29 Jul,
2008
▼鶴舞KDハポンのPA・星さんと、大学の先輩フジノさん率いるBOOKHOPEが一緒に出るというので仕事帰りに今池得三へ。行ったら星さんの出番は終わっていた…見たいライブも見れない生活とはこのことかとガックリ。しかし広めの会場で聴くBOOKHOPEは、87〜91年くらいの、アングラフィールドで活動していたいわゆるグランジ/オルタナバンドがメジャーに拾われてしまった第1弾レコードみたいな、なんとなく全体的にコンプをかけ足りないダメ〜な感じがもの凄い良かったです。まさにその時期のMUDHONEYとかを聴く感覚。BOOKHOPEだけ聴いて帰るというのでは余りに切ないので、いろんな人と話しまくって24時近くに帰路に就く。
来週の一人ライブは何やろかなー。
8月4日(月)
名古屋 今池 得三
コノテーションズ(ex.シロクマ) / 杉山明弘(DOIMOI) / 弓削聰
19:00開演
前売・当日とも 1,500円
本日のレビュー:HADES「...AGAIN SHALL BE」
アメリカに同名バンドがおりますが(そっちはWATCHTOWERの2ndで歌っているアラン・テッシオ在籍のテクニカルスラッシュです、
最高!)、これはノルウェーのデス?ブラック?メタルバンドの94年リリースの作品。デスメタルというにはブルータリティが足りずやたら悠然としており、かといって(しかもノルウェーだからといって)ブラックメタルと言い切れるほど必要事項を明確に踏まえてはおらず、音としてはヴァイキング・ブラックというのが一番近いでしょうか。まーとにかく渋い。何々賛歌といった感じの妙な高揚感を煽る単純なメロディに、締まらない演奏と録音。MANOWARの遅い曲ばかり集めてきたような雰囲気もあり。品行方正なデスメタラーの7割は「うぇっハズした」といって売ってしまうに違いない内容ですが、これがいいという人は確実に存在するはず。あっ自分だと思った方は探してみてください。
27 Jul,
2008
▼ちょっとやることがあると平気で数日更新が抜けてしまうようになってしまいました。以前、叶姉妹がテレビで「挫折って何ですの〜?」と本気で言っていたことがありましたが、私は「時間が足りない」というのがどういうことか最近ようやく知りました。使い方とかじゃなくてほんとに足りなくなるんですね。となると「休み」ってスゲー!と、13時くらいから始めたバンドのレコーディング(ギター録り)の途中の16時くらいにふと思いました。休みってすごいですね。今日はむちゃくちゃ作業しました。そしてこれからの時間は、今週発生するであろう会社の仕事を無償で減らすか、引き続き録った音源のミキシングをやるかで悩んでいます。
本日のレビュー:ORNETTE COLEMAN「THE COMPLETE SCIENCE FICTION SESSIONS」
そう収集しまくってもしょうがないと気付いてからかなりご無沙汰なフリージャズですが、これは何となく気になって買ってみたら大当たり。ハーモロディック化寸前の、無定形なりに表現の洗練されたフリージャズ然たるフリージャズの限界が聴けます。無責任なナンセンスさもなければ、決まりきった形どおりの逸脱ごっこでもなく、「演奏の自由」をその一次元上から操作・管理した、実り豊かなアヴァンミュージック。崩壊するアンサンブルに確実にフレーズが存在して、さも何かであるかの如く悠然と歌い上げる女性ヴォーカル…って最近何かで聴いたなと思ったら
ザッパでした。心優しいのか腹黒いのかアホなのか分からないがやたら余裕のあるユーモアセンスはこの人ならでは(しかも最終的にはハートウォーミング)。テーマを次々切り替えて笑わせてくれるので、アルバム1枚・全2曲…みたいな初期の代表作より聴きやすいかも。80年代NYアンダーグラウンド〜90年代ポストロックにもかなりダイレクトなつながりが見える作品です。
