scsidnikufesin

30 May, 2009

▼27日は鶴舞KDハポンにてログメンの初ライブでした。事故だらけではあったがそこも含めて面白いものになったのでは。年内のそう遠くない時期に次回もあるようなので、もうちょっと立派になっておきます。

▼24日に届いていたSONIC RESEARCHの「TURBO TUNER ST-200」ですが、いやー実際凄いです、恐ろしい追従性と感度。ネット上では「正確すぎてなかなか合わない」「『正確すぎてなかなか合わない』ということはない」と両論が飛び交っておりますが、特別不器用でなければ後者であろうと思います。さっきはちょっと高かったはずなのに、なんでもういっぺん弾くと低いってことになってんの!?とか、Bを弾いてんのにF#出すな！というよくあるイライラはまーったく皆無。これを使ってオクターブチューニングしたら、なにやら出荷状態以来聴いたことのないクリーンな和音が鳴り響きましたことです。これは本当にいいものを買った。

▼今日もラジオで「HEAVY METAL SYNDICATE」を聴きながらの更新であります。ティム・"リッパー"・オーウェンズ、クソ上手いがロニーに似すぎで驚いた。しかも前はこんな印象じゃなかったのに。ANGEL WITCHが東京1回限りの来日公演！見たいようなそうでもないような…!!ドラムが一時期手伝っていたトム・ハンティング（ex.EXODUS）だったら興味ありますが。RIOTが「THUNDERSTEEL」期のメンツで再結成、しかも「THUNDERSTEEL」全曲演奏とな。あの超音波シンガーって確かゲイになったのでは？FAIR WARNINGが新譜発表…相変わらずこのバンドの聴きどころがわからないっす。おおMARS VOLTAが流れたこの番組で。びっくり。作風がVOIVOD＋WATCHTOWER＋SOUNDGARDEN（もしくはKINGSTON WALL）みたいになっちゃってますが、とうとう今、そういう時代ですか??

うーむ、途中だけど寝よ。（現在28：31）

26 May, 2009

▼おー滞りがちな更新。DOIMOIのライブが控えるところにログメンの曲作りと練習に追い込みがかかり、ひまな時間をすっかり欠いておりました。ということで23日は新栄SONSET STRIPでのイベントに出演。記憶に残るいい一日を過ごす。翌24日、KDハポンにて原智彦氏の「草枕」を観劇し、夕方から4時間半ブッ通しでログメンの現地リハ。あっ「草枕」はミクストメディアなパフォーミングアートに興味がおありの方なら（？）是非見ておいてください。途中壁面を開け放っての名古屋市とのコラボにどきどきした。同日、SONIC RESEARCH社のチューナーが届く。これに匹敵する性能のものがマイクスタンドにマウントできるサイズで現れない限り、理想のチューナー探しの旅はこれにて終了です。そして現在、LOVELESS GUITARSさんでタップスイッチとダイレクトスイッチをつけてもらうのを楽しみにしつつ、色々とやることがたまってどうしようかというところ。

本日のレビュー：MAUDLIN OF THE WELL「BATH」

おもむろに。以前これの前のアルバムを紹介しているKAYO DOTの前身バンドのたぶん2nd。サティ＋スローコアかと思いきや全力で激テクニカルメロディックブラック風にもなり、とことんタチが悪いうえにやたら真剣で陶酔的なMR. BUNGLEといった内容。というか書くべきことは前作のレビューとまったく同じです。変態を調査研究してやっている変態ではなくて、普通なものを組み替えたり切り取ったりして変態面を探し出す能力に非常に長けたバンドですな。どこをとっても浅さがなく、面白いです。

16 May, 2009

▼前回の更新のときに思案していたログメンの新曲をようやく合わせて練習。何せ2人編成なので、貸スタジオに入らなくても、カホン＋ペダル（≒バスドラ）、タンバリン＋手ぬぐい（≒スネア）、卓上のシンセ類とアンプで設備は事足りるうえ、同じ建物のフロア違いに居住しているため練習までの移動時間が徒歩1分未満というフットワークが非常に楽。ライブまで一週間とちょっとになっちゃいました。

