに来ていて、明くる今朝はもう何年ぶりかの家族全員揃っての朝食・昼食でした。実家にいた頃もそれぞれの都合にあわせて朝食の時間はまちまちだったので、かなり感慨。
で昼からは、
ここのところ登場率の高い高校時代の友人・森田君に、未だ現在の住まいに移送されていない実家のCD群を売るか残すかの大裁判の陪審員(兼・下取り屋さん)として来てもらって、ガンガン試聴しながら5時間余りに渡ってひらすら裁判。「絶対売る山」、「手放すことについて引っ掛かりはあるが、まあ売ればいいと思う山」(これは途中から「絶対売る山」と同化する)、「ライブラリーとしてそのまま実家に残す山」、「今の住まいに移送する山」の4つにスパスパと分けていきました。手をつけられたのは全体の5分の1程度で、結局ただのグレーゾーンである「ライブラリーとしてそのまま実家に残す山」が半分くらいになってしまったものの、なんとか百数十枚を売りの山に追加。
たまっていた実家のCD、改めてしっかり確認していくと、出すとこに出せば高値になるであろう貴重なオリジナル輸入盤の類が大量にあって、処分するならするでうまいことやりたいもんです。やっぱりamazonマーケットプレイスなのか。案の定無駄に高騰しているTANKARDとか、売りたいのゴロゴロあるんですが。何にしろ残りの山全部の裁判を済ますにはもう丸1〜2日かかるな。などと気にしつつ夕飯も実家でいただいて、そして帰ってきました。いやーのんびりした。
本日のレビュー:ABILENE「TWO GUNS, TWIN ARROWS」
昔のめりこんでいた時期にきれいに揃えて、一時期以降あまり手をつけていなかったUSインディ。今日の裁判の中で、これも棚の肥やしか…と思われた中から大逆転で生還したABILENE(とREGULATORWATTSも同時に救出)です。元HOOVER組ではアレックス・ダンハムが突出して好きなようで。このバンドは1stのしんしんと静かなイメージがあったので、冒頭でグギャ〜ンと威勢良く鳴るギターに最初は違和感を覚えて、あんまりまともに聴き込んでなかった記憶がありますが、全然素晴らしいです、1stより良いくらい。フレッド・アースキンがトランペット/シンセで全編に参加していて、ギターとつかず離れずのユニゾンやハモリでテーマを深々と奏でるさまは、ジャズとダブとスローコア/ポストコアのナチュラルなクロスオーヴァーが転じてクリムゾン、てな感じでそれはもうシビレます。リズムのヒネリの入れ方もいたずらに混乱を招きたい一心という様子がまったくなく、実に大人のグルーヴ。日常聴きするには重苦しい雰囲気がキツイですけども、じっくり聴くに値する盤かと思います。
23 Jan, 2010
▼夜はひさびさに実家で泊まることにしたので、家にいるうちに早めの更新。本日の収穫はサウンドベイ上前津にてAFFLICTED「PRODIGAL SUN」、GOREFEST「FALSE」、MENNEN「MENNEN」。チョコパイとマシュマロを一緒に食べると本物よりリッチなエンゼルパイになりますよ。
▼さっき適当にDIOの"We Rock"とイングヴェイの"Liar"のカヴァーの歌録りをしました。そのうち
ここにある"Sad But True"(※上から5曲目、掲載日現在)みたいに仕上げて公開します。
本日のレビュー:AFFLICTED「PRODIGAL SUN」
初期NUCLEAR BLASTのバンドです。ジャケと名前は見たことがあったけどスルーしてました。スウェーデン産で、録音は言わずもがなSUNLIGHT STUDIO。とりあえず裏ジャケのメンバー写真が何かおかしい。カラフルなヒッピーくずれみたいなのが4人(デスメタルバンドであるのでこれだけでも変)と、全身をアルミホイルでくるんだのが1人。音のほうも、薪割りのようなガツーン!バカーン!という猛々しさはいかにもスウェディッシュデスという感じながら、ギターリフにはどこか脱力系のメロディが潜み、ビート感や曲構成もちょっと危ない。オーストラリアのALCHEMISTほどあからさまではないもののそれに類する「サイケデリック・デス&ロール」といっていい内容です。これを今のバンドがやると嫌らしくてしゃーないですが、「壊れ方」の類型が未だ定まらない当時の自由闊達な空気のもとでこれが出てきたというのは面白い限りです。ジャケが普通なので見過ごされてきたのでしょうか、あっフィンランドじゃないからか。これはXYSMAやPAKENIやCONVULSEあたりの流れ(Analtoshit氏提唱の
グラインドロック)で重宝されたらいい。
22 Jan, 2010
▼ヨメさんの幼馴染みが明日東京で結婚式だというので、一緒に出席するヨメ姉と一緒に今日から日曜まで東京観光に出かけて、今は家に自分ひとり。といっても普段と違うことをしたといえば、いつ一人ライブに誘われてもいいようにアコギと歌の練習を少ししてみたくらいです。風呂の湯は張らなかったけどシャワー浴びたし、いつもどおり27時くらいに寝ることでしょう。バンドの曲作りは頭の中で少しずつやっていて、これでいいのかとためらいながらもヴォーカルのイメージが完全にスティーヴ・ペリー(JOURNEY)のまま作り進んでいる曲を本当に仕上げるかどうか悩み中。へヴィな音に対しては随分世間の寛容さが戻ってきた昨今ですが、赤面ハードAORはどうか。
▼明日は
ALLieのレコーディング(正確には録り後のミックス)現場に顔を出す予定。今までそのへんの練習スタジオと大学の部室と自宅と人の部屋以外でレコーディングというものをやったことがないので、プロの現場(CLIMB THE MINDのアルバムを録ったスタジオです)を見てくるのが楽しみ。
▼昨日のレビューでNWOBHM、NWOBHMとことわりなく連呼してしまったけど、そういやかなり前にまとめた頻出語句解説(左のメニューにあります)で何て書いてたっけなと思って今日久し振りに全体を読み返してみまして、改めて見るとあのページ、なかなかよくまとまってるので、必要な場面があったらぜひ有効活用してやってください。