23 Jul,
2008
▼本日の収穫、APPLE社iPod classic(80GB)。手動で好きなように扱うやりかたはもう覚えました。あとはジャンジャン太らせていけばいいんだろうけど、しょぼい巾着程度の袋すら付属しないのと、付属のイヤホンがかなり「ナシ」なのとで、早くもアップグレードを思案中。とりあえずオーディオアンプにつなぐ用のYケーブル(もちろんBELDEN8412)はもう注文しました。
本日のレビュー:DEATH「LEPROSY」
USテクニカルデスの雄・DEATHの、初期の名盤と誉れ高き91年2nd。現ディスクヘヴン名古屋店のビル・アンドリュースが在籍してる頃です。
エド・レプカによるジャケが最高。楽曲スタイルはどっちかというとB級スラッシュの流れを汲む感じですねー。ヴォーカルは醜悪極まりないですが。CELTIC FROSTか「BENEATH THE REMAINS」の頃のSEPULTURAがジェフ・ウォーターズ(ANNIHILATOR)ばりに器用になったみたいなリフの音運びが非常に独特で、その後遥かに複雑なメロディをコントロールするようになる兆候は確かに感じ取れます。ギターソロの割り込ませ方とかは「INDIVIDUAL〜」の頃ともそう変わらない。土台の部分は昔から一定で、テクニカルな要素はATHEISTとかに触発されてやり始めたことなんではないか?という気もします。後期の作品を愛する人間ならこれもちゃんと聴いておくべきでした。
22 Jul,
2008
▼収穫はなし。おおっ気がつきゃもう明々後日だった!
7月25日(金)
名古屋 鶴舞 KD JAPON
「俺ロックフェスティバル」
タケ(のうしんとう) / 杉山明弘(DOIMOI) / 大畑美季(リツコ) / 神谷俊明(ジョンのサン) / 平出まさみ / 石原理人
19:00開場 / 19:30開演
前売 1,500円 / 当日 1,800円
今までの一人演奏は、曲ごとにどういう楽器を使って云々…というのをいつも相当作りこんでいたんですが、今回は持ち時間が一人15〜20分ということもあり「敢えて周到に準備しない」でいくことにしています。歌詞だけ用意して何も持たずに行ってきます、どうだろうか。
本日のレビュー:BELMONDO / YUSEF LATEEF「INFLUENCE」
フレンチジャズ界で人気だというライオネル&ステファンのベルモンド兄弟と、愛とユーモア溢れるエスノ・スピリチュアルを老いてなお追究し続ける大御所中の大御所ユゼフ・ラティーフの共演作2枚組。2006年にフランスのレーベルからリリースされてます。
プレーヤーに入れて再生するや否や、60年代前半のコルトレーン・カルテットを軽くTZADIK風のチェンバーなSTINGにしたみたいなアブストラクトなやつがユラ〜ッと流れてきて、うーむ想像通り…と予定調和を感じつつも素晴らしいものは素晴らしいので素直に喜ぶ。管楽器ばかりやたらと集めた重編成であやしい祈りっぽさが更にアップしてます。
演奏者は変わらずにディスク1はベルモンド兄弟、ディスク2はユゼフ・ラティーフと半々にリーダーを務めてまして、曲順どおりに聴きながら書いてる都合上ディスク1はそんな感じでしたが、2のほうは程よくダサイというか、単純なフレーズがポン、ドン、と置かれるようなぶっきらぼうさがいいです。染み出るブルーズフィーリングが最高、なおかつ慈愛深い。ジャズファンじゃないと聴けないような囲い込み感が全然なくて、ディスク2の2曲目なんかTORTOISEに似たような曲あった気がするし(そんで4曲目はLABRADFORD)、生楽器の響きにとりつかれてしまったポストロッカーなんかにバッチリおすすめです。というかユゼフ・ラティーフの衰え知らずなクリエイティヴィティが圧巻。この人はそのうち天寿を全うして生まれ変わってもまだ音楽やってるような人でしょう。
21 Jul,