5月27日 (Wed) 名古屋鶴舞 KD JAPON: 「MIR日本演奏旅行」; MIR(スイス) / flyline（臼井康浩＋Kei） / ログメン（杉山明弘/DOIMOI＋星裕久); 開場19:00 / 開演19:30; 予約￥2,000/当日￥2,300

の前にもこれあります！

5月23日 (Sat) 名古屋新栄 SONSET STRIP: 「やったぜ！ノム杯 Vol.6」; 18：00開場 / 18：30開演; DOIMOI, モーモールルギャバン, JONNY, nothingman, 424, Zhamies; 前売1500円 / 当日2000円

本日のレビュー：MIND OVER FOUR「HALF WAY DOWN」

93年。ダメそうなジャケの雰囲気そのままの、いかにも当時っぽいハイブリッドグランジメタルバンドです。流行り便乗系の割にはそこそこキャリアがあって、88年から96年までの間に本作を含め5枚の音源をリリースしていたとのこと。内容的には、JANE'S ADDICTIONやFAITH NO MOREみたいな素っ頓狂ミクスチャーに憧れながらもどうも根底にSKID ROWみたいなニオイが染み出てしょうがなく（主に声質と音作りのせいだと思いますが）、何故かギターワークはVOIVOD的でもあったりするという、珍しさでいえばかなり凄い音楽性。更にはどの曲も、もはやそれが個性の域というくらいに常に煮え切らない。何というか、この手の「事故ロック」が好きな人にはたまらないです。とにかくダメというのではなくて、特上のありえなさが楽しい。暇さえあればこういうバンドもコンプリートしてみたいものです。

14 May, 2009

▼収穫はなし。前回の更新で名古屋市の駐輪規制事情を「困ってる人がいるんだから」的な視点で書きましたが、今日自転車で赴いた千種駅近くのミッキー吉野家こと吉野家まで、なんと停め場所がなくて昼食に入るのを断念せざるを得ないという事態に自分が遭遇。仕方なく、少し離れた（整理員のじいさんの監視の目が光ってないエリアの）ココイチへ避難するも、こんなことなら近くのココイチで食っておけば…気分を変えていつもと違う店員のいる店舗で食べたいとか別に思わんし…と腑に落ちず!!京都議定書の名の下に、近代文明が誇るクリーンエネルギーヴィークル・自転車をもっと保護優遇せよ名古屋市。

▼今日もこの程度の一日であった。頭はずっとログメンの新曲のエンディングを考えていた。

本日のレビュー：GENESIS「SELLING ENGLAND BY THE POUND」

高校生の頃、CDなのに擦り切れんばかりにこのアルバムと「FOXTROT」を聴き込んだ私は、枠としての「いわゆるプログレ」を思うときに真っ先に出てくるバンドがGENESISであったりします（クリムゾンとかはもっと大きな存在だと思う）。

バンド脱退後は変態ニューウェイブポップスを経て何食わぬ顔でアダルトコンテンポラリーシンガーになった放送禁止系仮装野郎ピーター・ゲイブリエル、バラード路線からやはり同じくアダルトコンテンポラリーシンガーになりつつドラマーとしてビッグバンドのリーダーを楽しんでしまったりもするフィル・コリンズ、小っ恥ずかしいAOR（好きですけど）をやっても結局普通に売れたマイク・ラザフォード、重厚長大シンフォだろうとコンパクトサイズだろうと関係なくいつの時代もアクロバティックなコードワークを楽曲に紳士的にフィットさせることだけが使命のトニー・バンクス、この4人のプレイヤーおよびヴィジョニストとしての器をプログレ幻想の方向に引っ張っていこうとがんばるもののやがて力尽き、自身も結局AORに手を染めるハメになる元祖ポンプロック職人スティーヴ・ハケット…という何とも無理矢理なバランスの上に成り立っていた「プログレ・スタイル」のバンドでした。

で、このアルバムは、まだ誰のエゴも肥大化せず、時流にそって「じゃ僕達もプログレやりましょう」とまとまっていた頃の作品であるからして、甘すぎず辛すぎず、寓話的にしてドリーミー、統率のきいた演奏にはHATFIELD & THE NORTHばりの躍動感があり、ま非常にいいんですわ。「TRESSPASS」から「DUKE」までならどれでも最高ですが。ドラマティックで広大な展開美をもつ代表曲"Dancing With The Moonlit Knight"や"The Cinema Show"は言うに及ばず、ポッププログレここに極まれりな彼らの専売特許的隠れ名曲"The Battle Of Epping Forest"などにも、テクニックの異常な高さと同時に発せられるユーモアや人懐こさの楽しみが溢れております。インストパートをガッキゴキに作り込んで歌と乖離していかなくても、両者をうまく渾然一体とさせながらひとつの楽曲を豊かに膨らませていけるということを、思えばこの人達から学んだものです。「屈折ポップス」全盛の今の時代、変な方向から見直されてもいいのに、と思います。やってる人もおりますが。