本日のレビュー:ENCHANT「WOUNDED」
97年MAGNA CARTA。目下の一番好きなプログレメタルバンドです。これはちゃんとしたスタジオフルアルバムとしては2作目(「TIME LOST」はアウトテイクなどの編集盤)で、この次とその後でちょっとDREAM THEATERの「AWAKE」に感化されたような、ドシャーッとしたを前面に出す時期がちょっとありましたが現在はまたもとの透明感のあるスタイルに戻っています。さてこの2nd、RUSHのメカニカルな気持ちよさをジョナサン・ケインがブラッシュアップしたかのようなさわやかな感動の嵐っぷりは1stから引き続き。若干しっとり度が増していて、研究生から社会人になったような落ち着きも。山が谷があっ湖が…とめくるめくドラマがあった1stを思うと少し平坦ではありますけども、まったくもって悪くない。スティーヴ・ペリーかリック・エメットがちょっとスムースでなくなった感じのヴォーカルは、異郷の人にはかなり聴きづらいでしょうが、メタル耳には無問題のはず。かなりアレックス・ライフソンを彷彿とさせるイルカ系リードギターもいいですね。とこれだけホメておいて何ですが、初めての方には1stか03年の「TAG OF WAR」をおすすめしておきます。中古で出会ってしまったのなら迷わず買えばいい。
21 Jan, 2010
▼家庭の風呂での溺死率は交通事故より高いと、この前の東京行きの車中でドラマー礼一君に教えてもらったばかりなのにそれでも寝てしまった。寝てはいけない状況で覚醒状態を保つ裏技、何かないですか?体のどこかを動かし続けるとか。
▼たまにもらうこのサイト上のフォームからのメッセージで、ミック・バー(ORTHRELM他)とDYSRHYTHMIA/BEHOLD THE ARCTOPUSのギターの人が組んでブラックメタルバンドを始めているとの情報をいただきました。聴いてみるとあんまりどっちのバンドの影も感じず意外でしたが、ヴォーカルパートが極端に少なくて、ギターの中高音の占有率が異常なあたりがなるほどという感じでありました。とりあえず完全に判読不能なロゴがかっこいい。myspace
こちらです。
近頃はまったく自分から新規開拓をしようとしてないので、この手の情報提供は常時大歓迎してます。お気軽に。
本日のレビュー:ANGEL WITCH「ANGEL WITCH」
前々回の日記で登場したHELVETETS PORTのCDをよっぽど買おうかという気になってしまって、とりあえずこれを聴いてガマンしている次第。NWOBHMの一発屋の最高峰・ANGEL WITCHの1stです。立派になってからのGRIM REAPERに勝るとも劣らん1曲目のタイトルトラックは、戦慄が走るとはこの曲のためにある言葉かという超名曲。しかしそれ以降の本編でその雰囲気が微妙に続くようで続かないので、気持ちを切り替えて接することが重要です。なんだ優秀な泣きHMチューンは1曲だけじゃないか…と勝手な期待で不満を抱くのは損。
NWOBHM然とした荒々しいドライブ感はおおむね全編保持していくものの、妄想黒魔術的なねっとりしたダークさが微妙な塩梅で垂れ込めていて、BPMの高い
TROUBLEくらいに思っておくとちょうといいです。中途半端に入ってくる変拍子も、テクニカル云々というより、数の調和を乱して禁忌に挑むといった感じで不敵。奮い立てばいいのか、どんよりしたいのかどっちつかずなまま終盤に差し掛かると、軽くCELTIC FROSTみたいなリフがクールな"Angel Of Death"がひとつのハイライトを作っております。ヴォーカルはあくまでジョー・エリオット(DEF LEPPARD)が素人っぽくなったような感じですが。この「ぺらぺらで、特筆すべき上手さもないけど、イメージだけはあるようでそれに基づいて凄く頑張っているヴォーカル」というのがこの時代のマイナーメタルには大事な要素ですね。
ちなみにこのアルバムは何通りものリイシューが出ているはずで、私の手元にある98年のCASTLE盤には、シングルやコンピの収録曲が親切にまとめられています。その中で「METAL FOR MUTHAS」というコンピに提供された"Baphomet"が隠れた白眉。超ドゥームなイントロがついていてコード進行も相当怪しく、ヴォーカリゼイションもやたら汚い。ぜひこれが入っている盤を入手されることをお勧めします。
20 Jan, 2010
▼先週見てきた小鳥美術館のライブ評(SCHOP上原さんの紹介で某朝日新聞に書かせてもらっている名古屋アーティストのロック評シリーズ)を書く。冒頭文はほとんど定型で、限られた字数の中で必ず含めないといけない内容や避けたほうがいい表現もあって、いつも同じような展開になってしまいますが、素材の個性ゆえ何とか毎度違うテーマに集約させてもらえているというところ。写真は今回もJONNYその他のアー写でおなじみの夏目さんです。掲載日(今月29日)に東海版を手に取ることのできるかたはぜひどうぞ。
本日のレビュー:NATIONAL HEALTH「NATIONAL HEALTH」
ここのところメタル100%できていたのでたまには休憩。ちょっと前に聴き返して改めてかっこよかったこれを。HATFIELD & THE NORTHからジェントル美声王リチャード・シンクレアが抜けたところに、GILGAMESHやらCARAVANやらの面々が駆けつけた、カンタベリージャズロックの名グループの1st(78年)。決してシリアスではないが大手を振ってフレンドリーになるような隙は一切見せず、ほのぼの可愛らしいようでもありながらニヤッと冷笑を垣間見せる、まさにカンタベリーサウンドの真骨頂。一時期以降のSOFT MACHINEのように硬質でもないので、ロックリスナーがプログレとして聴くことが充分可能です。奇を衒わずして粋を求めた結果の字余り・字足らず拍子やアクロバティックな和音運びはオトナ・オリエンテッドな面白味。しばらくこればっかり聴いておこうかなというくらい、ここのところ聴きたかった要素がこれでもかと入ったアルバムでした。