2008
▼昨日はバンドのベースの篠田君がウチへ来て、アルバム用のレコーディングをやっていきました。
私もやったことありますが、ベース録りを10曲分ブッ通しというのは相当キツイもので、指先とか、指の付け根から腕あたりの筋肉がひどいことになります。ベース弾いたせいとは思わないほどの範囲と程度で。今頃篠田君、ゆでたパスタの皿でも持とうとしてカチャーンと落としたりして「何だこの手に力が入らない病気は…」と青ざめていることでしょう。
▼で今日はその編集作業。90年代後半以降くらいのバキバキッとした感じのCDを聴くと以前は「ギターもベースも、休符でここまで完全に無音にできるとは、プロ(の演奏)って凄いんだなぁ〜」と思っていました。しかしそんなものはパツパツと切ってスッと消せば済むことだったんですね〜。PCでミキシング最高。カセットMTRを愛用してるような人ならまだしも、ハードディスクレコーダーに変に固執している人がいたら即PCへの移行をおすすめします。
▼諸々の作業と睡眠時間優先で中身の薄い更新が続いております。せっかくCDも買ったのになー。半年前の(もちろん自分の)暇を1時間100円で買い上げたいわ。
19 Jul,
2008
▼ひさびさにこれを書けます…本日の収穫
。サウンドベイ金山にてDEATH「LEPROSY」、HADES「...AGAIN SHALL BE」、NAZARETH「PLAY'N'THE GAME」「NO MEAN CITY」、MORTA SKULD「SURFACE」。同・上前津にてHELLHAMMER「DEMON ENTRAILS」、ORNETTE COLEMAN「THE COMPLETE SCIENCE FICTION SESSIONS」、BELMONDO/YUSEF LATEEF「INFLUENCE」、HERB ALPERT「WHIPPED CREAM & OTHER DELIGHTS」、COWS「SEXY PEE STORY」。手堅くいったつもりのやつがボチボチで、どっちでもいいけど揃えとくか〜と思ったやつが当たりだったりしました。どっちにしろもう一日30枚とか買うことはないな。今日の枚数ですら買い過ぎた気がしています。うーん社会復帰。
▼そのまま外で昼を済ませてきたわけですが、なか卯は常にクオリティ高いですね。「すだちおろしうどん」良かった。
本日のレビュー:COWS「SEXY PEE STORY」
AMPHETAMINE REPTILEの隠れ名バンドCOWSの93年作。この欄にも
ボチボチと登場してる人達です。93年にしちゃコンプ甘め&リヴァーブ多めなプロダクションがちょいと残念ですが、内容は相当発奮してます。KILLDOZER系の酩酊ジャンクブルーズを基調にするのはいつものことながら、やたらアップテンポでハイテンションで攻めてくるのが珍しい、そしてカッコイイ。JESUS LIZARDとTHOUGHT INDUSTRYの中間みたいな感じでしょうか。AMREPだからということでHELMET云々、HAMMERHEAD云々…とつなげるよりも、SPIRAL CHORDとかLOSTAGEあたりがツボの人にオススメしたい。遠まわしに下品な表ジャケといい、裏ジャケの狂ったメンバー写真といい、気に入ると思います。
18 Jul,
2008
▼収穫はなし。生きてます。生きていれば、バーゲンだって行けます。ということで明日は朝から金山サウンドベイ。
▼遂に私もiPod買う気になりました。注文ならもうしました。
本日のレビュー:CHICAGO「VIII」