10 May, 2009

▼昨日は午前中に鶴舞方面で用があって、そこから暇になったので、曲作りでもしつつ歩くかということで本山まで徒歩で移動したのでした。道中インスピレーションを求めて今池P-CAN（その手前の千種HALF WAYがなくなったのは未だに寂しい）、池下ブックオフ、覚王山ハードオフと立ち寄りつつも特に何もなく、最後に行ったバナナレコード四ツ谷店にて9日の収穫、CAMEL「RAIN DANCES」、315円でPUBLIC ENEMY「APOCALYPSE 91...THE ENEMY STRIKES BLACK」（ANTHRAXとの共演曲"Bring The Noise"収録）。バナナはCDの試聴ができなくなっていた。やたらめったらな量のコメント書き込み→試聴機、という流れこそバナナの真価だったのに、どんなやむにやまれぬ事情があったのやら。

▼変わっていたシリーズその2：今日実家に帰ったら、駅前の駐輪場が有料化していた。明らかに利より害のほうが大きい形ばかりの美化で、市民はあれでは困り果ててしまいます。自転車に縁の深い河村たかしは、そのへんも是正してくれるとウチの母ちゃんが助かるのだが。

▼同その3：ひっさびさに御器所ディスクヘヴンに行ったら、プチ移転してまだ2～3年くらいだというのに入り口のきったないポスター・張り紙類がすべて剥がされ、もぬけの殻に。何度近くを確認してもその場所に間違いないので、信じきれず階段をのぼって中を覗こうとしてみると、箱に入ったチラシが足元に。4月1日に大須に移転していたというではないですか…知らなかった。大須といえば、まだ店に多少なりともイケイケな勢いがあった頃、デスメタル専門店「SOUTH OF HEAVEN」（これは旧本店のすぐ近く）に続いて「GREAT ROCK'N'ROLL HEAVEN」を出店したもののすぐに撤退の運びになったことがあって軽く鬼門のイメージがあるので、便利なところだけど大丈夫かという懸念もあります。チラシにも「これで、ダメなら本当に閉店ですので、宜しくお願い致します。」といかにもマスター節な（句読点の位置が特に）泣かせ文句が添えられておりましたので、愛ある在名古屋メタラーは引き続き利用しましょう。

本日のレビュー：CAMEL「RAIN DANCES」

英国プログレきっての紳士的薄口叙景派、CAMELの77年作です。CARAVAN～HATFIELD & THE NORTHのリチャード・シンクレア（Vo./B.）が加入しての1枚目とのこと。御大を獲得してのテンションの高揚がそのまま表れたかの如く、それまでとはやや雰囲気の違う跳ねるようなジャズロックテイストやら、毛布のような優しい歌声×2のデュエット（アンディ・ラティマーも大概いい声の人なので）やらがふんだんに聴けます。そこに更に当時ならではの商業フュージョン色も程よくふりかかって、「プログレ」「歌もの」「（当時のイディオムでの）ポップ」が理想的な三つ巴を組んだアルバムに仕上がっています。「タイミングゆえ必然」な感じが好きです。小粒なインストの配し方がどこか中途半端で、構成の弱さはある気がしますが、さほどのマイナス要素にはなりません。CAMELファンもポッププログレ好きも聴いておくべき良作。