19 Jan, 2010
▼ディスクユニオンHM/HR館やディスクヘブンの新入荷案内は情報源として時々チェックするようにしてまして、その中でこの前壮絶なバンドを発見したのでご紹介。すでにその筋では有名でしょうか?デビュー当時のWOLFもびっくりのリアルNWOBHMバンド・HELVETETS PORT。ルックスもさることながら、録音状態や演奏のヘタさに至るまで、ここまで狙えるのは天才と呼ぶしかないです。
で彼らのmyspaceから辿っていろいろ聴いてみたら、いま本当にこういう、80年代完全再現系のバンドがわんさか出てきてるんですねー。ジャケだけ見たことがあった
CAULDRONなんかも初めて聴いて、演奏はだらしないながらもグッと深く入るフックが魅力的でした。CDまで買うかどうかは別問題ですが、とりあえずこういう人達が元気だと空気はいいなと。あと、かなりいろんな人から「ANVILの映画見たか?」と尋ねられるので早く見たいというのは関係あるようでない話。
本日のレビュー:WHITE LION「PRIDE」
昨日のLIONSHEARTとは全然関係ない、アメリカのWHITE LIONの87年作。DOKKENともY&Tともややカラーの違う、なかなか強烈な泣きを売りにしている80年代アメリカン・スリージー・メタルの異端です。言うなればアメリカ版SHYか?マイナーキー一辺倒と化したTERRAPLANEというか、とにかく赤面度が凄い。しかしノリそのものはDANGER DANGERやTRIXTERの類。スティーヴン・パーシーの天井が低くなったようなヴォーカルに若干クセはありますが、逆にキャラのある歌い手ともいえます。ソロ時以外ほとんどオーヴァーダブをしない(バッキングも1チャンネルだったりする)このギタリストのエディ度も特筆すべき。トリッキーなフレージングできっちり山谷をつけるソロの構築力から、バッキング中のオブリや自由な装飾のねじ込み方(脱線具合)まで、よーく研究してます。ダメなAC/DCみたいな漫然としたパーティチューンでお茶を濁すということがないので、STEEL PANTHERみたいなのでこの手の音を覚えたという人にもお勧め。
18 Jan, 2010
▼新宿MOTIONから戻りました。実り多き日帰り旅でありました(8時半発→27時半帰宅)。凄く充実したイベントで、リリース前後でお世話になったりしたバンドや媒体の方々、大学時代のサークル仲間の面々など、会いたかった人達にそれはもう大勢会えました。呼んでいただいたMOTION/ABOUT TESSの拓人さんに本当に大感謝。
リハ後にまとまった空き時間があったので、漫喫で休むメンバーをよそにディスクユニオンのHM/HR館にかなりウキウキして久々に踏み込んでみましたが、買いたいなと思うものは軒並み都心価格で、STRANGEWAYSもKING COBRAも泣く泣く見送りました。CELTIC FROSTの「TO MEGA THERION」リマスター前("The Usurper"ほか3曲が「TRAGIC SERENADE」バージョンではないオリジナルのアルバムテイク収録)くらいは買っておくんだった。で
本日の収穫、アマゾンマーケットプレイスで買ってあった
LIONSHEART「LIONSHEART」外盤買い替え。
さて次は月末の京都。3月〜4月も話が出たり決まったりしてきてますので名古屋・東京の皆さんよろしくお願いします。
本日のレビュー:LIONSHEART「LIONSHEART」
数日前に別のアルバムを紹介したLIONSHEARTの1st。これ実家に国内盤を持ってますが、2ndを外盤で買えたのをきっかけにこちらも安く買い替えました(わたくしそういう趣味です)。改めて聴くと2ndがいまひとつの評価だった意味が分からない、ほぼ同一路線の仮想WHITESNAKE的内容。雑なドラムサウンドと全体の狭苦しいコンプによる聴きづらさがやっぱり残念だなー。勇壮で伸びやかなヴィブラートの効いたスティーヴ・グリメットがデイヴィッド・カヴァデイルの幻影をトレースする様は、何か間違ってますよ!と声をかけたいイビツさですが、これぞ90年代前半。みんなガラにもないブルーズロックを気取ってくれたらいいのです。少なくとも腰抜けな感じじゃないし、スティーヴ・グリメットにはもっと泣きのあるメロディを歌ってほしいけどま、いいんじゃないか?と思って聴き進んでいくと、中盤で現れる"Can't Believe"〜"Portrait"〜"Living In A Fantasy"の山。じわじわと悲哀度を増していって最終的にスピードメタルで爆発するというこの流れで、清く正しいHM/HRファンは涙の大量搾取に遭うというのが、ひとえにこのアルバムの名盤たる所以。イングヴェイと組んだ日には主役の座を奪わんばかりの強烈なアルバムを作ったであろうと妄想させてくれます。昔だったら「これだけのために、バーゲン棚で安く見かけたら…」と書けたけど、そろそろ発見率も低くなってますので(特に外盤は絶望的)、気になった人はお早めに。
16 Jan, 2010
▼牛肉は見たくもない、野菜やうどんはおいしいね、などと考える日が人生の中で来ようとは。「牛肉しゃぶしゃぶorジンギスカン90分食べ放題半額 お一人様1,200円 本券持参でドリンク1杯サービスつき」のチラシが近所のビアガーデン&レストラン「浩養園」から届いたので行ってきたんですが、昼に同じく近所で食べたランチセットのタコライスが、3人前はあろうかという米の量で、腹具合が回復しないまま挑んでしまったので完全キャパオーバーで今に至るという感じです。しかしあの量の牛肉で1,200円は考えられない。1月末までやってます(ただし要予約)ので皆さん行ったらいいですよ。まあ明日の東京遠征のいい景気づけになりました。こんだけ腹いっぱいなら朝食の時間も省けるし。てことで皆さん、明日は新宿MOTIONでお会いしましょう。
15 Jan, 2010