(日記本文からの続き)明日こそは、「持ってないのどれだっけ…」と迷わないようにしたい。ほぼ全てのアルバムタイトルを通し番号で済ませているうえ、バンドロゴをあしらったジャケもやたら雰囲気が一貫していて、そこまで大好きでなくとも意地でも全部集めたくなるCHICAGO。自室の棚を調べてみたら、抜けてるのは「IV」と「17」とあとは19以降のぬるい時代だけであることがわかりました。(通し番号のためだけに意味のないベスト盤も揃ってます。)ひとまず「IV」を印象づけるために「V」か「VII」を聴こうかと思いましたが、その2枚は割と記憶に残っている方なので、どんなんだっけというこの「VIII」を今回は。こんな枕はいらないですね…
内容ですが、何やら立ち上がりが異常に悪いものの3曲目"Never Been In Love Before"が軽くGENESIS風のソフィスティケイテッド・ソフト・ロックな趣きで非常によろしいですね。どうも全体的に、余裕があって焦らないさまを装いつつ大人のシブみを結構ホレホレと見せてくる感じが、STEELY DANとかに近くなってる気がします。あんたらもっと泥臭いバンドじゃなかったか。いや、変化するのは結構なんだけど、単純に引っ掛かりに欠ける曲が多いんですかな。オッと思うやつは大抵ちょっとプログレに毒されている。終盤の"Long Time No See"とかもYES+KANSAS+JETHRO TULLかという感じで。そういやこれの1枚前の「VII」も相当プログレづいてるアルバムでしたが、この頃のCHICAGOのメンタリティはどういうことになってたんでしょうね。「目鼻立ちのよい曲が集まった、まともな好盤であった。」と素直に片付けられない分だけむしろ興味深く思える、ちょいと変なアルバムでした。
15 Jul,
2008
▼収穫はなし。髪切りました。このサイトでは原則、良いものであればメーカーの回し者かと疑われるほどの賛辞を書きたてるわけですが、たまに公正性を示すために「これはマズイ」というものも書いておきます。
1〜2年前の日記で「シンプル工程、出来に問題なし」とご紹介した某「10分1000円の理髪店」、その後の勝率は実は5戦3敗程度に落ちているのです。前回非常にやる気のない人間が出てきてかなり懲りたんですが、今回は遂にテクニカルな面で死ぬ程至らない人にあたって、この勝率にこれ以上賭けられんな…と遂に卒業を決意。
といっても困るわけです、私がそこを選んでいた理由の大半は、「癒し空間的な余分なもてなしが一切ない」「喋りたくもない身の上をグダグダ喋ったり聞いたりしなくてもいい」というところだったので。「昔は『作れば売れる』時代だったからねぇ〜」みたいなライトな会話とか、全然必要ないし、「今いくつ?社会人何年目?てことは…」とか、聞く意味もないのに暇潰しで掘り下げてくる奴は即刻日本を去ってもらいたい。そんなミサントロピストにも優しい男性向けの理髪店を名古屋市内でご存知のかたからの情報提供を熱望しております。
本日のレビュー:MIND ODYSSEY「NAILED TO THE SHADE」
前回レビューに登場のRAGEに加入して今やすっかり主要メンバーになってしまったヴィクター・スモルスキ(g.)を輩出したバンドがこちらのMIND ODYSSEY。RAGEと同じくドイツです。デビュー当初はアグレッシヴ/メロディアス/ファスト/ポップのどこにも寄りきらないような微妙なスタイルだったんですが、98年にリリースされたこの3作目は本当に最高。シンセを交えたDREAM THEATER〜ELEGYラインのプログレメタルスタイルを踏襲しつつ、歌メロの明快な流れできっちりツカむ佳曲を一挙に増やしてきて、ズバッ!と垢抜けました。ラルフ・シーパースのばったもんみたいなヴォーカルもまあ堂々としているし。そしてヴィクター君のギターが異常に巧くてセンスも抜群。
IVANHOEの3作目と並ぶ90年代ジャーマンの名盤です。プログレメタル的な懲り方をしつつガツンとストレートに楽しめるメタルなんてものを、それこそELEGYとかが気になったことのある人なら一度は夢見ると思いますが、これがまさにそれ。変に入手困難になったりする前にサルヴェージです!