7 May, 2009

▼収穫はなし。休みが終わると日々の感動の在りかもすっかり電車の吊り広告とショップ99の中だけに制限されてしまっていけない。何かしら拡張するとすればやはり読書なのか。この歳までロクに本らしい本も（バーンとヤングギターとユーロロックプレス以外）読んできてないから、何からどうしてよいのかわかりません。あと本に書かれていることって、結論をもった個人の主観であるからして、ある程度読み進んだところで「コイツは信用できないことがわかった」という結果に至るだけ、てことになるとツライものがありますよね、そのあたり読書ジャンキーの方々はどう折り合いをつけてるんでしょうか？「何かを妄言だと気付くということは、そこではないところに真なるものがあると悟るということだ」的な受け取り方で生産的な方向に持っていく訳でしょうか。と、踏み出さない理由をごたごたと用意する時間こそが夢想家の妄言にも劣るわけですが。あーそういえば、1年前くらいにまとめ買いして全然読めてない「BURRNIN' VINYL」（BURRN！誌バックナンバーのインタビュー部分だけコンパイルした超ストイックな単行本）全10冊を読破してからこんな悩みは持つべきでした。こうなったらヘヴィメタルだけからあらゆるインスピレーションを受けてヘヴィメタルに全てを学ぶ人生を送ろ。

本日のレビュー：DAMN THE MACHINE「DAMN THE MACHINE」

MEGADETHの初期、インテリジェント・スラッシュと呼ばれた時代にレガート＆アウトな危ないリードギターを聴かせてくれたクリス・ポーランドという人がおりました。バンド脱退後もぼちぼちソロを出したりしていたところでプログレメタルブームが到来し、おお時代が俺のとこに来た、そろそろいっちょ大々的に…と思ったのかどうか知りませんが、とにかく改めて復活を果たしたのがこのバンド。93年にA&Mからこのアルバムだけをリリースしてまた消えてしまいました。

内容的には、下地にRUSHが色濃く感じられる、割と叙情的でたまにへヴィなプログレメタル。ゴリッとした面はPESTILENCEのラスト作やCYNICを彷彿とさせる感じです。変拍子云々というよりは（無論それなりに出てきますが）展開のしかたが不定という方向での屈折具合。例のピョロピョロした不思議なリードギターはさほど堪能できず、楽曲性を最優先させたがゆえの地味さもまたRUSH的。ヴォーカルが声質・唱法ともI MOTHER EARTH似なのが更に追い討ちをかけるかの如くアレックス・ライフソン趣味。これでもうちょっとテクニカルさが強調されていたらCONTROL DENIED風でもあるかも。要するになかなか珍しいタイプということで、この時代の一連の動きを研究しているようなマスメタラーの皆さんには一応チェックしておいていただきたい盤かと。全然酷いということもないのに、何故中古の500円以下でいつもゾロゾロと見掛けるのでしょうか。

6 May, 2009

▼今年は珍しく大型連休をベタに遠出で過ごしまして、諸々の都合で大阪のはずれに泊まるところだけアテがあったので、3日から今日まで京都～高槻～大阪のノープラン旅行に赴いて参りました。主に安いものグルメ探し。

初日京都（3日・日）…ありとあらゆる市バスのバス停が大行列になるほどの観光客の多さでグッタリし、ど直球すぎて全然行く気のなかった八坂神社付近～二年坂・三年坂あたりに日没前後に迷い込んだら、人もまばらになったところに軒先の白熱灯（蛍光灯は規制されてるんでしょうか、どこもこぞって白熱灯でした）が風情ある光景をつくっておりました。昼にはその後そこら中で見かけることになる「天下一品ラーメン」を人生で初めて食す。夜も割とそのへんにある「CAFFE SOLARE」でほどよい塩梅のつくね丼に満足する。

2日目高槻（4日・月）…主に嫁さんの旧地元めぐり。24型の自転車で駅前から摂津峡まで行って帰ってきてヒザが大変なことに。この日と前の日の高槻市内は、駅付近のそこら中のデパート内外・公園・学校・飲食店で朝から晩までジャズのストリートライブをやるという恒例の催しらしき「高槻ジャズストリート」なるものが行われていて、名古屋のNEXT ORDERも出演していたようだったのですが見つけられず（パンフレットを早めに入手しておけばよかったと悔やまれる）。とりあえずオーストラリア発の多国籍風グループ・WAY OUT WESTだけガッツリ見てきました。ドラムのにいちゃんがかなりイケメンであった。食べ物は、宿泊場所のすぐ近くのたい焼き屋「たい夢」のたい焼きが本当にうまかった。うどん屋「饂飩四國」のうどんも壮絶によかった。いずれも今すぐ名古屋に上陸してもらいたい。