▼世を忍ぶ仮の会社の用事で今日は終日、箱物行政の香りが充満する岐阜県のはずれの建物で企業展的なもののブースの番でした。その中にいた出展者で一社、自社製品がドラマで使われているだかなんだかで、今やっているドラマの主題歌になっているミス・チルの曲を、ただ1曲を、10時から17時までエンドレスでリピートし続けていたところがあって、精神的な何かが相当消耗した次第。ほかにも味はいいのにずっとミス・チルの独自編集CD-Rが流れ続けるとんかつ屋なんてのも知っておりますが、そういうもんなのでしょうか。
▼特記事項の域といえる程度に達していたので当たり前のことを書きますが、今日は寒かった。しかし自室に暖房をずっと導入してないまま来てしまっていて、今は毛布で乗り切ってます。脚だけ暖めれば何とかなりますよね。防寒と結露防止(壁は大丈夫だけど窓とサッシが)と防音(主に宅録目的)のために二重窓にプチリフォームしたい、とても。
本日のレビュー:RUSH「ROLL THE BONES」
カナダの長寿バンドRUSHはLED LEPPELINの模倣バンドとしてスタートして、別にシンフォニックでも何でもないのに大作主義に走ってプログレかぶれを気取った時期を経て、やっと板につきはじめた変拍子やテクニカルなフレーズをコンパクトでポップな楽曲にまとめた「PERMANENT WAVES」(80年)〜「MOVING PICTURES」(81年)でひとつのピークを迎え、シンセポップに走ったと言われた第1弾「SIGNALS」(82年)までは良かった。それ以降、ちょっと過剰にアンディ・サマーズなギターと明らかにMTVノリな楽曲性でかなり物足りないアルバムを2枚作り、それでもメロディの良さとアレンジ面でのフックが抜群だった「HOLD YOUR FIRE」(87年)でまだ捨てたもんじゃないことをアピール。少しすると10年前の自らのスタイルとグランジブームが奇跡的に親和、「COUNTERPARTS」(93年)「TEST FOR ECHO」(96年)という2枚の大名盤を作り、その後また冴えない時期が続く…といった塩梅のバンドです。
でこれはグランジ化直前の91年作。プロダクションは相変わらずルパート・ハインの細くて薄くてキラキラした感じですけども、楽曲のツブのでかさをかなり取り戻しているのがこのアルバムのいいところ。1〜2曲目のスタートアップがとにかく絶好調で、そのあとも休み休み佳曲が続くという感じ。「HOLD YOUR FIRE」の優秀な片割れということにしておくと収まりがよいようです。変拍子はほとんど出てこないですが、どこがとも言い難い「ひとクセある」感が独特。もっと代表作といわれるものを先に聴いて、この人達の歌心の何たるかを掴んだ頃に聴くとたまらんというアルバムかと思います。はじめての方はこのレビュー前半で名前があがっている別のアルバムからどうぞ。一応変拍子ポップスで天下を取った最古の部類のバンドですので、押さえておいて損はないです。
14 Jan, 2010
▼あー今日は世を忍ぶ仮の仕事あがり後に今池得三でトゥラリカの晴れ舞台を見たかった。しかし19時開演の1番手ではそれも叶わないことも分かっていて、20時近くに予定通り鶴舞KDハポンへ直行。一昨年から休み休み書かせてもらっている某新聞の某文化欄の某ロック評の次なる標的(掲載は今月末)として、小鳥美術館をガッツリ見てきたのでした。二人とも普段のおっとりした雰囲気と演奏中のスゴさの差が凄いというか、かといって豹変するわけではなくてあくまで地続きな感じなわけですけど、「お前たちそういうことか!!」と最後に正体を見てビックリする映画みたいなショックを猛烈に食らいます。いやはや名古屋の宝。ホームページも遂に私書箱だけになってしまってmyspaceにも今やいっさい情報がなく、ほんとに珍種の鳥みたいな存在になってますが、ライブハウスに会いに行けば笑顔と妙技で迎えてくれますので皆さんにも観覧をおすすめします。
本日のレビュー:SKYCLAD「THE WAYWARD SONS OF MOTHER EARTH」
ここのところすっかり80〜90年代の忘れられた地味な名メタルバンドを振り返るシリーズが続いてしまっております。今日も懲りずに。バグパイプやクラムホルンの入るフォークロア・メタルも今やひとつのカテゴリとして山をなすようになってしまいましたが、元祖はといえばこの人達でした。ヴォーカリストのマーティン・ウォルキーアが80年代にやっていたスラッシュメタルバンド・SABBAT(NEVERMOREほかを手がけるエンジニアのアンディ・スニープも在籍)の頃から既にその気配はあったものの、ここで更に傾向が明確になり、MANOWAR直系の気が狂ったスーパーハードなノリとケルトミュージック風フレーズを合体させた、質感的には「ELEGY」あたりのAMORPHISとも共通するようなことを91年に早くも軽くやってしまっております。メタルリフにフィドルが絡んだ瞬間もこれが初めてに近かったのでは。まだ初期作ということで、前身のSABBATから引き継いだスラッシュテイストも濃いめ。でこのバンド、日本では「ヴォーカルがヘタ」もしくは「ダミ声でさえなければ…」みたいに言われることが多かったですが、ジョン・オリヴァ(SAVATAGE)みたいなものと思えば全然問題なしです。ひたすらオリジナルな人達であります。
13 Jan, 2010
▼次の日曜、新宿でライブ楽しみだなー。と思いながら常にバンドの新曲を作ろうとしているというのが、ここのところの過ごし方です。今いちばんCDを集めたいバンドはPSYCHOTIC WALTZ。
本日のレビュー:PSYCHOTIC WALTZ「INTO THE EVERFLOW」
横ラベルの誤植に騙され続けてきました、スペルはPSYCHOTIKじゃなかったんですねくそー。CYNICの緻密さにCONCEPTIONやNEVERMOREの妖艶さを加味しつつかなりアグレッシヴに仕上げたようなダーク・プログレッシヴ・メタルで、最高です。詳しくは
購入当時のレビューにて。92年でこれとは、SIEGES EVENやTHOUGHT INDUSTRYと並び評すべき偉大なカルトバンドでありますな。