13 Jul,
2008
▼収穫はなし。突然ですが、「今度ライブやるんですけど来てくれますか?」的な連絡をとるのが苦手なドイモイメンの、善意を頼るお知らせ手段として、メーリングリスト(メルマガ?)でもやってみることにしました。いらない話も書きつつ定期的に配信できればと思っております、こっちから登録おねがいします(フォームに記入・送信するだけでOKです)。ちなみに登録中/後の確認メッセージもあほらしい感じにカスタマイズしてますので、実際にやってみて確かめてください。
▼髪を切りたい。平日に切ってる暇がない。休日にやりたいことの中で「散髪へ行く」の優先順位はかなり低い。といった事情を夏の暑さが上回ったら頑張って切りに行こうと思っています。うー暑苦し。
本日のレビュー:RAGE「REFLECTIONS OF A SHADOW」
ちょっと前にまとめ買いしてから改めて気になっているドイツのRAGEの、こちらは90年作。このアルバムと「
END OF ALL DAYS」がお気に入りなんでございます。
初期RAGEってのは、
以前もご紹介したとおり相当まともではない感覚をもったバンドで、そんな彼らもヘヴィメタル全体の洗練が進んでくるにつれて「まっとに泣ける」とか「ちゃんと勇壮」というのができるようになってきます。トリオ時代の名物ギタリスト、マンニ・シュミットの脱退に伴ってグッとノーマルな方に寄るんですが、彼がいる間も少しずつそっちに接近はしていて、このアルバムはちょうど「うす皮一枚向けてメジャー感を身につけ始めたか?」という境界の時期でした。変にキャッチーなミッドテンポが頻発し、エグエグに歪んだギターとピャーピャーいうハイトーンなのにノリが軽薄でダンサブルだったりするという妙な事態。どうすればヘヴィメタルになるかを的確に捉えているようでいて、「これぞ!メタルだよね〜」とは死んでも言わせないという屈折ぶり。しょーもないドロくさフォークをメタルでカヴァーしました、というような感じを作曲の段から狙ってきたかのような"Saddle The Wind"とか、メタルとしては全然まともに燃えられず、何をしたいのかわからんけど凄い。軸の歪んだ「トリップ・メタル」としても通用します。好き者な非メタラーもRAGEだけは要チェック。
12 Jul,
2008
▼収穫はなし。ドラム録りのつづき(エンジニアとして)。今日もよい感じに録れました。密室でメンバー同士サシで録るのは、曲の細かい部分のイメージあわせにもなるので、非常に充実した時間に感じられます。ドラムはこれで収録予定の10曲分すべてが完了し、現在のレコーディングの進捗度は20%。
本日のレビュー:TRAINDIDGE「ON A LAKE OF DEAD TREES」
ミキシングの参考に最近聴いた品。目指したいのは「TORCH EP」のプロダクションなのですが
過去に登場していたので。こちらは2002年の2ndアルバムです。知らない間に何やら2曲追加してリマスター再発になってたようですが、追加収録された曲は
GUNFIGHTERとのスプリットの2曲らしく、それは持ってるのでまあいいでしょう。
この欄には何度となく登場しておりますが改めて、90年代末にオクラホマから登場したTRAINDODGEはですね、メタルハートを秘めながらにしてポストコア/グランジの影響下にある屈折豪腕ロックを鳴らし続ける、イカした3人組なのです(一瞬4人になった時期もあり)。パワーと屈折と男泣きの配合比はJAWBOX(およびSHINERやMOLLY McGUIREなどのJAWBOX後継者世代)、静の描写とねじれた和声感覚はFUGAZI、どぅ〜んと這いつくばる低音の扱いはQUICKSAND、爆発するかの如きエキセントリックさはBARKMARKET。一方でリフの自由さがVOIVODであったり(それゆえ時々ROADSIDE MONUMENTに似る)、重たさがHIGH ON FIREやMASTODONであったり、リズムのメリハリの快感がKING'S Xであったり、とにかく「でかいものと引っ掛かるものとズッシリくるものは何でもやる」という感じが痛快。
リリースを重ねるごとに少しずつ居直り度が進み、最近では