3日目大阪（5日・火）…適当に梅田から難波の手前までアーケードを渡り歩き、足の裏が腫れるまでの疲労をかかえつつ北極アイスで癒される。昼過ぎから本格的に降り始めた雨のお陰でアーケード内の人手がほとんどモッシュ状態でした。んで街に出るとさすがに収穫がありまして、梅田駅近くのMUSIC INN（バーゲン品段ボールのB級メタル率が尋常でない！）にてDAMN THE MACHINE「DAMN THE MACHINE」（外盤に買い替え）、GOLEM「THE 2ND MOON」（DIE APOCALYPTISCHEN REITERを出していたARS METALLIリリース）、SARNATH「OVERSHINE」（SHIVER RECORDS）、心斎橋筋のブックオフでCUONG VU「PURE」（2000年KNITTING FACTORY、250円！）。この日も「たい夢」のたい焼きを買う。

そして本日6日、名古屋に戻ってログメンの練習。自分で作った曲が難しすぎて久々に死ぬ思いをする。これで明日（世を忍ぶ仮の）仕事なんてなー。もうちょっとJRや阪急と仲良くしていたいっす。

2 May, 2009

▼収穫はなし。親切な新曲を作ろうとすると全部KING'S Xになるここ最近。KING'S Xの特にタイ・テイバー色というものを思うと、この歳になっていよいよTHE BEATLESをちゃんと聴くべきかという気になる。今まで頑なに「無目的にただ教養としてビートルズを知ろうとするのはよそう」と天の邪鬼思考を発動させ続けてきましたがそろそろ限界のようです。しかしなんでビートルズはこんなに普遍的な存在なのに、未だに中古CDが外盤で1400円とかしちゃうんでしょうか。リマスターBOXでも出て旧盤が値崩れしてくれよと世界中のリスナーが思っていることだろうに。あと、私はインドカレーが好きです。インド人がやっているインドカレー屋が大抵どこもウマいのは何故でしょうか。それは多分ジャパニーズカレーとは世界が違いすぎて店ごとの差異を噛み分けられてないのはおろか、多少ヘンな味でも「うむ、これが本場の常識」と折れて何でも受け容れてしまうからだと思います。しかし少なくとも「分かるようになれば多分ウマいはず」と思える範囲内に全てが収まっていることは確実なので、やっぱりインドカレーが好きなんだと思います。

本日のレビュー：KING'S X「PLEASE COME HOME... MR. BULBOUS」

ということでKING'S X。近頃いかにも新しくCDを買ってないという感じのチョイスが続いてすみませんです。BEATLESミーツMETALLICAと言われてデビューして（昔は薄っぺらい形容だと思っていたけどかなり当たっていると思う）、へヴィ・浮遊・天然・シンプル・屈折な性質が折からのグランジ/オルタナブームと奇跡的に合致した「DOGMAN」（94年）・「EARCANDY」（96年）でたぶんキャリア的には頂点を迎えて（日本の一般的なメタラーの思う頂点はもう少し前）、2003年の「BLACK LIKE SUNDAY」で再びハツラツとするまでの間の3作はファンからもひたすら「地味」「地味」「地味」と好ましからざる言われようが続く時期となっておりまして、このアルバムはその中の1枚。

冒頭から確かに、ビートの質というか何というかそんなものが、誰に向かってアピールするでもないようなどんよりした感じで、波長を合わせて中身まで聴き入るには多少の準備を要します。だがしかしそのガツガツ来ない地味さの間に仕組まれた、こっそりイノヴェイティヴなパーツの数々よ。リフひとつ、転調ひとつとっても、ロックの歴史上このアルバムで初めて耳にするであろう思いがけないネタがけっこうボツボツと盛り込まれているのです。彼らのアルバムの中でも間違いなく変態の極北な1枚のはずですが、それをこんなに目立たないように済ませてしまう彼らの控えめ具合にはただただ頭が下がります。三声コーラスを頻繁にとるというイメージを差し引いても、3人のアンサンブルの密な協調から生まれる温かさを一番大事にするバンドであるという姿勢が伝わってきます。一度楽しく聴けるようになれば一生聴き続けられる音楽。ちなみにこの次の「MANIC MOONLIGHT」も、薄さの中の人肌感がたまらない隠れ名作であります。