MAUDLIN OF THE WELLや
TIME OF ORCHIDSみたいな、近年の空気読めてる系外郭メタル一派の系譜ともクロスしそう。リアルタイムではそう大して評価されてなかったはずなのに、気がつけば廃盤と化した今やバックカタログの数々はひどく高騰していて、数年前に出たリイシューも更にレア化してしまっているという有様。もういっぺん再発してくれんかの。
11 Jan, 2010
▼昨日のライブは大盛況の入りの中でできて、企画主Theキャンプに大感謝。好アクト揃いの楽しい一日でありました。私がレコーディングをさせてもらったTheキャンプの最新シングル「背の高すぎる子ども」、ライブ会場にて絶賛発売中ですよ。
で、会場に来てくれた、新作レコーディング中の
HADAさんから、来月ピアノで録音を手伝うことになっている曲の歌詞とコード表をもらい、壮絶な内容にニヤつきが止まらない現在です。松石ゲルさんのスタジオにお邪魔することになっているのが目下の楽しみのひとつ。
あっ
10日の収穫は、ライブ会場近くのディスクヘブンにて
LIONSHEART「PRIDE IN TACT」、
NON-FICTION「PREFACE」、それと共演した
Theキャンプの「背の高すぎる子ども」。
▼今日は幼馴染みの結婚式で東京に出掛ける嫁さんの買い物に付き合って珍しくそのへんのデパートや地下街へ。私が後押ししてちょっと思い切ったメガネを買わせてみたりしました。途中でミュージックファーストに寄るも収穫はなく、某所にて勤務中の小鳥美術館の館長さんをいきなり訪ねてびっくりされる。
それと、ここを見ていただいている方から誤情報のご指摘をいただきまして、昨日のレビュー文中でリッパーが歌ったJUDAS PRIESTのアルバム枚数を2枚に、それと過去のレビューでUFOのアルバム枚数のカウントを「PHENOMENON」→3rd、「FORCE IT」→4thに修正しました。この類のご指摘は常時歓迎しておりますので、気付かれた方はご遠慮なく左メニューの送信フォームからお願いします。
本日のレビュー:LIONSHEART「PRIDE IN TACT」
バーゲン棚の常連と思われた作品も今や貴重盤。MUSIC FOR NATIONSはもう存在しないのでこういうものはあるうちに買っておかないといけません。歌唱力とルックスが反比例する代表格、スティーヴ・グリメット(ex.GRIM REAPER〜ONSLAUGHT)が90年代に入って結成したバンドの2nd。陰りのあるブリティッシュハード+たまに様式美、という作風の1stはかなりの好評価をもって迎えられ(ただプロダクションはボコボコでしたが)、ギタリスト二人を入れ替えて作られたのがこのアルバムです。当時の評価はいまひとつだったように記憶してますが、それはやっぱりスティーヴ・グリメット=GRIM REAPERという拭い去りがたいイメージゆえでしょう。内容はアメリカナイズされる前とされてからが半々のWHITESNAKEといった感じで、曲単位での引っ掛かりを求めるとやや厳しいのは納得ながら、BADLANDSのなり損ないみたいなのに比べれば、英国らしい憂いをたたえた数曲は熟聴に充分値するし、そうでない曲もパフォーマンス自体は見事なものです。スティーヴ・グリメットの安定した芯のあるハイトーンはやはり聴いていて清々しい(雰囲気そのものは暑苦しい)。リアルタイムでメタラーをやっていて当時はこのアルバムをスルーした、という人は、機会があったら買ってみるといいです。
10 Jan, 2010
▼このたび整理された犬録音ライブラリー(※自室)の初の探訪者は、前々回の日記に登場した森田君でした。80〜90年メタルのオリジナル(リマスター前)外盤の数々が今となっては宝の山だそうで、無茶な大学時代(実家暮らしで日給1万の夜勤バイトの稼ぎを全てCDとバンドサークルの飲み代につぎ込む生活)を送っておいて良かったなと。
リマスター害の検証も入念に行いまして、大抵のものは「自然な残響成分を残したファットでアナログ的なバランス」→「プレゼンスや倍音と超低域をブーストしたような、ハイファイ的で分解能優先のバランス+コンプ」という方向で『改変』といえる変わり方が見られました。低域が雑に歪んだJOURNEYとか、安易にBBEだけ通したみたいなLAAZ ROCKITとかショックだったな〜。ストップ・ザ・「リマスター買い替え」。ボーナストラックと資料のためだけにとどめましょう。
で最近のおすすめもしこたま教えてもらいました。やはりメロハーはエモ。BLACK'N'BLUEは一刻も早く探して買わねばならない。ネット上だとレアなものには途端に適正価格がついてしまうから、できれば実店舗に頻繁に通いたいところですがなかなかそうもいかず、深まるSOHOへの憧れ哉。
▼ところで今日のおすすめイベントはこれですわ。
- 1月10日 (Sun) 名古屋 大須 ell.SIZE
- 「theキャンプのバントでホームラン」
- 18:00開場 / 18:30開演
- DOIMOI / The キャンプ / 徳重ハイ / THE PYRAMID / オープニングアクツ
- 前売2,000円 / 当日2,500円
話をもらったときから楽しみにしてました。お越しやす。
本日のレビュー:WINTERS BANE「HEART OF A KILLER」
ロブが留守にしている間のJUDAS PRIESTで2枚だけ歌って、賞賛に値する力量を有したものの作品の不出来によってちょっと可哀相な扱いになってしまったティム・"リッパー"・オーウェンズがもともとやっていたバンド93年のアルバム。昔買った当初はまるでピンと来ませんでしたが、今ちゃんと聴くとこれはまさに「USメタル版JUDAS PRIEST」以外の何者でもないですね。