かなりとんでもないことになっているんですが、2002年の時点ではまだポストコア色を強く意識していた様子の作風になっています。曖昧な和音を使うことが多く、複雑度は高めでも、あくまでツブが大きく感じさせるのは本当にこの人達独特のセンス。メンバー全員雷様か熊かというリアル大粒人間であることも少なからず関係しているのでしょうか。マスロックとかそういうのが好きなんだけどもっと薪を割ったように演奏する連中はいないのかな〜と思っていた人がいたら絶対買って下さい。そうでなくとも、ロックのロックたる意味を思い出させるバンドとして誰にでもおすすめ。その点では近年作の方がより良いでしょう。
11 Jul,
2008
▼随分と連続で更新さぼってました。珍しく3日連続でアルコール入っております。
ひとまず水曜はアポロシアターにてライブだったということで、あの日は非常にいい時間を過ごさせていただきました。「どうせ極端な音楽なら、ドン引きさせるのもまたインパクト。どっちつかずより数倍マシ」という考え方で割と最近まで通していたんですが、それをやめて積極的に話しかけたりするようにしたほうが結果は何倍も充実する、ということにようやく気付き、あっさりと考えを変えました。温かい会場でよかった。
▼という我々DOIMOIの近況ですが、(オフィシャルサイト更新しろって話ですが)レコーディングが進行中です。作ったらどこから出るんでしょうか、それは私も知らないことでございます。
7 Jul,
2008
▼収穫はなし。去年の今日は西暦下1桁から7がみっつ並ぶきれいなゾロ目だったのかと思って、一年前の日記を見返してみたら、ただ七夕としか気付いてなかったみたいで自分にガッカリしました。
本日のレビュー:HARDLINE「DOUBLE ECLIPSE」
ちょっと前にJOURNEYを聴き返した流れで、ニール・ショーン(g.)を再検証してみたい熱が高まっておりまして、このHARDLINEです。JOURNEY解散後に活動してアルバム2枚を残したBAD ENGLISHのその後に結成されたバンドでした。数年前に奇跡の再結成をしましたが、これはそのずっと前の92年に1枚だけ作られていた1stフル。JOURNEYともHSASともBAD ENGLISHとも違う、相当ワイルドなメロディアスハードロックをやっております。まさにこの時代のMCAによくいた、ポストCINDERELLA世代という感じの若手の如し。
このアルバムを知る人に、どこが素晴らしいかを尋ねたら、十中八九「シンガーのジョニー・ジョエリ」という返答が来ることでしょう。RIVERDOGSのロブ・ラモスがハイトーン寄りになって更にギョリギョリとした押しの強さと粘りが加わったような、申し分ない風格を備えた逸材中の逸材。そして名曲"Hot Cherie"にLove Leads The Way"。泣かせどころは周到に泣かせるし、スリージーなバッドボイーズスタイルも完璧にこなす。目立った名曲は大概、ニール・ショーンらが合流する前に存在した前身バンド・BRUNETTEのものだとか。
となると元JOURNEYの肩書きがついた御大ニールは何やってんでしょうか。暑苦しくはあるがさほどニュアンスの妙がなくて、時々堰を切ったように高速パッセージを織り込むリードギター。らしいなーと思うのはそのくらいなんですが、実際そんなもんということでいいんでしょうか。バッキングギターの音色はそういえばなかなか良いです。
ああ私はBRUNETTEのままデビューして欲しかった。変に大物に巻き込まれてアルバム1枚で倒れるようなことにならず、グランジに呑まれてでも2作目・3作目を作ってもらいたかったですよ。まあこのアルバムが実力を広く知らしめる機会になったジョニー・ジョエリはその後、AXEL RUDIPELLのシンガーに抜擢されたりするわけですが…栄転とはいえないな。などという切なさも相俟って、なんとも忘れ難い1枚なのであります。
5 Jul,
2008
▼自宅で軽くバンドの音源のミキシングを進めたあと(RESCUE最高!)、鶴舞KDハポンにて休日の夕べを楽しんで参りました。THE ACT WE ACT(豪華フルメンバーの7人編成)、ECD+illicit Tsuboi、NICE VIEWというどこにも無駄がない3組。
まずTHE ACT WE ACT…ですが、これは後日別のところに寄稿することになっております。お楽しみに。