イギリスで生まれてドイツ・北欧で尾ひれのついたいわゆる「正統派メタル」〜「様式美メタル」と「USメタル」と呼ばれるものはちょっと線を引いて捉える必要があるということをここ2〜3年くらいで学んでおりまして、欧州系のものは勇壮さや泣きといった事象が必要不可欠になってくるのに対し、USメタルは名曲云々という考え方は二の次で、スラッシュメタル文化の影響も微妙に受けつつハードエッジなリフワークとクレイジーなハイトーンヴォーカルという体感的な部分に重きを置いた、ビールでいえば(飲めないので多分ですけど)ドライの極北みたいなものなのです。
このアルバムもその流儀のもとでJUDAS PRIESTの硬さと狂気性のみを抽出してMETAL CHURCHばりにダークなリフを乗せたかのような内容で、「泣けないからイマイチ」みたいな間違った期待と勝手な失望さえ抱かなければかなり強烈な出来といえます。猫も杓子も激情エモみたいなのばっかり好む最近の世間の耳にはマッチしないでしょうが…。とにかくティム・オーウェンズの深々としたゆとりのあるハイトーンが秀逸で、ロブ似の系譜でいえばラルフ・シーパースより上なんじゃないでしょうか。手元にあるのはボーナス盤(ライブ)つきリイシューで、ライブでのパフォーマンスも何ら問題なしです。今どうなってるのかチェックしてないですが、恵まれてもらいたい人です。
8 Jan, 2010
▼「00年代の私的重要盤」を選んでみようと思って、ひととおり絞ったところで凄く中途半端になったのでそのままお蔵入りにしときます。
- 「時代を作ったとはいえないし新鮮さもないけど、よく聴いたから大好き」(個人的思い入れ)
- 「ファッションショーでしか着られない浮世離れした服みたいな感覚で、心底スゴイ作品だと思った」(研究成果的なものの絶対的価値)
- 「凄く影響力を持った重要な作品であるし、自分自身も感服して凄く好きだ」(時代性を考慮した影響力の大き)
というのを同列に並べると違和感があるし、たとえば別々に10枚ずつ選ぼうにも、いろんなところにまたがっているアルバムもあるのが悩みどころです。更には、
- 「どう考えても凄いし一度は心酔もしたけど、今や気持ちが離れてしまっている」
- 「大名盤に違いはないが、リリースが00年や01年で、内容的にはどちらかというと90年代の総まとめだ」
というケースも。どうしても入れたいのは
NEVERMORE「
THE GODLESS ENDEAVOR」、
SEPULTURA「NATION」、
ANTHRAX「WE'VE COME FOR YOU ALL」などです。おっと後の2つは過去のレビューがない!いまは非公開にしてある時期(レビューに画像がついてなかった頃)に書いてたみたいですな。どこいったと思って過去ログを必死に探すついでに普通に読んだら、非公開範囲をもっと広げたくなりました。文章に関してはいつでも4〜5年前の自分がこの世で一番つまらねー奴です。
本日のレビューその1:SEPULTURA「NATION」
ということで慌てて書いてます。詳しく書きます。SEPULTURAはブラジルを代表するスラッシュメタルバンドで、たぶんそのへんのブラジル人メタラー(大きめのバンドが来日するとほんとにそのへんにいる)に尋ねたら10人中12・3人くらいはSEPULTURAを尊敬していると答えるでしょう。荒々しい悪魔的なスタイルから徐々に洗練され、91年の「ARISE」でスラッシュ路線の頂点を極めたあとは、アンディ・ウォレスをプロデューサーに迎えた「CHAOS A.D.」でポストスラッシュ・スローダウン現象に乗っかり、これが意外と何の批判も受けず大成功。続く「ROOTS」でブラジル土着のトライバルなグルーヴや民族楽器の演奏などとの融合を試みて、KORN以降のラップメタルスタイルにもあっさり対応。とここで、フロントを張っていたマックス・カヴァレラ(Vo./G.)が弟のイゴール(Ds.)を残してバンドを離れ、トライバル路線を無駄に消費するSOULFLYを始動。明らかに行き詰まりの早そうな方法論をゴッソリ持ち出していってくれたお陰で、残った本体SEPULTURAは持ち前のエキセントリックさをさらに伸ばすとともに、アメリカ出身のドレッド黒人ハードコア野郎シンガー、デリック・グリーンを獲得し、血の濃さを感じさせるリアル・アフロ・グルーヴとより過激なポリティカルさを身につけ、習作「AGAINST」を経て完成させたのがこの大名盤「NATION」です。
黒人には誰も敵わない。とオリンピックの陸上競技かジャズドラマーを見て思ったことが誰しも一度はあるでしょう。このデリック・グリーンという男、結成以来の人気看板シンガーの後釜の座を、前任者とはまったく異なる個性であっさりモノにしてしまった恐るべき器です。習慣的な叫びではない真なるアジテイション。更にメタル界では滅多に聴くことのないラガマフィン的唱法も実にナチュラルにこなす。グルーヴ+トライバリズムという組み合わせに活路を見出したはずが意外とその先がなかった「ROOTS」での作風からは完全に開放され、ノイズのフレーズ化に関して異常に鋭い感覚をもつアンドレアス・キッサーのリフ・メイキングもここでは活き活きと冴え渡っています。へヴィメタルの手足を使って、でっち上げではない昔ながらのテクスチャをいろいろ切り取って、猛烈にアップトゥデイトどころか時代を引き離すような内容に仕上げてきたというこの勇敢さと粋は、時代を振り返ったときにことさら賞賛に値するものかと思います。ニュースクールハードコアみたいなジャケもソリッドながらふくよかなプロダクションも、全ての立ち姿がかっこいいアルバム。
本日のレビューその2:ANTHRAX「WE'VE COME FOR YOU ALL」