二番手ECD+illicit Tsuboi。ヒップホップの人のライブを見るのはイルリメ以来2度目。ターンテーブル担当のツボイ氏がとにかくパフォーマー。バンドの爆音とはまた違った勢いとバイタリティで、予備知識もなければ日本のヒップホップ界での位置付けすらも知りませんがとにかく楽しめました。レコードプレーヤー(とその針、およびレコード盤)ってタフなんですね…。
そしてトリがNICE VIEW。冴えてないNICE VIEWなど見ることはないわけですが、今日は特に冴えていたのか、大入りの会場がひときわ沸いてました。ハポンで初めてクラウドサーフを見た。(厨房のグラス棚に墜落しやしないかとヒヤヒヤしましたが大丈夫でした。)
終演後ライトが点くと、モワ〜ッと白く立ち込める人力スモーク。いい夜だった。色んな人とも色々話せました。ほんといい夜でした。
4 Jul,
2008
▼収穫はなし。こんだけCD買ってないと、前々から「機会があればいつでも買えばよい」と思っていてまだ持っていないものとかを新品で根こそぎまとめ買いしてしまえばいいのではないかと思います。まずは早急にTHIN LIZZYコンプリートせねば。「RENEGADE」の在庫はあるかWOUNDED BIRDよ?REPERTOIREのJUDAS PRIEST初期作は?EUROPEのリマスターは?うむ、意外に買うもの多い。
▼サイトリニューアル&移転後しばらくというか結構長い間、なぜか検索エンジンでのヒット数がガタ落ちしてまして、実は地道かつ非常に地味なSEO対策的なものを講じてみていたのです。でその成果が実ったのか、単純に時間が経って検索エンジンの巡回ロボット(って何ですか
??四角い顔と透けた目のついた超オールドスクールなやつを想像してるんですけど…)にURLが浸透したのか、検索ヒット数がようやく移転前に迫る調子に戻ってきたのが喜ばしいここ最近です。
それでもサイト名で検索すると、未だに旧サイトが一番上に来るので、旧サイトのtitleタグ内を無駄に長くすることで
対処してみました(タイトルバーに注目)。これまた一ヵ月後くらいに効果が出てくるんでしょうかね。あとは
バンド名を検索したときに一番上に表示させるのがいつか達成したい野望です。きっとこのお店の人も迷惑がっていることでしょうけど、そこをむしろインストアライブとかやらせてください。
只今のBGM:CHEER-ACCIDENT「WHAT SEQUEL?」
購入以来2度目の登場ということでBGM扱いで。(初回は
こちら)ほんとこれは繰り返し聴きたくなる、単純なようで奥がある、最高の1枚です。プログレッシャーは聴くべき…とか書いてしまうと、プログレを聴き込んだ人間しか反応できない記号がたくさん入ってると勘違いされそうですが、さにあらず。ロックとしてのプログレのごくごく感覚的な良さというか、曲がりきったアイディアがロックの器を借りて鳴らされるときに特有に発生する快感というか、そういうものがゴチャゴチャに散らかりながら、芯になる詩情を実は凄く丁寧に包んでいる…というまあ観念的な書き方がよく似合う、何度聴いても非常に漠然とした音楽なのです。なおかつ「いい曲」満載だから信じられない。過去作のシリアスな大作志向も、音響的逸脱をアピールするシカゴ属性然たる部分も、表向き姿が見えなくなってなお確かに生きている感じがするのが何だか空恐ろしい。20年以上のキャリアに渡る屈折実験の末の境地がこの脱力した「アホアホ」と「泣ける」の同時進行なのか。
3 Jul,
2008
▼収穫はなし。大学時代のバンドサークルの先輩には「昔メタルを聴いていたが、いつからか楽しめなくなった」という人が多くて、年を経ると自分もそんなものなんだろうかと心配していた(というか脱メタルしかかっていた)時期があったんですが、その壁を完全に乗り越えてむしろ中高生当時以上のメタル体質になってしまった今や、「暑苦しく熱唱するメタルに心底癒される」という特技を身につけております(一部のレジェンド的バンドに限る)。疲れて帰ったら騒がしいメタルなんて聴きたくないよとか、メタルミュージシャンですらインタビューでそんな風に言ったりするのが信じられない。まあそんだけです。
本日のレビュー:UFO「FORCE IT」