続けます。まずは説明します。ANTHRAXはスラッシュメタル黎明期においては、MEGADETHやSLAYERを差し置いてMETALLICAに次ぐ二番人気であったバンドです。デビュー当初はイモくさいハイトーンシンガー(と後のグラインド王ダン・リルカ!)がいてNWOBHMまがいのスピードメタルをやっていましたが、細いながらもしっかり歌えるジョーイ・ベラドナを迎えてしばらくすると、ニューヨーカーらしいシャキシャキした鋭角感とひたすら早足な時間感覚、ハードコアに由来する質感重視のスポーティさ、そして何よりシニカルなユーモアをぐんぐん伸ばし、スラッシュメタルと言われながら常に似る者のない音楽を発展させていきました。やがてPANTERAがイメチェン再出発を切りMETALLICAがまっくろモジモジ君になったりするようになると、シアトルで大爆発を起こしたグランジがもつ生々しさや熱気に感化され、かたち先行のへヴィネスではない、えぐるようなエモーショナルなヴォーカルで精神に作用するようなへヴィさを求めてジョーイをクビにし、レイン・ステイリーmeetsブルース・ディッキンソンというべき希代の逸材、ジョン・ブッシュを口説き落として路線変更。音楽的充実とは裏腹に、変化への対応力が低いメタルファンの受けは特に日本でいまいちで、本国でも次第にセールスが低下。だがしかし音楽的探求の手を緩めることなく、よりダイレクトなロックを独自に鍛錬し続け、遂に行き着いた自信満ち溢れる姿がこのアルバム。
リフは回転の速い鈍器の如く質量と攻撃力を持ち合わせ、しかし重々しく垂れ込めずして曲を曲らしく通す。そうして用意された花道を、それでも狭いとばかりに練り歩いていくヴォーカルの存在感。へヴィメタルであるということは二次的な要素に思えるほど、ANTHRAXは作品を重ねるごとにその「楽曲性」に重きを置いて、へヴィネスやアグレッションといった末端の事象よりも「人に届くこと」自体が音楽の持てる最大のインパクトだ、というスタンスでやってきたように感じています。更に、細かい間の取り方やリフの表情はいつも洒落ていて、いろいろ考えすぎた結果ただひたすらオーソドックスになってしまってクソつまらない…という失敗例とはもちろん無縁。昔から曲を作るのは(ギターリフまでも)もっぱらドラマーのチャーリー・ベナンテだそうなんですが、この人の語彙力の豊富さ、新しく出てくるものを一瞬で私物化して言い換える能力の高さは凄いのです。いろいろ盛り込んだ結果、出来上がったのは「ゴリゴリと研磨されるような体感が爽快な、どこまでも心の広いアメリカン・ハードロック」。彼らの最高到達点はこの先も更新されていくものと思うので、もう何年も次を楽しみにしています。
6 Jan, 2010
▼昨日のMOZARTのレビューの最後で登場した森田君、高校時代にCDを一度に15枚くらい学校に持ってきては貸し借りをして、DIOやY&Tを教えられたりTHUNDERHEADやANTHRAXを教え返したりしていた人で、大学に入ってからはもっぱらジャズに興味が移ってしまったもののそれはそれで色々と教えてもらってたんですが、年賀状で更に家族が増えたとの知らせを受けて久々に電話をしてみたところ、HELSTARの再結成作をチェックするようなどメタラーに返り咲いていて驚いた次第。うっかり「カート・ローゼンヴィンケルがバーゲンで100円で買えた」とか喜んでる場合じゃなかった。彼は歳食ったらジャズ喫茶を開くものとばかり思っていたけど、この分だとピュアメタル・カフェになるんじゃないだろうか。
その会話の中でも出てきたんですが、「CD用マスター制作にあたってオミットされてしまう情報を補う」という大義から外れて、過度のトータルコンプ、更には雰囲気ブチ壊しのアートワーク改変も横行する昨今の雑なリマスター事情は好ましからざるものだなと私も思っていたところでした。バンドロゴに余計なドロップシャドウがかかっていたりした日にゃ、まあ何もしないですけど、とても残念な気持ちになります。行き着く先はやはりアナログなのか。幸福感は絶対段違いなんだろうけど、今のCDの所持量を思うとそこは絶対踏み込んではいけない贅沢である気がしています。
▼以上、要約すると次のとおり。
- 1月10日 (Sun) 名古屋 大須 ell.SIZE
- 「theキャンプのバントでホームラン」
- 18:00開場 / 18:30開演
- DOIMOI / The キャンプ / 徳重ハイ / THE PYRAMID / オープニングアクツ
- 前売2,000円 / 当日2,500円
現時点でこれより先の名古屋での予定が不透明で、もしかして4月の自主企画までないかも知れないので、気になった人はここで見だめをしておいてください。今年は新作つくるぞ〜。
只今のBGM:DESTRUCTION「SENTENCE OF DEATH / INFERNAL OVERKILL」
また風呂で寝てしまったのでごく簡単に。言わずと知れたジャーマンスラッシャーの極初期2作のカップリングです。2ビートが常に「ドッタドッタ」と3連風に膨れてしまう間の悪さはいかんともしがたいながら、伝わる衝動のほどはやはり凄いものがあります。ムチャクチャすぎて。シュミーアのヴォーカルはまだ変な裏声を多用するスタイルじゃなく、まとも。あれは狂気云々という問題ではないと思うのでこれで充分なんだがなー。さておき、前々回に登場のHOLY MOSESと同じく、今となってはハードコア畑の人にこそお勧めかもしれません。
5 Jan, 2010
▼この日記のレビューのジャケ画像は、保存するときにファイル名を「西暦下2桁+月+日」としています。最初の2字が07から08、08から09…と移行してきたのはまずまずスムースにやれたんですが、今年に入って10で始めるってのがどうにも慣れないですね。ま、言うてもまだ5日目ですけども。どうもありがとうございました。
▼衣装ケースからちゃんとした棚へガバガバと適当に移したCDの整理が今日ようやくだいたい完了して、凄く満足感に包まれているのに誰とも共有できないこのもどかしさ。セクションごとに接写して片っ端から日記に上げればいいのか?それはさすがにやりませんので、各自ツアーを組んで視察に来てください。
▼最近ときどきアコギの練習をしています。カポタストの意味がやっとわかりました。
本日のレビューその1:MOAHNI MOAHNA「TEMPLE OF LIFE」