ちょっと前にTRAINDODGEのMYSPACE内ブログで登場していたUFOの75年4th。いわゆるHM/HRらしい泣き要素やらガッツィーな感じやらはさほど前に出てないので、80年代以降の完成されたメタルから先に入ったリスナーには少々難しいかも知れないバンドです。ともかくギターのマイケル・シェンカーを思い入れで聴く人からの需要がもっぱら大きいんでしょうか。
穿ったところから見ると、こういう「収まりどころを特に決めてないハードロック」は驚きの発見の連続で相当面白いのです。その気はなくともやたらアシッドな(今ならストーナー系バンドがわざわざやるような)音色で歪まざるを得ないバッキングギター、不意を突くカウベルに突如入るエレピ(曲も軽くFREE DESIGNとかっぽかったりする)、その後淘汰されて他では耳にすることがない感じの妙なキメフレーズ・キメリズムの数々。そしてピート・ウェイの下手すぎるベース。フィル・モグのヴォーカルは尖がった感じがカッコイイんですが…。
と天の邪鬼ぶってみてもやはりマイケルのギター、および後のMSGの影が見えるソングライティングがやっぱり一番気になります。この人ニュアンスは割と平べったい(表情があるなりに一定の強さ以上でしか演奏しない)ですが、場つなぎ的な細かいパッセージですらくっきりと太い線で歌がつながっていくのが奇跡的。HM/HR界のリードギター・フレージング部門の王者にはこの人よりほかにおりません。
ということで結局どこを勧めてるのかよくわからん感じになってしまいました。近頃は漫然としたレビューが多くてすいません。ビギナーは普通に代表作3rd「PHENOMENON」から。
2 Jul,
2008
▼昨日は、先月にソロアルバムをリリースした曾田"アイゴン"茂一さんのライブを見に今池得三に行ってきました。堂島孝平・大森はじめ両氏とのトリプルヘッドライナー座談会の様相でしこたま笑った。そして狭い会場でじっくり聴く曾田さんのギターは巧かった…。さすがスタジオワークが長いだけあって、そのへんのバンドマンと一番違うのはリズムです。ただのバッキングがどこまでも最高。PINBACKからの感化も大きいソロアルバムの曲は独演アレンジでも非常に映えてました。「デトロイトメタルシティ」のサントラで共演したかった!!
▼そして今日はJOAN OF ARCまつりに行けなかった。こうやって大人の階段のぼるのですか。帰って夕飯食べながら見たテレビに映った小学生は実に楽しそうでした。はかない笑顔であった。生きていることのリアルスケールの実感もないままフラフラと学生たのしー、とやってきて、やがてうえー大人つれーこの世つれーといいながら我が子の「学生たのしー」を確保して満足、終了、という伝達サイクルは、人間の最後の感情につけ込んだかなりひどい構造なんじゃないすかね。そうじゃないと回らんこともないんだろうけどそこへ向かうんだな。
理性のせめぎあいに見えて、利害と摂理にのみ従うのはただのでっかい野生ですな。精神の充足には何があっても理性を保つのが重要。阻害要因は大変多いのでみんな苦労します。
サーーッッッック。
只今のBGM:CAPITALIST CASUALITIES「DISASSEMBLY LINE」
先日、中古CD屋で見かけて、持ってたかな〜…と思ってヤメといた品が、家にありました。よかったよかった。このへんの人達のCDはほとんど統一フォーマットみたいなジャケなので記憶するのが大変です。SLAP A HAMは全部廃盤なので転売用に買っといてもよかったけど。
ということで西海岸パワーヴァイオレンスの王(とか書いてるけど全然その周辺のこと知りません)CAPITALIST CASUALITIESの92年作。大して詳しくないなりに非常に清々しくてカッコイイと思います。メタリックというほどではないものの妙に根詰めた感じのする低めのリフが効く。ハードコアマナーにのっとってとりあえず速いです、叫んでます、という雰囲気が一切ない…とは随分水準の低いホメ方かも知れませんが、過度に本気ぶることなくライフスタイルと信条を燃えるがままに燃やす、というのがこの手のバンドの良さが決まる大きなポイントだと思っています。あっあとバスドラの音が軽くメタルっぽいのも恐らくポイント高いです。メタラー的にはNUCLEAR ASSAULTやM.O.D.の局所的延長線上のものとしてバリバリ楽しめるでしょう。