某B!誌で80点台後半を獲得して、その後中古盤屋で散々見かけるという、手を伸ばそうかどうか迷っていた90年代メタラーの方も多いであろう品。年末に100円で見つけたので私が人柱になりました。「RAINBOWラインの様式美」という形容は実際よく当たっていて、本家より更に大仰なオーケストレーションを施したり、あるいは中近東フレーズを多用したりもしています。で適度に古臭さもある。うまくなりきってはいるが何故だか耳に残らないのは、シミュレーションに徹しすぎてて「うんうんいいね、あとでRAINBOW聴こ」という気分になってしまうのと、端々の感じは限りなくロニーなのにREPERTOIRE再発もののB級ブリティッシュハードみたいなオヤジ声のヴォーカルにどうにも移入しきれないせいかと思います。もう少しリアルな熱らしきものが感じられればWOLFみたいになったかも知れない。
本日のレビューその2:MOZART「MOZART」
こちらは某B!誌のレビューで高得点を獲得したうえに、その編集長と出版元の社長による深夜ラジオ番組でも再三プッシュされて、中古での発見率も非常に高い、「う〜ん買っとくべきか?」と悩んだ90年代メタラーの方も飛びぬけて多いであろう品。同じく100円でゲットです。音楽性がQUEEN似であるだけにとどまらず、本家を手がけたロイ・トーマス・ベイカーがプロデュースしてしまったというのも話題の種でした。4層くらいでウ〜と来るコーラスワークなどは完全に本家そのものながら、こちらもメインヴォーカルが、声を張るとすぐにデイヴ・リー・ロスを胡散臭くしたような成分が出てしまって、どうもその部分で一定以上垢抜けられないという印象を受けてしまいます。ただ各曲のフックに関してはなかなか思い切ったアイディアを持っていて、バリエーションの豊富さも含めてコンポジションに関するセンスはなかなか高いようです。QUEENとかポップ化が進みかけたKANSASとかが好きな人、それはもろこのアルバムを大推薦してくれた高校の友人・森田君のことですが、そんな人の耳にはかなりヒットすることでしょう。
4 Jan, 2010
▼2日の晩は大学時代のサークルの人々と鍋。「と鍋」というか、告知された開始時刻どおりに開催場所に着いたら、写真のものが出来上がってました。非常にうまそうなのでぜひクリックで拡大表示を。お母さん役チームが自分の食事そっちのけでどんどん追加の具材を投入してくれて、実家のごちそうばりのクオリティと満腹具合でした。家主のヒラヤマくんとリョウヘイくん率いる調理部隊のみなさん本当にありがとう。
3日は自分の実家でまたたらふく肉を食い、年末の31日から4日連続で胃袋を酷使した結果、最終的にはしゃっくりが痛いという事態に(満腹が度を超すとしゃっくりが出る派ではない人は、分からんと思いますが…)。消化器官と横隔膜よお疲れ様。こんにちは世を忍ぶ仮のくそ忌々しい通常営業の日々。とりあえず今度の日曜のライブの翌日が祝日だということだけを励みに今週は生きていきます。実家から運んできた最後のCD棚が部屋に入って、いまの家も結局引っ越し前とほとんど変わらないCD屋敷になり果てた次第です。
本日のレビュー:HOLY MOSES「REBORN DOGS」
奇跡の来日をするんだったかしたんだったかの、ジャーマンスラッシャーの92年作。ジャケが凄いのでてっきりもっと初期の作品だと勘違いしてました。ダン・リルカ(BRUTAL TRUTH)が参加した94年の大名盤「NO MATTER WHAT'S THE CAUSE」の前作に当たるだけあって、ハードコア〜グラインドっぽい鋭角さとドライさをたたえた質感のリフが冴えてます。ヴォーカルもザビーネ・クラッセン(♀)とアンディ・クラッセン(♂)が半々の割合になっており、ザビーネがメインだった過去の作品と比べると骨太感が相当アップ。ザビーネの歌唱法自体も、低めの音域でかなり醜悪に叫び散らしてます。スラッシュメタルのつもりでメタラーが手にすると若干無機質すぎて淡白?に感じるかも知れないですが、極悪スラッシュコアだと思えば、この内容はかなりのありがたさでしょう。
2 Jan, 2010
▼一日遅れの新年のごあいさつになりましたが、今年もよろしくお願いいたします。ついに00年代も幕引きということで、「00年代の名盤」的な企画もやれてしまいますね。そのうちまとめられるように考えときます。元日はバンドのホームページを更新したくらいであとはおせち・初詣・年賀状チェック・特番見つつのすき焼きと、ごくごく一般人として過ごしました。特番のワンコーナーで「総額37万円と37億円の楽器を使った弦楽三重奏を聴き分ける」ていうのがあって、間違ったらどうしようと思ったけどちゃんと当たって安心した次第。
そういえば大晦日は紅白でしたけども、時の人を無節操につぎ込んで混沌を極める凄い番組になり果ててますね。森光子の眼はもうどうなってんだか分からないし…MVPはアリス(の谷村新司)でした。
本日のレビュー:DEEP PURPLE「RAPTURE OF THE DEEP」
新年1発目がこれかよっていう2005年作。98年の「
ABANDON」までしか知らなかったですが、そのあとに「BANANAS」というとんでもないタイトルのを1枚挟んで、これも出てたみたいです。スティーブ・モーズ体制になってからのDEEP PURPLEは非常に好きで(「
PURPENDECULAR」名盤でした)その延長線上を期待したんですが、若干カラーが変わってて、というか引退したジョン・ロードの後釜としてキーボードがドン・エイリー(ex.RAINBOW)に代わっていてそこにまずびっくり。よりオーソドックスなハードロックに立ち返った上で、ひととおりの「ベタ」を知り尽くした大ベテラン達が、よくあるグルーヴを変則的とまではいかないまでもほんの少しだけ違う響きにして聴かせるような、なんとも奥ゆかしく説明しがたい内容。無音の瞬間にこそ質量が発生するかのようなスティーヴ・モーズ(g.)のグルーヴ表現と、それに応える天然スウィンガーのイアン・ペイス(ds.)の鋭さ、この二人の妙技だけで全編聴けてしまいます。NIRVANAの次に聴いたロックアルバムがこれ、という中学生には何がなんだか全然伝わらないと思いますが…。それにしても何と凄まじいジャケだろうか(クリックで拡大)。